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今日の時事英語

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2010年9月

2010年9月26日 (日)

中国漁船衝突事件に思うこと

V
異例!検察が外交的配慮?「政治決着」で釈放か 沖縄・尖閣諸島沖の日本領海内での中国漁船衝突事件で、那覇地検は24日、公務執行妨害容疑で逮捕され、拘置中の中国人船長について、処分保留のまま釈放すると発表した。 地検は日中関係への配慮などを理由としたが、検察当局が刑事処分の理由に外交的配慮を挙げるのは極めて異例で、事実上の「政治決着」と受け止められている。中国側が日本近海での海洋権益確保の動きを一段と強める可能性もあり、今後、菅政権の対応の是非が問われることになりそうだ。 ●其雄(せんきゆう)船長(41)は石垣市の八重山警察署に拘置されており、25日午前1時半頃に石垣空港に到着する予定の中国のチャーター機で送還される見通し。(●は「擔」のつくりの部分) 24日に記者会見した那覇地検の鈴木亨・次席検事は冒頭、●船長が漁船を左に急旋回させて第11管区海上保安本部(那覇)所属の巡視船「みずき」に衝突させたと指摘し、「故意に衝突させたことは明白である」「巡視船の乗員が海に投げ出される恐れのある危険な行為だった」と強調した。 その一方、〈1〉「みずき」に航行に支障が生じるほどの損害はなく、負傷者もいない〈2〉追跡を逃れるためとっさにとった行為で計画性は認められない――とした上で、「我が国国民への影響や今後の日中関係も考慮すると、身柄を拘束して捜査を続けることは相当でない」と説明。釈放の決定は「福岡高検、最高検と協議して判断した」と述べた。今後は「任意捜査を継続する」としているが、釈放、帰国となれば捜査は事実上、終結する。鈴木次席検事によると、●船長は公務執行妨害の容疑を否認しているという。 11管や地検の発表によると、漁船は7日午前9時15分頃、尖閣諸島・久場(くば)島の北西約10キロの日本領海内で網を下ろしていたため、巡視船「よなくに」が停船命令を出したところ逃走。●船長は、追跡する「みずき」の右舷中央部に衝突して立ち入り検査を妨害した疑いで8日、11管に逮捕された。 石垣簡裁が10日、●船長の10日間の拘置を認めると、中国政府は翌11日、東シナ海のガス田共同開発に関する交渉延期を発表。19日にさらに10日間の拘置延長が決まった後は、閣僚級以上の交流停止など報復措置も表明したほか、20日には、中国河北省で、中堅ゼネコン「フジタ」の日本人社員4人が中国当局に拘束される 事態も起きていた。 (2010年9月24日21時29分  読売新聞) ---------------------------------------- 尖閣諸島は間違いなく日本領土です。日本国内で起きた事件ですので、日本の法律に基づいて解決するのが当然です。 今回の件で中国側は「違法で無効な措置」として謝罪及び賠償要求を日本側に要求してきていますが応じる必要はありません。 菅総理は「検察当局が事件の性質を総合的に考慮し、関連法に基づいて粛々と判断した結果だと承知している」とし、また仙谷官房長官が「検察の総合的判断」としている以上は、政府が検察に圧力を掛けて中国人船長を釈放させたかどうかは分かりません。その一方で片山総務大臣によりますと「高度の政治判断があったのではないか」としています。またそれ以外でも政府の関与を疑わせる報道があります。 やや話は変わりますが、明治時代に大津事件という事件がありました。 この事件をご存知の方も多いと思いますが、1891年(明治24年)5月11日に日本を訪問中のロシア帝国の皇太子・ニコライ(後のニコライ2世)が、滋賀県滋賀郡大津町(現・大津市)で警備にあたっていた巡査・津田三蔵に突然斬りかかられ負傷した、暗殺未遂事件です。この事件は司法が行政からの圧力に屈することはなく、司法が行政からの独立を貫いた事案としても知られています。 当時の明治政府は超陸軍大国である列強ロシアに対抗出来るだけの国力を有しておらず、ロシア政府への配慮から日本政府は司法に対し旧刑法第116条の大逆罪に基づき津田巡査を死刑にするよう働きかけました。しかしこの条文に規定されているのはあくまで日本の天皇や皇族に対して危害を与えたものに適用されるものであって、外国の皇太子に関するものではありません。従いまして適用すれば刑法の類推適用になります。刑法では罪刑法定主義の趣旨から類推適用は禁止されています。刑法で類推適用が行われればその適用範囲が無制限に広がり、国民の権利が保障されない虞があるからです。このことから当時の大審院(最高裁判所)は明治政府のこの働きかけを拒否しました。 さて、今回の中国漁船衝突事件に対する日本の司法の判断はどうでしょう。一部には今回の釈放は法的根拠がはっきりせず、超法規的手段ではないかとの指摘があります。大津事件には明確な政府の働きかけがあったのに対し、今回は前述の様に少なくとも政権中枢は検察への圧力を否定しているのでケースがやや違います。しかしいずれも国際問題化した事案であり、隣国への配慮という難しい判断があったケースではあります。大津事件は国内法の規定に基づき処理された事件であるのに対し、今回は「日中関係への配慮」としています。しかし今回と同様のケースがあった場合はどう対処すれば良いのか海上保安庁関係者や地元漁業関係者から憂慮する声が上がっています。 また今回は万が一軍事衝突となた場合でも日本単独で中国に対処する虞もありませんでした。いざとなれば日米安保条約が発動されました。確かに米国は今回の問題で日中関係が悪化することに憂慮を表明しましたが、その一方で万が一の場合は尖閣諸島が日米安保条約の対象となると多数の米政府高官が明言しました。以前に日経新聞が日米安保条約特集を行っていた時にある在日米軍関係者の「米国は有事の際は中国から日本を守る。しかし一番肝心の日本側にその気概があるのか」とのコメントが非常に印象に残っています。 今は様々なレベルで幕末や明治維新が例に挙げられる事が多くなっていますが、ぜひ今回の件では大津事件も見習って欲しかったと個人的には感じた次第です。

