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2011年2月

2011年2月27日 (日)

米国KC-X計画ボーイング社選定と日本の空中給油機追加導入の可能性について

当ブログの読者であれば大多数の方々が既にご存知のことと思いますが、約10年間の長期間に亘り迷走してきた米国空軍のKC-X(次期空中給油機選定)でボーイング社が遂に指名されました。米国防総省のホームページでも正式発表を見ることが出来ます。ベースとなる機体はボーイング767で、正式名称はKC-46Aです。2017年までに18機調達し35億ドルの契約金額となります。今回の記事では2011年2月24日のDefense Newsの記事"Boeing Wins U.S.Air Force Tanker Battle" をソースとして選定レース経緯とボーイング社が選定された背景、ボーイング社の機体が選定されたことが日本にとりどの様なメリットをもたらし得るかの分析を書いてみたいと思います。

1.選定レースの経緯
"In the early 2000s, the Air Force tried to lease 767-based tankers from Boeing under a sole-source contract, then tried to appease critics by switching to a plan to buy 80 aircraft and lease 20. But opposition to the plan, led by U.S. Senator John McCain (R-Ariz.), torpedoed the deal in November 2003."
2000年代初頭に空軍は随意契約でボーイング767ベース給油機をボーイング社からリースしようとしたが、80機を購入し20機をリースする契約に変更し批判をかわそうとした。しかしJohn McCain上院議員(アリゾナ州選出-共和党)に率いられた反対派により、その契約は2003年11月に破棄となった。

"The tanker contract was further marred with the revelation that a senior Air Force contracting official named Darleen Druyun had steered contracts at inflated prices to Boeing in exchange for employment for herself and family members. The contract was formally ended in January 2006."

さらに米国防総省発注担当者であるDarleen Druyun氏が彼女自身と彼女の家族のボーイング社への入社の見返りに、高額な金額となる様にボーイング社との契約を誘導していたことが発覚し、空中給油機契約は更に傷ついた。契約は2006年1月に正式に破棄となった。

"In January 2007, the Air Force launched the KC-X tanker competition, drawing bids from Boeing and archrival EADS, which partnered with Northrop Grumman. In February 2008, the Northrop-EADS team won the contract with their Airbus A330-based aircraft."
空軍はKC-X競争入札を2007年1月に実施し、ボーイング社とノースロップ・グルーマン社と提携した最大競争相手のEADSが名乗りを上げた。2008年の2月に、ノースロップ社-EADS連合がエアバスA330ベースの機体で契約を勝ち取った。

"The following month, however, Boeing protested, claiming the Air Force failed to evaluate the two proposals using the published criteria. That June, the Government Accountability Office (GAO) upheld the protest, which led to the cancellation of the program. "
しかしその翌月に空軍が公開基準に則って二つの提案を評価しなかったとしてボーイング社は異議を申し立てた。6月に米国会計検査院(GAO)が抗議を支持し、プログラムはキャンセルとなった。

"The Defense Department attempted to restart the program, but aborted the attempt because a winner could not be picked before the Bush Administration left office."
国防総省はプログラムの再開を試みたが、ブッシュ政権が終わる前に勝者を決めることが出来なかった為にプログラムを中止した。

"The KC-X program was restarted for a third time in September 2009 by Defense Secretary Robert Gates. Though the Air Force controls the selection process, the Office of the Secretary of Defense has been closely monitoring the process. In the new competition, military acquisition officials issued 373 requirements for the tanker, but said that the unit cost of each aircraft would be adjusted to reflect lifecycle cost over 40 years. The Air Force would also judge how effectively the aircraft would meet "warfighter effectiveness." "
KC-Xプログラムはロバート ゲーツ国防長官により2009年9月に三度目の再開となった。空軍が選定手続きを管理したが、国防長官官房が選定手続きを注意深く監視した。新たな競争入札では、軍の調達担当官が373項目の要求を給油機に発行したが、40年間のライフサイクルコストがそれぞれの機体のユニットコストに反映されるよう調整するよう言及した。空軍は機体が戦闘機の有効性に合致するかも判断するとしていた。

2.ボーイング社の機体が選定された背景
英語版WikipediaにA330 MRTTとKC-767の興味深い比較表があります。それによりますと能力的にはA330 MRTTが全般的に勝っています。
乗客数:A330 MRTT 226名~280名
     KC-767 190名

カーゴ:A330 MRTT 32x463Lパレット
     KC-767 19x463Lパレット

離陸時最大燃料搭載量:A330 MRTT 245,000 lb (111,000 kg)
                KC-767 202,000 lb (91,600 kg)以上

航続距離:A330 MRTT 12,500 km
       KC-767 12,200 km

巡航速度:A330 MRTT 859 km/h
       KC-767 853 km/h

その為かLexington InstituteのLoren Thompson氏によりますと"Boeing's victory caught most observers off guard; an EADS victory seemed all but certain."「ボーイング社の勝利は殆どの観測者には予想外だった。EADSの勝利は確実だった」とコメントしていました。Loren Thompson氏は"The Boeing victory suggests that the Air Force was concerned about the higher cost of building and then operating an A330, which burns a ton more fuel per flight hour than the Boeing aircraft," 「ボーイングの勝利は空軍がA330の製造コストとボーイング社より1トン多い燃料を1飛行時間につき消費する運用コストに危惧したことが窺える。」と述べています。

