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2011年8月 6日 (土)

クリントン国務長官がインドにF-35を破格の値段で提案か

800pxfirst_f35_headed_for_usaf_serv

(上の写真は英語版WikipediaよりF-35A戦闘機 著作権はPublic Domain クリックにて拡大)
 Flightglobalの記事にF35に関する非常に興味深い記事が掲載されました。記事の題名は"Hillary Clinton makes unbelievable F-35 pitch to India"(「ヒラリー クリントンがインドに信じがたいF-35の販促活動を行う」)です。ヒラリークリントン米国務長官が先月19日(2011年07月19日)にインドを訪問しました際に、ニューデリーで行われた米印戦略会談にて、インド側にF35戦闘機を提案し、しかも一機あたりの価格を6500万ドルにて提示したというのです。下記にこの記事の引用と翻訳を行います。
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She expressed her country's willingness to sell state-of-the-art F-35 warplanes to India at "unbelievable" prices.
彼女(クリントン国務長官)は最新鋭のF-35戦闘機を信じがたい価格でインドに売却するとの米国としての意思を表明した。

The Americans are understood to have asked the Indian government to open its purse strings for the Lockheed built fifth generation super stealth F-35 Lightning the basic model of which is being made available to India for $ 65 million apiece.
一機あたりの単価6500万ドルでインドが導入出来るようにしたロッキード社製第五世代ステルス戦闘機F-35ライトニングの基本モデルに財布のひもを緩めるよう米国側がインド側に要請したことが判明している。

The Indian defence establishment  would naturally find the offer too good to be true as much inferior  fourth generation French Rafale is priced at $ 85 million and  Eurofighter Typhoon (also a fourth generation aircraft) at $ 125 million apiece.
より劣った第四世代の仏ラファールが8500万ドルの価格設定であり、ユーロファイタータイフーン(同機も第四世代である)が1億2500万ドルの単価であるので、インド防衛当局はこの提案をうますぎる話として見るであろう。

American fighter aircraft manufacturers - Lockheed (F-16) and  Boeing (F-18) - got eliminated in the recent Indian MMRCA deal worth $  10.4 billion.
米国の戦闘機メーカーであるロッキード社(F-16)及びボーイング社(F-18)は百四億ドル相当の取引となる最近のインドMMRCAで選定から外れた。
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 米印戦略対話でのクリントン米国務長官とクリシュナ印外相の共同会見の全文は米国務省の公式ホームページでも閲覧が可能です。そしてこれがその時の動画です(米国国務省のホームページより)
この共同記者会見に於きましてF35に関する発言は両者のどちらからも特にありません。従いましてこのFlightglobalの記事が事実であるか否かは確認が出来ません。そもそものソースは学識者や元政府関係者で構成されているインドのシンクタンクである South Asia Analysis Group の模様です。そしてSouth Asia Analysis Groupのサイトにて大本の記事を見つける事が出来ました。

HILLARY CLINTON'S HITS AND MISSES IN INDIA by Rajeev Sharma on 20/7/2011

この記事を執筆したRajeev Sharma氏はジャーナリストの模様ですが、氏が誰/何処からこの情報を得たのかは不明です。

 しかし今回の報道で思い起こされるのが2011年7月22日の「F35、1機51億円=製造ライン日本に-米ロッキード幹部」との一部報道です。今回米側がインド側に提示したとされる6500万ドルとの金額は、この時事通信のインタビューにてロッキードマーティン社のスティーブ・オブライアン担当副社長が述べた金額と一致します。また日付も米印戦略対話が7月19日であり、この時事通信のインタビューが7月22日と非常に近いのです。そう考えますと、クリントン国務長官がインド側にこの金額を提示したというのは全くの誤報ではないと思われます。

 そしてもしクリントン国務長官がクリシュナ印外相にこの金額を提示したのが事実であれば、それはほぼ国際公約に近いものです。また時事通信のインタビューで副社長との役職にある人物が発言したとなりますと、これもメーカーとしての確約に近い意味合いがあると言えるでしょう。

 しかしこれらの金額はあくまで機体そのものの単価であると思われます。それ以外の諸経費は含まれていない可能性が高いのです。特に日本の場合は国内の防衛産業の何らかの製造関与(主要部品の国内製造かアセンブリー)を要求しており、だとしますとこの金額に国内防衛産業や国内商社に支払う設備投資諸経費や仲介手数料が当然加算されます。それ以外にもメンテナンスに必要となる治具類やその他施設も準備する必要があるのです。そう考えますと関係者から提示されたこの金額はあくまで参考価格としての考慮に留める必要があると私は考えます。更に言えばF-35戦闘機が現在開発中であることを考えますと、開発予算の負担を要求される可能性も少なくありません。従いまして候補となっている三機種のどの機体を選定しましても、結局は単価が100億円を下らない可能性があると思われます。こういった事を考えますと、ロッキード・マーティン社のスティーブ・オブライアン担当副社長がインタビューで述べ、クリントン国務長官がインド側に提示したとされるこの単価はやはり"too
good to be true"なのかもしれません。そしてF-35の完成型であるBlock3仕様は一部報道で日本側がRFPにて要求しているとされている2016年の1号機納入の納期に合致しない可能性が高いのです。その一方で米国としてこの単価を提示したという事は、予算を概算で算出が可能となります。いよいよ空自FX選定レースは佳境に突入しつつあると言えるでしょう。

