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« 2010年度策定防衛大綱改訂案に思うこと | トップページ | 空自新戦闘機に偵察能力付与を検討か »

2010年12月19日 (日)

新防衛大綱及び新中期防衛力整備計画公表に思うこと

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防衛大綱改訂と中期防衛力整備計画が閣議決定され、公表されました。首相官邸ホームページより閲覧が可能となっています。

平成23年度以降に係る防衛計画の大綱について

中期防衛力整備計画(平成23年度~平成27年度)について

 内容的には以前より報道されていた通りで、余り目新しいものはありませんでした。今回の改定の趣旨は従来の全国に自衛隊をまんべんなく配備するとの「基盤的防衛力」から中国や北朝鮮を念頭に部隊の配置や装備を重点的に南西方面に配備する「動的防衛力」への転換だとされています。しかしこれは果たして事実なのでしょうか。冷戦時代での自衛隊は決して全国にまんべんなく配備していた訳ではなく、ソ連軍の軍事侵攻を念頭に第7師団に3個戦車連隊、第2師団に1個戦車連隊を配置するなど、戦車に関しましては北海道に重点的に配備されていました。脅威の性質が変化しつつあることは否定しませんが、しかしだとすれば戦車の配置を変えるべきであり、戦車の定数を200台削減するとの今回の改定は「一層厳しさを増す安全保障環境に対応するには」(平成23年度以降に係る防衛計画の大綱について第6頁)やはり甚だ疑問の余地があるのです。その一方で離島防衛には戦車は迅速な展開に適さないとのカリスマブロガーからの指摘もあります。しかしこの指摘自体も戦車の有用性そのものは否定する趣旨ではなく、むしろ陸戦の王者たる戦車の存在意義を肯定するものです。従来想定していた大規模着上陸侵攻では、彼が戦車を投入せんとした際は我が有する戦車の質と量ともに上回ることを強いられます。またゲリコマ対策でも有効であることがアフガンなどで立証されました。戦車に関しましては今回の平成23年度~平成27年度までの中期防衛力整備計画では戦車が68両整備されることとなっています。一部に10式戦車の生産が50両で打ち切られるのではないかとの懸念がありましたが、それは杞憂に過ぎないことが裏付けられました。(因みに12/18の読売新聞の報道によりますと来年夏に九州・沖縄地域で行う実動演習に、陸上自衛隊第7師団を派遣する方針の様です。
 しかしその一方で「即応性、機動性等を一層向上させる」、「即応性、航空輸送力を一層向上させるため」(中期防衛力整備計画第4頁)としながらもCH-47JAの予定整備規模が5機に止まっており、これは従来の配備ペースとほぼ変わりません。新型輸送機(C-2)も配備するとのことですが、空自の作戦用航空機は2004年度防衛大綱の350機から340機へ削減されています。これはC-2の性能がC-1のスペックを大幅に上回る為で、より少ない作戦用航空機でも能力向上に繋がるとの判断からの模様です。24DDH型(19500トン型?)整備に関しても「くらま」の後継が必要であり、既定路線です。
 また今回の動的防衛力の根幹部分の一つである南西諸島の警戒監視体制の強化では、陸自自衛隊の沿岸監視部隊の配置や移動警戒レーダーの展開を行うとしています。これは以前より報道されていました。その一方で「南西地域において早期警戒機(E-2C)の整備基盤を整備し、常時継続的に運用し得る体制を確保する」との部分は「一定期間運用する」、「定期的に三沢基地から那覇基地に展開」との従来の報道より一歩踏み出した姿勢ではないかと思われます。
 空自では中期防衛力整備計画にて新戦闘機(FX)を12機整備するとしています。現段階では候補機種はほぼF-35とF/A-18E/Fの二機種に絞られたと言って良いでしょう。那覇基地の戦闘機増強は以前より報じられている通りです。今回はグローバルホーク導入に関する言及はありませんでした。
2010年12月30日追記:中国・北朝鮮を監視・・・無人偵察機の導入検討へ(2010年12月30日03時04分  読売新聞)
 海自関連では「あたご」級へのMD対処能力の付与、汎用護衛艦2隻、前述の19500トン型DDHの整備が中期防衛力整備計画にて計画されています。今回の焦点であった潜水艦増強は定数が22隻となりました。潜水艦増強に加え、新防衛大綱別表では護衛艦定数が47隻から48隻に1隻増強されていますが、これらは海自の地方隊を5個から4個にに減らし、且つ護衛艦の延命措置を講じることにより達成するものと思われます。また防衛大綱の別表では「弾道ミサイル防衛機能を備えたイージス・システム搭載護衛艦についは、弾道ミサイル防衛関連技術の進展、財政事情等を踏まえ、別途定める場合には、上記の護衛艦隻数の範囲内で、追加的な整備を行い得るものとする」と記載されており、噂の9000トン級DDG計画との兼ね合いでも興味深い記述ではあります。
 陸自関連で驚愕に値するのはAH-64Dが3機追加導入となっている点でしょうか。しかしこれに関しては余り前向きな話ではなさそうです。事業仕訳でC評価と低い評価が下された中距離地対空誘導弾に関しては、巡航ミサイル対処の観点から整備が進められる模様ですので、それは前向きに評価されるべきでしょう。
 これ以外にはサイバー攻撃への対処に力を入れる方針が中期防衛力整備計画にて打ち出されており、サイバー攻撃対処の中核となる組織の新設や専門的な人材育成に必要な事業を実施するとしています。
 また統合運用強化の一環として中期防衛力整備計画で航空救難機能の空自への一元化に向けた体制整備への着手と、陸自及び空自の高射部隊の統合を検討開始するとしているのは、私個人としては実現性に疑問を感じます。陸自には独自の防空能力が必要であり、それは空自も同じです。現在の住み分けで十分機能するのであり、現行のJADGEシステムで十分なのではないでしょうか。
 研究開発の推進では新型多用途ヘリコプター、機動戦闘車、新空対艦誘導弾の開発着手、中距離地対空誘導弾の改善、F-2戦闘機の後継機としての国産戦闘機開発に着手可能なように戦略的検討を推進するとしています(中期防衛力整備計画第9頁)。
 こうして全般的に見ますと、既定路線が多く、厳しい財政事情の中で既存の装備を南西方面に重点的に再配置したとの感が否めません。純粋に増強されたのは潜水艦の定数のみと言えるでしょう。平成23年度以降に係る防衛計画の大綱についての第4頁に於きましては「大規模着上陸侵攻等の我が国の存立を脅かすような本格的な侵略事態が生起する可能性は低い」との記述が見受けられますが、中露両国ともその能力は寧ろ向上しつつあるのであり、他国の政策及び政治情勢の急変を予測することはほぼ不能であることから、周辺諸国の実力に合わせて防衛力は整備するべきなのです。
12月18日付の日経新聞は今回の新防衛大綱は経営で言えば資金や人材をこれだと思う重点部分に集中し成果を高めようとする「選択と集中」であると報じています。那覇基地への戦闘機増強はその最たるもので、結果としましては他の地域の防空能力に穴が開くことに繋がりかねません。戦闘機定数を増強し、那覇基地にも飛行隊を新設するのが王道なのではないでしょうか。
 機動戦闘車100両以上の導入やSSMの整備も、戦車定数及び火砲定数の削減で余剰となった人員を振り分けるものと思われます。
 厳しい財政事情を鑑みてやむを得ない部分もあったのかもしれませんが、国家の最大且つ最低限の責務は国民の生命を守ることなのです。そのことを踏まえて日本政府には再度再考して欲しいものです。自民党は政権を奪還した場合は直ちに防衛大綱を見直す方針を示しました。一部世論調査でも外交安全保障政策では自民党を信用するとの結果が出ています。民主党は政権を今後も継続して担う意欲があるのであれば、防衛政策でも野心的な方針を打ち出す必要があるのではないでしょうか。
2011年2月20日(日)追記:島しょ防衛 新組織視野に検討(2月8日5時8分 NHK) 「高度な技能を持つ部隊や高速輸送艦などを備え、機動力や対処能力に優れた新たな組織の新設も視野に、態勢拡充の検討」、「中央即応集団や、西部方面普通科連隊などの組織を再編成することなどが検討される見通し」

