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2011年7月23日 (土)

ジブチに建設された自衛隊初の海外基地から見えるもの

 2011年07月14日付けの朝雲新聞で自衛隊初の海外基地となるジブチ拠点の開所式の模様が報道されました。写真も多数掲載されています。

初の海外活動拠点(ジブチ)で開所式副大臣が挨拶 「画期的な意義」 勤務環境など大幅に改善

ジブチの活動拠点 整備格納庫も建設 食堂やジムも完備

そして下はジブチとその周辺の地図です。
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 新拠点の位置ですが、上記の朝雲新聞の報道によりますと「ジブチ国際空港の北側の土地約12ヘクタール」と記載されています(筆者注釈:1ヘクタール=10000平方メートル 東京ドームは約4.7ヘクタール)。ジブチ国際空港の位置を調べましたところ、座標が北緯11度32分50.39秒 東経43度09分34.13秒となっていました。下の画像はその座標をGoogle Earthで検索したものです。

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 新拠点の主要設備はこの朝雲新聞の報道2010年11月3日のしんぶん赤旗の記事「自衛隊、ジブチに恒久「基地」」、そして「衆議院議員赤嶺政賢君提出自衛隊のソマリア沖海賊対処「新活動拠点」に関する質問」に対し送付された2010年11月2日付の答弁書によりますと下記の様なものです。

司令部庁舎
電源室
隊舎7棟(収容人員約280人 面積約5900平方メートル)
P3C哨戒機整備用格納庫(収容機1機 面積約2700平方メートル)
P3C哨戒機用整備スペース及びクレーン(2機分)
駐機場(収容機3機分)
体育館及びジム
食堂や売店
医務室
風呂

 また活動拠点の整備のための経費は上記の答弁書によりますと総額約47億円となっています。またこの土地はジブチ政府との賃貸契約となっています。それでは自衛隊がわざわざ約45億円の予算を投じてまで、また賃貸料を支払いつつ、12ヘクタールもの広大な土地に本格的な「基地」をジブチに構築したことは一体何を意味するのでしょうか。無論それは朝雲新聞の報道にもあります通り、従来は米軍基地の一部を間借りしており、そこから「P3C2機が駐機する滑走路北側のエプロンまでの移動に長時間を要し、整備用格納庫もなかったことから、日中30度を超える炎天下での機体整備を余儀なくされていた」のであり、今回の新拠点建設により「乗員の勤務や機体維持の環境が大幅に改善」されることは大きいと言えるでしょう。しかしそれ以外に、これはあくまでも私の個人的な推測ですが、自衛隊としましては今後も長期間に亘りジブチに駐留したいとの思惑があるのかもしれません。そしてこの様な施設を構築した以上は長期滞在をしなくては意味がないのです。

 もしそうであるならばその動機は何でしょうか。実はそれに関しましては2010年12月20日(月)18時30分より総理大臣官邸に於いて行われました日ジブチ首脳会談にて、その動機解明の鍵となりそうな事柄を菅総理が明言しています。その会談の要旨は外務省のホームページにあります「日ジブチ首脳会談について」でも閲覧が可能です。それによりますと「菅総理から,ヨーロッパとアジアを結ぶ航路の要衝に位置するジブチは,貿易立国である日本にとって戦略的に極めて重要なパートナーである旨述べるとともに,ソマリア沖海賊問題の対応のためジブチを拠点に活動を行っている自衛隊等に対するジブチの協力に感謝する旨伝えました。」とあります。 

 この菅総理の発言を踏まえつつ当記事に掲載しましたジブチ周辺の地図を再度見てみますと、ジブチに自衛隊拠点を構築する意義がおぼろげながら見えてくる気がするのです。P3Cは対潜哨戒機との性質上、多彩なセンサーを搭載しており、洋上監視機としての使用も可能です。日本政府はジブチを資源確保と海上交通上の要衝と看做しており、そこに約45億円の予算を投入しつつ、且つ賃貸料をジブチ政府に支払いつつも日本の実力部隊を配置する価値を日本政府は見出しているのかもしれません。P3c
(上の写真はWikipediaよりP3C photo by Maryu taken 2005/10/09 クリックにて拡大)