3.日本への影響
北大路機関のはるな氏も「アメリカ国防総省、空軍の次期空中給油機にボーイングKC-767を選定」で述べていますが、「ボーイング767は将来的により新しいボーイング787の生産に移行することで767自体の生産ラインの閉鎖が展望されていました。航空自衛隊はKC-767,そしてE-767と767系統の航空機をその装備体系に導入していますので、767の生産ラインが閉鎖されるという事につながります。」、その為に空中給油機を日本が追加導入する場合は「別の機種を開発して取得する必要があり」、「全く異なる装備体系の機体を取得する必要がでてきてしまう」状況に直面していたのです。
幸いにも今回米国が採用しました新空中給油機のKC-46Aは航空自衛隊のKC-767Jと仕様は殆ど変わりません(コクピットやエンジン等は異なります。)。同じボーイング767-200をベースとしています。今回のこの決定によりボーイング社から輸入する際には製造ロットが増えており、日本にとり調達コストを下げるメリットもあるのではないでしょうか。

800pxkc767j

(写真はWikipedia KC-767Jより)
無論今回策定された新防衛大綱には空中給油機の追加導入は盛り込まれていません。しかし実は追加導入が可能となる余地があるのではないかと私は考えています。それは政府専用機との兼ね合いです。多くの方々も報道でご存じのことと思いますが、日本政府が現在保有するボーイング747-400二機が数年以内に退役することとなっています。経営再建中のJALが今年度中に同型機を全て退役させ、整備が困難になるためです。この件に関しましては数多久遠氏が「政府専用機退役 さもありなんと思いきや寂しさもあり」との記事を書いています。Japan_government_747_cropped (写真はWikipedia 日本国政府専用機より)
チャーター便も可能性の一つではありますが、私個人としまして政府専用機はチャーターであってはならないと考えます。上記の数多久遠氏の記事でも2011年2月8日 (火) 12時55分に私はコメントさせて頂きましたが、国家元首の搭乗する機体なのです。秘匿通話装置も有する機体となるとやはり民間機では無理があるのではないでしょうか。
また今回の一連の中東諸国での政変やニュージーランド クライストチャーチでの震災を見ても、国家の意思で機動的に即座に運用が可能な政府専用機を保有することは意味がある事なのです。(本題から少し外れますが、中東や北アフリカ諸国で政府の打倒に成功していますが、その後の展望が全く分からないことは大きな不安材料だと考えます。それ以降の統治機構のあるべき姿に関し、デモ参加者の間に統一した見解がある訳ではありません。多くの国々が非民主的であった訳であり、民主主義の制度には不慣れです。選挙実施のノウハウもありません。そして民主主義は貧困への処方箋ではありません。)ボーイング767-200であれば羽田からノンストップでワシントンDCにも飛行可能であり、政府首脳外交用として航続距離的に問題はありません。(←内装をVIP仕様にすることは恐らく不能でしょうし、そもそも窓がないのでナンセンスな提案でした。大変申し訳ございませんでした。)
EADS側が異議を唱える可能性はありますが、今回の米国の決定は我が国にとっても空中給油機追加調達の絶好の機会ではないでしょうか。

2011年2月24日 (木)

第六世代戦闘機日米共同開発の可能性について

 このブログの読者の方々であれば「第六世代戦闘機」との言葉を聞いたことがあると思います。第六世代戦闘機とは何でしょうか。まだ確定的な定義はないものと思われますが、2011年02月23日(水)現在で英語版Wikipediaで次のような記述を見つけることが出来ました。
 USAFはNext Generation Tactical Aircraft"(次世代戦術機)の開発に興味があり、距離、耐久性、生存性、ネットワーク・セントリック性、"situational awareness"(状況把握)性、"human-system integration"(人間にとり操作し易い)性や武器等が(第五世代戦闘機よりも)より優れていること、2030-2050年代の接近阻止・領域拒否環境下で作戦が可能であることとしています。
 このWikipediaの記事にはありませんが、第五世代戦闘機よりも優れたステルス性も含まれていると考えていいでしょう。即ち第五世代戦闘機が有する能力を全ての面に於いて向上させた戦闘機のことを指すと言えます。また第六世代戦闘機は無人機となる/有人機と無人機の組み合わせとなるとも言われています。私個人としましては、まだ完全に戦闘機全てが無人機化することはなく、有人機が無人機をコントロールする程度に止まるのではないかと予測します。
 こういった第六世代戦闘機の開発構想の具体例としましては、例えばボーイング社がF/A-18E/F後継機としてUSNに提案しているF/A-XX計画が有名です。ボーイング社としましてはJSF計画でロッキード・マーティン社に破れたのは大きな痛手であり、第六世代戦闘機で遅れを取り戻さなくては戦闘機メーカーとしては死活問題であり、あくまでもまだコンセプトの段階ではありますが、他社に先駆けてアピールする必要があったものと思われます。任務により有人/無人が選択可能で、第五世代機よりステルス性が高く、マルチロール機として活躍可能とボーイング社はアピールをしています。Faxxnavy_3  この第六世代機との関連で、twitter上で軍事アナリスト小川和久氏による非常に興味深いtweetを発見しました。米国が日本に第六世代戦闘機の共同開発を提案しているというものです。小川氏によりますと2009年6月10日の安全保障関連のフォーラムにてアーミテージ元米国務副長官が明らかにしたとの事です。尤もこれだけでは具体的なことは分かりません。公的機関へのアクセスや人脈はあるものの両氏共に厳密に言えば民間人であり、この発言やつぶやきの根拠や背景は一切不明です。具体的な内容が全く分かりません。これがアーミテージ氏個人の考えなのか、そうではなく米国政府/国防総省内部である程度はそういったことが検討されているのか、だとすればどのレベルなのか、アーミテージ氏はこの情報をいつ誰から聞いたのか、日本政府/日本国防衛省に公式/非公式レベルで米側から提案があるのか、それはいつ頃のことで今はどうなっているのかなどの詳細な事実関係が全く不明です。 アーミテージ氏が公職にないことをTwitterで指摘された小川氏は、その事について「国防長官顧問の立場で米国内において第6世代の共同開発を提案していますね。日本では講演で提案しました。」と答えています。
 このツイートを見た際に私の中で思い当たることが一点ありました。以前に当ブログでも取り上げましたF-2後継機開発プロジェクトで、防衛省による正式名称は「将来の戦闘機に関する研究開発ビジョン」です。i3Fighterの能力は前の記事にも列挙しましたし防衛省の資料にも記載がありますが、下記の様なものです。
①誰かが撃てる、撃てば当るクラウド・シューティング(射撃機会の増大とムダ弾の排除)
②数的な劣勢を補う将来アセットとのクラウド(スタンドオフ・センサーとしての大型機、前方で戦闘機の機能を担う無人機)
③撃てば即当たるライト・スピード・ウェポン(逃げる機会を与えない、弾数に縛られない)
④電子戦に強いフライ・バイ・ライト(増え続ける電波、電力とその妨害に負けない)
⑤敵を凌駕するステルス(世界一の素材技術 よりすぐれたステルス機で優位に)
⑥次世代ハイパワー・レーダー(世界一のパワー半導体技術 ステルス機と言えども強力なレーダーには見つかる)
⑦次世代ハイパワー・スリム・エンジン(世界一の耐熱材料技術 ハイパワー・レーダーとスリムなステルス形状を生み出す)I3fighter_2 上記以外にも無人機をコントロールすることも検討課題となっている模様です。これらの要素は正しく第六世代と言えるでしょう。同プロジェクトに関する日本経済新聞の2010年8月25日の記事には「将来的に国際共同開発する場合も」との記述がありました。しかし防衛省の同プロジェクトに関する公式資料には国際共同開発に関する記述が全くなく、私は日本経済新聞が何を根拠に国際共同開発の可能性に言及したのかが理解出来ませんでした。またAviation Weekの2011年02月11日の記事"Japan's Roadmap To An Indigenous Fighter"で下記の様な記述がありました。

