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2011年9月15日 (木)

F-35単価が6500万ドルとの見積を検証する

800pxf35_in_hangar
(上の写真は英語版Wikipediaより 著作権はPublic Domain クリックで拡大)
当ブログの2011年8月 6日 (土)執筆の記事「クリントン国務長官がインドにF-35を破格の値段で提案か」で米国側が日本やインド等に対し、F-35の1機あたりの価格を6500万ドルにて提示している旨を執筆しました。私はこの6500万ドルとの価格に懐疑的でした。

 Defense Newsの2011年9月12日の記事"What's The Price Tag For a Production F-35?"(生産型F-35の値札はいくら?)との記事が掲載されました。この記事にて6500万ドルとの単価が検証されていましたので、主要箇所を抜粋し翻訳します。
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The price tag for a production model F-35A will not be $65 million in 2010 dollars.
F-35Aの生産モデルの値札が6500万ドルとは2010年価格ではならないであろう。

That's the average per-plane cost repeatedly given by officials with F-35 prime contractor Lockheed Martin - for example, Tom Burbage, a top F-35 official, speaking to reporters in Australia last month.
それはF-35のプライム・コントラクター(元請業者)であるLockheed Martin社の関係者-例えばF-35責任者であるTom Burbage氏から先月にオーストラリアの記者団と会見中に-提示された1機あたりのコストの平均的な価格である。

Weeks later, a Lockheed spokeswoman gave the same figure - but said it was 2011 dollars.
数週間後にLockheed社の女性広報官は同じ金額で提示したが、2011年価格であると述べた。

An official at the JSF program office said Lockheed's $65 million price tag claim is "disingenuous" because it does not include the Pratt & Whitney F135 engine that powers the jet. The program office has repeatedly asked the company to stop using the $65 million figure, he said.
JSF計画局の事務官はLockheed社による6500万ドルとの値札の主張は機体を飛行させるPratt & Whitney F135 エンジンが含まれていないので「不誠実」だと述べた。計画局はLockheed社に対して6500万ドルとの価格を使うのを止めるよう要請したと彼は述べた。

An industry source denied that and said Lockheed's $65 million figure includes the engines and expressed dismay that the JSF official was be unaware of that fact.
業界関係者はLockheed社の6500万ドルとの価格はエンジンを含んでおり、JSF事務官がその事実を知らない事に対して遺憾を表明した。

The engine will cost roughly $11 million once in full-rate production, said William Storey, an analyst with Teal Group.
TealグループのアナリストであるWilliam Storey氏は全規模量産時ではエンジンの価格が約1100万ドルになるであろうと述べた。

The Air Force's 2011 budget shows that engines for low-rate initial production F-35A cost $13 million apiece.
空軍の2011年度予算によると低率初期生産時のF-35Aのエンジンの単価は1300万ドルであることを示す。

Even if the JSF official was right, and Lockheed's $65 million price tag does not include the engine, the unit cost of the F-35A is comparable to other aircraft.
例えもしJSF事務官が正しく、Lockheed社の6500万ドルの値札にエンジンが含まれないとしても、F-35の単価はその他の戦闘機に匹敵する。

That's because other components, such as the sensors, are part of the contractor's price for the jet, said David Rockwell, another Teal Group analyst.
その理由はセンサーの様なその他の部品が製造元の価格に含まれているからであるとTealグループの他のアナリストであるDavid Rockwell氏は述べた。

"Radar and sensors are almost always contractor-furnished, and are for the F-35 and F/A-18," Rockwell said. "Only very rarely will the [Defense Department] require [Government Furnished Equipment] sensors, and even the suggestion rarely gets past the RfP stage."
「レーダー及びセンサーはほぼ常に製造元により備えられており、F-35やF/A-18も同様である」とRockwel氏は述べた。「(国防総省)が(政府開発の機材)のセンサーを必要とすることはごく稀であり、提案ですらRfP(提案要求書)段階を過ぎることが稀である。」

At $76 million, the jet comes with all of its myriad sensor and data links while adding stealth capability, which is not available on older fourth-generation aircraft like the F/A-18E/F or EA-18G.
7600万ドルの価格であっても、 F-35は無数のセンサーとデータリンクに加えてステルス能力があり、そしてそれはF/A-18E/FないしはEA-18Gの様な旧世代の第四世代の機体にはない。

Even at $80 million, the F-35 would offer more bang for the buck, said Richard Aboulafia, another Teal Group analyst. The stealth, sensors, range and data links give the F-35 a huge edge in combat, he said.
例え8000万ドルの価格であったとしても F-35は投資の価値があると別のTealグループのアナリストであるRichard Aboulafiaは述べた。ステルス性、 センサー、航続距離、データリンクはF-35に戦闘で大幅な優位性を 与えると彼は述べた。