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(上の経緯に関する表は2010年9月25日産経新聞より)

2011年02月11日(金)追記:中国人船長に修理費請求…海保、漁船衝突で (2011年2月10日23時40分 読売新聞)

2010年9月21日 (火)

防衛省、陸自1万3千人増検討 新防衛大綱で調整難航も

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防衛省が流動化する東アジアの安全保障情勢や国際テロ、災害への対処能力を向上させるとして、陸上自衛隊の定員を現在の15万5千人から16万8千人へ1万3千人増やす方向で調整していることが分かった。複数の防衛省、自衛隊関係者が19日、明らかにした。年末に策定する新たな「防衛計画の大綱」に盛り込みたい考えで、来年度から増員すれば1972年度以来、38年ぶりの規模拡大となる。
定員増は陸上幕僚監部の強い意向を踏まえ、防衛省内局で検討。陸幕は日本近海での中国海軍の動きの活発化に伴い、中国沿岸から距離的に近い南西諸島での島しょ防衛強化が特に必要と説明。天然ガスなど東シナ海の資源獲得をめぐる日中摩擦も生じており、政府、与党の理解が得やすいと判断したようだ。 具体的には、中国が領有権を主張する尖閣諸島(沖縄県石垣市)への対応を視野に、防衛態勢が手薄とされる同県の宮古島以西への部隊配備を検討。沖縄本島の陸自部隊は現在約2千人だが、これを2020年までに南西諸島を含めて2万人規模とする構想も浮上している。

(2010年9月19日 共同通信)
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まだ具体的なことは分かりませんが期待をしたいところです。中国漁船衝突事件でも日中関係は緊迫化しており、日本側としてはそれなりの備えをして意思表示をする必要があるでしょう。一部には陸自削減論がありますが、しかし陸自の人員が増えることは、数値として見た際にこれだけで大きな抑止力となります。仮にこの記事の通りに沖縄及び南西諸島に2万人の隊員を配置することになれば、これは中国側にしてみれば、投入する兵力が2万人以上(一般的な軍事セオリーで言えば3倍から5倍)が必要となることを意味します。
隊員の増員の必要性は以前から様々な方面より指摘されていました。従来型の防衛から国際貢献など任務は多様化しつつあり、増員は必須と言えるでしょう。陸幕の強い危機感の表れとも言えます。政治がこれに応えるかどうかを見守っていきたいと思います。昨年11月の事業仕分けでは、防衛省の自衛官増員要求を認めませんでした。その当時の仕分け人の一人であった蓮舫氏が「分からない、分からない」と防衛省側担当者の説明を聞こうともしなかったことを私はよく覚えています。あれから政治側の認識は変わったのでしょうか。
その一方でただ単に人員を増強すれば良いとの話ではなく、航空科(ヘリコプター)や高射特科(93式近距離地対空誘導弾)などの正面装備の増強と、海自との更なる統合運用の強化等が必要となってきます。当然インフラ整備や兵站も必要です。
また趣旨が離島防衛や国際貢献ということになれば、ただ単に頭数を揃えれば良いとのレベルではなく、練度や知識(若干の語学力や最低限の国際法知識)も要求されます。
課題山積みではありますが、日中間に大きな懸案があり、中国の急速な軍拡がある以上は、陸自の増員も必須ではないでしょうか。

