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2011年1月

2011年1月29日 (土)

町村元官房長官の訪米、米国防次官補らとの会談に思うこと

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2011年1月26日17時29分の読売新聞の報道によりますと、自民党の町村元官房長官がグレグソン米国防次官補やジョン・ハムレ戦略国際問題研究所(CSIS)所長と会談し、今春に策定予定の共通戦略目標で「中国の軍事力近代化と北朝鮮の核開発への対応がポイント」との認識で一致し、町村元官房長官は記者会見で「今後の日米協議では日本の防衛費のレベルが問題になるとの考えを示した。」とのことです。
この報道で不明なのは何故に町村元官房長官なのか、どの様な立場で訪米したのかです。2011年1月29日(土)午前10時現在で今回の町村氏訪米に関する詳細は自民党のホームページにも町村氏の公式ブログにも掲載されていません。従いましてどの様な経緯でどういった立場で国防次官補という公職にある立場の人物と会見したのかが現段階では全く分かりません。尤も安倍元首相もフロノイ米国防次官とグレグソン次官補と会見したことがありますし、CSISは保守系シンクタンクですし、グレグソン米国防次官補は今年の4月頃には辞任する予定ではあります。
しかし今回の町村氏の「今後の日米協議では日本の防衛費のレベルが問題になる 」との認識は何が根拠なのでしょう。この会談でそういった心証を抱いた事は確かではあるのですが、米側からそういったコメントがあったのでしょうか。こういった米側の要望は以前にもありました。具体例としましては2008年5月20日にトーマス・シーファー駐日大使(当時)が日本の防衛費増額を提唱しています。 しかし日本は新防衛大綱を策定したばかりであり、今後5年間は大きく日本の防衛政策が変更する事はありません。
しかし今回の件で不甲斐ないのは民主党がこういった外交を殆ど展開していないことなのです。本来は例えば安倍元首相が2010年10月に訪米しフロノイ次官とグレグソン次官補と会談した際に「尖閣諸島が中国に占領・掌握されても日米安保条約の対象となる」等の重要な言質を取るなどは与党の仕事なのではないでしょうか。民主党が今の政権与党なのです。野党の行う外交には自ずと限界があります。例えば「谷垣氏、アポとれず訪米断念」( 2010年12月23日 日本経済新聞朝刊)は当然の話なのです。米国政権中枢が外国の野党党首と会談を行うことはほぼありません。何故ならばそれを行えばその外国政府に対して米国政府が不支持を表明したこととなり、その外国政府に対し著しく非礼な対応となるからです。
しかし、それにも関らず昨年の安倍元総理の例や今回の件の様に日本の安全保障の根幹に関わるトピックに関して野党に対しても重要な見解表明がなされるのは何故なのでしょう。外交はオールジャパン体制でと言えば聞こえが良いのかもしれませんが・・・。
それは兎も角、もし「今後の日米協議では日本の防衛費のレベルが問題になる 」ということが事実であれば、米側が日本側に対して防衛力の強化を求めてくる可能性があります。米国側が中国のJ-20等のステルス機開発空母保有に向けて邁進していること、対艦弾道ミサイルの開発など急激な軍備増強に懸念を抱いていることは間違いがありません。そしてそれは米国のみの課題ではなく、日本にとっても大きな脅威であることは間違いがないのです。
2011年02月08日追記:町村信孝オフイシャルホームページに今回の訪米に関する記事2011年02月01日付けで掲載されました。
2011年02月11日追記:中国に懸念…米軍、日韓と軍事協力関係強化方針(2011年2月9日11時53分 読売新聞) マレン米統合参謀本部議長「今後数十年、北東アジアで強力な軍事的プレゼンス(存在)を維持する」

2011年1月21日 (金)

