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2011年4月14日 (木)

次期戦闘機選定で防衛省が要求書交付

 長年に亘り迷走を続けてきた航空自衛隊次期戦闘機(FX)選定がいよいよ本格的にスタートしました。以前の記事「空自FXの提案要求書説明会の日程が官報に掲載される」でも記載しましたが防衛省が4月13日(水)にメーカーや代理店に提案要求書を交付しました。NHKの報道「次期戦闘機選定で要求書交付」(4月13日(水)18時10分)によりますと、提案要求書を受け取ったのはF35を推すグループ、F/A-18E/Fを推すグループ、ユーロファイタータイフーンを推すグループの三グループとのことです。それぞれの機種のメーカーと代理店を整理しますとF35a_ctolF35(画像はメーカーカタログより-注:全て英語)
メーカー:Lockheed Martin
代理店:三菱商事

Fa18e

F/A-18E/F(画像はメーカーカタログより-日本語版の88頁に亘る詳細版あり)
メーカー:Boeing
代理店:伊藤忠商事

Eurofighterユーロファイタータイフーン(画像はメーカーカタログより-注:全て英語)
メーカー:BAEシステムズ(欧州共同開発)
代理店:住友商事

 また読売新聞にも「空自FX、米・英が3機種申し込み」(2011年4月13日21時01分)との記事が掲載され、この報道によりますとメーカーや代理店以外に米英の政府関係者も説明会に参加したとのことです。恐らく大使館関係者を指していると思われます。説明会の参加者に関するこれ以外の報道ではWING DAILYの「防衛省、F-Xの提案要求書を米英政府に発出 説明会にロッキード、ボーイング、BAEが出席」(2011年4月14日)との記事があります。
 これらの報道の中で閲覧可能で最も詳細なものはNHKのものですので、今回はこれをベースに記事を書くこととします。このNHKの報道によりますと、この提案要求書では戦闘機の飛行速度や情報処理能力、それに、レーダーに捉えられにくい「ステルス性」の有無の情報提供を求めているとしています。
 まず「情報処理能力」に関しましては、データリンク、sensor fusion(センサ融合=複数のセンサーで得られたデータを統合し、パイロットに一つにして情報を表示する)、
situational awareness(状況認識=多種多様なセンサーで情報を収集し、現在及び将来の周囲の状況を全周囲360度円球上で把握・予測すること)等を指しているものと思われます。これに関しましては三機種ともにその能力を有する/有する予定です。このうちユーロファイタータイフーンは現状はAESAレーダーに対応していませんが、メーカーは2015年度に搭載予定としています。内装式のIRSTに関しましてはF/A-18E/Fはまだ対応していませんが、F/A-18E/Fの改良型では対応予定です。
 ステルス性に関しましては、純粋にステルス機と呼べるのはF-35のみですが、F/A-18E/FとユーロファイタータイフーンもRCSを最小限に留めています。またF/A-18E/F改良型はウェポンポッドと呼ばれるウェポンを内装するステルス性を考慮したポッドを搭載するオプションをメーカーが提案しています。
 