平成22年9月24日(金)追記
「先島諸島に何らかの形で部隊配備したい。その調査を(次年度から)スタートさせたい。2万人は聞いたことがない」(北沢防衛大臣、平成22年9月22日 琉球新報)

平成22年12月12日(日)追記
財務省は14万8000人以下を主張(2010年12月8日23時15分  読売新聞)

陸自定員数ほぼ現状維持の方向に

平成22年12月13日(月)追記
陸自定員、1千人削減の15万4千人で合意(2010年12月12日16時34分 読売新聞)

2010年9月13日 (月)

防衛省 平成23年度予算概算要求に思うこと

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このブログを読まれている方であればご存知の事と思いますが、防衛省の平成23年度予算概算要求が8月末に発表されました。PDFで防衛省のホームページよりダウンロードが出来ます。
概算要求額と要望額の合計は4兆7123億円、前年度比298億円の0.6%増となっています。今回の概算要求ですが『本年末に予定される防衛計画の大綱の見直し、平成23年度以降の中期的な防衛力整備計画策定に向けた「新たな時代の安全保障と防衛力に関する懇談会」における議論や、これまでの省内の検討状況を踏まえ、平成23年度要求を実施』との記述があります。この記述の意味することは即ち今年度の概算要求を見れば、年末に予定されている防衛大綱の改定の方向性が分かるということです。そういった意味でも今回の概算要求は注目に値すると思われます。
それではこの概算要求に関して私なりに興味を持った部分をこの記事で書きたいと思います。
まずは正面装備からです。PDFの23ページから25ページに記載されています。( )内は筆者のコメントです。

1.航空機
(1)陸自
多用途ヘリコプター UH-60JA×3機
輸送ヘリコプター  CH-47JA×1機
戦闘ヘリコプター  AH-64D×1機 (驚きの復活です。)
新練習ヘリコプター TH-480B×28機 (三ヵ年分を一括調達により経費節減)

(2)海自
固定翼哨戒機 P-1×3機
哨戒ヘリコプター SH-60K×4機
掃海・輸送ヘリコプター MCH-101×2機
初等練習機 T-5×5機
回転翼練習機 TH-135×2機
固定翼哨戒機 P-3C延命×1機
回転翼哨戒機 SH-60J延命×2機

(3)空自
戦闘機F-15近代化改修×8機分
戦闘機F-15自己防御能力の向上×2機分
戦闘機F-2空対空戦闘能力の向上×3機分+36機分
戦闘機F-2へのJDAM機能の付加×12機分
次期輸送機C-2(仮称)×2機
次期救難ヘリコプターUH-X×3機(SH-60Kの改修型かEH101が候補の模様。一部業界関係者によりますと今後は海自の哨戒ヘリも欧州製になるとの観測があります)
早期警戒管制機E-767レーダー機能の向上×3機分

早期警戒機E-2Cの改善×1機分  

2.艦船
潜水艦(SS)×1隻 (4ページの「警戒監視能力の強化」にも記載されています。同項目には「潜水艦の延命」との項目もあり、以前当ブログでも採り上げました「海自潜水艦を増強 活発化する中国海軍に対処 防衛大綱改定」の流れに沿ったものと思われます。)
掃海艇(MSC)×1隻
はつゆき型護衛艦の延命×1隻分
あさぎり型護衛艦の延命×1隻分+3隻分
とわだ型補給艦の延命×1隻分


