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2011年3月

2011年3月27日 (日)

リビア動乱でアルカイダがリビアの対空ミサイルを奪取か 反政府運動にも関与の可能性

 日本国内では今回の東日本大震災の報道でほぼ一色となっておりますが、国際情勢ではもう一つ大きな事件が同時進行中です。それはリビア情勢です。当初はカダフィ大佐率いる体制側が劣勢と考えられてきましたが、その後に装備が充実している政権側が反攻に転じました。国際社会は一連のリビア情勢を受けて、国連安保理決議により3月17日にリビア上空に飛行禁止区域を設けました。それを受けまして欧米諸国がリビアの空爆を開始しました。
「<リビア>仏戦闘機がカダフィ政権軍攻撃 戦車破壊か」(2011年03月20日(日)2時21分配信 毎日新聞)
リビア:「米英軍も参戦 艦船からトマホーク110発発射」(2011年03月20日(日) 毎日新聞)
またこのABCの2011年03月20日の報道(YouTube)によりますと、B-2ステルス爆撃機四機も米国本土から出撃し空爆に参加した模様です(注:全て英語です)。

そして下の動画はリビア首都トリポリ市内の対空砲火(2011年03月20日)
 

 カダフィ大佐の味方をする訳ではありませんが、日本は何気にマグロの件で大佐に借りがある様な気もします。その一方で阪神大震災の発生の際は「経済力で悪魔(アメリカ)に奉仕してきた日本人に天罰がくだった」と国営ジャマーヒリーヤ通信を通じて声明を出したこともあります。1988年12月21日に発生したパンアメリカン航空103便爆破事件や、2009年9月の国連総会に出席した際に国連がある米ニューヨークで宿泊用テント設置を当局に断られた報復に高濃縮ウラン5・2キロが入った容器を首都トリポリ郊外の核施設の滑走路上に意図的に約1カ月放置するなど、いずれにしましてもとにかく変人だったという印象が私の中では強いです。プライドの高さや変人さから判断して、今回の紛争でも間違いなく最後まで徹底抗戦を続けるでしょう。

399pxmuammar_algaddafi_at_the_au__2

(カダフィ大佐 上記画像はwikipediaより)
 一連のリビア情勢に関してですが、2011年03月25日(金)15:34 Defense Newsで"al-Qaida Snatched Missiles in Libya: Chad President"(チャド大統領「アルカイダがリビアでミサイルを奪取」)との気になる記事がありました。

"al-Qaeda's offshoot in North Africa has snatched surface-to-air missiles from an arsenal in Libya during the civil strife there, Chad's president said in an interview to be published March 28."
アルカイダの北アフリカ分派がリビア動乱の際にリビア兵器庫から地対空ミサイルを奪取したとチャド大統領が3月28日出版予定のインタビューで述べた。
"Idriss Deby Itno did not say how many were stolen, but told the African weekly Jeune Afrique that he was "100 percent sure" of his assertion."
イドリス デビ氏は幾つ盗難されたかは言及しなかったが、アフリカの週刊誌"Jeune Afrique"に100%間違いがないと断言した。
"smuggled into their sanctuaries in Tenere," a desert region of the Sahara that stretches from northeast Niger to western Chad, Deby said in the interview."
「ナイジェリアの北東からチャドの西まで伸びるサハラの砂漠地帯テネレ砂漠の彼らの聖域に持ち出された」とチャド大統領は述べた。
"Chad's president backed the assertion by his neighbor and erstwhile enemy, Libyan leader Moammar Gadhafi, that the protests in Libya have been driven in part by Al Qaeda."
チャド大統領は彼の近隣諸国であり嘗ての敵であったリビア最高指導者ムアンマル・カダフィのリビアの暴動がある程度アルカイダにより引き起こされているとの断言を擁護した。
""There is a partial truth in what he says," Deby said. "Up to what point? I don't know. But I am certain that AQIM took an active part in the uprising.""
「彼の言っていることは一部事実である」とデビ氏は述べた。「どの程度かは分からない。しかし私はAQIM(筆者注:イスラーム・マグリブのアル=カーイダ機構)が反乱に積極的な役割を果たしたと確実視している」
The Chadian leader described the international military intervention in Libya, launched a week ago by the United States, France and Britain, as a "hasty decision"
チャド大統領はリビアに対する米国、フランス、イギリスにより一週間前に開始された軍事介入は早計な判断だったと述べた。
"It could have heavy consequences for the stability of the region and the spread of terrorism in Europe, the Mediterranean and the rest of Africa," he cautioned.
「地域の安定性に重大な結果があり、欧州、地中海地域、そして残りのアフリカ地域にテロが拡散するかもしれない。」と氏は述べた。

 もしこのチャド大統領の分析が間違いなければ、今回奪取された地対空ミサイルはテロに使われる可能性があります。一番懸念されるのは民間旅客機に対するテロ攻撃に使用されることです。実際に2002年11月28日にはケニアのモンバサ空港発のイスラエル旅客機に対しSA-7携行式地対空ミサイルでの攻撃がアルカイダにより行われています。