日本政府 F-35を導入する方向か

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 日本政府がF-35を導入する方向で本格的に動き出した兆候が18日に見られました。まず外務省の動向ですが前原外務大臣とジョン・ルース駐日米国大使の間で,「日本国とアメリカ合衆国との間の相互防衛援助協定に基づきアメリカ合衆国政府により日本国政府に対し提供される統合攻撃戦闘機F-35航空システム及び関連附属任務機器に関連する秘密情報の秘密保持及び保護に関する書簡」の交換が行われました(平成23年度01月18日 外務省プレスリリースより)。
 更に同じ18日に北澤防衛大臣がFX選定に関し記者会見を行い、「第五世代機」と言及があり、その直後に「F-35の場合は米国から相当な資料を調達するように予算計上をしましたから、今年中に結論を出して、再来年度要求する予算へ調達の経費を計上するという予定にしています。」と非常に踏み込んだ発言をしています。(防衛省 大臣臨時会見概要 平成23年1月18日(16時59分~17時01分)
 ただ某カリスマブローガーによりますと自衛隊は世間一般とは全く異なった語彙を使用することがあり、「第五世代機」とは「航空自衛隊にとって五番目の戦闘機(セイバー、マルヨン、ファントム、イーグルの次)という意味で第五世代」と述べている可能性もあるとの事です。その一方でJ-20の初飛行を受けて、結局はF-35を導入する以外にないとも述べています。
 F-35がカタログスペック通りの性能を発揮するのであれば、素晴しい戦闘機となるでしょう。しかし国防総省の最近の報告書では今まで明らかにされてこなかった不具合が多数判明しています。(Defense Newsの2011年01月18日の報道より)
 “The F-35 Lightning II strike fighter has previously undisclosed problems with its handling, avionics, afterburner and helmet-mounted display, according to a report by the Pentagon's Director of Operational Test and Evaluation.”「F-35 lightning II 攻撃機は国防総省運用試験評価局の報告書によると取り扱い、アビオニクス、アフターバーナー、HMD(helmet-mounted display)に以前に明らかにされていない不具合がある。」
 “Both the U.S. Air Force F-35A variant and U.S. Marine Corps F-35B model experienced transonic wing roll-off, [and] greater than expected sideslip during medium angle-of-attack testing,the report said.” 「報告書によるとUSAFのF-35AとUSMCのF-35Bで遷音速時の機体の横転と、中間AOA(迎え角)試験(*注)の際に予測以上の横転を経験した。」
 “Pratt and Whitney F-135 engine has encountered an afterburner "screech," in which airflow disruptions cause severe vibrations, preventing the engine from reaching maximum power.”「プラット・アンド・ホイットニー F135エンジンは気流の途絶が深刻な振動を引き起こす「アフターバーナースクリーチ」(騒音)に遭遇し、最高出力を出せなくなっている。」
 “Further, the report indicates problems with the aircraft's helmet-mounted display (HMD).”「更に報告書によると機体のヘッドマウントディスプレイ(HMD)に不具合があることを示している。」“The report does not elaborate on the nature of the problems, but says they must be solved before the Block 2 mission systems software can be tested. ”「報告書は不具合の内容に関して詳述はさけたがBlock 2ミッションのソフトウェアが試験される前に解決されなくてはならないとしている。」590pxf35_helmet_mounted_display_s_3

(写真はF-35のHMD。必要な情報がこのヘルメットのバイザーに表示される。そのことによりF-35は従来の戦闘機にあったHUDを廃止している)
 “The report also calls for the aircraft's On-Board Inert Gas Generations System, which generates inert gases to prevent oxygen building up inside the fuel tanks, to be redesigned.”「報告書は燃料タンク内に酸素が溜まるのを防止する為に不活性ガスを発生する機内の不活性ガス発生装置の再設計も求めた。」“The OBIGGS system fails to inert the fuel tank ullage spaces throughout the combat flight envelopes evaluated," the report says”「戦闘フライト・エンベロープ評価を通じて不活性ガス発生装置は燃料タンク目減りスペースを不活性化することに失敗したと報告書はしている。」
 上記の様な状態を鑑みますと、F-35計画はまだ不安定要因が少なからずあります。無論遅かれ早かれ日本はF-35を導入するでしょう。しかしそれが今回のFX選定に相応しい機体かどうかは判断が難しいところです。日本の国内生産基盤維持の観点からも今回はF-15FXやF/A-18E等の第4.5世代機を採用し様子を見るか、またはハイ・ローミックスとする選択肢が無難な気がします。その場合はライセンス生産が望ましく、だとすれば合理性からもある程度のまとまった機数の受注が必要となり、そうしますとやはりこの観点からも戦闘機の定数増強が必要と個人的には考えます。
 また今後はF-15後継機F-2後継機も必要となるのであり、それらは中国のJ-20戦闘機初飛行に対抗する意味でも第六世代戦闘機であることが望ましく、そう考えますと日本単独でそれらを開発するのは困難であると思われます。このことからも戦闘機の国際共同開発への参加を可能とする武器輸出三原則の緩和が必要ではないでしょうか。

