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2011年5月

2011年5月31日 (火)

陸自の「対人狙撃銃」の「対人」について

800pxpeo_m24_sws(上の写真はM24 SWS狙撃銃 陸自では「対人狙撃銃」と呼称 写真はWikipediaより 著作権はPublic Domain)
 
 今回は多少の批判を覚悟で記事を書こうと思います。このブログの読者であれば陸上自衛隊が対人狙撃銃との呼称で米国レミントン社製M24 SWSを保有していることをご存じのことと思います。またイチローナガタ氏(本名は永田市郎氏)をご存じの方々も多いと思います。米国在住の銃器雑誌向けの写真家として著名な方です。SATマガジンなどでも記事を執筆されており、正しくプロ中のプロと言えるでしょう。下は参考のYouTube動画です(インストラクターの方がそうです)。

ファンが多い方ですし、私の様なアマチュアがプロの方の記事に関して論評することに対する多少の批判があるかもしれません。しかしイチローナガタ氏のブログの古い記事にどうしても見過ごせない点がありましたので、大変恐縮ではあるのですが今回敢えてこの記事を執筆することにしました。
 
 先日ネット上である調べ物をしていて、イチローナガタ氏の公式ブログ"TACTICAL LIFE"に偶然辿り着きました。その中で『対人狙撃銃の「対人」について』(2010年7月31日 07:29) との記事を見つけました。以前イチローナガタ氏が陸自を取材した際に、自衛隊の方々に何故狙撃銃に「対人」と付け加えているのかと聞いており、SATマガジンの記事でその経緯を書いています。私もその記事を読んだ記憶があります。その理由やその時の自衛隊の方々の返答をイチローナガタ氏は記事には書きませんでした。それは本人によりますと記事にそれを書いてしまうと恐らくボツになるからとの事でした。ブログではその理由を明言しています。陸自の隊員の方々に聞いた結果「あ〜、それは陸幕の無知な馬鹿たちが付けたんですよね〜」との答えだったそうです。そして「対人狙撃銃だって? 馬鹿なことゆうなっ! 無知野郎めがっ!ワシはSATでこう書きたいけどボツになるんでここで本音を書きます。陸幕のバカヤロー!!! 」と記述しています。

 私はこれは若干異なるのではないかと感じました。防衛省は官公庁です。官僚組織なのです。官僚は法学部を出た方々も多くいます。従いまして言葉に対するこだわりがあります。官公庁が言葉のニュアンスを若干変更することは大きな意味を持つのです。法律では単語の一つ一つが大きな意味合いを持ちます。単語が若干変わるだけで解釈が大きく異なるのです。官僚はそういったethosを持った集団ですから、そうだとしますと「対人狙撃銃」とわざわざ防衛省が呼称しているのには意味があると思うのです。狙撃銃と言いますと人を狙撃する銃であることは確かです。それ以外の使用目的は恐らくほぼ皆無でしょう。それがイチローナガタ氏の疑問の原点でもありました。それにも関らず「対人」と呼称しているのは、対人目的以外の狙撃銃があると防衛省は考えているのかもしれません。

 そのヒントはKeenedge氏のブログの古い記事「平成17年度契約実績であります。」(2006年5月13日 (土))にありました。この記事によりますと陸幕要求に「狙撃銃 28丁 納期18.12.27 双日エアロスペース」、「1丁 1,809,750円」とあります。ここでは「狙撃銃」となっており、「対人」とはなっていません。私もこの記事に「ピエット提督」とのハンドルネームで 2006年5月14日 (日) 23時09分と2006年6月19日 (月) 19時59分にコメントしています。その後2006年7月2日 (日)に「その後分かったことであります。」との記事をKeenedge氏は執筆しており、「狙撃銃」とは「双日エアロスペースは米国バレット社の日本代理店であることから、やはりアンチマテリアルライフルのようです。となると評価試験が行われていたM95でしょう。」と結論付けています。
(下の写真はM95SP対物ライフル 写真はWikipediaより Outisnn氏撮影)800pxbarrett_m95sp

 こういった事は少し調べれば直ぐ分かる気もします。イチローナガタ氏程の人物であればバレット社が日本に対物ライフルを納入していることも知っていると思います(イチローナガタ氏程の人脈があればその情報も入っている筈です)。確かに「陸幕は出世欲と欺瞞の温床」、「かっこつけばかりで実行力はゼロ」なのかもしれません。自衛隊の実力や意識に問題意識を持って頂けるのは構いませんし、むしろ持つべきなのですが、この記事の内容は少し問題があると感じましたので執筆させて頂きました。役所の言い回しには意味がある事が少なくないのです。尤も陸自の隊員の方々が「あ〜、それは陸幕の無知な馬鹿たちが付けたんですよね~」と回答したのであれば、こういった結論になってしまうのもやむを得ないのかもしれませんが。

 因みに海自は陸自とは別にアジア太平洋企業(株)という会社から「対人狙撃銃」を導入しています。M24 SWSとは異なる「対人狙撃銃」の模様です。これに関しては全く情報がありません。

参考資料
Keenedge氏ホームページ"Missiles&Arms" 契約本部16年度契約実績を読む
Keenedge氏ホームページ"Missiles&Arms" 契約本部17年度契約実績を読む

2011年5月29日 (日)

日本がSM-3 Block IIAミサイル輸出を前向きに検討

Sm3_evolution 上の写真はRaytheon社のカタログより 

 2011年5月27日(金)07:29にDefense Newsが"Japan Considers Export of SM-3 Block IIA Missiles"「日本がSM-3 Block IIAミサイル輸出を検討」と報じました。下記より本文を抜粋し、翻訳します。
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Sources here confirmed that Japan is actively considering allowing the export of SM-3 Block IIA missiles to third-party countries following repeated requests by the U.S. government that the next-generation missile defense system, which is being co-developed by Japan and the U.S., be made available to protect other U.S. allies.
複数の情報源によると、日米共同開発中の次世代ミサイル防衛システムがその他の米国同盟国防衛に利用可能とする様にとの米国政府による度重なる要請の後に、日本はSM-3ブロックIIAの第三国への輸出を前向きに検討している。

In an official comment by the Ministry of Defense (MOD), a spokesman said the issue is "under careful consideration" between the two governments, but the MOD had not yet reached a conclusion on the issue.
防衛省による公式コメントで、スポークスマンはこの問題が両国政府により慎重に検討されているが、防衛省はこの問題でまだ結論に達していないと述べた。

