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2011年8月19日 (金)

都心に陸自対テロ部隊拠点を設営へ

 2011年8月17日01:30の産経新聞『都心に「対テロ部隊」霞が関から3キロ圏内、数百人規模』との報道によりますとテロ対策の一環としまして、霞ヶ関から3キロ範囲内に陸自の数百人規模の拠点を設けるとのことです。記事の内容としましては

(1)「霞が関から3キロ圏内の防衛省(新宿)周辺で数百人規模の隊員を収容できる拠点を設ける。」

(2)「NBC(核・生物・化学)兵器テロに備える専門部隊の一部も併せて配置する。」
としています。

 この記事の真偽の程は現時点では不明です。この件を報じているのは8月18日(木)午前6時現在では産経新聞のみとなっています。しかしこの報道は防衛省の「防衛力の実効性向上の構造改革」8月5日の報告書と具体的なソースに言及しました。防衛省公式ホームページに確かに「防衛力の実効性向上のための構造改革推進委員会」とのページがあり、そこには「防衛力の実効性向上のための構造改革推進に向けたロードマップ~動的防衛力の構築に向けた全省的取組」との8月5日付けのPDF報告書があります。この報告書の10頁目に、「重点地域(南西地域及び首都圏等都市部)における対処能力の向上」が検討課題として挙げられており、今後の方向性として「重点地域における基本部隊の在り方について検討」するとしています。確かに首都圏に関し言及があり、対策を講じていく方針が明記されてはいますが、具体的な方向性は言及されていません。また内容はどちらかと言えば南西地域の防衛体制に関してより重点的に記載されていました。従いまして産経新聞が何を根拠に今回の件を報じたのかは不明です。この記事は「防衛省が」としていますが、防衛省の誰がそれを明らかにしたのか、それは公式な確定方針なのか、それともまだ検討中の事項なのかわかりません。いずれにしてもこの報告書の中では首都圏等都市部を含む重点地域における対処能力の向上に言及がある以上は、何らかの方向性が打ち出されることだけは確かだと考えられます。
(下は筆者が数年前に撮影の防衛省 クリックにて拡大)

Photo_2
 こういった自衛隊の重要施設等の警備が検討される度に必ず問題となるのが警察による警備との役割分担です。(下の写真は筆者がある時に撮影した警視庁。クリックにて拡大)Photo
 以前より原発警備に自衛隊を当てるべきかどうかが類似した議論として存在しますが、現状は第一義的には警察の特殊部隊が原発の警備を担っています。永田町と霞ヶ関に関しましては警視庁機動隊による厳戒警備体制が敷かれているのであり、ハードターゲットと言えます。
(下の写真二枚は筆者がある時に某所にて撮影した機動隊の車両 クリックにて拡大)1

2_2
 当然のことですがMP5機関拳銃を装備した機動隊員も警戒に当たっていると考えるのが自然です。尤も高度に訓練された武装工作員が相手であった場合は対応が困難なものとなるでしょう。

 しかしそもそも根本的に軍隊と警察では役割が異なります。日本の警察の主たる役割は事件の捜査です。証拠の保全、犯人の生きたままの逮捕が最優先課題となります(SAT等の一部例外を除く)。そしてそれは罪刑法定主義による逮捕、刑事訴訟法に則った捜査でなくてはなりません。それに対して軍隊の主任務は敵の排除にあります。即ち射殺が原則となるのです。この事からテロリスト側からしましても軍隊系特殊部隊が出動することと、警察系特殊部隊が出動してくることは全く意味合いが全く異なるのです。

 逆に言えば自衛隊は警備やテロリストの排除は出来ますが、警察と比較した場合に職務質問の技術は足元にも及ばないでしょうし、ましてやデュープロセス(法の適正手続)に則った被疑者の処遇に関しましてはノウハウが皆無と言っても過言ではないでしょう(警務隊等の一部の例外を除く)。この事から軍隊と警察は一見しますと類似している様に見えますが、全く異なった性格の組織なのです。

 今回のこの報道が事実であったとしますとどの様な事態を想定しているのでしょう。一つは「NBC(核・生物・化学)兵器テロに備える専門部隊の一部」との記述がありますので、地下鉄サリン事件の様な化学兵器等が首都中枢で使用される事態である事は明白です。もう一つはムンバイ同時テロの様な銃撃戦でしょう。その場合は出動の際の法的根拠や権限も重要となります。出動の根拠は自衛隊法第七十八条の治安出動となるでしょう。ただし1995年に発生しました地下鉄サリン事件は災害派遣でした。治安出動の場合は自衛官の権限は警察官職務執行法により正当防衛と緊急避難の場合を除き、当該部隊指揮官の命令によらなければならないとしています(自衛隊法第八十九条)。それ以外に第九十条の規定で「次の各号の一に該当すると認める相当の理由があるときは、その事態に応じ合理的に必要と判断される限度で武器を使用することができる。」との規定があり、それは次の様な場合です。

一 職務上警護する人、施設又は物件が暴行又は侵害を受け、又は受けようとする明白な危険があり、武器を使用するほか、他にこれを排除する適当な手段がない場合

二 多衆集合して暴行若しくは脅迫をし、又は暴行若しくは脅迫をしようとする明白な危険があり、武器を使用するほか、他にこれを鎮圧し、又は防止する適当な手段がない場合

三 前号に掲げる場合のほか、小銃、機関銃(機関けん銃を含む。)、砲、化学兵器、生物兵器その他その殺傷力がこれらに類する武器を所持し、又は所持していると疑うに足りる相当の理由のある者が暴行又は脅迫をし又はする高い蓋然性があり、武器を使用するほか、他にこれを鎮圧し、又は防止する適当な手段がない場合

 私としましてはやはり軍隊と警察では役割が異なるということを重視します。(日本には軍隊はありませんが)即ち軍隊の主任務は敵の排除(殺害)であり、捜査(逮捕)ではないということです。このこと自体が抑止力となるのです。そういった体制をハード面とソフト面で構築することの検討は有意義と言えるのではないでしょうか。

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コメント

これって対テロ部隊を新規に編成するらしいね
中央即応集団とは一体何だったのかwww

イーグル氏
こんにちは^^。
もしこの報道が事実であるならば、恐らく第1師団と中央即応集団の一部の拠点を首都中枢に設け、首都中枢でのテロ発生に備えることだと思います。
中央即応集団は有事の際に迅速に展開・行動・対処する為と、海外派遣任務で中心的な役割を担う部隊となります。従いまして任務が異なると私は考えます(一部重複する可能性がありますが)

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