 それではこの新拠点を構築するに当り、日本とジブチ政府の間にはどの様な権利義務関係となっているのでしょうか。前述の通り今回のこの新拠点の土地は、日本政府とジブチ政府との間で2010年5月8日に締結されました賃貸契約締結により借り上げられています。そうしますと賃貸料と賃貸期間はどの程度のものなのでしょうか。この賃貸契約の内容に関しては日本政府が情報開示を拒否しており、調べる術がありません。 その理由に関しまして日本政府は前述の答弁書にて「相手国との関係もあり、お答えは差し控えたい。 」としています。

 その一方で「ジブチ共和国における日本国の自衛隊等の地位に関する日本国政府とジブチ共和国政府との間の交換公文」(平成二十一年外務省告示第二百二十三号)(リンク先はPDF)ではジブチ国内で自衛隊員や海上保安官に治外法権的な保証が認められています。例えば4頁目の4(b)には「部隊、海上保安庁及び連絡事務所並びにこれらの財産及び資産(所在地及び占有者のいかんを問わない。)は、あらゆる形式の訴訟手続からの免除を享有する。」との規定があるのです。この圧倒的に日本側に有利な文言は何故でしょうか。

 まず第一に日本政府としましては自衛官や海上保安官を含む全ての日本国民の権利を保護することが最優先課題であり、だとしますと万が一何らかの不祥事が発生した場合にアフリカのジブチ国内の訴追手続きではなく、日本の司法制度による手続きが日本側にとり望ましいことは言うまでもありません。交渉に於いてそれを目指すのが当然です。

 そして第二に何よりもこれが国際政治に於ける冷徹な現実であるとも言えます。日本とジブチでは国力に圧倒的な差があります。それが相互の権利義務に於ける取り決めにも反映されていると言っていいでしょう。

 日本政府としましては日本国民の海外に於ける権利を最大限にすることは当然の目標であり、そして義務でもあるのです。しかしそれが追求出来ているのは日本の現在の国力があるからこそなのではないでしょうか。特に日本の場合は国力の根元が経済力と技術力にあります。こういった「不平等条約」をジブチ側に承諾させることが出来るのも、ジブチ側に豊富な見返りを提供出来るからなのです(日本側は2010年12月20日(月)18時30分より総理大臣官邸に於いて行われました日ジブチ首脳会談にてジブチ側に対して「水,エネルギー,教育等の分野で積極的に支援を行っていく方針である旨」を表明しています。従いまして日本の現在の国力(経済力)を維持向上させることが日本にとって最重要課題とも言えるのです。

 その意味で言えば例えば脱原発の動きがその観点から合理的かどうかは熟考する必要があるのではないかと私個人としては考えます。法人減税も未だに宙に浮いたままです。現実に即した政策と国際競争力強化が日本の国力維持に必須と言えるでしょう。

原発停止、電気代値上げ…製造業1・6兆負担増 (2011年7月15日10時24分 読売新聞)

関西経済5団体、政府に原発再稼働要望 空洞化を懸念(2011年7月21日 日経新聞)

(下の写真はある時に某所にて筆者が撮影 クリックにて拡大)593

 

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コメント

長男が再来月から、ジブチ派遣決定したというので、サイト調べてみてました^
脚長蜂さんのが、一番詳しいですね。 今後も頻繁に通わせて頂いて、勉強してみますので、ヨロシク!!Σ(。>д<。)ゞ

達者なご隠居様
はじめまして。今後とも宜しくお願い申し上げます。御子息が現地で活躍され、そして何よりも健康であれば良いですね。
私はアマチュアですが、此方こそ今後とも宜しくお願い申し上げます。

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