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2010年11月

2010年11月28日 (日)

「中国が空母5隻建造へ 初の空母は2015年に行動」と中国網がAFP報道を引用し報じる

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チャイナネットが「中国が空母5隻建造へ 初の空母は2015年に行動」と報じました。
「中国が空母5隻建造へ 初の空母は2015年に行動 Page1」(2010年11月26日 チャイナネット)

「中国が空母5隻建造へ 初の空母は2015年に行動 Page2」(2010年11月26日 チャイナネット)

この報道ですが不思議なことにAFP通信の報道を引用する形で行われています。チャイナネット(中国網)中華人民共和国国務院(中国の最高国家行政機関)直属の中国外文出版発行事業局が運営するニュースサイトです。即ちこのサイトは中国行政当局の意思表示と看做しても何ら問題がありません。それにも拘らず何故か中国の空母保有に関する最新動向をフランスの報道機関であるAFP通信の記事を引用してチャイナネットは報じています。事実関係は中国政府が最も把握している筈であるのにも関わらずです。AFPは「内部関係者からの話を引用」としています。この「内部関係者」が中国軍関係者を指しているのか、それとも西側の軍ないしは諜報機関関係者を指しているのかは不明です。しかしAFP通信の報道を中国当局が追認したと考えるのが最も自然であると考えます。中国政府が公式に発表しますと国際政治に与えるインパクトが大きい為に今回は外国の報道機関を引用する形で報道をしたのでしょうか。このことから判断しましても、若干の誤りがあるとしても大筋では事実関係に間違いはなく、この記事の信憑性は低くないものと思われます。

この記事の要旨は主に下記の通りです。
・中国初の空母『ワリヤーグ』(元旧ソ連製)の改修が完了間近で、来年進水できる見込み
・中国は5つの空母戦闘群を配備し、2015年までに海上軍事活動を開始する予定
・中国は国内初となる空母建造に着手している。それは最短で来年には進水予定の前ソ連製の空母であり(ワリヤーグ?)、現在中国東北部の港都市、大連で改修を行っている
・韓国、日本、台湾及び米軍基地が中国の太平洋進出に支障を来している。また中国側は米国の空母をも投入した軍事演習に不満を持っている。
・中国が大国となる上で空母は不可欠である。
・軍は勿論のこと、中国国民が空母保有を切望している

もしこの記事が事実であるならばアジアの安全保障に大きな影響を及ぼすことになります。空母を特定の地域に派遣しますと、その地域に航空戦力を直接投射することが可能であるからです。もし今年の四月の様な演習を空母を同伴にて行えば、日本に対する軍事的圧力も非常に強いものになります。ましてや尖閣諸島付近で行いますと緊張が著しく高まる事となるでしょう。
その一方でこの五隻全てが同時に稼働しているという訳でもないでしょうし、空母と戦闘機(Su-33?)が揃えば直ぐに戦力化可能とも言えません。早期警戒機の搭載や防空能力の高い駆逐艦の多数配備やASW能力向上も必須です。
一部には日本も空母保有で対抗すべきとの論調が出るかもしれませんが、空母に対抗するために空母というのは非常に短絡的な発想であり、むしろ前の記事でも述べました那覇基地への戦闘機増強潜水艦増強が最も現実的な選択肢と言えるでしょう。対艦攻撃能力の高いP1哨戒機やF2戦闘機の存在も中国海軍にとり脅威となります。下地島空港の自衛隊利用も前向きに検討する必要があるかもしれません。下地島空港の自衛隊利用の利点に関しましては数多久遠氏が記事を書いていますので、そちらを参照して頂ければと思います。
またこの記事にもありますように米軍の存在は中国に対し抑止力として効力を発揮しています。多国間による安全保障の枠組みの構築など、日本は外交戦略の立て直しが必須ではないでしょうか。

2010年12月16日(木)追記
中国、公式文書に空母建造明記「本格的な海洋強国に」(朝日新聞10年12月16日 1/2ページ)
中国、公式文書に空母建造明記「本格的な海洋強国に」(朝日新聞10年12月16日 2/2ページ)

2011年01月05日(水)追記
「中国が年内にも空母を運用、戦闘群を配備へ」(2011年1月4日03時03分  読売新聞)

2010年11月23日 (火)

北朝鮮が韓国の延坪島を砲撃

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(地図は朝日新聞11月23日より)