"Two other issues that are not mentioned but may determine the future of Japanese fighter programs are the U.S. Air Force’s plan for a Next Generation Tactical Aircraft to become operational in 2030, and Japan’s cautious move toward allowing defense exports, with a view to taking part in international cooperative arms programs."
「触れられていないが日本の戦闘機計画の将来を決定するかもしれないその他の二つの問題は米空軍の次世代戦術機を2030年に配備する計画と、国際共同武器開発参加の観点から武器輸出を許可する日本の慎重な動向である」

私はAviation Weekには信憑性が乏しい記事があることもあり、この記述は余り重視していませんでした。しかし今から考えますと、水面下でこういった打診が米側からあった為にi3Fighter構想が開始されたのかもしれません。戦闘機の性能に対する要求が極めて高度になりつつあり、それに伴いまして開発費も高騰する傾向にあります。従いましてユーロファイターやF35戦闘機の例を見ましても国際共同開発が最近のトレンドになりつつあります。特に日本はステルス機開発の経験が皆無であり、第五世代戦闘機に直接触れたこともなく、また各識者によりますとステルス機は従来の機体と全く異なっており、日本が単独でステルス戦闘機を開発するのは困難との事です。
Keenedgeの湯治場「【真夏の怪談】次期戦闘機にF/A-18Eが有力のナゾ(その2)」
「(F35のライセンス生産の場合)いまの状況下では生産開始が10年位掛かっても不思議ではありません。」
シベリアンジョーク集積所「戦闘機の傾向」
「F-22やF-35を現状の日本の航空産業に生産しろと言うのは、1940年代の日本の航空産業にデ・ハビランド・モスキートを生産せよとか、あるいはラボーチキンやヤコブレフの戦闘機を生産せよと言う以上の無理があるもさ。」
 上記の識者の記述が事実だとするならば、i3Fighterの様な高度な戦闘機を日本単独で開発するのは非常に困難であると言わざるを得ません。今回のこの小川氏のtweetはその意味では興味深く、現実的な提案であると言えるかもしれません。

2011年2月21日 (月)

頂いた一部コメントがフィルターでスパム判定されていた件について

最近スパムコメントを確認しましたところ、頂いた一部の通常のコメントがココログのフィルターで自動的にスパムと判別されており、投稿されていない事象が判明しました。最近ココログにて一部機能に支障を来たす程のスパム投稿(の試み)があり、ココログにてフィルターを強化している可能性もあります。現在フィルターにてスパム判定された2011年02月07日以前の投稿に関しましては、自動的に削除されてしまっています。関係者の方々には深くお詫び申し上げます。
投稿したにも関わらず、コメントが記事に反映されていない場合はフィルターにてスパム判定されてしまっている可能性があります。今後はスパムコメントも毎日確認していく所存でございますので、今後とも宜しくお願い申し上げます。お心当たりの方は大変お手数ではございますが、再度投稿して頂ければ幸いです。
万が一コメントがスパム扱いされている模様で且つ私が気が付かない場合や、その他個別に連絡をしたいことなどございましたら、左サイドに写真→プロフィールに続きメール送信機能がございますのでご活用下さい。勿論本名を名乗る必要もありませんし、またフリーメールで構いません。(メールに対して返信するとは限りません。必要と判断した場合にのみ返信させていただきます。何卒ご理解の程を宜しくお願い申し上げます。)

Paperwasp

2011年2月19日 (土)

