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2011年6月25日 (土)

2011年度「日米安全保障協議委員会」(2プラス2)と中国空母ワリヤーグ最新動向

上の動画は米国国務省提供の「日米安全保障協議委員会」(2プラス2)の動画 。43分間の動画です。) 
 日米両政府の外務、防衛担当閣僚による「日米安全保障協議委員会」(2プラス2)が米国時間2011年06月21日午前(日本時間21日夜)、ワシントンの米国務省で開かれました。内容に関しましては各報道機関で報じられている通りです。

2プラス2・日米共同発表要旨(2011年06月22日(水)00:01 時事通信)

2プラス2・日米共同発表骨子(2011年06月22日(水)00:02 時事通信)

また防衛省の公式ホームページに「共同発表:日米安全保障協議委員会(「2+2」)が掲載されています。今回の2プラス2の主旨ですが、簡単に言いますと「『中国は脅威』日米が宣言したも同然…政府筋」(2011年6月22日09時15分  読売新聞)なのです。 それでは今回の2プラス2の私なりの主な注目点を防衛省発表の資料をベースに見ていきたいと思います。

Photo_2

(上の写真は防衛省 数年前に筆者が撮影 クリックにて拡大)
共同発表:日米安全保障協議委員会(「2+2」)Ⅱ.共通の戦略目標」に関して
 まず「オーストラリア、韓国とそれぞれ3カ国安保・防衛協力を強化」との項目がありますが、この点に関しましてはこのブログの以前の記事「豪首相が日本との安保関係強化を希望」にて豪首相が日本と防衛協力の強化を希望している旨を触れました。今回の2プラス2でそれが更に推進されるでしょう。米国は以前より対中国を念頭に豪州との連携を強化する構想を検討していました。これらの一連の動向は全て関連していたと言えるでしょう。また上記以外にもASEANやインドとの協力関係強化も打ち出しています。

 また共同発表では中国に対し「国際的な行動規範の順守」と軍事力増強に関する透明性を要求しています。これは国際社会に於いて特に中国が権利は主張するが義務を負うことは避ける傾向が顕著であること、また過去20年間以上に亘り中国が国防費を概ね二桁の伸び率で増強しながら、その一方でその内訳を一切公開しないことに対する日米側の懸念を表明しているものです(下のグラフは1988年から2010年までの中国国防費総額と伸び率 2010年度防衛白書より クリックにて拡大)。Photo_3

 更に日米両国は「航行の自由の原則を守ることにより海上交通の安全及び海洋における安全保障を維持する」ことや、「宇宙及びサイバー空間の保護並びにそれらへのアクセスに関する日米の協力を維持する。情報及び宇宙のシステムの安全を含む,死活的に重要なインフラの抗堪性を促進する。」としています。これは中国が海洋権益を巡りアジア諸国との対立をエスカレートさせていることや、以前の記事「Lockheed Martin社に対するハッキング事件と米国の反応に思うこと」にて執筆しましたが、中国国内のIPアドレスから米国の重要施設や一部企業に対するハッキング事件が幾度も発生していることが念頭にあると思われます。こういった動向に対処する為に米国は2011年06月04日に「南シナ海の自由航行権など海洋の安全保障を守る」意思を表明し、そしてシンガポールに新型艦艇「沿海域戦闘艦」(LCS)を配備する方針も示しています。

 上記二点以外では「エネルギー及びレア・アースを含む死活的に重要な資源及び原料の供給の多様化についての対話を促進する。」との文脈がありますが、これは2010年09月08日に発生しました中国漁船衝突事件後に伴い生じました一連の日中間の外交上の緊張関係に於きまして、中国側がレアアースの対日輸出を一時的に禁じたことを受けたものであると考えられます。

共同発表:日米安全保障協議委員会(「2+2」)Ⅲ. 日米同盟の安全保障及び防衛協力の強化」に関して
まず冒頭で「核技術及び戦域弾道ミサイルの拡散,アクセス拒否/エリア拒否能力並びに宇宙,公海及びサイバー空間などに対するその他の変化する脅威といった課題に対処」する方策を講じるとしています。ここでも名指しは避けていますが、北朝鮮は勿論こと、中国の対艦弾道ミサイル、ステルス戦闘機開発相次ぐサイバー空間上でのハッキング行為空母建造衛星破壊実験を指していると思われます。800pxj20_impside_art