angle of attack (AOA、迎え角)
「翼と、それに向かってくる空気流 (相対風) との角度のことです。迎え角は航空機が進む方向に対するものであって、翼が水平線との間に作る角度ではありません。一般に、迎え角が増大するにつれて、翼が生み出す揚力も増大します。ただし、"臨界迎え角" と呼ばれる特定の角度に達すると、翼に向かって流れる空気は、翼面形状に追従できなくなり、乱流になります。臨海迎え角を超え、揚力が突然失われることを "失速" といいます。」
http://www.s-f-x.net/FSWeb/LearningCenter/Glossary.htm
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2011年01月22日(土)追記:F35、日本の開発参加を調査=ロッキード社の接触承認-米国防総省(2011年01月22日 時事通信) 「▽日本仕様の部品のライセンス生産▽最終的な機体組み立て▽完成品の検査」等が検討されているそうです。1月18日付けのWALL STREET JOURNALでもLockheed Martin社のF-35プログラム事業部長のコメントとしまして“U.S. government has asked Lockheed to provide preliminary information on how it could build the Joint Strike Fighter with Japanese industrial input, building either major subcomponents or completing final assembly in Japan.”「日本国内での主要部品の製造ないしは最終アセンブリーでどの様に日本の業界とJSFを製造できるか関してロッキード社に米国政府が情報提供を要請した」とありました。

2011年1月17日 (月)

中国軍、北朝鮮特区に進駐=施設警備、有事介入の見方も-韓国紙

  韓国紙・朝鮮日報時事通信の1月15日の報道によりますと、北朝鮮北東部の羅先経済特区に中国軍が駐留したとのことです。駐留の趣旨は「羅先に投資した港湾施設などを警備するためであり」、「少数の中国軍を駐屯させる」との事です。規模に関しては不明ですが朝鮮日報によりますと「昨年12月15日ごろ、夜半に中国製の装甲車、戦車約50台が中国の三合(吉林省)から豆満江(中国名・図們江)を超え、北朝鮮の会寧(咸鏡北道)に入った」との目撃証言があります。