However, a senior official confirmed May 27 that the Japanese government is actively considering how to relax the export ahead of two-plus-two security talks in June by U.S. and Japanese defense and foreign ministers.
しかし5月27日に政府高官は日本政府が日米の防衛・外交閣僚による2プラス2安全保障会議を前に輸出緩和をどの様に実施するか前向きに検討していることを確認した。

The move is politically sensitive for both sides as Japan has strict regulations on arms exports, and the U.S. is keen that the advanced, next-generation Block IIA missiles, which are much more capable than the current SM-3 missiles, be available to allies.
日本には厳格な輸出規制があり、米国は現行のSM-3より遥かに先進的な次世代のブロックIIAが同盟国で運用可能となるよう切望しており、両国にとり政治的に微妙な問題である。

According to the MOD, Japan is spending 47.3 billion yen (U.S. $583.9 million) this fiscal year on development of the missiles, which will have a burnout velocity that is 45 percent to 60 percent greater than that of the Block IA and IB versions, as well as a larger-diameter kinetic warhead.
防衛省によると、ブロックIAやブロックIBより燃え切り速度が45%~60%上回り、より径の大きいキネティック弾頭を有する同ミサイルの開発に日本は今年度予算で473億円(5億8390万米ドル)を費やしている。

This year, as part of the final phase of the development, prototype missiles will be designed and manufactured for use in a sea-launched missile experiment, according to the MOD documents.
防衛省の書類によると今年度に、開発の最終段階として、海上発射の目的でミサイルのプロトタイプが設計及び開発される。

Under the Obama administration's European Phased Adaptive Approach (EPAA) for European ballistic missile defense (BMD) operations, the more advanced SM-3 Block IIA missiles would be placed on BMD-capable Aegis ships and would operate in European waters to defend Europe from potential ballistic missile attacks from countries such as Iran.
オバマ政権下の欧州弾道ミサイル防衛作戦の構想欧州段階的適応アプローチ(EPAA)では、より先進的なSM-3ブロックIIAをBMD対応のイージス艦に搭載し、欧州近海で展開してイランの様な国からの弾道ミサイルによる潜在的な攻撃に対して欧州を防衛する。

Keidanren, Japan's most powerful industrial lobby that has been exerting pressure on the government for decades to allow the export of Japanese defense and space equipment, supports the impending change, said Satoshi Tsuzukibashi, director of Keidanren's Office of Defense Production Committee. "Yes, we support the relaxation of export rules in principal, as long as the exports remain carefully controlled to trusted allies," he said.
日本の武器や宇宙関連技術の輸出を許可する様に数十年に亘り政府に圧力をかけてきた日本で最も強力な業界ロビー団体である経団連は、差し迫った変化を支持すると防衛生産委員会事務局理事の続橋 聡氏は述べた。「我々は輸出が信用出来る同盟国に慎重な管理に留まる限り、原則として我々は緩和を支持する」と彼は述べた。

Japan is supposed to reach a decision on the issue by the end of 2011、
日本はこの問題に関して2011年末までに結論に達しなくてはならない

(引用終了)
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 日本でも共同通信により「政府、米の第三国輸出容認を伝達へ 日米開発迎撃ミサイル」2011年05月25日(水)02:02に同じ報道が行われています。この問題は最近浮上した問題ではなく、実は共同開発が決定した段階でその方向性でした。そのことは以前のこのブログの記事でも二回ほど書いたことがありました。

米国外交公電のウィキリークス流出事件に思うこと(2010年12月 5日 (日))

菅政権の社民党との連携強化と武器輸出三原則緩和見送りに思うこと(2010年12月 9日 (木))

 平成16年12月10日の内閣官房長官談話「平成17年度以降に係る防衛計画の大綱について」の6点目に「弾道ミサイル防衛システムに関する案件については、日米安全保障体制の効果的な運用に寄与し、我が国の安全保障に資するとの観点から、共同で開発・生産を行うこととなった場合には、厳格な管理を行う前提で武器輸出三原則等によらないこととします。 」との項目が見られます。このことから複数の識者がSM-3ブロックIIAの第三国輸出は日本政府が共同開発参加時点で容認しており、国際公約である旨を指摘しています。

「なぜ今、武器輸出が必要なのか」(2010年10月30日 リアリズムと防衛を学ぶ)

「武器輸出三原則が菅政権に引導を渡す-12月解散?」 (2010年10月24日 (日)数多久遠のブログ)

「SM-3ブロック2Aの開発における日本政府の責任というのは、これはもう技術的にも、政治的にも非常に重いものになりますね。もし、このミサイルの開発が遅れれば、オバマ大統領のミサイル防衛構想にまで波紋が広がっていくわけです」(2009年09月19日 FNNニュースでのインタビューにて 軍事評論家の岡部 いさく氏)

SM-3ブロックIIAの性能は不明な部分も多いです。偵察衛星が不具合により制御不能になった際には2008年02月21日にブロックI(直径35cm)が高度250kmで撃墜しています。ブロックIIAは直径がその1.5倍(直径53cm)です。公表値では最大射高が500Km以上とされてはいます。しかし一部には最大射高が1000Kmあるのではないかとの分析もあります。

 日本の最先端技術が欧米の安全保障にとっても欠かせなくなりつつあるという現状があります。武器輸出三原則がもはや時代に合致しなくなりつつあるのです。日本は遅かれ早かれこの政策の転換を行うでしょう。上記記事の報道が正しければSM-3に関しましては2プラス2前に一定の方向性が決まる模様です。武器輸出が全面的に緩和される日は近いのかもしれません。そして緩和は日本の経済的利益にもなることなのです。

新明和工業株式会社 US-2 英語版ホームページ

2011年5月24日 (火)

「アシナガバチの巣作り日記」一周年記念とアクセス件数10万件突破に思うこと

 NIFTYのココログにてブログを開始しまして本日でお陰さまで丁度一年となりました。
 
 そもそもはひっそりと個人の備忘録としましてこのブログを書いていました。最初の記事の「はじめまして」でも書きましたが、私は以前はザビビという掲示板/簡易ブログサービスの住人でした。私がインターネット掲示板やブログを始めたのはこのザビビというサービスからでした。理由は判りませんが、2010年4月7日よりザビビの簡易ブログサービスであった「ザの人」は突然閉鎖し、サービス終了となりました。このザビビは創始者であるShino氏(本名は篠田裕輔氏 株式会社サムライファクトリー取締役)により今年の2011年2月10日から掲示板的なサービス「ザ掲示板mini」として復活しました(開始時と閉鎖時では管理人が異なります)。 私も参加する為に便宜的にアカウントを設けています。しかしこのココログでのブログをメインとして今後も利用していく事は変わりはありません。
 ココログにてこのブログを開始した時は訪問者はほぼ皆無でした。アクセスが0の日も少なくありませんでした。この下のグラフは2010年5月度から8月度までの私のこのブログへのアクセス数解析結果です(クリックで拡大)。 20100508_3 ごくまれに恐らくはザビビの旧利用者と思われる方々が検索で私のブログに辿り着いたことはありました。「アシナガバチの巣作り日記」との検索は間違いなく私のブログを探したものでしょう。またアシナガバチが恐らく身近に巣を作り、対処に困って検索をして私のブログに辿り着いたと思われることもありました。下は2010年5月から7月の検索ワードアクセス解析結果です(クリックで拡大)。20100508_4