菅内閣末期に思うこと

Photo_2

共同通信が2月11日、12両日に実施した全国電話世論調査によりますと、菅内閣の支持率は19.9%で、菅内閣としては最低を記録しました。またこれとは別に、時事通信社が2月10~13日に実施しました世論調査では内閣支持率が17.8%にまで下落しており、この数値は鳩山内閣退陣直前の19.1%をも下回る結果となっています。
 菅政権は明らかに末期です。現在の最大の政治課題は2011年度の関連法案の可決ですが、参議院で過半数を有せず且つ自民党や公明党の賛成が見込めない現状に於きまして、その他の野党との連携して衆議院の2/3の賛成を得て可決するしかありません(衆議院の優越)2011年度予算案の関連法案の衆議院での再可決には、民主、国民新両党の会派所属の全議員の賛成に加え、さらに7人が必要となります。そこで最近は社民党との連携を模索し始めていました。しかし2月12日に鳩山前総理が共同通信とのインタビューで、首相在任当時に沖縄の海兵隊は抑止力であるとの見解を表明したのは「方便だった」と発言したとされることを受けて、社民党は特例公債法案に反対する方向です。
 それに加えて2月17日午前には小沢派議員16人が「民主党・無所属クラブ」(307人)からの離脱願を提出しました。問題は小沢派議員16人の真意です。この16人の議員は記者会見で「菅政権は国民との約束、マニフェスト(政権公約)を捨てた。政治主導の御旗も捨てた。国民の生活が第一という国民への約束も捨て去った。」ことが会派離脱の動機であると述べています。しかしこれは建て前であり、小沢一郎元代表を判決確定まで党員資格停止とする処分案に関連しており、小沢氏の意向が裏で働いていると見るのが自然と言えるでしょう。そうだとしますと執行部が小沢氏に対しての処分を取り止めれば今回の対立は収まるのでしょうか。執行部側からしますと既に処分は具体的な手続きに入った段階であり ( 民主党倫理委、22日に小沢氏から弁明聴取へ 2011年2月17日12時10分  読売新聞 ))、何よりも前述の共同通信による世論調査の結果でも小沢氏の議員辞職を求める意見が52・8%であり、執行部側としましてはもはや退けません。そして今回会派離脱をした16人が2月17日午前の記者会見にて「菅政権には正統性はない」と述べており、そこから倒閣を目指している事が分かります。両派共に対立が感情的レベルになり、修復が困難な状況です。
 予算関連法案が成立しないとなると3月危機となります。また4月には統一地方選挙があり、選挙前に内閣支持率が低迷した場合には倒閣運動が起きるのは麻生政権当時や鳩山政権当時でも前例があります。もう一つ致命傷になりそうなのが普天間基地移設問題です。ゲーツ国防長官は 「普天間基地移設問題を今年春の終わり頃までに解決することを望む」と下院軍事委員会で2月16日に述べています。2011年2月20日(日)追記:夏の首脳会談で普天間解決…米上院議員がけん制(2011年2月11日19時41分 読売新聞) 「ダニエル・イノウエ上院歳出委員長「我々は辛抱強いが、米国があとどれだけの間、何もしないまま見守っていられるかはわからない」
 
しかし上記の様な現状では重大な政治決断を下し、それを実行するだけの余力はもう菅政権には無いように思います。特に社民党との連携を模索するのであれば、普天間基地移設問題の解決は難しいのです(民主党が実質的に分裂した現段階ではもはや社民党との連携は意味がありませんが)。即ち菅政権は完全に重要な政策を遂行する能力を失った状況と言えるのです。
 それでは菅総理が総辞職をした場合に問題の解決になるかと言えば、衆参両議院での各会派の勢力はほぼ変わりません(次の代表選の経緯と結果次第では民主党分裂もあり得ますが)。菅総理が衆議院を解散した場合でも現段階では民主党の勝利はあり得ないのですし、むしろ政権を失う可能性が高く、そして参議院の勢力図は変わらないままです。もし衆議院を解散した場合は自民党が300議席前後を獲得する可能性はありますが(積極的な評価ではなく、民主党に対する批判票で。小選挙区制では結果が劇的に表れる。)、自民党は参議院で過半数の議席数に大幅に不足しており、例え自民+公明+みんな+たちあがれ日本で連立を組んでも未だに過半数に達しないのが現実です(当ブログの過去記事「菅政権の社民党との連携強化と武器輸出三原則緩和見送りに思うこと」を参照ねがいます)。
 この状況を打開するには衆議院解散と政策をベースとした政界再編しかないと考えます。私が民主党に関して最も問題視している点は、自らの政策に信念がなく、方針が度々変わる点です。ですから菅政権は参議院選挙前にはみんなの党に秋波を送り、また社民党との連携を模索し、政策的な開きの大きさから断念し次には社民党とは正反対の国家観を持つ「たちあがれ日本」との連立を模索したものの結局は与謝野氏一人が入閣しただけで、今回再び社民党との連携を模索しました。ただ単に政権維持の為に数のみを合わせて、本来の政策という軸での政権構想となっていません。以前の記事「平成22年度第22回参議院選挙に思うこと」でも述べましたが、「鳩山政権当時に菅直人副総理が記者団に普天間問題について質問された時、私は担当ではないのでと頑として回答しませんでした。オフレコでもとの記者団の求めにも拒否しました。それでいて鳩山氏が辞任した直後に民主党代表選に即名乗りをあげました。私はこの人が総理の器ではないことをこの時に感じていました。」というのが私の意見です。国家の根幹に関わる外交安全保障問題に対して自分の意見を表明しない(出来ない?)のは副総理との立場にありながら大きな問題です。それは鳩山前総理も普天間移設問題に関する発言の変遷を見ても同じです。その鳩山前総理は2月18日に中国のTVで米国追従であるとして政権批判を展開したそうです。
 以前の記事「鳩山政権末期に思うこと」でも述べましたが「結局政策や国家観が異なる政党が数合わせで連立政権を樹立しても、やがて矛盾が遅かれ早かれ出てくると言えるでしょう。政策を軸に政界再編がおき、安定した政権を発足させることが日本にとり必須なのではないでしょうか。」というのが私の見解です。