 そしてF-35に関しましてはまず開発が順調に進んでいることが前提なのです。しかしこういった新たな不具合情報もあります。
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F-35s Grounded After Power Package Fails (2011年08月03日 Defense News)
「F-35がパワーパケッジ不具合の後に飛行停止」

All 20 U.S. F-35 Lightning IIs have been grounded following a failure of the aircraft's integrated power package (IPP).
米国の20機全てのF-35ライトニングⅡが統合電源パケッジの不具合により飛行停止となった。

(筆者注 IPP:補助電源装置、緊急電源システム、環境コントロールの機能を統合したもの)
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あらまあ・・・。
(下の写真はWikipediaよりF-35 著作権はPublic Domain 画像はクリックにて拡大)800pxfirst_f35_to_arrive_at_eglin_a

2011年08月13日(土)追記:F-35 Test Fleet Cleared For Ground Operations(F-35試験飛行隊の地上での作業が許可)Defense News 2011年08月10日 
The F-35 Lightning II fleet has been cleared to resume ground operations after a preliminary investigation found the cause of an electrical subsystem failure, but a Pentagon official refused to speculate when the next-generation fighters will be back in the air.
予備調査で電気サブシステム不具合の原因が発見された後にF-35ライトニングII飛行隊に地上での作業を再開する許可が出たが、国防総省職員は次世代戦闘機の飛行再開がいつになるかの明言を避けた。

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軍事」カテゴリの記事

コメント

相変わらずスッキリと開発が完了しないF-35ですが、巷の予想とは裏腹に、他の2機種と大して違わない値段になりそうなこと自体は喜ぶべきかと。
ロッキード・アメリカは自社自国の多少の損を覚悟してでも、シェア獲得を優先させているのかもしれません。もともと、JSFは大量に売りさばいてなんぼの計画ですから。
逆に彼らがセールスに懸命になるほど、BAEやボ社もよりいっそうのサービスを提示しなくてはなりませんから、防衛省がうまく企業・国家間の競争を煽ってくれていると見ることもできそうです。

名無し様
コメント有り難うございます。
確かに競争原理が機能していると言えるでしょう。今回の価格提示を受けてボーイング社とBAE社が次にどう動くか興味深いところです。
しかしF-35の単価が米軍機のそれより安くなるとしているのはどういったマジックなのか若干気になります。

信用できねーw
まぁ空自のF-Xにも影響はあるだろうけどF-4の後継機はF/A-18Eの選択で悪くないと思う 米海軍で今後末永く運用が保障されてるし、震災の影響もあるし比較的価格の安い機体が適してるだろうしな(某軍事評論家はライセンス生産の価格で約80億円とのこと)
運用に問題なければF-15J非近代改修機の後継にもスパホでいい感じ

イーグル氏

私も純粋にF-4後継機であればF/A-18E改良型でも構わないと考えます。候補となっている三機種の中では最も無難な機体ですしね。
F-15J非MSIPの後継としてとなりますと飛行特性全ての面でF/A-18Eは劣っていますので(最もEPEが具現化し20%の推力向上を実現した場合は興味深くはありますが)、私は慎重な見解です。デジタルの分野では圧倒的にF-15の能力を上回りますが。

EPEエンジン : 15~20%推力向上で加速、スピード、上昇率など向上
って公式に書いてあるのは、1発当たりの推力比なんですかね?
この文面ではそういう風に見えてしまいますが、仮に1発の推力が現在の120%にアップすれば双発での推力向上比は、それは大きなパーセンテージを占めそうな気がするのですがw

そうなると、F/A-18E改良型の耐Gスーツの性能も気になるところではあります。
米の海軍では、全身タイプの対Gスーツが普及しておらず、旋回時のパイロットの耐Gの数字に、空軍と海軍では差があるという話を耳にしたことがあります。
F/A-18のパイロットの耐Gが低いという噂もこの辺が出所かと思ったりもするのですが…

こうしてみると、否定的な話も書きましたが、F/A-18Eの機体や内装、パイロット用装備の改良は大変興味深い上に、下手をするとF35よりもずっと使い勝手がいいんじゃないかとと思えてくる今日この頃…。

sub氏
返信が遅れ申し訳ございません。
>EPE
F/A-18E改良型に関しては以前に記事をこのブログで執筆したことがあります。
http://paper-wasp.cocolog-nifty.com/blog/2011/02/fa-18e-silent-h.html
その記事で紹介しました動画( http://youtu.be/lE3h8yImm4U )ではBoeing社のテストパイロットRicardo Traven氏が3分辺りからこの様に述べています。

"which gives airclaft about 20% more thrust"
「機体に20%の推力向上を与える」

このことから2発で20%の推力向上であることが分かります。
私もF-4の後継であればF/A-18E改良型が一番無難であると考えます。

その記事も以前興味を持って拝見させていただきました。
公式には“15~20%”との数字があるのに対し、パイロットが述べているのが“機体に約20%以上の推力向上が見込まれる”という表現をしている点でやや引っかかっては居るのですが

行間を読みすぎているんですかね?w

Sub氏
件の記事に物凄く恥ずかしい翻訳間違いをしているのを発見して撤退したくなりました。

原文"engine with 20 percent more thrust,"
誤:「20%以上の推力向上エンジン」
正:「(従来型から)20%の推力向上エンジン」
ですので特に矛盾はありません。

なるほど、やや細かい問答にわざわざ付き合わせてしまって申し訳ないです。
私もしっかり英文読むべきでしたw
お恥ずかしい限りで…;;;

sub.氏
いいえ、此方こそこの対話がなければ間違いに気が付かないままでした。有り難うございました。

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