(抜粋と翻訳終了)
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 Tealグループとは1988年に設立されました航空及び軍需産業市場を研究しているコンサルティング企業の模様です。ホームページを閲覧してみましたが、運営者等のデータに関しましては今一つ詳しいことが判りませんでした。英語版Wikipediaにもこの団体に関する項目を見つけることは出来ません。もし詳細をご存知の方はソース提示の上でご教授頂ければ幸いです。

 F-35の価格に関しまして何故この様な大きな認識の違いがメーカーとF-35計画局の間で生じたのかは不明です。エンジンが搭載されている/されていないでは意味合いに大きな違いがあります。万が一Lockheed社がエンジンの搭載されていない機体の見積を提示していたとなると、Lockheed社の信頼が大きく揺らぐ事となります。750pxarnoldafb2(上の写真はWikipediaよりF135エンジン 著作権はPublic Domain クリックで拡大)
Tealグループはエンジンの価格が1000万ドル強であり、例えF-35の単価が7600万ドルや8000万ドルであったとしても、その価格に見合う性能を有している旨を主張していますが、そういった問題ではなく、Lockheed社に対する信頼が損なわれかねません。800pxf35_eots(上の写真はWikipediaよりEOTS Electro-optical target sensor (EOTS) on a mock-up of the F-35. Photo taken at RIAT 2007. 作者はDammit氏 クリックで拡大)

そういった事態を避ける為にも6500万ドルの根拠や価格提示の内訳を提案先にLockheed社は書面にて説明する必要性があるのではないかと私個人としては考えます(空自の次期戦闘機の提案要求書には価格の情報提供も要求しています-2011年04月13日(水)18:10 NHK報道)。

 その一方で当ブログの2011年8月6日(土)執筆の記事「クリントン国務長官がインドにF-35を破格の値段で提案か」で記述しましたクリントン国務長官によるインド側への6500万ドルの価格提示が事実であるとなりますと、1機あたりの平均単価はやはり6500万ドルであり、F-35計画局の事務官の誤認であると言って良いと思われます。

 今回のこのDefense  Newsの記事から分かることは、1機あたりの価格が6500万ドルというのはJSF生産計画を通じての平均単価であり、どの時点でその単価となるのかが判然としません。

 そしてもう一つ分かることは6500万ドルとの価格はやはりLockheed社或いは米国からF-35の完成品を直接購入した場合になるであろうということになります。そうだとしますと国内での部品の一部生産や最終アセンブリーを求めている日本側の要求を米側が受け入れ、そしてそれが具現化した場合は、当然の事ですが国内企業に対して支払うマージンが発生しますので、価格は6500万ドルを上回る事となります。

 航空自衛隊が新たに取得しようとする戦闘機(通称FX)の提案要求書の提出期限が9月末に迫る中で、価格に関しましても再度確認が必要な事項だと言えるでしょう。

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コメント

信頼性、汎用性、機体コスト、ライセンス生産、これを考えると今はスパホが断然いいと思うけどね
http://www.asahi.com/national/update/0915/TKY201109150252.html
津波で流されたF-2B、12機の廃棄処分が決定
流されたのは練習型のB型だが空自の対艦攻撃戦力が約1割削られた以上、F/A-18Eの高い対艦攻撃能力で補うというのも悪くはないと思う

9月10日に厚木基地の開放日がありましたが、F/A-18Cがいなくなり、VFA-27、VFA-102、VFA-115、VFA-195がF/A-18E/Fブロック2という全機最新型機という米海軍唯一の空母航空団になってしまった訳で、考えてみれば、身近に相談できる相手がいるF/A-18E/Fの方が良いのではと思います。EA-6Bも近々、EA-18Gに機種改変されますから、面白みが無くなりますけどね・・・。VFA-195も元はF-35Cに機種改変されるはずが、開発遅延でF/A-18Eブロック2になった訳ですし、確実性がありますよね。

減損したF2に関してはP-Xでお茶を濁すなど考えられますが、
今必要になってるのは迎撃戦闘機であって、事前に飛ばして
いる事が前提の艦載運用とは違って、加速の鈍いF/A-18EF
は迎撃には使いにくいのでは無いでしょうか。