 例え支持率が1%でも辞めないと言ったとされる(そう励まされた?)菅総理ですが、支持率が20%を切った今でもそれが現実的な可能かどうか、今まさにそれが試されていると言えるでしょう。この混乱で支持率は更に低下すると思われます。本当に一桁となる事態も今のままではあり得ます。与党内では首相支持派でも退陣論が出始めている模様です。政治は数の力的な側面があるのは当然です。民主党内で菅退陣論が大勢を占めても菅総理は辞任しないでいることが出来るでしょうか。昨今の政権が衆参ねじれで苦しんで、重要な政策を実現出来ないでいるのもその理由からです。衆参両院で少なくとも過半数を有する必要があります。田中派、竹下派、そして小沢派はその意味では正しいのです。しかしその数は政策の一致で達成されるべきなのです。
 外交的にも内政でも日本は課題山積の状態です。政治が不安定な中で国益が外国により侵害される事態も発生しつつあります。北方領土で中国企業が合弁か・・・ナマコなど養殖。(2011年2月16日03時04分  読売新聞)
2011年02月26(土)追記:松木政務官、農相に辞表提出…首相宛て(2011年2月24日12時20分  読売新聞)
2011年03月03日(木)追記:民主・佐藤夕子議員が離党へ、減税日本を応援(2011年3月3日03時07分  読売新聞)

2011年03月06日(日)追記:前原外務大臣が在日韓国人から献金を受けていたことが判明
2011年03月11日(金)追記:菅首相に違法献金の疑い 在日韓国人から 首相未回答(2011年03月11日03:00分 朝日新聞)

2011年2月13日 (日)

栃木県警警察官による中国人研修生射殺事件無罪判決に思うこと

 栃木県西方町で06年6月23日夕に警察官が職務質問中逃亡し、その後に竹の棒や石灯籠(いしどうろう)の重さ約3Kgの宝珠(ほうしゅ)を持って激しく抵抗をした中国人を射殺したとして、特別公務員暴行陵虐致死罪に問われていた警察官に対し、宇都宮地裁が10日に無罪判決を言い渡しました。
中国人死亡「発砲は合理的」と巡査長に無罪判決(2011年2月10日14時27分 読売新聞)
西方町の警官発砲:中国人死亡 付審判・無罪判決 被告側主張、ほぼ認める/栃木(2月11日(金)11時4分配信 毎日新聞)
 この事件の概要は共同通信の06年6月24日0時9分の記事「栃木で警察官発砲し男死
亡 逃げた中国人逮捕」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060624-00000000-kyodo-soci 等によりますと下記の通りです。(この記事そのものは既にネット上では見つけることは出来ず、ネット上で事件の経緯を検索しましたところブログにて転載されているものを参考としました。その為に内容が恣意的に改竄されている可能性も否定出来ませんが、複数のサイトでほぼ同様の経緯が記載されていることを確認しましたので、事実と推定します。)
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06年6月23日夕方17時頃、見慣れない人物がいるとの通報が県警にある。
県警の平田巡査が農協のATM付近で不審な行動をしている二人組を発見し職務質問を行うが、二人は逃走。平田巡査がパトカーで追跡し一人(羅成)に追い付く。
羅成は激しく抵抗し、平田巡査の拳銃を奪おうとする。
羅成は更に石灯籠の頭部(直径約20センチ)と竹の棒を持ち襲いかかってきた。
平田巡査は男に「やめないと撃つぞ」と警告、しかし抵抗を続けた為に平田巡査が発砲し、羅成は病院に搬送されたが間もなく死亡。

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 その後に中国四川省在住の羅成の妻は2007年、発砲した巡査を刑事告発し、また栃木県に対して日本円で5,000万円の損害賠償を求める民事訴訟を起こしました。民事訴訟に関しましては2009年4月23日宇都宮地方裁判所が遺族側の訴えを退ける判決を下しています。刑事告発に関しましては宇都宮地検が08年07月に「正当防衛が成立している」と不起訴処分にしましたが、遺族側は08年08月に宇都宮地裁に付審判請求を行いました。それを受けまして2009年04月27日に宇都宮地裁の池本寿美子裁判長が遺族の付審判請求を認め、特別公務員暴行陵虐致死罪で審判を開始する決定をしました。
 付審判請求とは刑事訴訟法第262条の「検察官の公訴を提起しない処分に不服があるときは、その検察官所属の検察庁の所在地を管轄する地方裁判所に事件を裁判所の審判に付することを請求することができる」との規定に基づき行われるものです。公務員の職権乱用等の罪等(刑法第193条~196条等)の罪について告訴または告発した者が、検察官の不起訴処分に不服がある場合は裁判所に対し審判に付することを請求することが出来ます。検察も公務員であり、同じ公務員た対して検察が起訴に消極的になる虞があるので設けられている制度です。日本の刑事訴訟に於きましては検察のみが公訴の提起を行うとする起訴独占主義(刑事訴訟法第247条)が原則となっています。しかしこの付審判請求は検察審査会と並び起訴独占主義の例外的な規定です。
 上記の法律上の手続きに則り、今回の事件が平田巡査長による刑法第196条(特別公務員職権濫用等致死傷)に該当するか否かが今回の裁判で争われていましたが、前述の通りに正当防衛が成立するとして無罪となりました。
 私の個人的な見解としましては今回の裁判所の判断は妥当であると考えます。警職法第7条は特定の場合に限り警察官の武器の使用を認めています。今回の故 羅成氏の徹底的な抵抗は警職法第7条が武器の使用を認めるケースに該当します。
 