800pxsa7 (SA-7 携帯式地対空誘導弾 写真はWikipedia英語版より)
 私は以前の記事「米国KC-X計画ボーイング社選定と日本の空中給油機追加導入の可能性について」で「中東や北アフリカ諸国で政府の打倒に成功していますが、その後の展望が全く分からないことは大きな不安材料だと考えます。それ以降の統治機構のあるべき姿に関し、デモ参加者の間に統一した見解がある訳ではありません。多くの国々が非民主的であった訳であり、民主主義の制度には不慣れです。選挙実施のノウハウもありません。そして民主主義は貧困への処方箋ではありません。」と述べました。私が懸念しているのは正に上記の様な事なのです。
 上記でリンクしましたYouTubeのABC Newsでもこの点が2分15秒から議論されていますが、"We are essentially taking sides in a civil war here, backing the rebels. What do we do if the rebels start behaving irresponsibly?"(「我々は内戦で一方の勢力に実質的に肩入れしており、反乱軍の味方をしています。もし反乱軍が無責任になったらどうなりますか?」との疑問がリポーターの間で投げかけられています。それに対する回答は明白ではなく、疑問がある事は指摘しています。"They are not sure, who all these rebels are. "「彼ら(多国籍軍)もこれらの反乱軍が何者であるか確かではない」と認めています。(但しどちらが政府軍でどちらが反乱軍かの見分けが困難というニュアンスでもありました。 )
 東日本大震災という未曽有の大災害に見舞われた日本ですが、それに気を取られている間にも国際情勢は動き続けています。今は救援活動、復興に全力を尽くすのが当然です。しかし前の記事でも述べましたが、日本が戦後最大の国難に直面していても世界は待ってくれません。
中国ヘリ、護衛艦に90mまで接近…東シナ海 (2011年3月27日00時16分  読売新聞)
これらの国際情勢にも引き続き警戒を怠ってはならないでしょう。

因みにF-22も今回のリビア攻撃に投入されている模様ですが、2011年03月28日(月)15:10訂正:まだ投入されていません。検討段階です。不正確な情報を記載してしまった事を深くお詫び申し上げます。Defense Newsの2011年03月22日 17:36の記事"Limitations Keep Raptor on Sidelines in Libya Campaign"で対地攻撃能力が貧弱であり、他の戦闘機に対するデータ提供も不可なため、F-22の出番がない模様です。(ステルス性維持の為に電波の発信を抑える、データの受信は可能だが他の戦闘機と通信に互換性がない、リビア空軍相手であればF-22を出すほどの脅威はない)

2011年04月01日(金)追記:リビア反体制派とアル・カーイダに関連…米高官(2011年3月30日18時40分  読売新聞)

2011年11月13日(日)追記:Defense News2011年10月09日報道"Terrorist Group Says It Acquired Libya Weapons"(テロ組織がリビアの兵器を入手と述べる)

2011年3月26日 (土)

一連の放射性物質汚染に関する世間の反応に思うこと

Fukushima1

(上の写真は福島第一原発 Wikipediaより)

今回は私の専門外のことを書きます。今回の東日本大震災の発生により福島第一原発に事故が発生し、それに伴いまして放射性物質が外部に流出して東北及び関東地域周辺で野菜や水道水に放射能汚染が広がっている件に関してです。私は文系であり、理系ではありません。従いまして放射能(放射線を発生させる能力)や放射性物質(放射線を発生させる物質)、放射線(放出されるエネルギー)に関する知識がほぼ皆無です。記事の正確性に関しましては最善を尽くす所存ではございますが、万が一事実と相異する記述がある場合はソースと共にコメント欄等でご指摘を頂ければ幸いです。自らの専門分野以外の事柄に関して記事を書くことは本来不適切ではあるのですが、どうしても書いておきたいことがあったので今回本記事を執筆することとしました。
 まず福島第一原発の情勢を全体的な流れで見ますと、時折トラブルが発生はしてはいるものの、安定化の方向であるのは間違いがありません。(参考資料「東日本大震災・福島第1原発の状況と動き」時事通信(随時更新)一号機と三号機では25日に仮設ポンプで原子炉内に真水を注入する冷却作業が始まりました
2011年03月27日(日)追記
2号機中央制御室に電力、原子炉の状態把握に道(2011年3月26日22時15分  読売新聞) 「(福島第一原発)では4号機をのぞくすべてで、中央制御室に電力が供給された。」
福島第一原発「トラブルは峠を超えた」技術協会最高顧問(2011年3月26日(土)11時18分配信 毎日新聞)