 もしアシナガバチが家に巣を作って困っている方でこのサイトに辿り着いた方々は私のプロフィールを参考にして下さいね。アシナガバチは余り心配する必要はありません。むしろ温かい目で見守ってあげて下さいね。観察をしていると面白いですし、愛着がわいてきますよ。
 
 それに対して最近のアクセス数は下記のグラフの通りです(2011年1月~2011年4月のアクセス推移、クリックで拡大)。今では一日に概算で約250人~300人の訪問と500件~600件程度の閲覧があります。20110104

 そして開始時から今までの累計アクセス数は2011年5月7日に10万件を突破しました。それでは此処までアクセスが増えた理由は何でしょう。最初のきっかけは2010年8月20日の朝日新聞のWebRonzaに私の記事「海自潜水艦を増強 活発化する中国海軍に対処 防衛大綱改定」が掲載されたことによるものでしょう。この私のブログがどういった経緯で朝日新聞のWebRonzaに掲載されたのかは分かりません。ただ驚いたというのが正直な感想です。この日は実に380人の訪問者で595件のページ閲覧がありました。

2010820_2

 そしてこの下が2010年08月度のアクセスリンク元です(クリックで拡大)。2010年8月20日の朝日新聞のWebRonzaからの訪問者が多くを占めているのが分かります(第三位)。

201108

 更に昨年夏に何気なく「はるな」氏によるブログ「北大路機関」の記事に触発されて記事を執筆し、「北大路機関」の記事にトラックバックを送りましたところ、閲覧数が急増しました。今日でも「はるな」氏のブログから訪問される方々が少なくありません。いつもお世話になっております。今後とも宜しくお願い申し上げます。
 これ以外にアクセスが一気に増えたのは今年の1月からでした。それは恐らくバードカフェ謹製おせち事件に関する記事を2011年1月4日に執筆したことからだと思われます。バードカフェ事件関連ワードの検索で私のブログを訪問する方々が爆発的に急増しました。1月4日から1月6日の日間で実に1711人の訪問者と3038件の閲覧がありました。下は今年1月1日から1月7日にかけてのアクセス推移です(クリックで拡大)。20111117

そしてこの下が2011年1月から4月の検索ワード解析結果です(クリックで拡大)。

20110104_2

またこの上の検索結果から私のブログへの訪問者には航空自衛隊の次期主力戦闘機選定レースに興味を持っている方々が訪問していることが分かります。参考までに下は2011年4月17日~5月17日までの検索ワードです(クリックで拡大)。20110417517

 この結果はビン・ラーディン容疑者殺害作戦に未知のヘリコプターが投入されたことに関する記事を2011年5月5日に執筆したことを反映したものと思われます。下は2011年5月4日から5月8日までのアクセス推移です(クリックで拡大)。20115458_2

 冒頭でも述べましたが、私はあくまで自分の趣味ないしは個人的な備忘録としてこのブログを細々と書いていくつもりでした。感覚的には今でもそれは変わりません。しかしこれ程にも多くの方々に閲覧して頂けるとは思いもよりませんでした。非常に嬉しい限りです。またアクセス解析をしていますと、驚くようなところからアクセスがあることもあります。官公庁や大手企業からのアクセスも少なくありません。 私の様なアマチュアのブログをご閲覧頂き、誠に恐悦至極に存じます。内容及びアクセス数ともにプロの方々のブログのそれには到底足元にも及びませんが、今後ともお付き合い下されば嬉しい限りです。

 *この記事は2011年5月17日(火)と5月22日(日)に執筆したものです。5月24日(火)00:00に公開となる様に設定されています。私は5月24日(火)~5月27日(金)まで出張となります。従いましてコメント返信が遅くなる可能性がありますが、何とぞ御容赦願います。

2011年5月21日 (土)

米「F35」計画遅延か 空自FX選定に影響

 読売新聞の2011年5月20日01時15分の報道によりますと、米国防総省のマイケル・ギルモア運用試験・評価局長が19日に上院軍事委員会の公聴会に提出した証言書面で、「任務に就く能力を持った機体の初期運用試験・評価が始まるのは2017年の春だ」としているとのことです。 またこの報道でもう一点興味深いことは「日本が4月に出したFXの提案要求書(RFP)では16年の1号機納入などを条件」としているとの部分です。これは私の勉強不足によるものかもしれませんが、私が今まで知らなかった情報でした。以前の記事「次期戦闘機選定で防衛省が要求書交付」でも様々な報道をリストアップしてみましたが、少なくともこれらの報道の中ではこの情報は触れられていませんでした。

 WingNewsの2011年05月10日(火)のtwitter上でのつぶやきによりますと、米空軍にF-35ライトニングII量産初号機であるAF-7を納入したことをLockheed Martin社が発表したとありました(下はAF-7 のフェリーフライトの動画)。
Lockheed Martin社の公式ホームページの2011年5月9日付プレスリリースの記事"Lockheed Martin Delivers First USAF Production F-35 Lightning II "(「Lockheed Martin社が最初の量産型F-35をUSAFに納入」)にてその発表を読むことが出来ます。
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"The U.S. Air Force has accepted into its fleet the first of a planned 1,763 production-model Lockheed Martin F-35 Lightning II stealth fighters."
米空軍は自らの戦闘機部隊に1,763機製造予定のLockheed Martin社F-35 Lightning IIステルス戦闘機初号機を受領した。

"The jet flew to Edwards Air Force Base, Calif., on Friday to begin its flight testing program."
その機体は飛行試験プログラムを開始する為に金曜日にカリフォルニア州エドワーズ空軍基地に飛行した。
(引用終了)
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 また2011年5月16日のLockheed Martin社の発表では"Second F-35A Production Jet Arrives at Edwards AFB"(「F-35生産型第二号機がエドワーズ空軍基地に到着」)としています。
 