今回の事件で中国人が死亡してしまったのは非常に残念ではあります。警察官の職務は犯罪を防止し、万が一犯罪が発生してしまった場合は捜査を遂げて、被疑者を検挙することにあるのです。特に日本の刑事制度は英米法系であるので捜査は警察が行うのが原則です(大陸法系では警察の任務は治安維持であり、捜査は検察が主体)。その意味では失態であると言えるかもしれません。
 遺族の感情は当然ですし、理解出来ます。自分の愛する家族を奪われたら、誰もが家族の命を奪った当事者に法的に責任を負わせたいと考えるでしょう。しかし今回の事件では責任があくまで羅成氏にあるのです。警察官に抵抗した場合に、警察官が武器を使用する可能性は当然想像したと思います。
 今回の事件で警察側に対して批判的な見解の論拠の一つとして、経緯を述べているのが平田氏しか居ないことが挙げられています。即ち自分に有利な証言のみをしているのではないかというのです。警察や検察による冤罪事件や証拠隠滅事件も最近複数明るみになり、警察の証言のみでは信用出来ないとの主張が散見されます。確かに刑事事件の被告人が自分に有利な証言しかしないことは考えられますが、それを積極的に立証出来ないのであれば疑わしきは罰せずの原則が優先します。
 今回の事件で私が結論を出す上で最も重視するのは警察官が発砲したということなのです。実際に発砲するとなると心理的にもかなりハードルが高いものがあったと思われます。警察官であれば拳銃の発砲が如何なる意味を持つか十分認識していたでしょうし、また発砲の結果として被疑者が死亡する可能性があることも分かっていたでしょう。法律用語でいえば「未必の故意」があったとも言えます。それにも関らず発砲した事実は大きいと考えます。即ち平田氏はそこまで追い込まれたということが言えると考えるのです。平田氏が生命の危険を感じていたと考えるのが合理的であると言えます。
 今回の事件に関しまして右左両翼から非常に感情的な意見が散見されます。それは今回の事件で射殺されたのが偶然中国人であったからであり、また警察官が拳銃を発砲し、結果として中国人を射殺してしまったからです。しかし私から見れば今回の事件はただの犯罪であり、結果的に射殺されたのが偶然中国人であっただけに過ぎないと考えています。
 因みに現行の国家公安委員会による「警察官等けん銃使用及び取扱い規範」ではテロ対策や治安悪化への対処から威嚇射撃や警告をしなくとも、被疑者に向けて直接発砲することが認められています。

2011年02月25日(金)追記:西方町の警官発砲:中国人死亡 付審判無罪に不服、控訴--検察官役弁護士 /栃木(2月24日(木)12時23分配信 毎日新聞)
2011年04月30日(土)追記:警官発砲、県に賠償命令…中国人遺族が逆転勝訴(2011年4月28日20時08分 読売新聞)

Masao2

2011年2月 9日 (水)

ボーイング社がインド航空際にてインドにF/A-18E "Silent Hornet"を提案

Silent_hornet

 以前よりF/A-18EがF-35と並び航空自衛隊次期主力戦闘機(FX)選定で有力候補となりつつある旨はこのブログでも記載しました。昨年7月19日から25日まで開催されたファンボロー航空ショーにてF/A-18Eの改良型である"Silent Hornet"の構想を発表しています。
 Defense Newsの2011年2月8日14:03の報道"Boeing Unveils New Hornet Options at Aero India"によりますと2月8日にボーイング社が2011年度インド航空祭"Aero India"にてF/A-18Eの新たなオプションの素案を公開したとのことです。これは以前より構想がありましたSilent Hornetの具現化と言えます。
"The program allows international customers to tailor the F/A-18 Super Hornet fighter to meet their requirements, said Mark Gammon, Boeing's program manager for the Super Hornet International Roadmap."「計画はF/A-18スーパーホーネットが海外顧客の要求に合致する様に顧客が仕立てることを可能とするとボーイング社スーパーホーネット インターナショナルロードマップ プログラム統括部長のMark Gammon氏は述べた。」
"At present, the Roadmap is for the international market, but the U.S. Navy is looking closely at the program."「現段階ではロードマップは海外顧客向けではあるが、米海軍も計画を注視している。」
"In the past two years, Boeing has been investing in the Roadmap in areas that improve situational awareness, stealth, range and precision strike capabilities."「過去二年間に亘り、ボーイング社はロードマップに於いてシチュエーションアウェアネス(周囲の状況把握)、ステルス性、航続距離、精密爆撃能力の分野で向上する研究を行ってきた。」
"Improvements include the Next Generation Cockpit outfitted with a new 11-by-19 inch large area display with integrated intuitive graphics and increased situational awareness."「能力向上には直感グラフィックと改善されたシチュエーションアウェアネスを提供する新型の11×19inch大型ディスプレイを装備した次世代コクピットが含まれている。
"Basically, it's one big iPad, which provides the pilot with a large increase in display surface area," Boeing test pilot Ricardo Traven said. 「ボーイングのテストパイロットであるRicardo Traven氏は基本的に巨大なiPadで、パイロットに表面エリア表示の増大を提供する と述べた」

Fa18engcockpit(F/A-18Eの次世代コクピット。対空・対地作戦機能を統合した最新のAPG79アクティブ電子走査式アレイ(AESA)レーダーによる各種情報や、僚機・空中警戒管制機・イージス艦などからのネットワーク情報を大型タッチパネルに表示できるのが特徴。)
Other unique features include improvements in the Hornet's stealth and range a stealthy conformal fuel tank and a conformal enclosed weapons pod, for example. 「その他の特異な性質としてステルス性と航続距離で例えばステルス コンフォーマルタンクと コンフォーマル ウェポン ポッドが含まれる。」
"The weapons pod can carry a combination of AIM-120 air-to-air missiles and air-to-ground bombs, with each Super Hornet capable of carrying three pods.The conformal fuel tank also reduces drag."「ウェポンポッドはAIM-120及び爆弾が搭載可能でそれぞれのスーパーホーネットに3つのポッドを搭載可能である。コンフォーマル燃料タンクも抗力を減らす。」
"Range and speed are also increased with the GE-414 Enhanced Performance Engine (EPE)."「航続距離及び速度はGE-414能力向上エンジン(EPE)により増大している。」
"When you reduce the drag with the stealthy weapons pod and with an engine with 20 percent more thrust, you greatly increase range," Traven said.「ステルス性ウェポンポッドと20%以上の推力向上エンジン(2011年08月13日翻訳訂正:(従来型から)20%の推力向上エンジン)で抗力を減少すれば航続距離を大幅に増やすとTraven氏は述べた。
"Configuration flexibility improvements include an internal Infra-Red Search and Track (IRST) system and a new missile and laser warning system."「形状柔軟性向上は内装式赤外線捜索追跡(IRST)システム及び新型ミサイル・レーザー警報システムを含む。」Air_b2_close_view_ir_lg_2(IRSTにてB-2を捕捉している画像)
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2011年2月10日(木)補足:ボーイング社のテストパイロットRicardo Traven氏がSilent Hornetに関して解説している動画(注:全て英語です)
 

