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2010年10月 9日 (土)

米国製無人偵察機、3機導入へ 中国や北朝鮮想定

Global_hawk

防衛省は中国の軍事的な台頭や北朝鮮の核、ミサイル開発に対応するため、米国製の無人偵察機グローバルホークを3機導入する方向で検討に入った。年末に策定する新たな「防衛計画の大綱」に基づく中期防衛力整備計画(中期防、2011~15年度)に盛り込みたい考えだ。複数の防衛省・自衛隊関係者が3日、明らかにした。 沖縄県・尖閣諸島周辺で起きた中国漁船衝突事件も導入の追い風になると判断した。現在の中期防は無人偵察機について情報機能強化の観点から「検討の上、必要な措置を講ずる」と明記。防衛省は03年度から無人偵察機の基礎的な技術研究に着手している。 だがグローバルホークの方が国産より性能やコスト面で優位に立ち、米政府も複数のルートで日本に購入を打診してきたことから、輸入の先行に傾いた。搭載装備を含めて1機約5千万ドル(約41億5千万円)で、合計120億円超に上る見通しだ。これに加え、司令部機能を持つ地上施設の整備に数百億円を要すると見積もっている。 

(2010/10/04 02:02* 共同通信)
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グローバル・ホークは、上空約1万8000mの高々度から、様々なセンサーやレーダーで半径約200~500Kmの偵察・監視を行うことができ、4平方Kmの解像度の高い画像を1分間に5~6枚撮影できるとされています。航続時間は約32時間です。
数年前からグローバルホークの導入の検討は行われていました。例えば2006年1月12日の読売新聞の報道でも「米国製の無人偵察機、07年度から配備…防衛長官」とありましたが、結局のところこれは実現しませんでした。
しかし今年の9月24日にまずAviation Weekで“Japan To Decide This Year On Global Hawk Order”と日本がグローバルホーク導入を検討している旨の報道がありました。そのAviation Weekの報道によりますと、“The air force is pushing for an early move in which Japan would order the RQ-4B Block 30, the current U.S. Air Force production version.”「空軍 ( 航空自衛隊のことを指すと思われます ) が現行の米国空軍向けモデルであるRQ-4Bブロック30の早期導入を目指している。」“A force of four could provide a continuous patrol, even with one in deep maintenance.”「四機の導入は例え一機が本格的な保守整備中であっても持続的な偵察が可能となる。」と述べており、RQ-4Bブロック30を四機導入するとしています。しかしこれは共同通信の三機とする報道と異なっています。
Aviation Weekは今まで読んでいて細かい部分で間違いが多く、私個人としては半信半疑でした。上記の記述でも航空自衛隊をJASDFではなく“air force”としていることから考えても、少なくとも日本の防衛事情にそれ程詳しくない記者が執筆した記事ではないかと思われます。それ以外にも海上自衛隊をJMSDFではなく、“navy”としている記述も見受けられました。それ以外にも今回のこのAviation Weekの記事でも強く疑問に感じた部分があり、特に下記の文章は信憑性が余りない様に感じられました。
“Japanese industry could then take as much time as needed to develop sensors that would later be retrofitted to the RQ-4s, perhaps replacing some original equipment. That approach is considered essential, since Japanese sensor development could be quite protracted.”
「日本の業界はそれから、恐らくそもそもの部品の幾つかを交換する、RQ-4に後に追加されるであろうセンサーを開発するのに必要な時間を充分にとることが出来るであろう。この方法は日本のセンサー開発が極めて延滞するかもしれない為に必須だと思われる。」
“That retrofit could eventually include the Japanese Airboss infrared missile detection and tracking system. The sensor was successfully tested in December 2007 on a Japanese UP-3C, a converted maritime patrol aircraft.”
「その改修は日本のAirbossミサイル赤外線探知追跡システムをやがて含むであろう。このセンサーは2007年12月に哨戒機の改造型である日本のUP-3Cを母体とした試験で成功した。」
“A large sensor with a 60 cm. (24 in.) aperture, the Airboss is heavier than equivalent U.S. equipment. But studies of its structural and electrical requirements show that an RQ-4B could carry two in pods under its wings, one on each side. Mitsubishi Electric and NEC are involved in the development of the Airboss.”
「60cm(24inch)のレンズ口径を有する大型のセンサーであるAirbossは、米国の同等品より重量が重い。しかしこの構造的及び電子的要求に関する研究によるとRQ-4Bは翼下のポッドに、それぞれの側に付き一式の、二台の搭載が可能であろう。三菱電機とNECがAirbossの開発に携わっている。」
まずAIRBOSSとはTRDIにて開発中の将来センサシステムのことです。2005年11月と2007年12月に米国ハワイでの弾道ミサイル探知試験で捜索・探知・追尾に成功しています。

