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2010年11月15日 (月)

空自FX選定に関する二つの矛盾した報道に思うこと

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当ブログの読者であればご存知の方も多いとは思いますが、先週空自FX選定に関して二つの矛盾した報道がありました。
一方は11月08日02:02の共同通信による「F35軸に12年度予算化へ 次期戦闘機で防衛省」という報道でした。
この報道によりますと、「F35開発の遅れや価格の高騰を受け、暫定措置としてF2の追加調達や現有の主力戦闘機F15の改修継続で対処する方向だった。だが軍事的にも台頭する中国に対して航空優勢を確保するため、レーダーに捕捉されにくいステルス性と超音速巡航能力を特徴とするF35など第5世代機導入の早急な決定が必要との判断に傾いた。40機弱の導入を想定している。」との報道でした。ソースとして共同通信は「複数の防衛省、自衛隊関係者が7日、明らかにした。」としています。従いまして、防衛省の公式発表ではありません。
その一方で11月10日03時03分の読売新聞の報道は「次期戦闘機、機種触れず…F35開発遅れで」と報道しました。
この読売新聞の報道によりますと、「来月策定する次期中期防衛力整備計画(中期防)では具体的な機種の明記を見送り、「新戦闘機」として整備の方向性を示す方針を固めた。」、「有力候補の一つで、米英など9か国が共同開発中のF35の性能情報が不足しているうえ、開発の遅れによって米空軍の実戦配備が2016年以降にずれ込む見通しとなったためだ。」としています。
共同通信は昨年の11月23日も空自FXにF35が確定したとの趣旨の報道を行い、その報道が翌日24日記者会見(08時47分~08時50分)にてに北澤防衛相に「あの報道は全く根拠がありません。従来、我々が内閣を引き受ける前に、色々と省内で検討したりしたことがあったことのパッチワークのような話が出ただけで、あれについてコメントする気もありませんし、防衛省の方針があそこに表れているということは全くありません。」と完全否定されるという出来事がありました。
個人的には読売新聞の報道が事実に近いとの印象を抱いています。もし読売新聞の報道が正しければ、共同通信は二年連続で誤報をしたことになります。更に言えば共同通信の今回の報道ではあたかもF35に超音速巡航能力があるかの様にも読み取れる記述がありますが、これも事実ではありません。第五世代戦闘機の特徴の一つとして超音速巡航能力があり、F35は第五世代戦闘機の一つであるとの意味かもしれませんが、誤解を与える記述である事は否定出来ないのではないでしょうか。
その一方で今回のこの二つの報道はF35を最有力候補としていることでは共通しています。防衛大綱に具体名を記述しないのは、あくまでもF35を本命として待ち続けるとの意図も透けて見えるのです。また防衛省は未だにF22を諦めていないとの噂も一部で散見されます。
そしてこれ以外にも空自FX選定でF/A18EがF35と並ぶ有力候補になりつつあるとの話も最近は良く聞く話です。 ボーイングも積極的に売り込みを掛けている様子が先日の朝雲新聞の報道からうかがい知れます。

Fa18e

(F/A-18Eの次世代コクピット。対空・対地作戦機能を統合した最新のAPG79アクティブ電子走査式アレイ(AESA)レーダーによる各種情報や、僚機・空中警戒管制機・イージス艦などからのネットワーク情報を大型タッチパネルに表示できるのが特徴。)
Keenedge氏も述べられている通りに、F35とF/A18Eでは日本国内でライセンス生産が出来る/出来ないで大きな差があります。ステルス戦闘機をライセンス生産出来る程の技術力を日本はまだ有していないというのが識者の共通見解であり、その意味でもF35のライセンス生産は日本にとりハードルが高い話ではあります。
もし第五世代戦闘機を日本が導入するのであれば、圧倒的な性能と引き換えに稼働率の著しい低下や国内生産基盤の衰退化を甘受する覚悟が必要となります。将来に於ける国産戦闘機開発にも支障を来すことにもなるでしょう。しかしそもそもレベルでF35にそこまでの価値を見いだして良いものなのかどうかが私としては確信を持てない部分ではあります。これがF22であればその性能の差は圧倒的であり、その価値があるとは言えたかもしれませんが。
第五世代戦闘機を導入しなければ抑止力としては見劣りするものの、ライセンス生産は可能となります。但し40機程度のライセンス生産が合理的か否かは議論の余地があるところではあります。この意味でもRF15Jの開発が暗礁に乗り上げた今、RF4E/EJの後継とFXの選定や電子戦戦闘機の選定を一本化するとの選択肢があっても良いのではないかと個人的には思います。しかし今回のFX選定はF15非MSIP型の後継にもなり得る機体です。それが第4・5世代機で良いかはこれも疑問ではあります。
選択肢としましては、下記の様なものが考えられます。