(上の画像はWikipediaよりJ20 作者はAlexandr Chechin氏 クリックにて拡大)
 それらに対する日米の具体的な対応の一つとして「情報共有や共同の情報収集・警戒監視・偵察(ISR)活動の拡大といった協力を促進」するとしています。このISRの強化はこのブログの過去記事「空自新戦闘機に偵察能力付与を検討か」にて触れたことがあります。海上自衛隊の哨戒機を活用し、また航空自衛隊の新戦闘機(FX)に偵察能力を付与することが検討されているとの事でした。ただFXに偵察能力を付与するとの報道は、その記事でも私は述べましたが、主語がありませんでしたのでどのレベルで検討されているかは不明です。その後に関しても特に続報はありません。いずれにしましても偵察能力付与に関しましては航空自衛隊次期戦闘機の候補となっている三機種のいずれでも対応可能です。特にF-35に関しましてはポッドを搭載せずとも偵察任務に転用が可能です。最近公開となったF-35の新公式ホームページのISRの項目で下記の通り記述されています(下記抜粋と翻訳)。
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With speed, stealth and integrated sensors, the F-35 can fly critical intelligence, surveillance and reconnaissance (ISR) missions with more sophisticated data capture than any previous fighter aircraft.
速度、ステルス性、そしてセンサー統合により、F-35は過去の如何なる戦闘機よりもより詳細なデータを捕獲し重要ISR任務に当たることが出来る。

Information gathered by F-35 sensors can be immediately shared with commanders at sea, in the air or on the ground, providing an instantaneous, high-fidelity view of ongoing operations.
F-35のセンサー類で収集された情報は直ちに海上、空、又は地上の司令官に共有が可能であり、遂行中の作戦の瞬時で正確な状況を提供する。
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F-35の情報収集能力に関しましては当ブログの過去記事「次期戦闘機選定で防衛省が要求書交付」も参照願います(EOTS(Electro-Optical Targeting System、電子・光学式照準システム=IRST、CCD-TVカメラ、レーザーの融合装置)による撮影動画があります)。

 また以前より課題となっていたSM-3ブロックⅡAの第三国への輸出に関しましては「当該移転が日本の安全保障に資する場合や国際の平和及び安定に資する場合であって,かつ,当該第三国がSM-3ブロックⅡAの更なる移転を防ぐための十分な政策を有しているときには,米国に対する武器及び武器技術の供与に関する2006年6月23日の交換公文に従い,認められ得る。」として道を事実上開きました。そして更に注目するべき事ですが、今回の共同発表では「先進諸国が国際共同開発・生産を通じて,装備品の高性能化を実現しつつ,コストの高騰に対応している中,日本政府はそのような流れに対応するために現在行っている検討を促進する。米国政府は,この日本政府の努力を奨励する」ことが盛り込まれており、これは日本が将来的な武器の国際共同開発への参加を検討する旨を表明したことを意味します。

在日米軍の再編の進展」について 
 そして長年に亘り日米間の懸案であり続けた普天間基地移設問題に関しましては、「代替の施設はキャンプ・シュワブ辺野古崎地区及びこれに隣接する水域に設置」し、「海面の埋立てを主要な工法として,専門家会合によって記されたようなV字型に配置される2本の滑走路を有するものとすることを決定」しました。即ち現行案の遂行が両国閣僚により再確認されたのです。日米両国の各方面で様々な代替案が検討されていますが、実務者レベルではあくまで現行案に則った形で進めることとなります。これは国防長官がパネッタ氏に交代しても変わりません。政策には継続性があるのです。それを無視したのが鳩山前総理であり、それが一因となって辞任に追い込まれたのは記憶に新しいところです。選択肢は最早「普天間固定化」か現行案の履行の二つに一つしかないと言えます。
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ここまで「日米安全保障協議委員会」(2プラス2)に関して見てきました。前述しましたが中国に対するけん制の色合いが極めて強いものと言えるでしょう。
その中国側の動向ですが、2011年06月21日のDefense NewsにChina's First Aircraft Carrier To Begin Sea Trials (中国初の空母が海上海上公試運転開始)との興味深い記事が掲載されました。下記に一部内容の抜粋と翻訳を行います。
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China's first aircraft carrier - a remodeled Soviet-era vessel - will go on sea trials next week, a report said June 21, amid escalating tensions in the South China Sea.
旧ソ連時代を改装した船舶である中国初の空母は南シナ海での緊張が高まる中で来週にも海上公試運転を開始すると6月21日に報じられた。