 
この動画によりますと内装式IRSTは機首の下にあるとのことです。コンフォーマルタンクとは機体に密着させた増槽(燃料タンク)で空気抵抗が小さい為に燃費に優れています。今回の改良案はステルス性を考慮した設計のコンフォーマルタンクで燃料を増やし航続距離を伸ばしています。
 今回の発表はインドの中型マルチロール戦闘機の2008年度のRFP(提案依頼書)を受けてのもので、当然AESAレーダーも含まれます。今回の案はあくまでもインド向けですが、それでも日本がFX(次期主力戦闘機)選定で新戦闘機としましてF/A-18E/Fを採用した場合は選択肢となるでしょう。2月2日に都内で行われましたボーイング社の説明会ではF/A-18E/F ブロックIIがベースでした。F/A-18E/FブロックIIはオーストラリア空軍も採用しており、将来的には電子戦攻撃能力を付与する計画もあります
 しかし問題が三点程あります。まず第一点目が今回の改良でF/A-18E/Fの弱点とされている加速力や航続距離がどの程度改善されるのかです。メーカー側の主張としましては"greatly increase range"としていますが、具体的な数値がこの記事では不明です。
2011年2月10日(木)補足:このYoutube動画のRicardo Traven氏の説明(およそ50秒~1分30秒の付近)によりますと胴体上部両側のコンフォーマルタンクには片方につき1500ポンド(両側で計3000ポンド)の燃料増加となっているとのことです。またボーイング社の研究によりますと抗力がゼロとなっているとしています。"through studies we have done, 0 net gain in drags"
 
第二に日本国内でのライセンス生産がどの程度可能なのか、国産誘導弾の装備の可否です。対艦ミサイルは主翼に直接搭載する以外に方法がないと思われるので兎も角としまして、コンフォーマルウェポンポッドにAAM-4が搭載可能かどうかです。コンフォーマルウェポンポッドの寸法に関する資料を私は有しませんので、この件は結論を出すことは私は出来ませんが、恐らくAIM-120が搭載可能程度のスペースだと考えられます。もしそうだとしますとAIM-7とほぼ同サイズであるAAM-4の搭載は新型を開発しない限りはウェポンポッドへの現時点での搭載は困難だと考えられます。AAM-4が大型であるのは巡航ミサイル迎撃を想定している為です。またKeenedge氏によりますと、AAM-4にロックオンされた場合は使用している電波が特殊である為に、彼はロックオンされたことに気が付かず回避が困難になるとTwitterにて述べています。巡航ミサイル対策が今後重要となる事を考えますと、新戦闘機はAAM-4の搭載が可能であることが望ましいと言えます。尤もステルス性を重視しない任務であれば、AAM-4をウェポンポッドに搭載せずに直接搭載することは可能となる筈です。但し国産誘導弾搭載の場合はインテグレーションの問題が必ず生じますし、空自戦闘機であればJADGEシステムとの統合は必須ですのでブラックボックスを米側がどの程度開示するかが焦点となってきます。日本側としましてはAESAレーダーのノウハウも欲しいところです。
2011年2月10日(木)補足:このYoutube動画のRicardo Traven氏の説明(およそ1分30秒~2分35秒)によりますとウェポンポッドにはMk.83 1000ポンド爆弾やMk.84 2000ポンド爆弾も搭載が可能との事です。AIM-120であればポッド一つにつき4発搭載可能としています。Ricardo Traven氏によりますとこのウェポンポッドはステルス性向上だけではなく、抗力を減らす働きもしており、その結果として航続距離を延ばしているとのことです。

Mk.83爆弾:全長3M 弾体直径0.35M
Mk.84爆弾:全長3.8M 弾体直径0.46M
AIM-120:全長3.65M 弾体直径0.178M 尾翼幅0.447M
AAM-4:全長3.667M 弾体直径0.203M 翼幅0.8M
2011年2月27日(日)追記:ボーイング・ジャパンの公式ホームページによりますと、ウエポンポッドには「
日本製のウエポン搭載も可能な大きなペイロード、生存性を高めるウエポンを搭載して航続距離をも延長」 と書かれています。この日本製のウエポンというのがAAM-4を指しているのかどうかは不明ですが。
 三点目はやはり実機がまだ存在していないことでしょうか。従いましてメーカーが主張する性能を実際に発揮するか否か検証する手段が現段階ではありません。取急ぎF/A-18E/F ブロックIIを導入し、後日Silent Hornetに改良する事は可能かもしれませんが、その場合には開発費の負担を要求される可能性もあります。
 次期主力戦闘機選定レースで日本が迷走している間に下記のようなニュースも報じられています。日本としましてはFX選定を急ぐ必要があると言えるでしょう。

15年から部隊配備か=中国ステルス戦闘機(2月8日(火)16時46分 時事通信)「中国空軍の許其亮司令官『(J-20を)2014年に大量生産を始め、15年秋から部隊に配備する方針』」

2011年2月 2日 (水)