 福島第一原発にて放水・復旧作業に自らの危険を省みずに従事されている東京電力社員の方々、自衛官、機動隊員、消防隊員の方々には深い敬意を表したいと思います。24日には3人の作業員が電気ケーブルの接続作業中に緊急作業時の限度である年間250ミリ・シーベルトに近い量の放射線に被曝しました従事した自衛官、機動隊員、消防隊員、東京電力社員の方々には当然健康上の被害が生じる可能性があるのであり、そこは国家として健康上の被害を最小限に食い止める努力を行い、臨時の高額の危険作業従事手当を支給し、生涯に亘り従事した方々の健康診断を行い、万が一何らかの健康上の被害が発生した場合は国家として治療を全面的にバックアップする法整備を整えておくべきです。
2011年03月27日(日)追記:自衛隊員の派遣手当など増額へ…過酷任務報いる(2011年3月27日08時40分  読売新聞)
 また私は今回の事故を受けましても原発を廃止するべきだとは考えません。前の記事にも書きましたが原子力発電は現状としまして日本の電力の1/4の発電を担っているのであり、今回の事故により関東地方は計画停電の実施を余儀なくされているのであり、これは日本の電力事情が現状大きく原子力発電に依存していることの証左でり、だとしますと改善策を検討しつつ更なる防災対策を講じつつ、やはり現状の政策維持が必要と考えます。更に言えば福島原発よりも震源に近い女川原子力発電所(おながわげんしりょくはつでんしょ 宮城県女川町、石巻市)では大きなトラブルが発生していません。
 その一方で汚染は東北地方や関東地方などに広範囲に広がっており、現在この放射性物質汚染に関しまして、様々な議論や報道が為されています。私は専門家ではありませんので、これらの放射性物質や放射線に関する議論の中でどれが最も正確なのかは判断出来ません。その中で一つだけ間違いのない判断基準があります。それは数値です。政府発表やマスコミ報道で出されている各種報道は客観的判断基準なのです。中にはその数値自体が大本営発表ではないかと勘ぐる方もいらっしゃるのではないかと思われます。しかし少なくとも放射線データに関しましてはTwitter上でジョン・V・ルース駐日米国大使が「文部科学省測定の放射線データが、WHO、IAEA、および米国政府の測定値と一致しています。」と述べています。また放射線や放射性物質のデータは国内外のマスコミも独自に調査することは可能であり、政府が隠蔽することは極めて困難であると言わざるを得ません。そうであるならば、これらの数値を如何に評価するかが次の段階となってきます。
 これもやはり前の記事でも書きましたが、IAEA専門家チームの評価の結果「東京で健康上の危険はない」(2011年3月19日 10時36分 毎日新聞)そしてWHOにより「気持ちは分かるが、東京からの避難は不要。日本への渡航制限の必要なし」(2011年3月19日 10時34分 毎日新聞)とのお墨付きを頂いています。またイギリス政府の科学顧問も福島原発の今回の事故とチェルノブイリとはレベルが全く異なると述べています。また国際民間航空機関(ICAO、本部モントリオール)も、「日本への渡航制限はない」としています。
 日本原子力学界が2011年03月24日(木)09:00に公表しました「被ばくの仕方と人体への影響」(PDF)との資料があります。最近水道水の放射性物質の汚染も問題となっていますが、この資料によりますと「3月17日から3月21日までに福島市で測定された飲用水の放射能は最大で180ベクレル/Kgでした。仮に、この水を毎日2リットル1年間飲み続けた場合、ヨウ素が甲状腺に取り込まれる割合を20%とすると、約820ベクレルの内部被ばくを受けることになります。これは、私たちの体に通常含まれているカリウムからの内部被ばく量である6000ベクレルに比べて十分小さい値です。」としています。また早稲田大学の大槻 義彦名誉教授(放射線物性、核物性、大気電気学)はブログの中で今回の原発事故に関して「(1)福島原発30キロ範囲であっても直接人体の健康が害される危険はない(2)この範囲外なら日常の普通の生活で放射線の影響は問題にならない(3)まして東京の市民が放射線の影響を受けることはない。(4)食品、水道水などからの放射線の影響はない。」としています( 「原発事故と放射線」2011年03月21日 )そして「放射能の暫定基準値」(2011年03月22日)の中で「政府から発表されたホーレンソウや牛乳の数値は1年近くも摂取し続けて問題になる値です。一体、今の原発の異常状態が1年間もつづくと思っているのでしょうか。」、「出荷停止のもの、私が食べますからお送りください。3ヶ月食べ続けて、その後どうするかはそのとき考えます。」とも述べています。
 繰り返しになりますが、私には科学の事は分かりません。しかし連日テレビ等で科学者の方々が数値的には大きな問題ではないと口を揃えて発言しているのです。 そうであればそれなりの蓋然性があるとして良いのではないでしょうか。大戦中には日本には二発も原爆が投下されました。勿論のこと当時の計測データはありませんが、今回の福島第一原発の事故よりも放射線が遥かに多いことは常識で考えて間違いがないと思われます。それよりも私は大槻教授のこの「出荷停止のもの、私が食べますからお送りください。」との心意気は、無論実際に市場で入手することは難しく一つの比喩であると考えられるものの、高く評価したいと思います。私達に必要なのはこの心構えだと私は考えるからです。今は救援活動と復興に全力を挙げるべき時なのです。今回の被災地域外に居住する方々は節電の努力に悪影響を与えない限りは可能な限りは今まで通りの日常生活を行うべきであると考えます。むしろ日本経済に悪影響を与えるのを避ける為にも、被災者の方々の支援物資確保に悪影響を及ぼさない範囲で積極的に支出を増やすべきなのです(但し買いだめは関心しませんが。あくまで今まで通りに普通に生活をすることが大事なのです)。その時に不安感を煽るのは愚行の極みと言わざるを得ません。 
 出荷制限摂取制限をすることにより、その影響は日本国内に止まらず、世界的にも日本の農産物や食品全般に対する不安感を煽ることとなります。日本国内が過剰反応やパニックを起こせば起こす程、それは海外のマーケットにも伝染し、日本製品に対する信頼失墜に繋がるのです。日本の国際競争力に及ぼす悪影響は計り知れないのです。事実CNNの報道によりますと米国も該当地域からの野菜を輸入禁止とする措置を取りました。
FDA: Some foods from four Japanese prefectures can't enter U.S.
「FDA:四つの日本の県からの幾つかの食品は米国内への入荷は不可」
 やがて世界各国で様々な日本産の製品に対しましても、外国政府による輸入禁止措置が講じられる可能性すらあります。こういった意味では今回の出荷制限は日本政府の判断ミスであったかもしれないと私は個人的に感じています。海外からの日本への投資も激減することとなるでしょう。かつて1996年の夏にO-157食中毒事件によるカイワレへの風評被害が深刻となった際には、当時の厚生大臣であった菅総理がカイワレ大根のサラダを食べるパフォーマンスを行ったことがありましたが、今こそそのパフォーマンスを再現するべきではないでしょうか。