 
そこで調べてみましたが、これらの低率初期生産機はソフトウェアがブロック0.5形態にある機体である模様です。2010年6月13日のAviationWeekの記事"Flight Tests Of Next F-35 Block Underway"(「F-35の次期ブロックの飛行試験が進行中」)の第二頁によりますと、"The first two low-rate initial-production lots will be delivered with Block 0.5, Block 1 coming in with the third batch." 「低率初期生産の最初の二機はBlock 0.5で納入され、Block 1は第三ロットの予定である。」としています。このAviationWeekの報道が事実だとしますと、今回米空軍に納入された最初の二機はBlock 0.5であると思われます。完成型はBlock3です。

 以前に
このブログの記事「日本政府 F-35導入の方向か」でも紹介しましたDefense  Newsの2011年01月18日の記事"Report Reveals Undisclosed F-35 Problems"(「報告書で非公開とされたF-35不具合が明らかに」には"Currently, the program is testing preliminary Block 0.5 and Block 1 mission systems software. Block 2 would incrementally increase the aircraft's capabilities and would be followed by the fully mission-capable Block 3 software."(現状プログラムはブロック0.5及びブロック1ミッションシステムソフトウェアで準備的に試験している。ブロック2にて機体の能力は飛躍的に向上し、完全に作戦遂行可能なブロック3ソフトウェアが後に続くであろう」との記述が見られます。今回米国防総省のマイケル・ギルモア運用試験・評価局長が言及したのはBlock3仕様の機体であると思われます。それではBlock0.5、Block1、Block2、Block3の違いとは何でしょう。その違いに具体的に言及したソースを一つだけ見つけることが出来ました。それは韓国の中央日報の2011年02月20日09時41分の記事『「金正日に脅威を」」…急げば“高くて低性能”のF-35初期型購入することに』です。その記事にはこう書かれています。
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米会計分析局の資料によると、「ブロック0.5」は基本訓練用機で戦闘任務に投じることはできない初期型だ。以後「ブロック1.0」「ブロック2.0」「ブロック3.0」に進化する。2016年に初歩的機能の「ブロック1.0」が米空軍に最初に配置され、「ブロック2.0」になって攻勢的対空任務、航空遮断、近接航空支援など一部戦闘任務を遂行することができる。「ブロック3.0」でようやく敵陣深くに浸透して防空網を除去する任務と防衛的制空作戦などほとんどの主要任務を遂行できるようになる。
(引用終了)
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この記事をヒントにGAOの古い資料(2006年03月)を発見することが出来ました。その資料にはPage19(PDFファイルの23/40)で下の図が掲載されていました(クリックで拡大)。

Planned_jsf_blocks

この中央日報の記事の結論『「すなわち2017年以後に「ブロック3.0」を購入してこそ本当の戦闘機という話だ。』は正論であると言えるでしょう。もし日本がF-35を導入するとするならば、Block3が導入可能となるまで待つべきであると私も考えます。F-4の後継はF/A-18E/F改良型かユーロファイタータイフーンのどちらかを選定するのが無難と言えると思います。
(下はF/A-18E メーカー日本語版PDFカタログより)Fa18e

2011年05月22日(日)11:30追記「次期主力戦闘機、F35絶望的に 米国の開発間に合わず」(2011年05月20日 12:51分 中日新聞) 「F35は機種選定から事実上外れる可能性が濃厚となった。」「防衛省は米軍との連携を重視しており、FA18が最有力候補に急浮上しそうだ。」

2011年5月15日 (日)

時折各地で目撃される謎の6発プロペラ機の正体に関して

 ある知人からプロペラが6発ある機体を目撃したので機種を知りたいとの問い合わせが私にありました。調べてみますと主にYahoo!の知恵袋を中心にネット上に幾つかそういった目撃談が見受けられました。
http://hiyo.jp/cache/of/2011-05-15-10-58-15/http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1435834049

http://hiyo.jp/cache/of/2011-05-15-11-09-32/http://chiebukuro.travel.yahoo.co.jp/detail/1460662774.html?p=%E9%95%B7%E9%87%8E%E7%9C%8C&pg=8
 しかしそういった機体は現存しないことから、これらのYahoo!知恵袋での回答者の航空機マニアからは否定的ないしは懐疑的な見解が表明されています。私もそういった機体が存在しないことから、これらの目撃証言は増槽を装着した輸送機など何らかの見間違いではないかと考えました。実際に見間違えだったと認める発言もTwitter上で見付ける事が出来ます。Crabgunnertweet1119

 こういった6発ものプロペラエンジンを搭載した機体は存在しないという動かせない事実をまず目撃者の方々は受け入れる必要があります(過去にはありましたが)。
 未知の機体ではないかとの意見もありましたが、それはまず考えられません。プロペラエンジン6発を搭載するのであれば、ターボファンを2発から4発搭載した方がよほど推力が良いので必要性がありません。航空機の開発は非常に巨額の費用を必要とします。航空機に求められる信頼性は自動車の100倍です。自動車は1000万時間の無事故を目標としますが、航空機は10億時間無事故を目標としています。そういった安全性を達成する為に、また最先端技術を多用する為に開発コストは莫大なものとなります。小型旅客機でも機体、エンジンの開発に1000億円ずつは要するとのことです。超大型旅客機のA380では開発費が2兆円弱にも達したと言われています(斜体赤字部分の参考文献は財団法人 経済産業調査会 2008年07月10日発行 「飛翔」 ISBN978-4-8065-2810-4より)。欧州のターボプロップエンジンを4発備えるA400M輸送機もそもそもの開発費用が200億ユーロでしたが、更に高騰しています。
(下記写真はA400M 写真はWikipediaより Flickr氏出典)765pxa400m それを未知の飛行機で少数ロットで製造するとなりますと一機当たりの単価は莫大なものとなり、費用対効果に著しく悖るものとなります。
 しかしそれではそういった目撃証言が相次いでいるのはどういったことでしょうか。その一部は上記のtwitterでの投稿に見られる様に増漕を装備したC-130Hなどの単純な見間違えである可能性も高いです。Img_c130h

(上記写真は航空自衛隊C-130H 航空自衛隊公式HPより 転載自由)
 それ以外に考えられる可能性としましては、Yahoo!知恵袋での議論にも記載されていましたが、ラム・エア・タービンが先端にあるECMポッドを装着した4発プロペラ機であった可能性です。ECMポッドは大量の電力を必要としますので、ポッドの先端に風力発電用のファンが付いていることがあります。 これであれば6発プロペラに見えたのは無理もありません。単純な見間違いではないケースであれば、これが正体不明の6発プロペラ機の正体である可能性が最も高いと考えます。