The Hong Kong Commercial Daily, which broke the story of the vessel's confirmation, quoted unnamed military sources saying the carrier will go on sea trials on July 1 but will not be officially launched until October 2012.
その船舶の確認に関する話題を報じた香港商報によると、匿名の軍関係者の話として公試運転は7月1日に行われるが公式には2012年10月まで進水しないであろうとした。

The sources said the test has been expedited in view of rising tensions in the South China Sea
情報源は公試は南シナ海での高まりつつある緊張に合わせて促進されたと述べた。

China's military "hopes it will show the strength of the Chinese maritime forces to deter other nations, which are eyeing the South China Sea, in order to calm tensions," the sources said.
中国軍は「緊張を安定化させる為に南シナ海を狙っているその他の国々を抑止する目的で中国海軍の強さを示すことを望んでいる」と情報源は述べた。

They added that the sea trial date was also picked to celebrate the 90th anniversary of the Chinese Communist Party but noted that factors such as weather could affect the planned test run.
公試日程は中国共産党90周年を記念して選ばれたが天候などの要素で公試計画日程の変更が有り得ることも彼等は付け加えた。
--------------------------------------------------------------------Usnwc_varyag02 (上記写真はWikipediaよりワリヤーグ 著作権はPublic Domain クリックにて拡大)
興味深いことにこのDefense Newsの記事はAFP通信をソースとしています。当ブログでもワリヤーグに関する記事を以前に二回執筆しましたが、その一つ「「中国が空母5隻建造へ 初の空母は2015年に行動」と中国網がAFP報道を引用し報じる 」もAFPが関連していました。この報道は事実かどうかは分かりません。中国がベトナムやフィリピンを恫喝する目的で意図的にリークし、ブラフをかけている可能性もあります。
もしこの報道が事実であるならば、この様な恫喝は中国包囲網を強化させる結果しか生じさせない事を中国は認識するべきです。

豪空軍と共同訓練へ=米国以外とは初-空自(2011年06月22日(水) 時事通信)

Vietnam Says to Hold Joint Naval Drill with U.S. (ベトナムが米国と共同で海軍演習を実施と発表-Defense News 2011年06月23日記事)

U.S., Philippine Navies to Train Near Disputed Waters(米国とフィリピン海軍が紛争地近くの海上で共同演習へ-Defense News 2011年06月24日記事)

また空母を保有するのであれば数隻体制でなくては意味はなく、潜水艦に対する備えとAEW機配備は必須です。そして現状では中国はまだそこまでは到達していない様に私には思えます。むしろ本当の脅威はサイバー戦にあるのかもしれません。だとしますと、今回の2プラス2がそれにも言及しているのは現実的な対応だと言えるでしょう。Js_sry1 (上の写真はWikipediaより海上自衛隊「そうりゅう」級潜水艦 転載自由 クリックにて拡大)

Nsm_pict0001 (上の写真はWikipediaよりNSM 派生形のJSM対艦ミサイルがF-35戦闘機のウエポンベイに搭載可能 メーカーはKongsberg社 Pibwl氏撮影 クリックにて拡大)

2011年07月02日(土)追記:
自衛隊、馬毛島に集結拠点…南西地域の防衛強化(2011年7月2日15時24分  読売新聞)

修復中の中国空母、試験航行延期か「技術的問題見つかる」 香港紙(2011年06月29日 13:05 産経新聞)

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