北朝鮮が砲弾数十発を発射し韓国の島に着弾、韓国軍が応戦=韓国 (ロイター)
韓国軍兵士1人が死亡、少なくとも13人が重軽傷を負っているとの事です。明らかな軍事攻撃です。
まだ詳しいことは何も分かりません。北朝鮮側の動機や意図は不明ですが、後継者問題に関連している可能性があります。
北朝鮮関連では北朝鮮が遠心分離器2000基を稼働させている旨の報道があったばかりです。今年の3月26日には北朝鮮による韓国哨戒撃沈事件が発生しています。余り良い方向には行っていないのが現状なのです。北の首脳が直接不利益を感じる措置をしなくては、更に行動をエスカレートさせる可能性もあります。もっとも中国は北朝鮮の金王朝を存続させることが国益に合致する(緩衝地帯として北の存在が必要)ので、中国がその意向を変更しない限りは難しいと思われます。
そして今回の砲撃事件と3月の魚雷による韓国哨戒艇攻撃事件は、小規模な軍事挑発であれば事前の兆候把握が難しい事を物語っています。不測の事態は急に発生するのが常なのです。
日本の今後の政局や防衛政策にも影響を及ぼすことは間違いないと思われます。今後の推移を見守っていきたいと思います。今年も残すところ一か月強となりましたが、今年の日本の政治は中国や北朝鮮に大きく影響された一年といえるかもしれません。

2010年11月24日(水)追記:佐藤正久議員の11月23日午後10時37分のtwitterによりますと折木統幕長が防衛省に入ったのは午後3時過ぎであり、そうであれば3時前には統幕長に情報が入っていたことになるとのことです。(砲撃は14:35分頃) また同じく佐藤議員の11月23日午後8時13分のtwitterによりますと総理は第一報を報道(TV速報は15:20頃)で知り、秘書官からの報告は15:30分頃とのことです。自衛隊の現場は何らかの方法で砲撃をほぼ同時刻で察知していたとの情報が一部twitterで見られますが、真偽は分かりません。しかし佐藤正久議員のつぶやきが事実であれば、統幕長にはマスコミ以外の何らかのルートで第一報が入ったのは間違いありません。だとすれば官邸と防衛省の間で信頼関係はどうなっているのでしょうか?

2010年12月12日追記
北朝鮮の砲撃170発、陸上着弾は80発(2010年11月24日11時48分  読売新聞)

延坪島砲撃事件主な経緯(2010年11月24日10時08分 読売新聞)

那覇の戦闘機30機に増強へ 中国視野、新大綱で防衛省

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防衛省が10年以内をめどに、航空自衛隊那覇基地の戦闘機を現行の約20機から約30機に増強し、1飛行隊から2飛行隊体制に改編する方向で検討していることが19日、複数の同省幹部の話で分かった。南西諸島の警戒監視機能も強化する。中国海軍の空母建造の動きなども視野に、対領空侵犯措置の緊急発進(スクランブル)能力を向上させ、緊迫時に周辺空域で航空優勢を確保するのが目的で、中国側の強い反発も予想される。 年内に策定する新たな「防衛計画の大綱」に、「戦闘機部隊の充実」や「監視機能の強化」などと書き込む方向で、記述内容を調整している。那覇基地では2009年3月、F4戦闘機から高性能なF15戦闘機への切り替えが完了し、飛行隊には現在、約20機のF15が所属。防衛省はこの飛行隊の戦闘機を減らした上で、F15かF2戦闘機の飛行隊を新設する方針。時期によっては、次期主力戦闘機(FX)で編成する可能性もあるという。空自全体の12飛行隊、戦闘機約260機の体制は維持する方針で、那覇基地の増強と引き換えに、他の基地の飛行隊を2から1に減らすことを想定している。 

(2010年11月20日 02:02*共同通信)
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那覇基地の増強により南西諸島の警戒を強める方針は一種の意思表示としては意義のあるものと言えます。F-15飛行隊を那覇基地に追加配備するのであれば、それが改修I型なのかⅡ型となるのか興味深いところではあります。
上記の記事以外にも南西方面の防衛力増強の動きが諸々と報道されているところです。主な具体例としましては下記の様なものがあります。

「空飛ぶレーダーサイト、E2Cの沖縄展開を検討 防衛省」 朝日新聞10月6日報道

「中国警戒を強化、与那国島に陸自200人配備へ」 読売新聞11月8日報道

「下地島空港:「大変魅力」 自衛隊利用で北沢防衛相」 毎日新聞11月12日
中国側の反発を懸念する意見も散見されますが、他国の脅威とならない防衛力増強は抑止力足り得ません。そもそも我が国が南西方面の警戒を強化しつつある動機は中国の一連の不穏な動向に起因するものなのです。一連の日本近海に於ける近年の中国海軍の活発な動向(今年の4月には中国海軍のヘリが海上自衛隊の護衛艦に二度急接近するなどの挑発行為もありました)や漁船衝突事件後の中国側の対応などは懸念を抱かざるをえません。11月23日現在に於きましても中国側は尖閣沖にヘリ搭載型の最新鋭漁業監視船「漁政310」を含む二隻の漁業監視船を尖閣沖に航行させています。最新の報道によりますと、ビニールシートを被せてありますが、この漁船監視船に機銃らしきものが搭載されているとのことです。日本側にしますと抑止力を強化せざるを得ない状況があるのです。
訂正:「漁業監視船「漁政201」と「漁政310」は21日夕、ともに接続水域の外に出た。」とのことです。中国監視船:尖閣沖から離れる 日本領海入らず(2010年11月22日 毎日新聞朝刊)