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画像はNHK2010年05月12日 (水)解説より)
 今回の駐留は二つの意味合いで重大です。まず第一に少なくともこの地区に対しては中国軍が駐留する限りは米韓は攻撃を行えません。中国軍が駐留している地区を攻撃すれば、少なくとも局地的に限られるかもしれませんが、中国軍と直接交戦することとなります。話は少しずれますが、日本でも「駐留なき安保」論が時折散見されますが、日本国内に米軍基地がある/無いではこの例を見ても大きいのです。規模と駐留期間の定めの有無にもよりますが、これは実質的に中国軍が北朝鮮の体制を軍事的に保障することにもなり、北朝鮮の現体制にとり中長期的には利益となります。万が一駐留期間に定めがないのであれば、それは中国軍が半永久的にこの地区に駐留することも可能な訳であり、だとすれば朝鮮半島の南北統一へのハードルが高くなったことを意味します。これは先日のウィキリークスの米国公電流出事件で判明しました中国は北朝鮮の統一を支持するとの発言と矛盾します。尤もこれは程国平氏の個人的見解であったか、もしくは本心ではなかった可能性もあります。
 また第二に地図を見れば分かりますが中国軍が将来的には日本海側に軍事力を直接投射可能な拠点を確保した事が分かります。現時点では駐留しているのは少数の陸軍のみであると思われます。しかし同地区に駐留する軍に関しての中朝間の合意内容にもよりますが、将来的には規模の拡充や北朝鮮国内の他の地区も含めた空海軍の展開もあり得まるのではないでしょうか。これは日本にとり将来的には大きな脅威となり得るのです。(尤も海軍に関しましては北朝鮮国内で軍艦を製造しなくてはならなくなるでしょうが)
現段階では中国軍が駐留する趣旨は「羅先に投資した港湾施設などを警備」であり、北朝鮮の体制が崩壊した場合の混乱に備える為(韓国政府高官)である模様ですが、軍事上は意図ではなく能力を分析して備えなくてはなりません。東西ドイツ統一後にソ連軍が撤収した様に北朝鮮政府崩壊後に中国軍が撤収するとの保障は何らありません。少なくとも「羅先に投資した港湾施設などを警備」ということは中国側は羅先経済特区を権益と看做しているのです。
 中国軍が将来的に朝鮮半島に大規模に駐留した場合は、ステルス機初飛行にも成功したJ-20以外にももう一機種のステルス機開発も明らかとなりました)その軍事的脅威は北朝鮮よりも遥かに深刻であり、日本は南西方面だけではなく日本海側の警戒も一層強化しなくてはならなくなるでしょう。

2011年01月18日(火)追記:北朝鮮・羅先への軍駐屯を否定 中国国防省当局者 ( 2011年01月17日 産経新聞 )
2011年02月03日(木)追記:中国企業、北朝鮮・羅先に20億ドル投資(2011年1月19日20時21分  読売新聞)

2011年1月15日 (土)

航空自衛隊次期主力戦闘機選定(空自FX)でF15がまだ候補機種

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 J-20初飛行に関する前の記事でも書きましたが、ゲーツ国防長官は中国訪問中の1月11日にJ-20が初飛行に成功したこととの関連で、日本の次期主力戦闘機選定に関し“And I might have a few suggestions for them”「私から幾つか提案をさせて頂くかもしれない」(2011年1月12日 CNN報道)と述べました。またこの記者会見でゲーツ国防長官は“And so that would give Japan the opportunity - if they bought the right airplane - to have a fifth-generation capability. ”、“Fifth-generation fighters are equipped with stealth and radar-evading equipment. The F-35 - which is still under development - would meet that requirement.”「(日本が現在FX選定を行っていることは)日本に第五世代の能力を有する戦闘機を導入する機会が与えられている-もし正しい機体を導入すればだが-。」、「第五世代戦闘機はステルス性とレーダーを避ける機器を有している。現在開発中のF-35は要求に合致するであろう」とも述べました。
 Defence News 11年01月13日の記事“Gates Pitches F-35, Hornet and Eagle for Japan”によりますと、ゲーツ長官は北澤防衛相にF-35, F/A-18, F-15を売り込んだとの事です。この報道によりますとGates offered that the Pentagon could give Japan an analysis of the merits of each aircraft, said the official, who spoke on condition of anonymity.「ゲーツ長官はペンタゴンが日本側にそれぞれの候補機種のメリットに関する分析を提供出来ると提案したと高官が匿名を条件に述べた。」としています。もしこの報道が事実だとしますと、米国政府はまだF-15も日本の空自FX候補と考えていることとなります。従来の報道では機種候補はF-35、F/A-18E/F、ユーロファイタータイフーンの三機種に絞り込まれたとしていました。しかし最近になり候補機種は国外の六機種との報道も散見されるようになりました(2011年1月10日19時17分 朝日新聞及びWING DAILY2011年1月11日報道)。三機種が有力との報道は三機種とも三菱重工がライセンス生産を望んでいる機種ばかりであり、三菱重工のPINGではないかとの分析がかつて業界有力関係者のKeenedge氏よりされたことがあります。
 ゲーツ長官の中国での記者会見からしまして、ゲーツ長官としましては日本がF-35を導入することを希望していると考えて良いと思われます。ただ選択をするのはあくまでも日本であり、特定メーカーの機種のみを強く推奨するのも立場上公平性を欠くこととなり、今回の訪日では米国製戦闘機三機種全てを推したのだと思われます。しかしだとすれば日本側としましてはF-15を選択出来る余地があることと思われます。MHIの意向は戦闘機を調達するうえで大きな要素ではありますし、またボーイング社が積極的にF/A-18Eを推していることも考慮に入れますとF-15を選択し難い環境ではあるのですが、やはり国内でライセンス生産が可能でありかつ総合的なスペックで優れ、またUSAFとの互換性があるF-15E改良型が最も無難ではないかと感じます。
 今回のJ-20の初飛行で日本はFX選定を加速化させることとなるでしょう。それがF-35となるのか、それともそれ以外の機体となるのか結果に注目していきたいところです。