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繰り返しとなりますが、私は震災前までと同様の普段通りの生活をするべきだと考えます。自粛もせず、買いだめ等のパニックもせず、今まで通りに生活をするのが最良の選択なのです。私は今回の震災前後でライフスタイルや食生活を計画停電や物資不足の影響によるものを除き変えていません。一部のイベントが自粛や中止をする方向であるのは残念です。例えば今年度の「東京湾大華火祭」の開催は見送られることとなりました。喪に服す意味合いや被災地の方々の苦しみを分かち合う趣旨だと思いますが、イベント実施は不謹慎等では全くありません。節電に悪影響を及ぼすか、または余震等による事故の危険がある場合を除き、むしろ今だからこそ日本経済の停滞を防ぐ意味で積極的に打って出るべきなのです。内閣府の試算によりますと、今回の震災はGDPを0.5%押し下げるとしています。しかもこの試算は計画停電の影響が含まれていません。また東京商工リサーチによりますと東日本大震災の被害企業3万2000社で売上高は判明分で約9兆9000億円に上ります。そういったことからも全国が一致団結をして内需/消費を支える必要があるのです。イベント自粛はむしろ国力の衰退に繋がります。
 その一方で関東地方に関しましては計画停電によりハンディがあり、経済活動が阻害されます。だからこそ西日本の経済活動が重要となってきます。西日本がイベント自粛をしましても、節電をしましても、殆ど被災地や関東地方にプラスにはならないのです。むしろ今年度は西日本が中心となって日本経済の牽引役を果たして欲しいものです。そして今回の被災地域に関しましては、あくまで個人的見解ですが宮城県や岩手県、そして福島県等は経済特区にする等の大胆な発想があっても構わないと個人的には考えます。
一人一人が平常心を保ち、そして震災前よりもやや活発な生活をすることにより、被災地の一日も早い復興を目指すべきではないでしょうか。

2011年3月20日 (日)

東日本大震災で米空軍のグローバルホークが偵察活動

Global_hawk

(上の画像はNorthrop Grumman社のグローバルホークの公式パンフレットより)
まず今回の東日本大震災でお亡くなりになられた方々に改めて哀悼の意を表するとともに、今回の震災で被災の方々には心よりお見舞い申し上げます。
毎日新聞の報道「東日本大震災:米軍無人機、被災地上空で情報を収集」(2011年03月16日)によりますと、米空軍のグローバルホークが日本政府の要請を受けて被災地上空にて情報収集を行っており、収集された情報が日本政府にも提供されているとの事です。また時事通信の2011年03月17日の報道によりますと、福島原発の撮影にもグローバルホークが投入されている模様です。同様の報道が2011年03月17日の産経新聞でも見受けられます。これらの一連の報道は2011年03月17日付けの米軍の公式機関紙であるStar and Stripes(星条旗新聞)でも下記の記述を確認できますので間違いはありません。
"A Global Hawk, a pilotless surveillance drone that can stay aloft as long as 32 hours, has been flying missions over Japan to survey damage, Pentagon spokesman Col. David Lapan said Thursday. The aircraft is typically equipped with several image sensors, including infrared sensors that can detect heat, and therefore may be able to shed light on the extent of the danger inside the Fukushima Daiichi nuclear reactors."
「ペンタゴンのスポークスマンであるDavid Lapan大佐によると、32時間にも亘り高空に留まることが可能な無人偵察機であるグローバルホークが日本上空を損害を観測する為に飛行している。この航空機の特徴としては熱を探知可能な赤外線センサーを含む幾つかの画像センサーが装備されており、従って福島第一原発の内部の危険性に関して光を投げかけることが出来るかもしれない。」
私個人としましては今回の福島原発の事故はまだ楽観視ないと考えていますが、しかし深刻な事態でもなく、パニックになるような事態ではないと考えています。確かに福島原発の現状はまだまだ楽観視出来ませんが、IAEA専門家チームの評価の結果「東京で健康上の危険はない」(2011年3月19日 10時36分 毎日新聞)そしてWHOにより「気持ちは分かるが、東京からの避難は不要。日本への渡航制限の必要なし」(2011年3月19日 10時34分 毎日新聞)とのお墨付きを頂いています。またイギリス政府の科学顧問も福島原発の今回の事故とチェルノブイリとはレベルが全く異なると述べています。
なお
私は原子力発電を廃止するべきとの見解にはありません。原子力発電は現状としまして日本の電力の1/4の発電を担っているのであり、だとしますと改善策を検討しつつやはり現状の政策維持が必要と考えます。更に言えば福島原発よりも震源に近い女川原子力発電所(おながわげんしりょくはつでんしょ 宮城県女川町、石巻市)では大きなトラブルが発生していません。
話を本題に戻します。グローバルホークの製造元であるNorthrop Grumman社によりますとRQ-4 Block 10 は、“The air vehicle flies at altitudes up to 65,000 feet for up to 35 hours at speeds approaching 340 knots. It can image an area the size of the state of Illinois in just one mission. ”「この航空機は高度65000フィートまでの上空を35時間まで340ノット近くのスピードで飛行可能である。一回のミッションにつきイリノイ州のサイズの面積が偵察可能である」としています。(注:65000フィート=19810m、340ノット=629.7 km/h、イリノイ州面積=14,997平方Km)
またNorthrop Grumman社の公式パンフレット(PDF)によりますと
RQ-4 Block 20 Global Hawkは"carries3,000 pounds of comms and sensor payloads allowing for true multi-intelligence collection capability. The system will be able to simultaneously collect imagery intelligence, signals intelligence and infrared and radar information, and transfer it to the warfighter in near-real time."
「3,000ポンドの通信機とセンサーペイロードを運び、多様な情報収集を可能としている。システムは同時に画像情報、信号情報、そして赤外線とレーダー情報を収集し、ほぼリアルタイムで戦闘機に情報を提供が可能になる。」
"To accommodate the increased payload capacity,Northrop Grumman redesigned and strengthened Global Hawk's fuselage. The fuselage of the Block20 is four feet longer than the Block 10 and the new landing gear makes the Block 20 slightly taller than the Block 10. The wingspan has also increased by approximately fifteen feet, to 131 feet, allowing it to carry more fuel and fly longer missions than its predecessor. The Block 20 also features a gross take-off weight 5800 pounds heavier than that of the Block 10."
「増加したペイロード能力に対応する為に、Northrop Grumman社はGlobal Hawkの胴体を再設計し補強した。Block20の胴体はBlock10より4フィート長く、新たなランディングギアはBlock20の高さをBlock10よりやや高めにしている。翼幅も15フィート増加し、131フィートとなっており、前型よりより多くの燃料搭載と長距離の飛行が可能となっている。Block20はBloclk10より5800ポンド総離陸重量が重くなっている。」(注:1 フィート= 30.48 cm、1ポンド = 0.4536 kg)
"Another important redesign of the Block 20 is the open system architecture. As sensor technology is enhanced, new sensors will be integrated onto the airframe, without having to reconfigure the vehicle management computers."
「その他の重要なBlock20の再設計はオープンシステム構築である。センサー技術発展に伴い、機体の管理コンピューターを再設計せずに新たなセンサーが機体に統合される。」
Block 30 aircraft will be able to carry the Advanced Signals Intelligence Payload (ASIP) for high and lowband electronic signals collection. Plans for the Block 40 aircraft include integrating the Multi-Platform Radar Technology Insertion Program (MP-RTIP) which is an advanced air-to-surface/air-to-air radar currently under contract for the U.S. Air Force.
「Block30は高バンド通信及び低バンド電子信号収集に用いられる先進信号諜報ペイロード(ASIP)の搭載が可能である。Block40の計画は米空軍と現在契約中の先進空対地レーダー/空対空レーダーマルチプラットフォームレーダー技術装着プログラム(MP-RTIP)を含む。