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その一方で那覇基地に戦闘機を増強するとのこの共同通信の報道が事実だとしますと、他の飛行隊へのしわ寄せとなる虞もあります。「空自全体の12飛行隊、戦闘機約260機の体制は維持する方針」で「他の基地の飛行隊を2から1に減らす」との趣旨であるからです。北大路機関の「はるな」氏もこの記事で述べていますが、他の基地の飛行隊を2から1に減らしますと、その地域の防空が手薄となります。各基地の状況や位置を考えますと、飛行隊を移転出来る状況にはありません。まさに諸刃の剣なのです。
航空自衛隊は現時点で約200機のF-15を保有しており、沖縄の那覇基地第204飛行隊以外でF-15が配備されている基地は

千歳基地
第201飛行隊
第203飛行隊

百里基地
第305飛行隊

小松基地
第303飛行隊
第306飛行隊

築城基地
第304飛行隊

新田原基地
第23飛行隊
飛行教導隊

そしてF-2が配備されている基地は

三沢基地
第3飛行隊
第8飛行隊

築城基地
第6飛行隊

松島基地
第21飛行隊

となっておりまして、何れも対露、首都圏防空(東京急行ルート対応)、対北朝鮮などの観点から飛行隊を移転させるのは適切ではありません。新田原基地のF-15DJや松島基地のF-2Bは複座型の教育関係/アグレッサー用途の機体ですので対象外です。しかしこの案をどうしても実行するのであれば個人的には三沢基地のF-2飛行隊の一方を配置転換するのが最も無難ではないかと考えます。
理想論を言えばFX選定に関する前の記事でも述べましたが、戦闘機定数の増強が最善であると私は考えます。戦闘機定数増強であれば南混エリア以外のエリアも少なくとも現状維持は可能であり、それに加えて那覇基地配備の戦闘機数も増加が可能です。しかし定数を増強するのであれば財源の問題(戦闘機そのものは勿論のこと、要員育成(パイロットや整備士)、メンテナンス費用、兵站整備)が当然あり、非常に難しい問題ではあります。これ以外にもFX選定、グローバルホーク導入問題があり、また海上自衛隊は最新鋭哨戒機P1十機の調達とP3C十機の延命措置潜水艦の定数増強陸自が増員の検討を行っているとされており、財源問題を考えますと政府が防衛費を大幅に増額する決断をしない限りはやはり困難であると考えます。また国民感情的にも防衛費の大幅増額は難しい部分があるかもしれません。その国民感情も現状を受け変わりつつあるのかもしれませんが。
年末に新防衛大綱が発表されますが、その一方で菅政権は明らかに末期となりつつあります。新政権誕生もあり得ます。今後日本の防衛政策が大きく転換するか否か注目していきたいところです。

2010年11月19日 (金)

ロシア Su-35の対中輸出を検討へ

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Defence News にロシアがSu-35の輸出を検討している旨の記事が掲載されました。
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Russia may sell Su-35s to China

MOSCOW - Breaking its earlier tradition of keeping China at bay when came to sales of advanced weapons, Russia is prepared to discuss selling its most modern Su-35 4++ generation fighters to China, said the deputy director of the Russian government arms export agency, Rosoboronexport.
モスクワ-最新鋭兵器の中国に対する輸出に慎重な姿勢を転換し、ロシアは最新のSu-35第4++世代戦闘機の中国への販売を議論する準備を開始したとロシア国営武器輸出公社”Rosoboronexport”の副総裁は述べた。

"We are ready to work with the Chinese partners in this direction," Alexander Mikheyev told reporters after the opening ceremony of China's Zhuhai Airshow 2010, according to the Russian official RIA-Novosti news agency.
RIA-ノーボスチ国営通信社によると「我々は中国のパートナーとこの方向で協力する準備が整っている」と2010年度珠海エアショーの開会式の後にAlexander Mikheyev氏は記者団に対し述べた。

The newest Sukhoi Su-35 multirole fighters should roll off assembly lines this year. Deliveries of the first 48 aircraft are expected to the Russian Air Force between 2010 and 2015.Since 2008, Russia has offered an export variant of the fighter to India, Malaysia, Algeria, Brazil and Venezuela, but no contracts had been signed so far.
最新鋭機スホーイSu-35マルチロール戦闘機は今年度に生産ラインより出荷される。2010年から2015年の間に最初の48機のロシア空軍への納入が予定されている。2008年よりロシアは同機の輸出型をインド、マレーシア、アルジェリア、ブラジル、及びベネズエラに提案しているが、現時点で成約となっていない。

Mikheyev said that Russia and China are in the initial stage of negotiations and will be discussing the features of the export variant of the Su-35 and how to integrate it with previously supplied Su-30 fighters and the locally assembled (under Russian license) Su-27s.
Mikheyev氏はロシアと中国の間で交渉の第一段階にあり、Su-35輸出型の性能と以前輸出されたSu-30や(ロシアからのライセンスにて)中国国内で生産されたSu-27とのインテグレーションに就いて議論することになると述べた。