2011年5月11日 (水)

普天間14年移設断念の方針…固定化不可避に

800pxmarine_corps_air_station_futen (写真は普天間飛行場 Wikipediaより Sonata氏撮影)
 
 読売新聞の2011年05月07日(土)の報道によりますと、日米両政府は普天間14年移設を断念する方針を固めました。その理由としましてこの報道は「沖縄県内での移設をめぐって地元の合意形成が難航」している為としています。今回の結末は沖縄県民にとり最悪と言って良いでしょう。そもそも県民の負担軽減を図る目的で移転が決まったのにも関わらず、この普天間基地移設無期限見送りとの結論は本末転倒です。
 これはあくまで私の個人の考えですが、そもそも国の外交・防衛に関する政策に関しましては政府が大局的な視点から方針を決める事柄であって、地方自治体の意向に大きく影響を受けることがあってはならないと考えます。公有水面埋立法等で地方自治体の首長の許認可権限が外交・安全保障の問題を左右するのは防衛上の脆弱性とも言えるでしょう。日米同盟は日米両国間だけの問題ではないのです。鳩山政権当時の「最低でも県外」との姿勢に対し、各国より懸念が表明されました。

2010年3月26日(金)日経新聞報道:アジア有力国「普天間問題を早く解決して欲しい。日米同盟が揺らいだら中国軍の影響がさらに強まってしまう」外交ルートを通じ日本政府に懸念を表明
2010年3月27日(土)日経新聞報道:元韓国国防相 金章洙氏「朝鮮半島有事の際は、普天間基地の米海兵隊が後方の増援部隊となる。」「米国から来る増援部隊の待機場所ともなる同基地が日本から海外に移転すれば、対北朝鮮防衛や北東アジアな戦略的抑止力に大きな問題が生じる。」「例えば、米グアムやサイパンから増員戦力を展開すれば普天間からの2倍以上の時間が必要」日経新聞とのインタビューで
2010年4月29日(木)日経新聞報道 フィリピンのシアゾン大使(肩書きは当時)「突然、沖縄から米軍がいなくなったらアジアの安定が揺らいでしまう。日米安保体制は日本のものだけではないのです」(2010年03月30日の日本国外務省での昼食会にて)  

 その一方で地方自治体の選挙や住民投票で民意が示された場合は、例え住民投票に法的拘束力がなくとも考慮しなくてはならないのも事実です。それでは地元での理解が得られなくなった背景には何があるのでしょうか。それは鳩山前政権が「最低でも県外」と明言したことから歯車が狂い始めたと私は見ています。沖縄県民の立場になって考えますと、在日米軍基地に反対する気持ちは理解出来ないことではありません(尤も基地により恩恵を受けている住民の方々も少なくはありませんが)。そこに2009年09月に民主党政権が発足し、当時の鳩山総理が「最低でも県外」と明言したのですから県民感情からしますと期待するのは当然のことなのです。そしてそれが調整をより困難なものにし、結果として時間も足りなくなりました。
 以前の記事「鳩山政権末期に思うこと」でも述べましたが、辺野古移設は日米双方が10年以上の歳月をかけて議論をして至った結論であり(参考資料:「普天間基地移設問題の経過」 琉球新報2009年10月25日 )、2009年09月に政権発足し僅か数ヶ月間でこれよりも良い発案をするのは困難だったのです。そしてこの記事で私は沖縄県民の世論が硬化してしまった今となっては現行案履行すら難しく、だとすれば米側とすればこのまま普天間基地を継続使用する虞がある旨を述べました。沖縄のその位置を考えれば米軍が国外移設や県外移設を受け入れる可能性は皆無であったからです。
参考資料:
週刊オブイェクト「なぜ普天間基地移設先は沖縄県内でなければならないのか」(2009年12月21日)

週刊オブイェクト「海外・県外移設の可能性」(2010年01月24日)

 そして普天間固定化の懸念は今回現実の物となってしまいました。Wikileaksで最近明らかとなった米国側の立場は各種報道によりますと下記の様なものでした。
中国脅威論で嘉手納統合封じか<米公電分析> 1/3ページ 2011年05月04日(水) 朝日新聞
『「有事の作戦計画上の必要性を挙げ、「中国の軍事力増強」にふれて日本政府に説明していた。」』
中国脅威論で嘉手納統合封じか<米公電分析> 2/3ページ 2011年05月04日(水) 朝日新聞
『在日米軍のトゥーラン副司令官(当時)「グアム案では、時間と距離や、そのほかの作戦遂行上の課題が生じる。」』
中国脅威論で嘉手納統合封じか<米公電分析> 3/3ページ 2011年05月04日(水)朝日新聞
『「中国の劇的な軍事力増強によって、有事には少なくとも滑走路3本へのアクセスが必要となる。90年代には、朝鮮半島や中国での有事作戦計画を実行するのに、米空軍嘉手納基地と那覇空港、2本の滑走路があれば十分だったが、(普天間移設を最初に決める場となった)95年の日米特別行動委員会(SACO)以降、最も重大な変化は中国の軍事力増強だ」 』

 これらはいずれも日本の当時の鳩山政権に対する懸念と中国の軍事的脅威に対する警戒を表明するものばかりです。
 しかもその一方で今回の公電流出では09年末に米側に対し当時の鳩山総理が辺野古移設案を容認する姿勢も見せていたことが明らかとなっています(2011年05月05日 共同通信の報道)。さらに小沢氏が有事の際の米側による核持込を容認していたことも明らかになりました(軍事的には技術の発展に伴いその必要性はありませんが)。また民主党の「最低でも県外」の姿勢はあくまで沖縄県や有権者そして社民党向けのリップサービスであると米国側は分析していた模様です(2011年5月4日10時37分 朝日新聞報道)。そうだとしますとこれ以上の国際社会と有権者に対する愚弄はありません。そして小沢氏と鳩山氏はやはり本音と建て前が異なる政治家であることを物語っています。そもそも小沢氏は以前に鳩山氏から売国奴と言われる程の親米派でした。
 