公式パンフレットから各種センサー撮影のサンプル画像

Global_hawk_sensors

また同パンフレット(PDF)によりますとグローバルホークは二種類のコンテナ状のシェルターからコントロールされる模様です。Mcelre The Mission Control Element (MCE) of the Global Hawk ground segment provides management of the aircraft and its sensors and has the ability to command and control up to three Global Hawks simultaneously and disseminates near-real-time information to tactical commanders anywhere in the world. Personnel in the MCE shelter operate the command and control, mission planning, imagery quality control, and communications functions of the system. Personnel in the Launch and Recovery Element(LRE) of the ground segment system load the autonomous flight mission plan into the air vehicle from the shelter and monitor the operation of the aircraft during its automatic takeoff and landing, which is assisted by Differential Global Positioning System (DGPS).
グローバルホーク地上セグメントのミッションコントロール部隊(MCE)は機体とセンサーの管理を行い、同時に三機のグローバルホークを指揮、コントロールする能力があり、ほぼリアルタイムで世界のどこの戦術司令部にも情報を広める。MCEシェルターの要員は指揮とコントロール、作戦計画、画像の質管理、システムの通信機能を操作する。地上セグメントシステムの発射回収部隊(LRE)にいる要員が自律飛行作戦プランをシェルターから機体にロードし、無人機の運行を差動式グローバル位置システムにより補助される自動離陸と自動着陸の間に監視する。

下はグローバルホークの性能を大まかに説明するNorthrop Grumman社制作の動画です。


以前も当ブログにて防衛省がグローバルホーク導入を検討している旨の記事を書きました。もしこれでグローバルホークの有効性が実証されれば、日本がグローバルホーク導入を検討する上で大きな判断材料となると思われます。二次災害を避ける為や、今回の様に人が立ち入ることが困難な場所で活用可能なことが分かれば、グローバルホークの様な長時間に亘り広範囲で詳細なデーターが収集可能な機体は天災大国の日本にとり有意義な装備であるからです。
今回の大災害でやはり自衛隊の有効性が再度実証されました。そういったことからも防衛力の整備は重要であると考えます。因みに以前の記事にも空自FXのRFP提示が3月中にも為される可能性がある旨を私は書きました。しかしAviationWeekの2011年03月18日の記事"Tsunami Damages Squadron of Mitsubishi F-2s"によりますと今回の震災を受けまして今月中に予定されていた航空自衛隊FXのRFP提示が延期される可能性があるとの事です。
"This has meant that Japan’s MOD is unlikely to issue a request for proposals (RFP) in March for FX fighters, industry executives say.""One industry executive says the JASDF and MOD are still working to try and issue the RFP in March, but ultimately it is up to the defense minister to make the announcement and issue the RFP. “But the minister is very busy with the relief effort,” the executive says."
「防衛省はFXの提案要求書(RFP)を提示しそうにないと財界首脳は述べた。」、「財界首脳によると航空自衛隊と防衛省はまだ三月中のRFP発行に向け努力しているが、声明発表とRFP提示は防衛大臣にかかっている。しかし大臣は救難活動で多忙であるとこの財界首脳は述べた」
また同記事によりますと、3月中にRFPが提示されない場合は2012年度の新戦闘機の予算計上が時間不足により困難となる旨が岩崎茂航空幕僚長のコメントとして報じられています。"Shigeru Iwasaki, JASDF air staff chief, also told Aviation Week on March 3 that if no RFP was issued this month, it may cause problems because it means there may be too little time to consider proposals and make the recommendation for the procurement to be in Japan’s 2012 budget (Aerospace DAILY, March 3)."
今回の震災により松島基地のF-2Bも全滅しました。防空網の再構築も喫緊の課題です。FX選定を延期することがあってはなりません。周辺諸国は待ってはくれないのです。
露軍機が領空接近 日本海で日米共同対応偵察か 自衛隊機が緊急発進(2011年03月17日 19:22 産経新聞)
2011年03月21日(月)追記:防衛省統合幕僚監部「ロシア機の日本海における飛行について」(PDF)Su-27とAn-12
2011年03月27日(日)追記:中国ヘリ、護衛艦に90mまで接近…東シナ海。(2011年3月27日00時16分  読売新聞) 「海上自衛隊の護衛艦「いそゆき」に異常接近」「最も接近した距離は約90メートルで、高度は約60メートル」