A source in Rosoboronexport said that this contract would mark a departure from recent stagnation in Russian arms sales to China. During this time, China pushed to buy Russia's most advanced weapons, but only a few samples, and Russia feared China would copy the technologies.
Rosoboronexport内部の情報源はこの契約が中国へのロシアによる最近の武器輸出停滞からの脱却になると述べた。この期間には、中国はロシア製最新鋭兵器の導入を推進したが、少数のサンプルのみであり、ロシアは中国が技術を模倣することを危惧した。

Dmitry Vasilyev, an arms export analyst with the Center for Analysis of Strategies and Technologies, a think tank here, said that Moscow's decision to offer Su-35s to China is prompted by advances in developing PAK-FA (T-50), a fifth-generation fighter on which Russia's Sukhoi works jointly with India.
ここのシンクタンクである戦略技術分析センターの兵器輸出アナリストのDmitry Vasilyev氏はSu-35を中国に提案するモスクワの決断は、ロシアのスホーイ社がインドと共同で開発中の第五世代戦闘機PAK-FA(T-50)の開発進展により促されたと述べた。

He said that a price tag for Su-35 would not be lower than $50 million apiece.
彼はSu-35の価格は一機当たり五千万ドル以下にはならないであろうと述べた。

( Defence news 2010年11月17日 )
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Su-35は2008年度に初飛行しましたSu-27発展型のロシア製最新鋭長距離多用途戦闘機です。
この報道が事実であれば日本の安全保障にも大きな影響を及ぼしかねません。ノーボスチはロシアの国有通信社であり、ロシア政府の意図を反映している可能性が高く信憑性は高いと思われます。特に注目すべきは匿名ソースではありますが内部関係者による「この契約が中国へのロシアによる最近の武器輸出停滞からの脱却になると述べた」とのコメントです。即ちSu-35以外にもロシアは今後積極的に中国に最新鋭兵器を輸出していく方針であることを物語っています。Su-35のみの輸出解禁であれば、所謂モンキーモデルであり、たとえライセンス生産であってもブラックボックスがあると思われます。しかし今後中露の間で武器輸出が促進されていくとなれば、戦闘機以外でも中国の軍事力が近代化されていくこととなり、そうなれば極東における軍事バランスを崩しかねません。
その一方で彼らにとり課題もあります。それは相互に信頼関係がない事です。この記事でもありますようにロシアは中国側により技術が模倣されることを懸念しています。その一方で日本もそうですが、国内に生産基盤がなくてはメンテナンスにも支障を来すのは事実です。まずここで中露間の信頼の醸成と双方が同意可能な契約の締結が必要となる事でしょう。
ロシアが今回中国へのSu-35輸出を解禁する方向で検討しているのは記事にもあります通りPAK-FA(T-50)の開発が進展している為でしょう。これにより中国に対する優位性が保てると判断したのだと思われます。このことから読み取れるのはPAK-FAの開発が進展しており、PAK-FAの性能にロシアが満足しているということです。
現在日本のFX選定は迷走していますが、質及び数でも戦闘機の早急な増強を行うことが必須となるでしょう。

その他参考リンク:戦闘機(殲撃11) - 日本周辺国の軍事兵器 - livedoor Wiki(ウィキ)

2010年11月15日 (月)

空自FX選定に関する二つの矛盾した報道に思うこと

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当ブログの読者であればご存知の方も多いとは思いますが、先週空自FX選定に関して二つの矛盾した報道がありました。
一方は11月08日02:02の共同通信による「F35軸に12年度予算化へ 次期戦闘機で防衛省」という報道でした。
この報道によりますと、「F35開発の遅れや価格の高騰を受け、暫定措置としてF2の追加調達や現有の主力戦闘機F15の改修継続で対処する方向だった。だが軍事的にも台頭する中国に対して航空優勢を確保するため、レーダーに捕捉されにくいステルス性と超音速巡航能力を特徴とするF35など第5世代機導入の早急な決定が必要との判断に傾いた。40機弱の導入を想定している。」との報道でした。ソースとして共同通信は「複数の防衛省、自衛隊関係者が7日、明らかにした。」としています。従いまして、防衛省の公式発表ではありません。
その一方で11月10日03時03分の読売新聞の報道は「次期戦闘機、機種触れず…F35開発遅れで」と報道しました。
この読売新聞の報道によりますと、「来月策定する次期中期防衛力整備計画(中期防)では具体的な機種の明記を見送り、「新戦闘機」として整備の方向性を示す方針を固めた。」、「有力候補の一つで、米英など9か国が共同開発中のF35の性能情報が不足しているうえ、開発の遅れによって米空軍の実戦配備が2016年以降にずれ込む見通しとなったためだ。」としています。
共同通信は昨年の11月23日も空自FXにF35が確定したとの趣旨の報道を行い、その報道が翌日24日記者会見(08時47分~08時50分)にてに北澤防衛相に「あの報道は全く根拠がありません。従来、我々が内閣を引き受ける前に、色々と省内で検討したりしたことがあったことのパッチワークのような話が出ただけで、あれについてコメントする気もありませんし、防衛省の方針があそこに表れているということは全くありません。」と完全否定されるという出来事がありました。
個人的には読売新聞の報道が事実に近いとの印象を抱いています。もし読売新聞の報道が正しければ、共同通信は二年連続で誤報をしたことになります。更に言えば共同通信の今回の報道ではあたかもF35に超音速巡航能力があるかの様にも読み取れる記述がありますが、これも事実ではありません。第五世代戦闘機の特徴の一つとして超音速巡航能力があり、F35は第五世代戦闘機の一つであるとの意味かもしれませんが、誤解を与える記述である事は否定出来ないのではないでしょうか。
その一方で今回のこの二つの報道はF35を最有力候補としていることでは共通しています。防衛大綱に具体名を記述しないのは、あくまでもF35を本命として待ち続けるとの意図も透けて見えるのです。また防衛省は未だにF22を諦めていないとの噂も一部で散見されます。
そしてこれ以外にも空自FX選定でF/A18EがF35と並ぶ有力候補になりつつあるとの話も最近は良く聞く話です。 ボーイングも積極的に売り込みを掛けている様子が先日の朝雲新聞の報道からうかがい知れます。