これ以外に「生産方式」に関する情報提供を提案要求書は求めています。これに関しましては候補機種により非常に大きな差異が出る可能性があります。F/A-18E/Fとユーロファイターに関してはライセンス生産にほぼ問題はないとされていますが、F-35は日米間で調整が必要となる可能性があります。メーカーはF35のライセンス生産も可能としていますが、それはメーカーの見解であり米国政府の正式な見解ではないと思われます。その一方で1月18日のWALL STREET JOURNALの報道でLockheed Martin社のF-35プログラム事業部長のコメントとしまして“U.S. government has asked Lockheed to provide preliminary information on how it could build the Joint Strike Fighter with Japanese industrial input, building either major subcomponents or completing final assembly in Japan.”「日本国内での主要部品の製造ないしは最終アセンブリーでどの様に日本の業界とJSFを製造できるか関してロッキード社に米国政府が情報提供を要請した」とありました。しかし今回のFX導入予定機数は40機前後とされており、そうだとしますとライセンス生産にて導入するのに合理的かどうかとの議論もまた別途あるのも事実であります。これに関しましては、あくまで個人的な見解ですが、RF-4の後継をどの様にするか、今回の東日本大震災で失われた18機のF-2Bをどう補填するか、また中長期的にF15戦闘機の非MSIP型の後継機をどう考えるかにもよって調達機数が大幅に変化する余地はあります。以前にも書きましたが、一部に新戦闘機に偵察機能を付与することも検討されている模様です。F/A-18E/FにはSHARP偵察ポッドが搭載可能であり、またF35のAN/APG-81レーダーとEOTS(Electro-Optical Targeting System、電子・光学式照準システム=IRST、CCD-TVカメラ、レーザーの融合装置)は偵察にも転用可能と考えられます800pxf35_eots  

上の写真はEOTS Wikipediaより
そしてこの二つはEOTSにより撮影されたドーム走行中の車両のYouTube動画です。

これ以外に今回のこのNHKの報道で興味深いのは提案書の最終期日を9月末としていることです。これではスケジュール的に新戦闘機の来年度予算計上には間に合いません。通常は防衛省の概算要求が発表となるのは8月末であるからです。尤もこれは最終的な機種選定を先送りし、導入に必要と思われる最小限の暫定的な予算のみを2012年度の予算に計上する方針かもしれません。
 今のところ判明していることは限定的ですが、今後は海外の報道(Defense News, Aviation Week, Flightglobal等)からも情報が入ってくるものとは思われます。新たな情報が入り次第この記事に追記するか、または新記事を執筆したいと思います。

2011年04月16日(土)追記:
「次期戦闘機、3機種に絞り込み 防衛省が説明会」(2011年04月13日 20:04分 東京新聞) 
「日本国内での最終組立て」を最低条件とした。

Boeing, Lockheed, BAE To Vie for Japan's F-X (2011年04月14日 10:58 Defense News) 「ボーイング、ロッキード、BAEが日本のF-Xで競争へ」
Many industry watchers say the F-35 and the Eurofighter are the two strongest contenders, according to Satoshi Tsuzukibashi, director of the Office of Defense Production Committee at Nippon Keidanren (the Japan Business Federation), Japan's biggest industrial lobby.
(多数の業界研究家がF-35とユーロファイターが有力候補であると発言していると日本最大の業界ロビーである日本経団連の防衛生産委員会事務局理事の続橋 聡氏は述べた。)
"Actually, we don't care which one it is, as long as Japanese industry has the means to continue its industrial base with licensed production and technology," he said.
(「実際のところ、日本の業界がライセンス生産と技術で産業基盤を維持する手段がある限り我々はどの機種であっても構わない」と彼は述べた」)

この経団連の続橋 聡氏の「どの機種であっても構わない」とのコメントは確かに財界の本音なのかもしれませんが、それにしてもそれを公言するのはどうなのかと私個人としては感じます。東京新聞の報じる「日本国内での最終組立て」はある特定機種を念頭に置くものでしょう。やはり日本政府としては第五世代機の導入を本命としているのでしょうか。J-20の初飛行を受けてゲーツ長官が今年の1月11日に北京で“And so that would give Japan the opportunity - if they bought the right airplane - to have a fifth-generation capability. ”、“Fifth-generation fighters are equipped with stealth and radar-evading equipment. The F-35 - which is still under development - would meet that requirement.”「(日本が現在FX選定を行っていることは)日本に第五世代の能力を有する戦闘機を導入する機会が与えられている-もし正しい機体を導入すればだが-。」、「第五世代戦闘機はステルス性とレーダーを避ける機器を有している。現在開発中のF-35は要求に合致するであろう」と述べたことも選定レースに大きな影響を及ぼしていると考えられます。

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