2011年3月12日 (土)

東北地方太平洋沖地震災害に私たちが出来ること

2011年03月13日(日)追記
yahoo募金
nifty web募金

2011年03月14日(月)追記(現状私たちに出来る最も有効な被災地の方々への援助は募金程度だと思われます。ボランティアも現地の受け入れ態勢が整っていないことや、自立して活動が出来る組織は少なく、また大きな余震やそれに伴います津波の虞を総合的に考慮しても、直接的な救援は行政、自衛隊、警察、消防、世界各国の救難援助隊などのプロに委ねるのが最善です。)

 昨日2011年03月11日に発生しましたマグニチュード8・8の東北地方太平洋沖地震災害は日本の観測史上最大規模の震災となりました。死者も千人を大幅に超えるものと予想されます。まず今回の東北地方太平洋沖地震災害でお亡くなりになられた方々に哀悼の意を表するとともに、今回の震災で被災の方々には心よりお見舞い申し上げます。
2011年03月13日(日)13:10追記:気象庁“マグニチュードは9.0”(3月13日 12時20分 NHK)
2011年03月26日(土)08:30追記:東日本巨大地震の死者1万人超える。(2011年3月25日14時25分  読売新聞)
 私は今回の被災地域とはやや違った地域にて生活しており無事です。しかしそれでも私が今まで生きてきた中で、最も大きな揺れではなかったかと感じています。
 被災された方々の為に私達に出来ることは何でしょうか。それは家でゆっくり過ごすことだと思います。ここに分かり易く纏められているブログがあります。
発声練習:関東在住の人の12日、13日の過ごし方 
 今回の災害で被災地域に親戚や友人が居る方も少なからずいらっしゃることと思います。私も親しい知人が何人か被災地域にいます。被災地域からの当ブログへのアクセスも震災前までは少なくありませんでした。私もこういった方々の安否が非常に気掛かりでなりません。しかし私は知人の方々に連絡をしようとしませんでした。それは恐らく回線は当面不通でしょうし、不必要に回線を混雑させる必要がないからです。家族にも携帯メールで「無事です」とのみ送り、災害伝言板に書き込む程度でした。実際にメールやTwitter、インターネットは比較的機能していた様に感じました(尤も被災地域に関しましてはそういったネットワークも機能不全に陥ると思われますが)。 非常に残酷なリアリティですが、時間が経てば遅かれ早かれそれがいい方向か悪い方向かは別として結果が分かるのです。尤もそれが自分の家族であれば、そこまで冷静になれませんし、ごく自然な人間としての感情なのですが。ましてやそれが自分の肉親であれば、むしろ連絡をとらない様に自制することはほぼ無理だと言えるでしょう。しかし自分がまず生きていて、自分の周囲の方々と笑顔で話せていること、それが一番大事なことなのではないでしょうか。
 更に私達は今回の災害から学ばなくてはなりません。今回の観測史上最大の地震で、不測の事態は色々とあったと思います。今回の地震で様々な教訓が得られると思います。今回の大震災を乗り切る為にも、場合によっては一時的な自民党との大連立も考慮しなくてはならないでしょう。今は政争、イデオロギー論争をしている場合ではないと思います。 政府・立法レベルの危機管理の問題は勿論のこと、民間企業の地震対策、そして私も含めまして個々人の震災対策等、再考しなくてはならない点は多いと思います。
 今回の東北地方太平洋沖地震は、東海地震、南海地震、そしてやがてやって来る関東大震災の再来への対策を考える上で一つの反省材料であると思います。特に原発の地震対策は根本的に見直す必要があると思います
補足資料:防衛省:平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震自衛隊の活動状況
       首相官邸:平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震への対応
東日本巨大地震、両陛下が深い心痛(2011年3月12日19時03分  読売新聞)

米大統領「あらゆる支援惜しまない」空母派遣も(2011年3月12日09時54分  読売
新聞)

国連総長「
日本は世界で助けを必要としている人たちに対する最大の支援国の一つだと述べた上で、「この極めて困難な時に、国連は日本国民と共にある。われわれは(日本のために)全力を尽くすだろう」と強調した。」(2011年3月12日 時事通信)
2011年03月15日(火)追記:
14日までに1万5900人救助=福島第2原発の給水続行(3月15日(火)0時13分配信 時事通信) やはりここは自衛隊にも頑張って欲しい物です。
予備自衛官も救援活動に投入へ・・・自衛隊初(2011年3月14日10時55分  読売新聞)
自衛隊松島基地 F2全18機水没 200人連絡とれず(3月13日(日)7時56分配信 産経新聞)巨大地震発生時の海岸近くにある基地の防災対策を見直す必要があるかもしれません

2011年3月 8日 (火)