個人的のはタイフーンがいいかと
近代化改修したF-15J改の空対空能力補完の意味でも。
加速力もピカイチですし、機動性も良好。

今後、共同開発の幅を広げるにはここで欧州製を採用しておいた方が良いと思います。

 初めてコメントさせていただきます。

 今日のYAHOO! JAPANにある韓国の中央日報日本版によれば、ロッキードマーティン社は韓国に対し、F-35を次期戦闘機として採用した場合、米国政府の許可を得てステルス技術を韓国に移転する意向を示したとのことです。ロッキードマーティン社(並びに米国政府)の、色々な国に対するF-35の売り込みの、なりふりかまわなさには正直あきれる程ですが…

 航空自衛隊機の次期主力戦闘機につきましては、皆さん色々なご意見があるようですが、竹島を占拠しており日本にとって決して同盟国とはいい難い韓国がF-35を導入するとなれば、日本にとってやはり脅威でしょう。将来のことも考えれば、(機数はともかく)F-35の導入もやむなしと、私は考えております。
 

 

>皆様
多数のコメント有り難うございます。今後とも宜しくお願い申し上げます。
今回この記事にコメントをして頂きました方の中に、画像認証画面とこの記事を複数回行き来した方が一名いらっしゃいますが(管理画面のアクセス解析からどの訪問者がいつ、どのページを閲覧したか分かる。電話の番号通知、着信履歴のようなもの)、万が一何らかの不都合がありました場合はご不便をかけまして誠に申し訳ありません。スパム防止の為に必要な措置ですので何卒ご理解の程を宜しくお願い申し上げます。
一点だけ身勝手な要望をさせて頂きますと、もし差し支えがなければ何らかのハンドルネームを使って頂いた方が親近感が湧いて助かります(あくまでも要望です)。

2011年9月15日 (木) 20時58分の名無し様
F/A-18E/Fは調達数が増えればライセンスが可能であり、対艦攻撃は勿論のこと、極めて多彩な兵装が可能ということも魅力的ですね。

キンタ様
運用面では最も無難な機体であることから、FX選定で株を上げていますね。

2011年9月16日 (金) 17時44分の名無し様
XP1は海自の機体であり、F-2は空自の戦闘機です。陸海空それぞれが独自の目標を有しています。それとも今日は統合運用の時代ですし、あくまで自衛隊全体として一定の能力を達成していれば可とするのか難しいところではあります。
今回のFX選定ですが空自がFXをどの様なドクトリンで選定を進めているかも判然としません(私はこれが今回の選定レースで最大の問題であると考えます)。F/A-18E/Fは飛行性能からしますと全てのスペックでF-15を下回ります。私個人としましてはそういった意味でもF-15SEに期待していました。
しかしF/A-18E/Fを別の視点、即ち離島防衛の観点からしますとまた別の見方が可能です。

2011年9月16日 (金) 17時48分の名無し様
以前にも議論したことがありますが、防衛省側が欧州機の採用に慎重な理由はただ単に政治的な理由だけではなく、非常時にパーツが米軍から即入手可能ではないという理由があります。米軍機を採用した場合は非常時には米軍基地から直ちにパーツ供給を受けられるのです。機体そのものを失ったという最悪の場合でも、パイロットが生存していれば機体そのものを米軍から提供を受けられるのです。実際に中東紛争時にイスラエルがそういった方法で対応をしたことがありました。こういった運用上の利点も考えているのかもしれません。
欧州からの部品供給は中東で紛争が発生した場合に滞ることがあるそうです(最近では湾岸戦争やイラク戦争勃発時)。もし日中間で紛争が発生した場合はパーツ供給に不安があるかもしれません。これが米軍機であれば太平洋側は全て米軍の勢力圏内です。
防衛省が米軍機を重視するのはそういった実務上の理由もあるのかもしれません。

Mr.トリデ氏
はじめまして。こんごとも宜しくお願い申し上げます。
一方には中国の脅威に対処する為にも米国との同盟を基軸にして日韓の連携を深めるべきとの考えがあり、もう一方には竹島問題や歴史認識の問題等で韓国に譲歩すべきではないとの考えがあります。私はその中間の立場にあると思います。
確かに日韓は同盟関係にありませんし、二国間には数多の課題があります。しかし対中国や対北朝鮮では認識を共有することが可能かもしれません。今の韓国は保守・親米派政権です。両国が米国との同盟関係を維持する限りは直接の衝突は避ける事が出来ます。
F-35に関しましては納期に間に合わない可能性がある事も課題です。
その一方でロシアと中国がステルス機を独自開発しつつあるのも事実です。ステルス機に対してはステルス機で対抗すると考えるのか、それとも他のカウンターステルスで対処するのかも議論の余地のあるところです。

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