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(F/A-18Eの次世代コクピット。対空・対地作戦機能を統合した最新のAPG79アクティブ電子走査式アレイ(AESA)レーダーによる各種情報や、僚機・空中警戒管制機・イージス艦などからのネットワーク情報を大型タッチパネルに表示できるのが特徴。)
Keenedge氏も述べられている通りに、F35とF/A18Eでは日本国内でライセンス生産が出来る/出来ないで大きな差があります。ステルス戦闘機をライセンス生産出来る程の技術力を日本はまだ有していないというのが識者の共通見解であり、その意味でもF35のライセンス生産は日本にとりハードルが高い話ではあります。
もし第五世代戦闘機を日本が導入するのであれば、圧倒的な性能と引き換えに稼働率の著しい低下や国内生産基盤の衰退化を甘受する覚悟が必要となります。将来に於ける国産戦闘機開発にも支障を来すことにもなるでしょう。しかしそもそもレベルでF35にそこまでの価値を見いだして良いものなのかどうかが私としては確信を持てない部分ではあります。これがF22であればその性能の差は圧倒的であり、その価値があるとは言えたかもしれませんが。
第五世代戦闘機を導入しなければ抑止力としては見劣りするものの、ライセンス生産は可能となります。但し40機程度のライセンス生産が合理的か否かは議論の余地があるところではあります。この意味でもRF15Jの開発が暗礁に乗り上げた今、RF4E/EJの後継とFXの選定や電子戦戦闘機の選定を一本化するとの選択肢があっても良いのではないかと個人的には思います。しかし今回のFX選定はF15非MSIP型の後継にもなり得る機体です。それが第4・5世代機で良いかはこれも疑問ではあります。
選択肢としましては、下記の様なものが考えられます。

(1)F15やF2の改修を続けてF35導入の繋ぎとする。この場合は一時的な戦闘機数の純減も受け入れる。一部報道によればF2の改修後に搭載されるJ/APG-1(改)の空対空性能はF/A18E/FのAN/APG-79AESAレーダーを超えるという情報がある。
この選択肢と類似した考えとして、F2追加調達も一部で提唱されているが、防衛大綱で保有可能な戦闘機の定数が決まっており、F2を追加調達した場合はF35の調達数は減ることとなる。

(2)F4の運用が限界に近づいており、数的な劣勢を避ける為に今回は第五世代戦闘機の導入を断念し、第4・5世代機のライセンス生産ないしはF2増産で補う。この場合はF15E改良型が最も妥当であると個人的には考えるが、ボーイングは社内事情からか積極的ではない。
そして将来の国産戦闘機開発ないしは国際共同開発を目指す。技術的なハードルが高く、最先端技術の結集であることから開発費や調達価格が高騰し易い故に共同開発が望ましく、その意味でも武器の輸出を原則として禁じる政策の緩和が必須。但し多国籍であればある程に各国のドクトリン上の違いから要求が多様化し、開発が難航し価格も高騰化する危険性もある。

(3)F35と第4・5世代機の同時導入を行う。所謂ハイローミックスであるが、この場合はそれぞれの調達機数が単一機種を導入した場合と比較して減ってしまう為に、両機種とも調達価格が上昇してしまう。これも防衛大綱で保有可能な戦闘機の定数が決まっていることに起因する問題点である。
ちなみに以前の記事にて日本と同様の問題に直面している旨を話題にしたイスラエルはF35導入に落ち着きました。
また上記以外の選択肢としてリースによる時間稼ぎも一部に提唱されていますが、私個人としてはそれであればF-15改修やF-2改修に予算をあてがう方が有益だと考えます。
そしてそもそもレベルで空自FXに何を求めているかが明確ではない側面があります。当初はF22導入を目指していた事を考えますと、恐らく防衛省は迎撃能力を重視していたのでしょう。今はそこが必ずしも明確ではありません。個人的にはステルス性を除いて全ての面に於きまして一定以上の能力を有するF15Eが一番無難ではないかと感じ始めています(ステルス性もF15SEであれば一定の能力を有する。メーカーによれば機体正面のRCSはF35と同等としている)。