私は以前の記事「豪首相が日本との安保関係強化を希望」のコメント欄の「みやとん」氏との対談の中で、例え政権交代があっても外交政策を変更するのは非常に困難である旨を述べました。それは「国益が何かという観点から考えなくてはならないことに加え、従来の国際条約の枠組みを容易に変更出来ない現実」があるからなのです。当時の鳩山内閣は「友愛外交」や「対等な日米関係」という理想主義的な外交方針を打ち出しました。しかし独自外交が反米である必要性はあるのでしょうか。日本が主体的に判断し、強固な日米関係こそが国益に適うと判断したからこそ今までの外交があるのではないでしょうか。今回の迷走と最悪の結末は理想主義が招いた結果であると私は考えます。政権交代に伴いまして政策転換があって当然です。しかし政策転換そのものが目的化することはあってはならず、あくまで何がベストかで判断するべきではなかったかでしょうか。
因みに今回の結末の最大のA級戦犯は未だに活発な発言を続けています。
北京で友愛呼び掛け=鳩山前首相、ファッションショーに出席 (5月7日(土)20時14分 時事通信)
「世界の国境がなくなり、平和になることを願っている」

原発新設せず温室ガス25%削減を…鳩山前首相(2011年5月3日20時26分 読売新聞)

(下記写真はWikipediaより 著作権はpublic domain )

Hatoyama_yukio_13_2

2011年05月13日(金)12:40追記
<普天間移設>「嘉手納統合を」…米上院委員長ら声明(2011年5月12日(木)10時37分配信 毎日新聞)

嘉手納統合、過去に検討済み=米国防総省(2011年5月13日(金)01時35分 時事通信)

現行計画履行の立場変わらず=普天間移設提言で−米政府。(2011年05月13日(金)07:35 時事通信)

2011年5月 5日 (木)

ビン・ラーディン殺害作戦にステルス型ブラックホーク投入か

 前回の記事「米国特殊部隊が米国同時多発テロ首謀者ビン・ラーディン容疑者を射殺」で米軍ヘリコプターが一機不具合を起こした旨を述べました。そしてその記事のCNN報道の動画を見て頂ければ、英語が聞き取れる方であれば分かるのですが、撤退する際に米軍はその不具合を起こしたヘリコプターを機密保持の為に爆破しています。この前回の動画で言えば2分50秒の部分で"The team made the call to destroy it there on the ground"(チームは地上のそこでヘリを破壊する決断をした)とリポーターが述べています。


 しかしそのヘリコプターの尾翼部分が破壊されずに残り(実際にこのCNNの動画の2分45秒頃に尾翼が映し出されています)、その尾翼部分の残骸が非常に特異な形状であった為に物議を醸しています。襲撃に使用されたのはMH-60ブラックホーク(UH-60ブラックホークの特殊部隊仕様) であろうとされています。此方の下がブラックホークの通常型の写真です。テールローター部分にご注目下さい。Black_hawk

(写真はWikipediaより 著作権はPublic Domain)
 そしてこの写真が今回現場に残されたネット上で出回っているヘリコプターの尾翼部分残骸です。尾翼そのものはブラックホーク系統であるのは間違いなさそうなのですが、テールローター部分にご注目下さい。円盤状の部品が装着されています。これが今までに少なくとも部外者はマニアも含めて見たことがない部品であった為に各方面で議論を呼んでいます。某カリスマブロガーも今まで見たことがない部品である旨述べています
 この事から、今回のビン・ラーディン殺害作戦で投入されたのはMH-60ブラックホークに改造を加えてステルス化したものではないかと言われています。下はネット上の各方面に転載されている想像図です。Silent_hawk

(著作権に関しては不明です。米国のブロガーが作成した想像図の模様です。著作権上の問題がある場合はこの想像図の作成者の方はメールにてご連絡ください。対応させて頂きます。To the original author of the drawing above: Should there be a problem with the copyright, please send me an E-mail. I will take corrective actions. )
Aviation Weekにもこの件に関し2011年05月04日付けで"Bin Laden Raid May Have Exposed Stealth Helo"(ビン・ラーディン襲撃でステルスヘリが流出か)との記事が出ています。
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A previously undisclosed, classified stealth helicopter apparently was part of the U.S. task force that killed Osama bin Laden in Pakistan on May 1.
以前には公開されていなかった、機密のステルスヘリコプターが5月1日にパキスタンでビン・ラーディン容疑者を殺害した米特務部隊の明らかに一部であった。

The exact type of helicopter is unknown but it appears to be a highly modified version of an H-60 Blackhawk.
ヘリコプターの正確な種類は知られていないがH-60ブラックホークの高度に改造されたモデルであった模様である。

the helicopter’s tail features stealth-configured shapes on the boom and the tail rotor hub fairings, swept stabilizers and a “dishpan” cover over a five-or-six-blade tail rotor. It has a silver-loaded infrared suppression finish similar to that seen on V-22s.
ヘリコプターの尾翼はブームとテールローターハブフェアリングがステルス形状であり、スタビライザーと5枚または6枚のテールローターブレードに皿状のカバーがあった。V-22で見受けられるのに類似した銀含有の赤外線抑制仕上げがあった。

Stealth helicopter technology is not new and was applied extensively to the Boeing/Sikorsky RAH-66 Comanche, cancelled in 2004. Compared with fixed-wing stealth, more emphasis is usually placed on noise and infrared signatures.
ステルスヘリコプター技術は新しいものではなく2004年にキャンセルされたBoeing/Sikorsky RAH-66 コマンチのみに適用された。固定翼ステルス機に比較すると、通常は爆音と赤外線対策に重点を置かれる。

Noise can be reduced and made less conspicuous by adding blades to the main and tail rotors. It can also be reduced by aerodynamic modifications and flight control changes that make it possible to reduce rotor rpm, particularly in forward flight below maximum speed. Infrared reduction measures are crucial - the Comanche had an elaborate system of exhaust ducts and fresh-air ejectors in its tailboom.
メインローターとテールローターにブレードを追加することにより騒音を減らし気づきにくくすることが可能である。特に最大速度以下の前進飛行で、空気力学上の改造とフライトコントロール変更によりローターのrpm(一分間あたりの回転数)、を減らすことでも騒音を減らすことが出来る。赤外線削減は欠かせないものである-コマンチは排気ダクトと空気排出機をテールブームに有していた。