(1)F15やF2の改修を続けてF35導入の繋ぎとする。この場合は一時的な戦闘機数の純減も受け入れる。一部報道によればF2の改修後に搭載されるJ/APG-1(改)の空対空性能はF/A18E/FのAN/APG-79AESAレーダーを超えるという情報がある。
この選択肢と類似した考えとして、F2追加調達も一部で提唱されているが、防衛大綱で保有可能な戦闘機の定数が決まっており、F2を追加調達した場合はF35の調達数は減ることとなる。

(2)F4の運用が限界に近づいており、数的な劣勢を避ける為に今回は第五世代戦闘機の導入を断念し、第4・5世代機のライセンス生産ないしはF2増産で補う。この場合はF15E改良型が最も妥当であると個人的には考えるが、ボーイングは社内事情からか積極的ではない。
そして将来の国産戦闘機開発ないしは国際共同開発を目指す。技術的なハードルが高く、最先端技術の結集であることから開発費や調達価格が高騰し易い故に共同開発が望ましく、その意味でも武器の輸出を原則として禁じる政策の緩和が必須。但し多国籍であればある程に各国のドクトリン上の違いから要求が多様化し、開発が難航し価格も高騰化する危険性もある。

(3)F35と第4・5世代機の同時導入を行う。所謂ハイローミックスであるが、この場合はそれぞれの調達機数が単一機種を導入した場合と比較して減ってしまう為に、両機種とも調達価格が上昇してしまう。これも防衛大綱で保有可能な戦闘機の定数が決まっていることに起因する問題点である。
ちなみに以前の記事にて日本と同様の問題に直面している旨を話題にしたイスラエルはF35導入に落ち着きました。
また上記以外の選択肢としてリースによる時間稼ぎも一部に提唱されていますが、私個人としてはそれであればF-15改修やF-2改修に予算をあてがう方が有益だと考えます。
そしてそもそもレベルで空自FXに何を求めているかが明確ではない側面があります。当初はF22導入を目指していた事を考えますと、恐らく防衛省は迎撃能力を重視していたのでしょう。今はそこが必ずしも明確ではありません。個人的にはステルス性を除いて全ての面に於きまして一定以上の能力を有するF15Eが一番無難ではないかと感じ始めています(ステルス性もF15SEであれば一定の能力を有する。メーカーによれば機体正面のRCSはF35と同等としている)。

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(1)と(3)の選択肢には共通の問題点があります。それは防衛大綱にて戦闘機の保有上限が決められていることです。この際はFX選定で選択肢をより柔軟にする意味でも防衛大綱の戦闘機定数の上限を増強する方向で検討するべきではないでしょうか。来月策定となる防衛大綱の方向性にはその意味でも期待したいと考えています。

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コメント

もうMig-21でいいよ。

まあ価格や高稼働率を重視するのであればF/A-18E/Fが一番良いのではないかと思いますが・・・。

特に矛盾はないと思う。
F-35の完成はいつになるか判らないし(最速でも5〜10年くらい)、おそらく
B型優先なのでA型は途中でキャンセルされるのは目に言えてる。日本が買えるように
なるのは早くても2020〜2030頃になるだろうからその頃には国産戦闘機が出来
上がっているだろうから40機そこそこのF-35Bは空自では要らん子扱い。
雑用機扱いで海自か陸自にでも押し付けるんでいいと思う、空母の為なら
護衛艦も我慢するだろうし、とんでも無い値段になったアパッチより安いだろうし。
ライノとか騒音問題も在るし当面は純減か、F35の遅れをLMにぶーたれて
F−2の増産分を認めさせるのが賢いと思う。

mars氏
初めまして。コメント有難うございます。今後とも是非宜しくお願いします。
この共同通信と読売新聞の報道は防衛省がF35をFX選定で最有力候補としている部分で共通しています。しかし共同通信の報道は12年度予算で導入予算を盛り込むとしているのに対し、読売新聞はF35の開発が遅れており当面早期の導入が見込めないとしている(従ってその他の可能性も考慮に入れる?)趣旨の様に私には読み取れるのです。その部分ではこの二つの報道は根本的に矛盾します。
F35は多国籍開発であり、キャンセルしますと複数の国に影響を及ぼします。従いましてキャンセルはありえません。
キャンセルされる可能性がより高いのは現段階ではF35Aではなく、F35Bではないでしょうか。米国の超党派の財政赤字削減委員会は11月10日にF35Bの開発キャンセルを提言しています。
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201011/2010111100840
しかし、それでもAV8Bの後継はF35Bしか現時点ではあり得ませんので、B型もキャンセルは難しいものと思われます。
空母保有論ですが、現時点で海上自衛隊の空母保有は現実的ではありませんし、不必要だと思われます。だからこそ空自FXには航続距離の長い双発機が望ましいのです。

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