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(1)と(3)の選択肢には共通の問題点があります。それは防衛大綱にて戦闘機の保有上限が決められていることです。この際はFX選定で選択肢をより柔軟にする意味でも防衛大綱の戦闘機定数の上限を増強する方向で検討するべきではないでしょうか。来月策定となる防衛大綱の方向性にはその意味でも期待したいと考えています。

2010年11月13日 (土)

中国漁船衝突ビデオ流出航海士の今後の処遇で司法が直面するジレンマ

Photo

 
尖閣諸島沖での中国漁船衝突事件の動画がインターネット上に流出した問題で神戸海上保安部(神戸市)所属の巡視艇「うらなみ」の主任航海士(43)が名乗り出ました。動画が投稿されたと思われる神戸市内のインターネットカフェの防犯カメラにこの海上保安官の姿が映っており、投稿したのは本人であることはほぼ間違いないでしょう。本人は動機に関して、「あれを隠していいのか。私がこういう行為に及ばなければ、闇から闇に葬られて跡形もなくなってしまうのではないか。国民は映像を見る権利がある」と読売テレビでの取材に語っており、また任意の事情聴取でも「悪いこととは思っておらず、犯罪には当たらない。本来、隠すべき映像ではない」と述べており、sengoku38とのハンドルネームからも分かる通りやはり確信犯でした。流出経路等まだ不明確な部分もあり、そこは今後少しずつ明らかになっていくのかもしれません。
 今後本人が海上保安庁で勤務し続けることは困難でしょう。解雇となるか、若しくは「自己都合退職」をすることとなるでしょう。
 しかし刑罰をこの海上保安官に課すか否かで政府は勿論のこと、司法も難しい判断を迫られそうです。この海上保安官に対し同情する意見も多く、検察は世論の動向を分析しながら決断することになるでしょう。処遇が難しい旨は読売新聞の11月12日の記事「航海士、逮捕か否か・・・検察着地点決められず?」産経新聞の11月11日の記事「守秘義務、割れる解釈 尖閣ビデオ、一部議員には公開 問われる実質性」でも分析されています。
 個人的な見解ですが、私も起訴は難しい可能性があると思います。私は前の記事で「(ビデオが)存在することがほぼ全国民に知られており、そもそも非公開とすることが国益に合致するのかに関して議論があった動画であり、日本の海上保安庁により録画された日本の捜査機関の証拠であり」と書きました。この文章を補足しますと刑事事件の書類をリークすれば刑事訴訟法第四七条の「訴訟に関する書類は、公判の開廷前には、これを公にしてはならない」との規定に抵触し、秘密を漏洩したことにはなるかもしれませんが、コメント欄で「中国人船長が帰国してしまった今となっては、開廷は最早あり得ません。」( 2010年11月 6日 (土) 20時39分のコメント)と書いたとおり、秘密とする根拠としては弱いのです。また前述の産経新聞の記事でも書かれていますが、一部国会議員に開示しており、またビデオを視聴した議員がマスコミに映像の内容を答えており、秘密に該当するかこの部分でも疑問の余地があります。そもそもこの情報が存在すること自体が既に世間一般に知られており、政府も存在することは認めているのです。
 今回の事件では司法は非常に解決の難しいジレンマに直面することとなるのではないかと個人的には思っています。世論の反発や外交上の判断、政権の意向は勿論のことですが、司法の判断次第では政権を揺るがしかねない可能性があると考えます。もし世論の反発や構成要件該当性の問題から警察が海上保安官を守秘義務違反で逮捕・送検しなかった場合や、検察が海上保安官を起訴をしなかった場合は、警察ないしは検察がこのビデオが秘密には該当しないと判断した事になってしまうのではないでしょうか。逃げ道としては情状により起訴猶予処分とすることでしょう。起訴となった場合は今度は裁判所が同じジレンマに直面します。海上保安官に対する世論の同情は強いものがあると思われますし、その一方で無罪にすれば裁判所が尖閣ビデオが秘密に該当しないとの判断を示した事となります。
 もし海上保安官が不起訴や無罪となった場合は、政府の非公開とする根拠はますます弱まる事となります。今後の捜査当局や司法の判断に注目したいところです。仙谷官房長官は那覇地検が中国人船長を釈放した際に「法務省から刑事事件としてそういう判断に到達したと報告を受けたので、それはそれで了としている」、「検察の総合的な判断と理解している」と述べました。もし司法が海上保安官に対し不起訴や無罪の判断をした場合は、仙谷官房長官は当然尊重すると私は確信しています。

2010年11月 8日 (月)