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コメント

ある意味、那覇の302SQを204SQと交代させたのは若干失敗だったような気がします。
制空能力を考えればF-15は必要ですが、洋上への抑止を考えればASMを運用出来たF-4の方が汎用性があったと思うからです。

今回飛行隊を新編するのであればF-2が良いと思うのですが、調達数も損耗予備機も少ないのでなかなか厳しいですね…。

やっぱり戦闘機定数の増強が現実的だと思います。

戦車の件、安心しました。

高射部隊の統合は僕も反対です。陸自と空自の高射部隊はそれぞれ与えられた任務が異なるので現場を混乱させかねないですよね…。

SSMの南西配備はかなり助かりますね。

「くらま」の後継に関してなんですが、艦齢的に怪しいですけど英国がインヴィンシブルを競売に出しているのでそれを買っておくという手もあるんじゃないでしょうか?www

天山氏
>F4
航続距離もさることながら、もはや運用が限界に達しつつあることも考えなくてはなりません。従いまして百里吉の第305飛行隊を沖縄に配転した場合は、百里基地にはF4しか残らないこととなり、首都圏防空は非常に脆弱なものとなります。最近はロシア軍機の行動も活発化し、東京急行ルート等首都圏に近付く事もしばしばです。
http://www.asagumo-news.com/news/201011/101118/10111808.html
貴重な対艦攻撃機を最前線に配備するかどうかは慎重な検討が必要です。ここは定数を増強するしかないと私は考えます。

高射部隊の統合は私も賛同しかねますが下記の様な考えもあるようです。
http://kuon-amata.cocolog-nifty.com/blog/2009/08/post-2ba9.html

24DDHは固定翼機も運用可能となるとの噂が散見されるのですが・・・。

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