Up3c_airboss

まずAIRBOSSとグローバルホークとの互換性に関しては現段階では何とも言い難いのではないでしょうか。確かにサイズ的には搭載が出来ないことはないかもしれませんが、しかしこういった研究が誰によって一体いつどの様に行われたのでしょうか。少なくともグローバルホークの機体そのものが日本側になく、日本側が得られる情報もメーカーのカタログスペック程度しかないのではないでしょうか。この様なケースでは特にソフトウェアのインテグレーションが最重要課題なのです。米側からのソースコードの開示も必要となるでしょう。実際の機体も日本側になく、まだ導入も正式に決定していない機体であるグローバルホークに日本側が互換性を確認出来る方法はほぼ皆無ではないでしょうか。そしてAIRBOSSに関するデータを米側が有している筈もありません。開発予算や納期を度外視するのらば当然不可能ではないかもしれませんが、現実はそうではないのです。大規模な改修が必要となるでしょう。一体何を根拠にこのAviation Weekの記事はポッド式にして搭載可能としたのでしょう。このAIRBOSSのポッド式との話も少なくとも私個人としては聞い
たことがなく、Googleで検索しても私は見つけることが出来ませんでした。 従いまして、このAviation Weekの報道には懐疑的でした。
その一方で都内にてグローバルホークの実物大模型が今年3月24日、25日に公開されたことがあり、何らかの進展があるのではないかとも思っていました。Aviation Weekのこの記事も全てが的外れではなく、以前このブログでも執筆したことがありましたが、“An increase in the Japanese submarine fleet may also be announced in the new defense guideline”と防衛大綱改定で潜水艦の増強が検討されている旨が記事の後半に記載されていました(グローバルホーク導入と一体何の関係があるのかは分かりませんが)。
グローバルホークを日本で運用する際は航空法との兼ね合いや、民間旅客機との事故を避ける必要から硫黄島からの運用となるとされています。硫黄島から離陸させれば、目的地に到着する時点で高度20000mに達する為、民間機との間で事故が発生する可能性はありません。
グローバルホークの導入は実現しますと日本の偵察能力を大きく向上することとなりますが、その一方で戦闘機に攻撃される可能性のある危険な空域では戦闘機をベースとした偵察機の活用が望ましいところです。現在航空自衛隊ではRF-4EJ及びRF-4Eを運用していますが、後継機の導入は喫緊の課題です。防衛省はこれらの偵察機の後継にF-15改造型を充てる予定でしたが、メーカーにてセンサー開発が難航しまた今後の見通しも立たない為にメーカーとの契約を解除する方針である旨を今月1日に発表しています。
F-4後継機選定も大きな課題となっていますが、偵察機の運用も今後は検討し直す必要に迫られそうです。

Img_rf4e

2010年12月30日追記:中国北朝鮮を監視・・・無人偵察機の導入検討
2011年03月09日(水)追記:無人偵察機導入を検討=対中国、警戒監視強化-防衛省(2011年03月05日 14:52 時事通信)

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コメント

硫黄島を拠点にするなら、硫黄島への兵站も増加する。
硫黄島は地理的に港が造れない島だから、輸送には航空機か揚陸艦が必要。
更に、硫黄島は火山島なので、常に地形が動いている。その為、滑走路にヒビが入るので、定期的に補修が必要だそうだ。
コストのかかる話だから、仕分けされない様にどう説明するかが問題。

こういった無人機こそ国産で作れそうな気がするけど実際はそう簡単じゃないんだろうな

バラライカ氏
輸送は直接離着陸させれば良いのではないでしょうか?
兵站の整備と維持はどこに配備しようともいずれにせよ必要となります。
無人偵察機を有するメリット(そのものの能力とそれによって増えるオプション、そして無人機の運用経験ないしはノウハウ)を強調すれば、現状の国際情勢も踏まえまして、認められる可能性はあるのではないでしょうか。

イーグル氏
国産の高高度無人機よりも、ハードルの高さからグローバルホーク導入が優先されたことが、この手の機体の技術的ハードルの高さを物語っていますね。

直接とは?

本土と離島では兵站負担に差があるが・・・。

バラライカ氏
申し訳ありません。機体本体のことだと思っていました。兵站は確かに空輸になるかもしれませんね。

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