*これ以降の経過に関しましては当記事下部の2011年06月12日(日)追記も併せてご閲覧ください。
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2011年01月17日(月)追記:FX選定 実務チームが始動 24年度要求へ作業急ぐ(朝雲新聞)調査対象機種は①米F22Aラプター②米F35ライトニングⅡ③米F15FXイーグル④米F/A18E/Fスーパーホーネット⑤ユーロファイター・タイフーン⑥仏ラファールの6機種。
2011年01月28日(金)追記:技術情報提供の用意伝える=米長官、FX選定で日本側に(2011年1月27日 時事通信) 「米国防総省のモレル報道官は26日の記者会見で、今月のゲーツ国防長官の訪日時に、日本の次期主力戦闘機(FX)の選定に関して日本側と意見交換していたことを明らかにした。」
2011年02月03日(木)追記:英大使がトップセールス 次期戦闘機で売り込み合戦(2011年2月3日 00:37 産経新聞) 「有力候補2機種の開発メーカー側が2日、東京都内で相次いで記者説明会を開催。」、「説明会を開いたのは、欧州共同開発のユーロファイターと、米国製FA18のメーカー側。」

2011年06月12日(日)追記:関連記事を下記に列挙
日本政府 F-35を導入する方向か 2011年01月21日

ボーイング社がインド航空際にてインドにF/A-18E "Silent Hornet"を提案 2011年02月09日

次期主力戦闘機選定で防衛省が国内防衛関連三社とアドバイザー契約を締結 2011年03月08日

空自FXの提案要求書説明会の日程が官報に掲載される 2011年04月05日

次期戦闘機選定で防衛省が要求書交付 2011年04月14日

2011年1月12日 (水)

中国ステルス戦闘機J-20プロトタイプが初飛行

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このブログでも昨年の年末に取り上げました中国のステルス戦闘機J-20のプロトタイプが初飛行したとの情報が入りました。ロイター通信の1月11日05:33AM(アメリカ東部標準時)の報道によりますと胡錦濤国家主席が中国を訪問中のロバート ゲーツ米国国防長官に明らかにしました。下記がその記事の主な内容です。

“Gates: China's Hu confirms stealth jet test-flight”
ゲーツ国防長官「中国の胡主席がステルス機の試験飛行を認める」

Chinese President Hu Jintao confirmed the country had on Tuesday conducted its first test-flight of a stealth fighter jet which could narrow the nation's military gap with the United States, U.S. Defense Secretary Robert Gates said after talks with Hu.
「中国が米国との軍事力の差を縮め得るステルス戦闘機の初飛行試験を火曜日に実施したことを胡錦濤中国国家主席は認めたと、ロバート・ゲーツ米国国防長官が胡主席との会談後に述べた


Gates said Hu told him that the maiden test-flight of the advanced J-20 fighter jet prototype was not timed to coincide with Gates's visit and had been planned earlier.
「ゲーツ長官によると胡主席はゲーツ長官に最新鋭のJ-20戦闘機のプロトタイプの処女飛行はゲーツ長官の訪問に合わせたものではなく、以前から計画されていたものだったと告げた」

Beforehand, the test-flight of the fighter jet, which could potentially evade detection by foes, in the southwest Chinese city of Chengdu had been widely reported on Chinese Internet blogs and online news sites.
「その前に、敵による探知を避ける潜在性があり得るその戦闘機の、中国南西部の都市である成都市での試験飛行は中国国内のインターネット上のブログやニュースサイトで広く報じられていた。」