Radar cross-section (RCS) reduction measures include flattened and canted body sides, making landing gear and other features retractable, and adding fairings over the rotor hubs. It usually is not possible to achieve the same - you can’t make a helo as radar-stealthy as a fixed-wing airplane, but helicopters generally operate at low altitude in ground clutter.
レーダー反射面積(RCS)削減方法は平面化と傾斜化された表面、着陸ギアやその他の機能を内装化し、ローターハブにフェアリングを付けることが含まれる。通常は固定翼機と同じ程度のステルス性を達成するのは不能であるが、しかしヘリコプターは通常低い高度でグランドクラッターに紛れて飛行する。
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 実際にステルスヘリコプターを製造するとなりますと、こういった機体の開発は通常それ相応の納期と予算を要することから、また実際に配備されている機体は少数に留まるであろうこと(ロット数の問題)から、恐らくMH-60に限定的な改造を実施し、その範囲で可能な限りのステルス性を付与したものではないかと私は推測します。ネット上の一部ではSilent EagleやSilent Hornetに因んで、今回の謎の機体に米国ではSilent Hawkとの愛称を付与する動きがあるとのことです(某カリスマブロガー談)。現存する機体に最低限の改造を施しステルス性を付与しているのであれば確かに類似性があり、言い得て妙だと私は感じます。
 恐らく米軍関係者はこの機体に関して公式に発表することはないと思われます。実際にDefense Newsにも"Mission Helo Was Secret Stealth Black Hawk"(2011年05月04日)との見出しでこの謎のヘリコプターに関する記事が掲載されましたが、その記事によりますと"USSOCOM spokesman Army Col. Tim Nye said his command had no comment for this story."(USSOCOM報道官のTim Nye陸軍大佐は彼の司令部はこの件に関しコメントはないと述べた)とのことです。
 マニアにとっては夢のある話である事だけは間違いなさそうです。
(下の写真は開発中止となったステルスヘリコプターRAH-66 Wikipediaより 著作権はPublic Domain)Rah66

2011年05月05日(木)16:50追記: 米軍新型ステルスヘリ使用か=中国へ機密流出懸念も-パキスタン(2011年05月05日(木)13:37 時事通信)

2011年05月12日(木)12:30追記: 中国、秘密の米軍ヘリに関心=国防総省は返還要求―パキスタン(5月11日(水)14時33分 時事通信)

2011年5月 3日 (火)

米国特殊部隊が米国同時多発テロ首謀者ビン・ラーディン容疑者を射殺

Wtc911

(写真は2001年9月11日の米国同時多発テロ Wikipediaより 著作権はPublic Domain)
 今年の9月11日で2001年米国同時多発テロから丁度10年となろうとする前に、皆様も既に報道などでご存知のこととは思いますが、国際テロ組織アルカイダの最高指導者ウサマ・ビン・ラーディン容疑者がパキスタン首都イスラマバード近郊のアボッタバードで5月1日早朝に米軍特殊部隊との銃撃戦の末に殺害されました。
2011年05月03日(火)19:30追記:ビン・ラーディン容疑者邸宅座標:34°11'15.67"N 73°14'33.13"E

大きな地図で見る
オバマ大統領も演説を行い、ビン・ラーディン殺害を公式発表しました
2011年05月03日(火)19:30追記:オバマ大統領演説全文(英語)
これを受けてホワイトハウス前では大勢の人々が集結し、「USA!USA!」のかけ声や米国歌を合唱するなど群集が祝賀ムードとなったとのことです。また日本に於きましても、国際情勢の不安定要因が一つ取り除かれたとの見方から東京株式市場の日経平均株価は一時的に1万円の大台を回復しました。CNNの報道"Timeline: Osama bin Laden operation" (2011年05月02日(月) 19:41GMT)によりますとビン・ラーディン容疑者殺害の成功の鍵となったのは、容疑者の信頼の厚い密使の発見であり、現地時間の夜明け前の早朝に行われた作戦は下記の様な経緯であったとの事です。
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Four years ago: Officials uncovered the courier's identity.
4年前:当局が密使の身元を特定

Two years ago: Investigators identified areas of Pakistan where the courier and his brother lived.
2年前:調査員が密使とその兄弟が住むパキスタンの区域を発見する。

August: The residence of the courier and his brother was found in Abbottabad, 30 to 35 miles north of Islamabad, Pakistan's capital.
昨年8月:密使とその兄弟の住居がパキスタンの首都イスラマバードから30~35マイル北にあるアボッタバードで見つかる。

September: The CIA worked with President Barack Obama "on a set of assessments that led it to believe that in fact it was possible" bin Laden may be at the compound in Abbottabad.
昨年9月:ビン・ラーディン容疑者がアボッタバードの邸宅に潜伏している可能性があると確信に至る一連の評価をCIAはオバマ大統領と共同作業を行った。

February: U.S. officials concluded there was a "sound intelligence basis" for pursuing bin Laden at that location.
今年2月:米国当局はその場所にビン・ラーディン容疑者がいるとの確たる情報があると結論付けた。


March and April. Obama held a series of National Security Council meetings "to develop courses of action to bring justice to Osama bin Laden." There were at least five meetings: March 14, March 29, April 12, April 19 and Thursday.
今年の3月及び4月:オバマ大統領がビン・ラーディン容疑者に正義をもたらす方法を協議する為に国家安全保障会議を幾度か開催した。少なくとも五度会議が行われた:3月14日、3月29日、4月12日、4月19日、そして4月28日である。

Friday. Obama gave the final order to pursue the operation.
4月29日(金)オバマ大統領が作戦決行の最終命令を下す。


Sunday. After months of decision-making and planning, a U.S. military team conducted a small helicopter raid on the compound. The officials did not provide a breakdown of team members, but a senior U.S. defense official said U.S. Navy SEALs were involved in the operation.
5月1日(日):数か月に亘る意思決定と計画の後、米軍は邸宅にヘリコプターで少人数による急襲を行う。政府筋は急襲部隊の構成を明らかにしなかったが、国防総省高官は作戦に米海軍SEALsが関与したと述べた。

The team was in the compound for 40 minutes. It did not encounter any local authorities during the raid.
部隊は邸宅に40分間居た。急襲の際には地元治安当局と遭遇することはなかった。

Bin Laden resisted the assault force and died in a firefight. Along with bin Laden, three adult males were killed.
ビン・ラーディン容疑者は急襲に抵抗し、銃撃戦で死亡した。ビン・ラーディン容疑者以外には三人の成人男性が殺害された。

Two were believed to be the couriers, and one was a son of bin Laden's.
二人は密使であると思われ、もう一人はビン・ラーディン容疑者の息子であった。

A woman used as a human shield by a male combatant died, and two women were injured.
男一人に人間の盾として使われた女性一人が死に、女性二人が負傷した。

A helicopter was lost because of mechanical failure.
ヘリコプター一機が機械不具合で
失われた。

Intelligence on bin Laden was not shared with Pakistan and other countries.
ビン・ラーディン容疑者に関する情報はパキスタン及びその他の国に共有しなかった。

