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2011年8月23日 (火)

防衛省が無人機、ロボット、ATD-X機体の開発を本格化へ

 2011年8月17日5時2分の朝日新聞の記事で「防衛省、無人機開発を本格化 調査費増額要求へ」 と報じられました。この朝日新聞の記事には菅総理の指示があった旨の記述がありますので、それが誤報ではない限りこれは確定事項と言えるでしょう。菅総理の判断の背景には「福島第一原発事故の際、米軍の無人偵察機グローバルホークで原発の状況を把握した経緯を踏まえ」とこの記事にはあります。私にとり驚きだったのはこの記事が「防衛省は日本独自の無人機開発を本格化する方針を固めた」と報じていることです。「日本独自の無人機開発」ということですので、これはグローバルホークではないということになります。

 グローバルホークに関しましては当ブログにても以前に記事を二回執筆したことがあります。

「米国製無人偵察機、3機導入へ 中国や北朝鮮想定」 (2010年10月09日)

「東日本大震災で米空軍のグローバルホークが偵察活動」(2011年03月20日執筆)

763pxnorthrop_grumman_rq4_global_ha

(上の写真はWikipedia英語版よりグローバルホーク Jim Gordon氏撮影 Kwj2772氏によりFlickrにアップロード クリックで拡大 グローバルホークの製造元であるNorthrop Grumman社によると(リンク先は全て英文)RQ-4 Block 10 は「高度65000フィート=19810mまでの上空を35時間まで340ノット=629.7 km/h近くのスピードで飛行可能である。一回のミッションにつきイリノイ州のサイズの面積=14,997平方Kmが偵察可能である」としている。)

 私は2011年03月20日の記事で「もしこれでグローバルホークの有効性が実証されれば、日本がグローバルホーク導入を検討する上で大きな判断材料となると思われます。二次災害を避ける為や、今回の様に人が立ち入ることが困難な場所で活用可能なことが分かれば、グローバルホークの様な長時間に亘り広範囲で詳細なデーターが収集可能な機体は天災大国の日本にとり有意義な装備であるからです。」と述べました。しかし結論としましてグローバルホーク導入ではなく、「日本独自の無人機開発を本格化」となりました。この「日本独自の無人機開発」とは多用途小型無人機(通称TACOM)と高高度無人機を指すものと思われます。多用途小型無人機がミサイルの様に飛行し瞬間的に任務を果たすのに対し、高高度無人機はグローバルホークの様に長時間に亘り一定の空域に留まり情報を収集するタイプとなります。

 前述の朝日新聞の記事にあります「多用途の小型ジェット無人機」とはこのうち多用途小型無人機の事でしょう。F-15等から発射され、自律飛行で滑走路に着陸します。YoutubeにTACOMの分かりやすい動画がありました。

 情報本部から開発要求のあった高高度無人機に関しましては資料が少なく、また計画の現状がどうなっているのかが判然としません。公的な資料としましては防衛省の平成14年度の政策評価書(PDFファイル)のみを見付けることが出来ました。この政策評価書によりますと高度はグローバルホークを上回るものを要求しています。
(下の表は同政策評価書より「類似手段との比較」 クリックで拡大)Photo
 この資料を見るだけでもグローバルホークより大型で、高度も上回る無人機を日本独自で開発しようとする極めて野心的なプロジェクトだと言えます。大変夢のある話ではありますが、予算、納期、技術力で果たして日本に可能なのでしょうか。慎重に検討する必要はあります。

 そして今回の朝日新聞の記事にはロボット技術の研究開発も推進する旨の記述があります。防衛省が開発中のロボットで最近話題となったものは球体型の飛行ロボットがありました。それは海外でも報道されています。2011年08月05日 10:32のDefense Newsの記事"Japanese Inventor Develops Flying Sphere Drone"(日本の発明者が空飛ぶ球体の無人機を開発)にも記事がありました。下記に内容を一部抜粋し、翻訳します。
--------------------------------------------------------------------
Japanese defense researcher has invented a spherical observation drone that can fly down narrow alleys, hover on the spot, take off vertically and bounce along the ground.
日本の防衛技術者は狭い道を飛行し、一箇所で宙に浮かび、垂直に飛び立ち、地面に沿ってバウンドすることが出来る球状の観測無人機を発明した。

About the size of a beach ball and jet black, the remote-controlled Spherical Air Vehicle,
だいたいビーチボール程の大きさで漆黒であるリモコン式の球体飛翔体、

It is powered by a propeller protected by a spherical shield with large openings for airflow, meaning a knock into a wall or a tumble to the ground will not damage it.
それは空気の流れ様の大きな穴の開いた球体のシールドで保護されたプロペラで飛行しており、壁への衝突や地面への転倒では破損しないということである。

It can zip through the air at up to 37 miles per hour.
それは毎時37マイルの速度で飛行可能である。

weighs just 12.3 ounces and has a diameter of 16.8 inches.
12.3オンスの重さで直径は16.8インチである。

it can only fly within the field of vision of the controller,
それは操縦者の視覚の範囲内のみで飛行可能である。