In recent days, Chinese Web sites and some popular newspapers, which can come under a heavy grip of censorship, have carried many reports and pictures claiming to show the stealth fighter being tested on the ground.
「このところ、厳重な検閲下にあるはずの中国のサイトや大衆紙は、ステルス戦闘機の地上での試験であるとする多数の報道や写真を掲載していた」

But the government had been silent about the fighter until Hu's remarks to Gates.
「しかし中国政府は胡主席がゲーツ長官に述べるまでこの戦闘機に関して沈黙していた。」

The latest pictures may heighten concern about China's military build-up, including possible deployment in 2011 of its first aircraft carrier and a new anti-ship ballistic missile seen as a threat to U.S. aircraft carriers.
「これらの最新の写真は、2011年にも配備され得る中国の最初の空母と米国空母への脅威と見られる新たな対艦弾道ミサイルと並んで 、中国の軍拡への憂慮を高めるかもしれない。」
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「(J-20ステルス戦闘機の試験飛行は)以前から計画されていたものであり、ゲーツ長官の中国訪問に合わせたものではない」との胡錦濤国家主席のゲーツ長官へのコメントは明らかに事実ではないと思われます。これが米国に対してどの様なインパクトを与えるか中国側は十分に承知している筈です。もし米国を刺激してはなるまい、牽制する必要はあるまいと考えているならば、ゲーツ長官の訪問後に日程をずらしていた筈です。それをわざわざこの日にしたのは何らかの意図があると見た方が良いでしょう。
中国が最高機密と言ってもいいJ-20の画像がネット上に掲載されているのを事実上黙認しているのは、ゲーツ長官の今回の訪中を前にして米国に対する中国側の力の誇示ではないかとの分析が一部でされていました(ステルス戦闘機「殲20」 中国 意図的に写真流布 - MSN産経ニュース 2011年1月10日21:27
またゲーツ長官は1月8日にアメリカ合衆国メリーランド州アンドルーズ空軍基地での中国訪問出発前の記者会見で“China may be somewhat further ahead in the development of the aircraft than our intelligence had earlier predicted.”「中国は我々の情報機関が予測したよりも(J-20)戦闘機の開発が幾分進んでいるかもしれない」と述べています(Defence News 11年1月9日 10:10)。
しかし今回のこの機体は複数の識者により分析されていますが、カナードが付いていること、機体のサイズが非常に大型であると思われること(F-111以上であるとする分析もある)、機体後部がステルス戦闘機とは到底言い難いこと等が指摘されています。
JSF氏によるJ-20、PAK FA、F-22の比較図
http://yfrog.com/h7mh8zij
http://yfrog.com/f/h4rsfoxj/

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今回のこの下からの写真を見ましても、機体が非常にずんぐりしており、カナードも非常に大きい印象を受けます。
また対艦弾道ミサイルの脅威も話題となっていますが、前の記事でも書きましたように弾道ミサイルのCEPは極めて低く、その一方で機動部隊は20ノット~30ノットの速度で巡航すると仮定され、かつ米海軍の主力はイージス艦です。米国機動部隊の正確な位置をリアルタイムで把握し、且つ継続的に追尾し、移動目標に命中するように誘導するのは至難の業と言えます。またtwitter上では弾道ミサイルの落下速度では誘導は困難であるとする分析もあります。
しかしながらこれらの中国側の一連の兵器開発は明らかに米国に軍事介入を躊躇わせる為のものだと言えます。これらの動向の中国側の目的がどこにあるのか見極める必要があるでしょう。