3.誘導弾
(1)陸自
03式中距離地対空誘導弾×1個中隊
短SAM改Ⅱ×1式(従来型の発射方式からキャニスター発射方式に変更され、小型の空対地誘導弾や巡航ミサイルに対応可能となったとされています)
96式多目的誘導弾システム×4Set
中距離多目的誘導弾×12Set

(2)空自
基地防空用SAM×教育用1式

4.火器・車両等
(1)陸自
mm拳銃×137丁
89式小銃×10033丁 (89式小銃はここ数年高いペースでの調達が続いています)
対人狙撃銃×91丁
5.56mm機関銃MINIMI×265丁
12.7mm重機関銃×118丁
81mm迫撃砲L16×5門
120mm迫撃砲RT×4門
99式自走155mmりゅう弾砲×8両
10式戦車×16両
軽装甲機動車×107両
96式装輪装甲車×11両
87式偵察警戒車×1両
NBC偵察車×11両 (4か年度分11両を集中調達するとのことです)

(2)空自
軽装甲機動車×9両

5.BMD
空自
ペトリオット・システムの改修×1式

主要な装備品に関する予算の概算要求は以上となっています。来年度概算要求で個人的に気になった点は下記の五点です。
まず第一点目ですが空自FX選定関連ですが次期戦闘機F-Xに関する調査が盛り込まれています。しかし一部で報道されていたF-2戦闘機の追加調達はありませんでした。
第二点目ですがこのブログでも取り上げた「将来の戦闘機に関する研究開発ビジョン」の「必要な研究事項の方向性などについて整理し、関連した研究を推進する」とし、同プロジェクトに着手することが明記されています。将来への投資と言えるでしょう。
第三点目はUH-1の後継として新多用途ヘリコプターの開発が研究開発に盛り込まれていることです。個人的にはUH-1の双発型となると予想していたので意外でした。以前から研究が行われてきたOH-1の改造型です。しかしOH-1の改造型と言っても用途や要求される性能が根本的に異なるため、全く別の機体と言って良いものになるでしょう。
第四点目ですが海自関連で新規の護衛艦調達はなく、その代わりにはつゆき型及びあさぎり型護衛艦に対する延命措置の実施が要求されています。やや寂しい結果です。
そして最後になりますが、個人的に最も今回の概算要求で注目したのは「島嶼部における各種事態への対応」という項目です。一部関係者から空自FX選定でF/A-18EF-35と並ぶ有力候補として急浮上しつつあるとの分析もこの関連の様です。この項目は陸自の一部を海兵隊化することが防衛省で検討されているとの一部報道にも合致します。「離島侵攻対処に係る海、空自衛隊との連携要領等を実動訓練により実施」と概算要求にありますが、先日明らかになりました今年12月に大分県の日出生台演習場で行われる予定の陸海空自衛隊と米軍とで共同で行われる「離島」奪還訓練もこの流れに沿ったものと思われます。南西諸島への自衛隊配備について菅総理も5日のNHK討論番組で「一つの検討課題だ」と述べ、前向きな考えを示しており実現化する可能性が極めて高いのではないでしょうか。尖閣諸島沖で7日に発生しました海上保安庁の巡視船と中国の漁船が接触した問題で現在も日中間の緊張が高まっており、このことは領海問題が一歩対応を誤りますと軍事衝突にもなりかねない危うさを孕んでいることを改めて浮き彫りにしました。米国も今回の問題を注視しており、ウォルシュ米国太平洋艦隊司令官は8日に都内で会見した際に「いつでも海上自衛隊の要請に対応できるようにする」と述べています
その一方で普天間基地移転問題の迷走で、最近は米国政府内で日米同盟が米韓同盟よりも格付けが下になりつつあるのではないかとの見方があります。こういった事を書きますと、「米国の顔色を伺い過ぎ」だといった意見や「気にする必要がない」との意見も出るかもしれませんが、極東アジアの情勢が不安定化する中で、世界最大の軍事大国でもある同盟国からの優先順位が下がったという事実は厳粛に受け止めた方がいいと考えます。韓国の盧武鉉政権時代がそうであった様に最新鋭兵器の調達や共同開発、ライセンス生産の交渉にも支障を来す可能性もあります。
14日は民主党代表選挙が行われます。
候補者間で普天間に関して意見の相違がある模様ですが、どちらの候補が勝利しようとも、外交戦略の策定と抑止力の整備は急務と言えるでしょう。

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