(引用終了)
--------------------------------------------------------------------
百聞は一見に如かずと言います。Youtubeにこのロボットの動画がありました。
 
 これ以外にも以前当ブログにてパックボットに関する記事を執筆しましたが、そういったロボットも開発されてくるのかもしれません。

 また日刊工業新聞の2011年08月16日の報道「防衛省、戦闘機の先進技術実証プロで三菱重工に機体製作委託」によりますと、防衛省は2011年度中にも三菱重工業にATD-Xの機体製作を委託し、また来年度予算の概算要求にATD-Xの予備部品や整備用機材などの費用約90億円(約3年間)を盛り込む方針とのことです。更にこの報道で興味深いのはF2戦闘機後継機の開発に繋げるとしている点です。

 ATD-Xにしましても非常に高度な技術力が要求されます。防衛産業関係者である著名ブロガーのKeenedge氏のブログ「keenedgeの湯治場」の古い記事「○○○-Xであります。」(2006年10月06日執筆)「○○○-Xであります(その2)」(2006年10月08日)に目標性能、高運動性、要素研究、担当メーカー、技術的重要事項、「高運動FLCSの研究」要素、「統合アビオニクス・システムの研究」主要な目標性能・緒元が列挙されています。これを見ても目標としている性能が非常に高いものである事が分かります。その一方でKeenedge氏の「ATD-Xが動き出したであります。」(2010年04月16日)によりますと、機体そのものに利用されるパーツはF-1やT-2のものを多く流用しており、中古品か長期保管品しかなく、品質保証が困難とのことです。

 F-2戦闘機の後継に関しまして、以前に二回このブログにて記事を執筆したことがありますが、日本で第六世代戦闘機を開発しようという極めて野心的な計画です。
(下は防衛省が発表したF2戦闘機後継とされるi3 Fighter コンセプト画像 防衛省ホームページより クリックで拡大)I3fighter_2「F2戦闘機後継、16年度にも開発着手へ 防衛省」(2010年08月29日)

「第六世代戦闘機日米共同開発の可能性について」( 2011年02月24日)

夢のある話と見るか、それとも日本の技術水準や財政難を考えますと夢は夢と考えるかは難しいところではあると思った次第です。

2011年09月14日(水)追記:「原子力災害対策、無人偵察機・軍事用ロボ配備へ」(9月14日(水)3時8分 読売新聞)「無人偵察機は米ボーイング社などが開発した「スキャンイーグル」2機と国産の2機を購入する予定」

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コメント

では夢の話をひとつ。
JAXAが飛翔という超・極超音速機の研究をやっているのですが、名付け親125名のうちの1名である私も少し思いいれのある機体でもあります。
JAXAの航空技術研究部門のページです。
http://www.jaxa.jp/projects/aero/index_j.html
高燃費・低騒音エンジンと極超音速機体の研究を別々にやっているのかと思っていたのですがどうやらそうではなく、どちらも極超音速飛行可能な高燃費・低騒音の機体を目指しているようでhttp://www.jaxa.jp/article/special/aviation/index_j.html
バイバス比のとても小さいターボファンエンジンとなるとエンジン素材も含めてそのまま戦闘機へ応用が利きます。
それから、心神開発評価にJAXAの名前が度々出てくるのも気になっておりました。
それからそれから、日本がF35のライセンス生産にあれほど固執する理由も気になりますw
------------------------
別件ですが、無人機についてもJAXAで研究が進められていまして前述のページから見ることが出来ます。
このたびの震災で『またこの度の東日本大震災について、大規模な災害に対応できるより大型の無人航空機や、原子力発電所事故に対応する放射線量の空中計測などについても検討を進めています。』という一文が加わっており、興味を持って見ておりましたが。
いずれにせよ、防衛省の航空技術部門とJAXAの航空技術は近い位置にあるように思っておりました。
F2の後継か、はたまた別件でi3ファイターが持ち上がってくるのか、あるいは夢なのかはわかりませぬが、日本の航空技術にも素地はあるように思います。
------------------------
はたまた、別件で、極超音速機の開発でブーム計測システムというソニックブームの検出システムも同時に研究されておりました。
http://www.jaxa.jp/projects/aero/sst/img/photo_d-send_l.jpg
の絵を見る限りではレーダーから距離を割り出して測定するのではなく、複数マイクを設置して距離や音源の位置や音の大きさを割り出すもよう。
もともと、低騒音機を検出するための装置なので検出感度は相当高いものだと思われるのですが、ステルス機の索敵にも使い方次第では高い能力を発揮するのではないかなぁと思ったり思わなかったり。
JAXAの運行技術の項目にレーザーによる気流解析の話も出てくるので書きたいのは山々ですけど長くなるのでこの辺でw

sub.氏
返信が遅れ申し訳ありません。先週末よりやや多忙でした(某総合●力演習にも行ってまいりました)。
技術情報提供有難うございます。
日本がF35のライセンスに拘っているのは当然国内産業基盤の維持が思惑の一つにあると思われます。ただ現実問題としてF35のライセンスは難しく、最終アセンブリーと一部部材の国内生産に止まると思われます。

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