2011年01月13日(木)追記:米長官、中国の文民統制に不信 戦闘機試験飛行で - 47NEWS(2011年01月12日(火) 共同通信)「対応ぶりから米側は胡氏を含めて会談に同席した文民が全員、事前に試験飛行を知らなかったと判断した。」
2011年01月13日(木)追記:参考資料:米国防長官、日中韓歴訪へ…菅首相と13日会談(2011年1月8日19時18分  読売新聞)「中国には9日から12日まで滞在。11日に胡錦濤国家主席と会談」「12日夕に東京に着き、13日に菅首相、北沢防衛相、前原外相と相次いで会談」
2011年01月13日(木)追記:"With Gates in the country, China stealth fighter takes first flight" (2011年01月12日 CNN) ゲーツ氏が中国訪問中に中国がステルス戦闘機の初飛行を行う: Japan, is considering purchasing its next generation of fighter aircraft. "And I might have a few suggestions for them," Gates said. 日本が次世代戦闘機の導入を検討している。「(その事に関して日本に対し)私は幾つかの提案がある」とゲーツ氏は述べた。
2011年01月16日(日)追記:中国、別のステルス機も開発か=国営TVが写真報じる(2011年01月16日 時事通信)
2011年01月24日(月)追記:米のステルス技術を盗用か 中国の戦闘機「殲20」(2011年01月24日 共同通信)「1999年のコソボ紛争の際にセルビア上空で撃墜された米軍のF117ステルス攻撃機の技術を中国が盗用した可能性が高い」
2011年01月27日(木)追記:実戦配備は2015~18年 ステルス戦闘機で中国紙報道(2011年1月26日 共同通信)
米元技師、中国にステルス情報 違法提供に禁固32年(2011年1月25日 共同通信)

2011年02月10日(木)追記:15年から部隊配備か=中国ステルス戦闘機(2月8日(火)16時46分 時事通信) 『中国空軍の許其亮司令官「(J-20を)2014年に大量生産を始め、15年秋から部隊に配備する方針」』
2011年02月20日(日)追記:ステルス機“中国15年後に200機”」(2月18日10時52分 NHK) ゲーツ国防長官が17日に議会上院・軍事委員会の公聴会で証言
中国軍切り札「空母キラー」配備…米艦接近阻止(2011年2月19日03時05分  読売新聞)
2011年02月26日(土)追記:「対ステルス網構築へ 中ロに対抗」(2011年2月21日08時49分 東京新聞)
2011年02月27日(日)追記:「ステルス機の優位を崩せ!最先端の空中線で探知 技本「MIMOレーダー」研究に着手」(2011年01月27日 朝雲新聞)

2011年1月 4日 (火)