次期主力戦闘機選定で防衛省が国内防衛関連三社とアドバイザー契約を締結

 2011年3月6日(日)23:45の日本経済新聞電子版の記事「FX選定本格化 防衛省、海外メーカーに月内要求書」(注:全文を読む為には会員登録が必要)によりますと、航空自衛隊新戦闘機のRFP(提案要求書)を防衛省が今月中にも海外メーカーに提示するとのことです。
 またこの報道によりますと防衛省が三菱重工、三菱電機、IHIとアドバイザー契約を締結しており、防衛省がRFP作成で民間企業と契約するのは初めてであり、趣旨としましては「民間の視点を選定作業に反映させる」ことと「国内防衛産業の戦闘機生産に関する技術力を把握し、FX生産への関与の程度を判断すること」とのことです。私も以前このブログにて「次期戦闘機の予算計上へ 来年度防衛費、数機分」 2010年6月28日 (月)で記事にしたことがありますが、昨年のほぼ同時期の2010年03月02日のDefense Newsが“Japan's Fighter Contest Heats Up”「日本の戦闘機選定が加熱」で“request for proposals (RfP) could be issued as early as next month.”「提案要求書(RfP)は来月にも提示される可能性がある。」と報道しており、その為に今回のこの日経新聞の報道に対してもTwitterで一部に懐疑的な見解が散見されます。実際に現段階では防衛省、三菱重工、三菱電機、IHIの公式ホームページで今回のこの報道に関連する公式発表を2011年03月08日(火)12:30現在で私は見つけることが出来ませんでした(もし当ブログの読者の方でご存知の方がいらっしゃればコメント欄などで御教授頂ければ嬉しいです。)
 しかしその一方で、今回のこの報道は財界と関係の深い日経新聞による報道です。今回のこの報道は上記三社周辺からの情報である可能性があり、「アドバイザー契約を結んだ 」と過去形になっていることから、今回のこの報道は信憑性が高いと私は感じます。
 また今回の報道で興味深いのは防衛省が上記三社とアドバイザー契約を締結したとの部分です。「民間の視点を反映させたい」との部分は兎も角、「国内防衛産業の戦闘機生産に関する技術力を把握し、FX生産への関与の程度を判断すること」との記述が非常に興味深いです。「国内防衛産業の戦闘機生産に関する技術力を把握し、FX生産への関与の程度を判断すること」との記述には主語がありませんので、防衛省が判断するのか、それともこの三社が判断するのかが正確に読み取れません。文脈から判断しますと防衛省が判断するとの意味だと思われますが、そうしますと防衛省が候補機種の部材を日本国内でどの程度製造可能かを判断することになります。別の言い方をしますと防衛省は候補機種がどの程度まで国内生産が可能かを見極めようとしているとも解釈できるのです。(下の写真は現在開発中のF35)Air_f35a_aa1_flight_top_lg

 もし主語が国内メーカーであれば、国内メーカーが生産の関与を判断するということになり、そうしますと可能な限り国内生産部材が多くなる機種を選定するという判断になります。(下の写真はF/A-18E Super Hornet International Roadmap 通称"Silent Hornet" Boeing社ホームページより) (当ブログに過去記事ありFa18ef_international_road_map_full_

 この二つの違いで新戦闘機(FX)選定の結論が若干変わるのではないかと思うのです。
ただ防衛省が「民間の視点を反映させたい」というのであれば、国内生産基盤維持の観点からも配慮するということにはなると思います。
 RFPが出て内容が判明しましたら、続報を書きたいと思います。
(下の写真は数年前筆者撮影の防衛省。一番手前の建物は数年前に完成した新庁舎。地上二階、地下五階。完成まで数年間を要しており、その間にコンクリートミキサー車が頻繁に出入りしていた。アクエリアン氏の2005年08月02日2007年02月14日のブログに解説あり。)

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2011年03月09日(水)追記:空自戦闘機商戦:欧米3陣営しのぎ (2011年3月8日 12時42分毎日新聞) 「今月、必要な性能や経費を書いた提案要求書がメーカー側に示され、年末の決定に向けて実質的な選考の火ぶたが切られる。」

2011年3月 6日 (日)