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私のTwitterのアカウントです。
http://twtr.jp/user/PaperWasp14704
余り活用していませんが気になったニュースなどを書いていきたいと思います。
私がフォローしているアカウントには自民党の佐藤正久議員(イラク陸自派遣の際の「ヒゲの隊長」)や在日米海軍司令部、アメリカ第7艦隊、Boeing Defense、週刊オブイェクト管理人のJSF氏、防衛産業関係者のkeenedge氏、そして私の良きオン友である天山氏とエイブラムズ氏などがあり、基本的にこの方々のツイートをROMる為にアカウントを獲得しました。今後はこのブログと使い分けて活用していきたいと考えているので、今後とも宜しくお願いします。

2010年11月 5日 (金)

中国漁船衝突事件動画が流出

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やがて起きるだろうとは思っていましたが、まさかこれ程早く起きるとは思ってはいませんでした。元のアカウント"sengoku38は退会した/削除された為に元の画像を見る事は出来ません。しかしインターネット上で流出した情報は止まるものではなく、多数の方々によりダウンロードされ転載されています。
尖閣諸島中国漁船衝突事件1
尖閣諸島中国漁船衝突事件2
尖閣諸島中国漁船衝突事件3
尖閣諸島中国漁船衝突事件4
尖閣諸島中国漁船衝突事件5
尖閣諸島中国漁船衝突事件6
そもそもの流出させた張本人と思われるsengoku38なる人物は間違いなく関係者だと思われますが、このハンドルネームからして政府への皮肉ないしは嫌味を感じとる事が出来ます。現在の政府の対応に不満を持った方なのでしょう。"38"の意味は不明です。本人にとって何か意味があるのか、それとも政府/一部関係者への何らかのメッセージが込められているのかも分かりません。関係者によりますと動画は間違いなく本物の様です。そして何よりも各関係省庁や各関係者の慌ただしい対応を見れば、この動画が本物であることを何よりも物語っています。その一方でこうした画像が流出したことに関して賛否両論があります。私個人としてはやはり心情的には拍手喝采したい部分も多いのですが、その一方で政府として非公開としたものが意図的に流出するのは問題があるとも考えるのです。国際テロに関する情報が警視庁公安部から流出した件も現在問題となっています。今回のこの二件の情報漏洩は、日本の情報管理の甘さを世界的に知らしめる結果となりました。今後世界各国が日本への機密情報の提供に慎重になる等の悪影響が出ることも考えられます。
ただこの2つの情報漏洩は根本的に性質が異なります。一方は存在することがほぼ全国民に知られており、そもそも非公開とすることが国益に合致するのかに関して議論があった動画であり、日本の海上保安庁により録画された日本の捜査機関の証拠であり、漏洩した動機も恐らくは現政権の対応に不満を持ったことによるものと推測出来ます。
それに対してもう一方は存在自体が世間一般には知られておらず、海外情報機関から信用の原則に基づいて日本側に提供された情報も含んでおり、漏洩した場合は日本のテロ対策に悪影響を及ぼす側面しか持ち合わせておらず、また犯人の動機も不明です。この2つの情報漏洩事件は決定的に性格が異なります。
いずれにしてもネット上に一度流出した情報は止めることは出来ません。そしてこの動画は中国漁船側が日本の巡視船に衝突した明白な証拠と言えるでしょう。

2010年11月 3日 (水)

2010年度の菅政権の外交に思うこと

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日米・日中・日露まで…菅外交「八方ふさがり」

ロシアのメドベージェフ大統領が1日、日本側の中止要請を無視して北方領土訪問を強行したことで、外交面での民主党政権の危うさが改めて浮き彫りになった。
沖縄の米軍普天間基地移転問題で日米同盟が揺らぎ、尖閣諸島問題で日中関係が悪化する中、日露関係でも新たな障害が持ち上がった形で、菅政権の外交は「八方ふさがり」との指摘も出ている。
1日に緊急召集された自民党の外交部会では、前日まで菅首相、前原外相らが出席していたハノイでの東南アジア諸国連合(ASEAN)関連会議にメドベージェフ大統領、ラブロフ外相らロシア側も出席していたことを踏まえ、「なぜハノイで会談し、北方領土訪問への懸念を伝えなかったのか」などして、政府の対応を批判する声が相次いだ。自民党の小野寺五典外交部会長は終了後、記者団に「日本の尖閣問題での弱腰姿勢を見て、ロシアは強硬な対応に移った」と指摘した。
民主党政権下、日本外交を取り巻く状況は急速に悪化している。鳩山前政権では、既定路線だった県内移設を否定して唐突に県外移転を打ち上げたあげくに迷走、普天間基地移設問題は暗礁に乗り上げた。日米関係を悪化させた鳩山前首相は米紙から「ルーピー(愚か)」とまで批判された。日米同盟のきしみを見透かしたように、中国は尖閣諸島沖での中国漁船衝突事件で強硬姿勢をみせている。
今後、菅首相は、13日から横浜市で開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議で来日するオバマ大統領との日米首脳会談などを契機として日米同盟を立て直し、中国やロシアには冷静な対話による問題解決を働きかけることで関係改善を模索する意向だ。
ただ、日米間で懸案の普天間基地移設問題に進展はない。今月末に予定される沖縄県知事選の結果次第では、問題解決がさらに遠のく可能性があり、「一度傷ついた日米同盟の立て直しは簡単にはいかない」(外務省関係者)との見方が出ている。