バードカフェ謹製おせち商品相違問題に思うこと

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 年末年始に実にお粗末な騒動が起きました。多くの方が報道等で既にご存知のことと思いますが、ネットで注文したお節が見本の写真と全く異なっていた問題です。
ネット注文おせち「見本と違う」…納品遅れも
 問題のお節は「バードカフェ謹製おせち」でお節33品・3段・7寸(4人分)」(定価2 万1000円)を、半額の1万500円で販売していました。ところが、実際に届いた品物は25品程しかなく中身がスカスカだったとのことです。またクール便で送られてくるはずが通常便で送られてきており、しかもその一部は腐っていたという報道も散見されます。この問題で(株)外食文化研究所(バードカフェ)は全額返金し代表の水口憲治社長が辞任をすることにより責任を取るとしています。それはそれで一つの対処の仕方であると言えるでしょう。しかし私はこれが根本的な解決に繋がるとは考えないのです。
 クレームとはなんでしょうか。クレームとは企業が提供した商品やサービスのレベルが顧客の期待したレベルを著しく下回ったことにより生じるものです。クレームがチャンスと言われるのは、それが企業にとり顧客の満足レベルがどこにあるのかを知る良い機会でもあるからなのです。通常の場合は顧客、特に一般消費者が企業側に対してクレームを付けることは余りありません。例えば料理が不味い、出すのが遅い、そういった苦情を直接レストランに主張する人はそういないでしょう。しかしその顧客はもう二度とその店には行きません。しかもその顧客は自分の家族や知人にそれを話すでしょう。ここが非常に恐ろしい所なのです。
 ところが今回のケースでは苦情が殺到し、全国紙の記事となる程の問題となりました。今回の(株)食文化研究所(バードカフェ)側の提供した商品が顧客側の期待値を大幅に下回ったことの明白な証拠と言えるでしょう。そもそも商品の写真と実際に届いた商品に若干の差異があることは一般的に有り得ることであり、その差異が常識の範疇であればそれは消費者の許容範囲内と言えるでしょう。尤もこの「常識の範疇」というのがまた難しいところで、個人差があります。シビアな評価基準の方もいらっしゃれば、大らかな方もいらっしゃります。しかし今回のケースは誰が見ても明らかに納期遅れ/数量不足/不良品と言えるでしょう。お節は正月に食するのが当然であり、だとしますと最悪でも大晦日必着でなくてはなりません。それが届かないというのでは話になりません。昨年のゆうパックの遅延で誕生日にケーキが届かないというケースもありましたが、それと同様の問題と言えるでしょう。更に33品が26品しかないというのでは、明らかな数量不足です。しかも腐っていたとの一部顧客からの申し立てが事実であれば、それは食品として最低限の機能を到底果たし得ないのであり、最悪の場合は健康被害が発生する虞もあったのであり、不良品以外の何ものでもありません。そして今回クレームが殺到し、ネット上で所謂「炎上」となり、全国紙で取り上げられる程の騒動となったことは、(株)食文化研究所(バードカフェ)の提供した商品が世間一般常識から著しくかけ離れているサービスの提供であったことを何よりも明白に物語っています。
 しかし一体何故こういった不良品の出荷が起きてしまったのでしょう、水口憲治社長のブログによりますと 「500セットの調理と詰め込みに予想以上の時間がかかり納品が遅れるという事態が発生してしまいました」と述べています。確かにこれが直接的な原因なのかもしれません。しかし、誰が見ても不適切であることが一目瞭然であるのにも拘わらず、それが出荷されてしまうところに問題があるのです。此処まで見本と実際の商品に差異があるのでは確信犯的とも言えます。今まで(株)外食文化研究所はどういった検査基準で商品を出荷していたのでしょうか。メーカーで言うところのQC工程表の様な物や記録表はあるのでしょうか。
 この水口憲治氏のブログ会社のホームページ には何ら再発防止策が提示されていません。今後こういった不祥事が起きない様にどういった再発防止策を講じるのかに関して具体的な言及がない限り、消費者側は今後安心して発注が出来ません。社長辞任と返金で幕引きにする問題ではないのです。繰り返しになりますが具体的な原因と対策が何ら発表がないことに最大の問題点であると私は考えます。万が一市場からの信頼が取り戻せければ、最悪の場合は正社員28名、アルバイトスタッフ120名 が路頭に迷うことにもなりかねません。
 私は日本の製造業と海外の製造業の違いは日本人の品質に対するこだわりであると考えています。そこが例えば中国等諸外国との違いなのです。昨今では実際に製品を製造するのはロボットであるので、一部精密機器の品質は日本国内での製造と遜色がなくなりつつある分野が出始めています。しかしその一方で日本人と中国人で品質管理に関して認識に大きな齟齬があるとの話は製造業では良く耳にする話ではあります。今回の問題は食品ですのでサービス業ですが、それと同時に物を作る製造業とも言えます。(株)外食文化研究所のホームページには「健全な企業活動を通じて顧客さま、メンバー、協力業者さま、すべての人々を大切にしよう。」と書かれています。是非ともその原点に立ち戻って欲しいものです。

*皆様明けましておめでとうございます。今年度もアシナガバチを宜しくお願い申し上げます。

2011年01月05日(水)追記:水口社長ブログ「衛生面につきましても、店内全体を冷やしキャップ、マスク、手袋、調理用衣類等を着用で調理から詰め込みまでを行っております。」→実際の調理現場の写真

2011年01月08日(土)追記:おせち苦情、外食文化研究所とグルーポン聴取へ (2011年1月8日07時54分  読売新聞) 消費者庁が事情を聞き景品表示法違反にあたるかどうかを調べる。

2011年02月11日(金)追記「スカスカおせち」消費者庁が措置命令へ (2011年2月10日10時05分 読売新聞)

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