前原外務大臣が在日韓国人から献金を受けていた問題に思うこと

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2011年03月06日(日)19:10追記:前原外相が周囲に辞意を伝える(NHK3月6日 18時59分) 
 前原外務大臣が在日韓国人から献金を受け取っていたことが判明しました。今回の問題は菅政権/民主党にとって新たな打撃です。前原外務大臣の辞任論が与野党で広がりつつあり、辞任となりますと政権末期にある菅内閣の更なる支持率低下となり、そして菅総理自身も任命責任を当然問われることとなります。前原外務大臣はポスト菅の最有力候補であり、一部与論調査でも次期総理に相応しい政治家でトップでした。民主党としましては支持率回復の切り札を一つ失うこととなります。
 政治資金規制法は第五章「寄附等に関する制限」の第二十二条の五第一項にて外国人/外国の法人から政治献金を受けることを禁じており、また第六章「罰則」の第二十六条の二第三項で故意に違反した場合は3年以下の禁錮または50万円以下の罰金に処し、裁判で有罪が確定すれば公職の選挙権、被選挙権が5年間なくなる旨を定めています。その一方で前原外相は外務省での記者会(2011年3月4日(金)17:47~)にて「ただ、そういう形で献金をいただいているということについては、認識はございませんでした。」と述べており、故意ではないとしています。そうだとしますと政治資金規制法の罰則規定の対象とはなりません。しかし外務大臣という公職にある政治家が外国人から政治献金を受けていたとなりますと、大変深刻な問題と言えます。前原外相が故意ではなかったので本人は罰則規定の対象外とは言えども、外国人からの献金は禁止事項ですので知らなかったとしても、本人の政治的道義的責任は免れることは困難と考えられるのです。そればかりではなくもし献金により日本の外交政策に何らかの影響が及んでいたとすれば、日本の国益を害する虞すらあります。
 今回の在日韓国人の方ですが、そもそもどういった意図で前原外相に個人献金をしていたのでしょうか。前原外相は今回の在日韓国人の方に関して「古くからの支援者、知人であり、中学2年生からかわいがってもらっている方だ。」と外務省での記者会見(2011年3月4日(金)17:47~)にて述べています。個人的な人間関係のみから献金をしてきたのか、それとも何らかの政治的な目的があったのかにより問題の深刻さは大きく異なります。
 現在日本では外国人参政権が日本での政治的論争テーマの一つであり、そして日韓関係には竹島領土問題や歴史認識の問題等懸案が山積しており、もしこの在日韓国人の方が献金や陳情を通じてそういった課題に影響を及ぼそうとしたのであれば、実際の影響の有無は別として、それは日本の政策に外国人が影響を及ぼそうとした事例となります。そういった意図が全くなく、あくまで縁故で献金をしたということであれば、ただの杞憂に過ぎません。しかしどちらの意図であったにせよ、政治家が外国人から献金を受けることは禁じられています。
 日本に於きまして外国人の国政選挙参政権等が禁じられているのは、公務員の選定は国民固有の権利であり(日本国憲法第15条第1項)、衆参両議院は、全国民を代表する選挙された議員でこれを構成する(憲法第43条第1項)とされているからです。従いまして憲法解釈上外国人が日本で国政選挙で選挙権を行使することは当然出来ません。
 その一方で地方参政権では憲法の規定上第93条2項にて地方公共団体の住民が直接これを選挙するものと規定しています。また平成7年2月28日の最高裁判決では傍論(判決とは直接関係のない、裁判官によるコメント)で現行法上は出来ないが、立法による外国人地方参政権が憲法上許容し得るとしており、これらのことから外国人参政権に関する議論が活発化しているのが現状です。外国人参政権の賛否両論に関しましてはwikipediaにも詳細な記述があります。
 私個人としましては現状では外国人参政権の問題に関しましては消極的な立場です。何故ならば例えそれが地方自治体の選挙であっても、外交・安全保障問題に影響を及ぼしかねないからです。彼等は日本人ではないのです。外国の国籍を有する(即ち自分の母国に忠誠がある)ままで、参政権を得るのは危険だと言わざるを得ないのです。自分の生まれ育った国に愛着を感じるのは、人間の自然な感情です。日露間には北方領土問題、日中間には尖閣諸島問題、日韓の間には竹島問題があり、また中国の一部には沖縄も中国の領土、韓国の一部には対馬は韓国の領土とする主張がも散見されます。北朝鮮は日本の安全保障上最大の脅威でもあります。
 地方参政権であっても、外交や安全保障の問題に影響を及ぼすことはあります。島根県が竹島の日を制定しており、沖縄県での地方自治体選挙は米軍基地問題に大きな影響があるのであり、また2009年8月2日の与那国島町長選出選挙は自衛隊の誘致が論点の一つでした。なお与那国島の町長選挙の票差は僅か103票でした。もし外国人がこういった外交・安全保障が論点となっている選挙で組織的に移住し、影響を及ぼした場合はどうなるでしょうか。選挙ではありませんが今までも外国人が組織的に行動をしたことはあります。2008年度の北京オリンピックでの4月26日での長野県聖火リレー事件では五星紅旗(中国国旗)を持った中国人5000人が殺到しました。なおこの長野聖火リレーの中国人大量動員は中国大使館が積極的に支援していた(朝日新聞2008年04月29日06時24分報道)ことが分かっています。

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(写真はオリンピック情報局より)
  政治家は国民の代表であって、特定の団体の代表ではありません(日本国憲法第43条第1項)。だからこそ憲法解釈上は「公約違反」は合憲とする考えもあります。国会で議論の結果としてその意見が正論であると考え方が変わればそれに合わせることは何ら問題はありませんし、またそれが過半数の意見であればその見解に自分の政策に合致させるのが本来の筋なのです。その意味では小沢派の菅政権に対する批判が如何に的外れであるかが分かります。尤も著しい公約違反の多発は国民の政治に対する不信感を高めますし、選挙の際には有権者から批判されることを覚悟しなくてはなりません。その意味では政治家は圧力団体の意向に束縛されます。その圧力団体の一つに外国人を含めて良いかは疑問です。
 前原外相は福田元首相も過去に北朝鮮系の企業から献金を受けており、、「仮に自民党の方が批判するのであれば、福田氏のときはなぜかばったのか、整合性を付けて説明してほしい」と3月5日(土)に北九州市内の記者会見で述べました。この発言は交通違反で警察に切符を切られた人が、他の人も皆違反しているのに何故自分だけが違反切符を切られなくてはならないのかというのと同じレベルなのですが、しかしこの発言は全くその通りです。日本が周辺諸国と外交・安全保障上の問題を多数抱える以上は、党派に関わらず外国人から何らかの利益提供があった場合は徹底的な事実関係確認を行い、日本の国益が害されることがないように細心の注意を払うべきではないでしょうか。

2011年03月09日(水)追記
献金の在日女性、涙浮かべ「我が子のようで…」(2011年3月6日22時24分  読売新聞)
新外相に松本剛明・外務副大臣…首相方針(2011年3月8日23時38分  読売新聞)
2011年03月11日(金)追記:菅首相に違法献金の疑い 在日韓国人から 首相未回答(2011年03月11日03:00分 朝日新聞)

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