(2010年11月1日21時24分  読売新聞)
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 ソ連時代を含め、ロシア側は国家元首級の北方領土訪問を見合わせてきました。ロシアのメドベージェフ大統領が何故、今この時期に北方領土の国後島を訪問したのか、その意図が分かりません。一つ思い当たる事と言えば、今年9月26日より三日間にわたり行われた中露首脳会談があります。この中露首脳会談の共同声明の中で「国家の主権や統一、領土保全にかかわる核心的利益を互いに支持することが戦略的協力関係の重要な内容」と、中露両国が領土に関して言及しています。
日本の外交・安全保障は大きな岐路に立たされていると言えるのではないでしょうか。領土は国民の生命や財産と並ぶ、国家の主権の要なのです。北方領土に関しましては現実問題としてロシアが実効支配しており、なかなか対応の難しい問題ではあります。しかしその一方で尖閣問題に関しては日本政府が対応さえ誤らなければ有利に展開出来ると考えています。
 中国の海洋調査船の派遣やレアアース輸出制限、フジタ社員逮捕等の一連の中国の強硬手段は、日本の国内世論だけではなく、国際世論に於ける中国脅威論を高めることとなりました。日本では政府レベルだけに止まらず、民間レベルでもレアアースの代替調達ルートを模索させる動きが生まれました。
 更に10月27日に行われた日米外相会談でクリントン国務長官が共同記者会見で尖閣諸島が日米安保条約5条(共同防衛)の「適用範囲」となると明言した事は非常に大きな意味合いがあります。共同記者会見で国務長官が明言したことは、実質的に国際公約となるからです。またこの外相会談でもレアアース調達ルートの多角化が議題となりました。この日米外相会談以前にも、安倍元総理らが10月18日に米国を訪問してフロノイ米国防次官と国防総省で会談した際に、尖閣諸島が中国に軍事的に占領された場合でも、「(対日防衛義務を定めた)日米安全保障条約5条の規定により、日本を助ける」との言質をとれたのも大きな成果だったと言えます。これらの米国政府高官の発言を踏まえますと、日本は尖閣諸島に関しましては多少は強気な対応をしても問題はないと思われます。少なくとも中国にしてみれば、自衛隊というただでさえ強力な抑止力に加えて 、更に有事の際には米軍の介入も招くということになりますと、中国側は冒険主義的な行為に踏み切れません。

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 日本側は毅然とした態度で、且つ冷静に正当性を主張していけば良いのではないでしょうか。中国漁船衝突ビデオも客観的な証拠となります。 それを11月1日の公開では一部議員への衝突場面の視聴のみに留めているのは理解し難いところではあります。政府は査中の資料であることを根拠に公開に消極的です。確かに刑事訴訟法第47条は「訴訟に関する書類は、公判の開廷前には、これを公にしてはならない。但し、公益上の必要その他の事由があつて、相当と認められる場合は、この限りでない。」と規定しています。しかし中国人船長が帰国してしまった今となっては、公判が開廷する可能性はほぼ皆無であり、また但し書きに「公益上の必要その他の事由があって」と例外が認められる場合もあることを法は想定しているのです。あくまでも個人的な見解ですが、私は今回は公益上の理由が有るのではないかと考えています。全面的な一般公開をしないことにより、日本側の正当性を立証出来ないばかりか( 中国国内のネット上では日本の巡視船が中国漁船に衝突してきたとの主張がなされています )日本国内でも「日本の巡視船の乗組員が何らかの弾みに落ちたのを、中国の漁船(の漁師)がモリで突いている」( 石原都知事が関係者から聞いた話として2010年10月24日放送 フジテレビ「新報道2001」にて )、「逃走中に中国人船長が中指を立てた」などと内容に関して真偽不明の様々な噂が流れています。これは日中両国にとって極めて不幸な事でもあります。
中国は一連の強硬手段が何ら自国の利益にならないことを理解するべきではないでしょうか。最近も首脳会談を突然キャンセルするなど、常軌を逸した行為が目立ちます。日中間に意見の相違が大きいからこそ、むしろ尚更各レベルでの協議が必要と言えるのではないでしょうか。その一方で今回の一連の問題は日本の意思の弱さから来ているようにも思えるのです。上記の米側の尖閣諸島が日米安保の対象になる旨の明言も、日本側の強い信念がなくては意味を為しません。ビデオも公開できない、官房長官が日本の中国「属国化」発言をしたのが事実であれば、到底この国の主権を守っていこうとの気概が現政権から感じられません。今回の日中首脳会談のキャンセルは中国側が前原外相を狙い撃ちにしたのではないかとの観測もあります。もしそれが事実だとすれば、中国は日本側の強硬姿勢や日米連携を恐れているとも言えるのです。全ては日本側の対応に掛かっているのです。

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