中国空母ワリヤーグが海上公試運転か

Usnwc_varyag01_2

訂正:まだ公試運転の段階ではない模様です。再度WALL STREET JOURNALの該当記事を読んでもそういったことは書かれていませんでした。あくまでも画像が流出したという主旨の記事でした。動いている様に見える画像は撮影側が動いているとのことです。詳細は動画下の赤字の追記部分をお読みください。私の勉強不足と確認不足により誤った情報を流してしまった事を深くお詫び申し上げます。

 昨年の11月28日にこのブログで「中国が空母5隻建造へ 初の空母は2015年に行動」と中国網がAFP報道を引用し報じる』とのタイトルで中国が空母を保有せんとしている旨を採り上げました。またチャイナネット(中国網)のその記事に中国発の空母『ワリヤーグ』(元旧ソ連製)の改修が間近で、来年進水出来る見込みとの主旨の記述もあったのです。それ以降も「中国が年内にも空母を運用、戦闘群を配備へ」(2011年1月4日03時03分  読売新聞)等の中国の空母保有に向けての動向が各マスコミにより時折報じられていました。
 そして最近になって『ワリヤーグ』が大連にて公試運転の段階に入った模様であることが香港時間1月31日(月)16:37のWALL STREET JOURNALの報道により判明しました。
 "It is not clear when the grainy footage was taken, or by whom, and it does not appear to reveal anything new about the capabilities of the carrier, which U.S. defense officials expect to be launched this year or next." 「この不鮮明な映像がいつ撮影されたか、誰によるものなのかは不明であり、また米国国防筋が今年か来年に進水すると予期するこの空母の能力に関して目新しいことは何ら明かされていない様に見える」
 "But the footage has nonetheless caused a stir among Chinese amateur military enthusiasts, racking up more than 750,000 page views since it was posted Friday." 「しかし映像はそれでもなお中国国内のアマチュア軍事愛好家の間で関心を巻き起こし、金曜日に掲載されてから750,000件以上の閲覧を記録した。」
 "Chinese authorities maintain strict security around military installations, and routinely block or delete politically sensitive material from the Internet, often detaining those who post it." 「中国当局は軍事施設周辺では厳戒態勢を敷いており、定期的にインターネット上の政治的に微妙な題材をブロックないしは削除しており、通常は掲載した人物を拘束する。
 "But they appear to be allowing images such as these, and those of the J-20 stealth fighter to be circulated online partly to demonstrate its military advances to foreign countries, and partly to impress an increasingly nationalistic domestic audience." 「しかし当局は中国の軍事力の発展を諸外国に示すのに、また強まりつつある国内の国粋主義的な観衆を満足させる副次的な目的で、これらの映像やJ-20の映像がネット上に出回ることを許容している様だ。」
 "Defense experts say the Varyag – believed to have been re-named the Shi Lang after a Chinese general who conquered Taiwan in 1681– may only be used as a floating platform for testing the pilots and planes that will eventually be deployed on much larger, indigenously-developed carriers." 「軍事専門家はワリヤーグ-1681年に台湾を征服した中国の将軍に因んで「施琅」と命名されたと信じられている-はやがてより大きい国産空母に配備されるパイロットや航空機の試験用浮揚構造物としてのみ使われるのではないかと述べた。」
 "But they expect at least five of those indigenous carriers to be deployed in the 2020s, either with Su-33 carrier-based fighter jets that Russia is trying to sell China, or with a Chinese version of the Su-33, the first clear pictures which were posted online last year." 「ロシアが中国に販売を試みている空母搭載のSu-33戦闘機か、昨年ネットに初めて鮮明な写真が掲載された中国製のSu-33と共に少なくとも5隻のこれらの国産空母が2020年代に配備されると彼らは予想する。」

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 ここのところ中国のJ-20開発や空母保有に向けての動向に関する情報や画像が盛んにネット上に流れています。このWALL STREET JOURNALの報道にもある様に諸外国に軍事力増強を見せつけると同時に国内の愛国感情を高揚させるのが目的だと思われます。何らの検閲も受けずにこれらの映像が広まっているのは明らかに当局が容認しているからと見て良いでしょう。一連の情報を見てみますと中国側の各種兵器の開発が予想以上のペースで急速に進展しているのが分かります。
 

問題の動画を見てみますと「ワリヤーグ」と見られる艦船が確かに動いているのが分かります。動画後半部分の空から見た映像やJ-15と思われる機体が着艦する部分に関しては本物であるかどうかは私には分かりません。
2011年02月02日(水)20:20追記:「動画の後半部分で映し出されている、航海中の空母は「ヴァリヤーグ(Varyag)」では無くロシア海軍のアドミラル・クズネツォフ(つまり「ヴァリヤーグ(Varyag)」の同型艦にしてネームシップ)であること、飛行している艦載機もロシア製のSu-33」「(動画の前半部分は)カメラを持った人の載っている船が動いているのであり、空母側は泊まったまま」(2011年02月01日(火) Searchina報道より)
記事にも記載がありますがこの動画を撮影した人物が誰であるのか、インターネット上に掲載したその目的は何か、いつ撮影されたものなのかは一切不明です。現時点では情報が不足しており分からない事の方が多いです。中国側としては「ワリヤーグ」の運用を通じて空母運用のノウハウ蓄積し、問題点の洗い出しを行っていくものと思われます。そして中国は空母を保有することにより、中国本土から遠く離れた地域に於いても空軍力を投射することが可能となります。空母保有の目的が何であるのか、どの様な状況を想定しているのか中国は国際社会に説明をする必要があるでしょう。
 日本側は中国の空母に対抗する為に空母を保有する必要はないと思われます。日本の海上自衛隊は原則的に空自のエアカバー内で活動するからです。前の記事でも書きましたが日本側としましてはFX選定、那覇基地の戦闘機増強下地島空港の空自による使用P-1哨戒機の増強潜水艦の増強XASM-3の開発で対処は可能と思われます。

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