After the raid, U.S. officials briefed Pakistani and other world leaders.
襲撃後に米国政府はパキスタン及び世界各国の首脳に説明した。
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また別のCNNの報道"How U.S. forces killed Osama bin Laden"(2011年05月03日(火) 0031 GMT )によりますと、邸宅は下記の様な異様で極めて不審なものであったとの事です。
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"built five years ago for the specific purpose of hiding bin Laden"

(五年前にビン・ラーディン潜伏の目的で建設された)

"The compound is in Abbottabad, about 50 kilometers (31 miles) north of the Pakistani capital of Islamabad. The city sits in a mountainous region that is not heavily populated. Many of the residents are army personnel. "
(邸宅はパキスタン首都から北に50Km(31マイル)のアボッタバードにある。その都市は山岳地帯で人口は多くはない。住民の多くは軍関係者である。)

"When first built, the compound was secluded and reachable by only a dirt road, the officials said. In recent years, more residences built up around it, but it remained by far the largest and most heavily secured property in the area, they said."
(建設された当初は邸宅は人里離れて舗装されていない路でのみ到達可能であったと当局者は述べた。ここ数年で周辺に居住者が建築し始めたが、しかし付近で邸宅は最も大きく厳重に警備された不動産であったと当局者は述べた。)

"outer walls up to 18 feet tall topped with barbed wire, with two security gates and a series of internal walls that sectioned off different portions of the compound"
(外壁は18フィートの高さで頂上には有刺鉄線があり、二か所の警備ゲートと複数の内部壁が邸宅の異なる部分を区分けしていた。)

"The main structure was a three-story building with few windows facing the outside of the compound, and a third-floor terrace had a 7-foot privacy wall, they said."
(主要構造物は三階建てであり邸宅の外側には全く窓がなく、三階のテラスには7フィートの壁があったと当局者は述べた)

"The officials noted there was no telephone or Internet service at the dwelling, which was valued at more than $1 million, and its occupants burned their trash rather than leave it out for collection as other area residents did."
(当局者は100万ドル以上の価値の住居に電話もインターネットもなく、居住者はゴミを近所がするように収集に出さずに燃やしている事に気が付いた)

"The official said the forces had to fight their way through the first floor of the three-story building, where two adult males lived."
(当局者によると特殊部隊は二名の成人男性が住む三階建ての一階を突破しなくてはならなかった。)

"Bin Laden and his family lived on the second and third floors, and they were cleared last, with bin Laden killed in the last five or 10 minutes of the siege, the official said. "
(ビン・ラーディンと彼の家族は二階と三階に住んでおり、最後に排除されており、ビン・ラーディンは制圧の最後の5分か10分で殺害されたと当局者は述べた。)

"This official also said that bin Laden was shot twice, once in the chest and once in the head."
(当局者によるとビン・ラーディンは二度撃たれており、一発は胸で一発は頭であった。)

"When we saw the compound where the brothers lived, we were shocked by what we saw -- an extraordinarily unique compound," one senior administration official said. "The compound sits on a large plot of land in an area that was relatively secluded when it was built. It is roughly eight times larger than the other homes in the area."
(「我々が兄弟が住んでいる邸宅を見た時は、我々が見た物に衝撃を受けた。非常に異様な邸宅だった」と政府高官は述べた。「邸宅は建設時には比較的過疎であった地区の大きな区画に建設された。それはその地域の他の家よりおおよそ八倍の大きさがあった」)

"Noting that the courier and his brother had no discernible source of wealth to live at such a property, intelligence analysts concluded the compound was "custom-built to hide someone of extraordinary significance," the official said, adding: "Everything was consistent with what experts thought Osama bin Laden's compound would look like."
(密使と彼の兄弟の収入でその様な住宅に住めることが出来る訳がなく、情報分析担当者は邸宅が「超重要人物を秘匿する目的で特注で建設された」と結論付けており、当局者は「専門家が推測したオサマ・ビン・ラーディン容疑者の邸宅象と全て合致した」と付け加えた。)
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この下のCNNによる動画に邸宅の画像と作戦の図解があります(全て英語です)
2011年05月03日(火)19:40追記:下の図は米国防総省公表のビンラーディン容疑者邸宅図(クリックで拡大)110502d6570c006_7  今回の米軍の特殊部隊によるビン・ラーディン容疑者殺害は「テロとの戦い」に於きまして一つの区切りにはなるでしょう。実際にどの部隊の誰が関わったかは報復を避ける為にも公開されることはないでしょう。
  2011年05月07日(土)12:50追記:今回の襲撃作戦に参加したのはCNNの05月07日の報道によりますとSEAL Team6(正式名称はDEVGRU, Team6は1987年に解散)とのことです。
 米国同時多発テロでは複数の日本人も犠牲となりました。それ以降の世界各地のアルカイダ分派により実行されたテロでも日本人の方々がお亡くなりになられました。
 いかし今回のビン・ラーディン殺害でアルカイダが壊滅する訳ではありません。世界各地に「細胞」が存在するのです。彼は只の象徴的存在に過ぎず、またアルカイダは組織名と言うよりも思想の名称と考えた方が良いでしょう。
 その一方で今回の殺害が組織にとり一定のダメージになるとの見方も存在します。アルカイダ内部には様々なグループや思想があり、ビン・ラーディン容疑者の存在とカリスマ性があってこそ、そういった異なった思想やグループが統一を保っていたとの見方です。精神的指導者が居なくなった事により、中長期的には分裂する可能性もあるとの事です(CNNテロリズム分析者Paul Cruickshank氏の5月2日分析)
 また彼の逃走経路も分かっていません。一体どの様にしてアフガニスタンから比較的裕福な地域で警戒も厳重なアボッタバードにまでたどり着いたのかも不明です。こういった事も今後の調査課題として残されていると言えるでしょう。
 また今回は米側は上記の通りに"Intelligence on bin Laden was not shared with Pakistan and other countries."(ビン・ラーディン容疑者に関する情報はパキスタン及びその他の国に共有しなかった。)としていますが、パキスタン当局は襲撃当時に同国情報機関の統合情報部(ISI)も現場にいたと主張しています
 NHKの5月3日 7時48分の報道によりますと、アメリカ政府の高官は「パキスタン側がこの住宅に容疑者が潜んでいることを知っていた形跡はなかった」としています。またこのNHKの報道によりますと、隠れ家からは多くの重要な品を押収しており、パソコンなどのデータの分析を進めるとの事です。またこのNHKの報道で報じられていますが「(遺体を)引き取ってくれる国が見つからなかったため、日本時間の2日午後2時すぎ、アメリカ軍の原子力空母から遺体をアラビア海に葬って水葬にした」とのことです。凶悪犯罪者の最後はいつも惨めなものです。

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