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2011年9月 9日 (金)

中国がカダフィ派に武器販売を提案か

459pxmuammar_abu_minyar_algaddafi_i(写真はカダフィ大佐 英語版Wikipediaより 写真はJames (Jim) Gordon from Manhattan, New York City, USAにより撮影 クリックで拡大)
皆様も既にご存知の通りカダフィ政権が事実上崩壊しました。カダフィ政権崩壊に伴いまして、リビアが外国と秘密裏に締結したと思われる取り決めが幾つか暴露されつつあります。一つは米国CIAがテロ容疑者の取調べをリビアに委託していた嫌疑が浮上しました(2011年09月04日 18時10分 読売新聞報道)。 このことは逆に旧カダフィ政権と米国が対テロでは深い関係にあった事を裏付けるものです。

 以前にもリビア情勢に関しましてはこのブログでも記事を執筆したことがありました。

リビア動乱でアルカイダがリビアの対空ミサイルを奪取か 反政府運動にも関与の可能性(2011年3月27日 (日))

この記事を執筆した際にコメント欄で欧米による軍事攻撃が利権を狙ったものではないかとの議論が散見されました。しかし欧米は既に利権や上記の様な提携関係を旧カダフィ政権に有していたのであり、この陰謀論はやはりこの観点からは成り立たないのかもしれません。twitterに於きましてもこの陰謀論を否定するコメントは散見されました。

Shamilsh

Fajr_2011_2

 米国がリビアにテロ容疑者の尋問を委託していた疑惑以外に、更に中国がカダフィ政権末期に武器売却をカダフィ政権側に提案していた疑惑も浮上しました。これを報じましたのはカナダの保守系全国紙"THE GLOBE AND MAIL"です。これは同紙が2011年09月02日 10:18PM EDTに報じたもので、ネット上では2頁に亘り掲載されています。

China offered Gadhafi huge stockpiles of arms: Libyan memos(中国がカダフィに大量の武器の備蓄品を提案:リビアのメモで):第一頁

China offered Gadhafi huge stockpiles of arms: Libyan memos (中国がカダフィに大量の武器の備蓄品を提案:リビアのメモで)第二頁

そしてこれがそのリビア側の原本です。

下記に引用と翻訳を行います。
-------------------------------------------------------------------
China offered huge stockpiles of weapons to Colonel Moammar Gadhafi during the final months of his regime, according to papers that describe secret talks about shipments via Algeria and South Africa.
アルジェリアと南アを経由する荷物に関する秘密会談を記述する書類によると、中国がムアンマル・カダフィ大佐政権末期に大量の武器の備蓄を提案した。

Documents obtained by The Globe and Mail show that state-controlled Chinese arms manufacturers were prepared to sell weapons and ammunition worth at least $200-million to the embattled Col. Gadhafi in late July, a violation of United Nations sanctions.
The Globe and Mail紙が入手した書類によると中国の国営武器製造メーカーが少なくとも約2億ドル相当の武器及び弾薬を追いつめられたカダフィ大佐に7月末に売却する用意があった事を示しており、国連による制裁違反である。

The papers do not confirm whether any military assistance was delivered
これらの書類からは軍事援助が行われたかどうかは確認出来ない

Omar Hariri, chief of the transitional council’s military committee, reviewed the documents and concluded that they explain the presence of brand-new weapons his men encountered on the battlefield. He expressed outrage that the Chinese were negotiating an arms deal even while his forces suffered heavy casualties in the slow grind toward Tripoli.
暫定評議会の軍事委員会の長であるOmar Hariri氏が書類を見直し、戦場で彼の兵士が遭遇した最新兵器の存在の説明となると結論付けた。トリポリへの鈍い進軍中に彼の軍が多数の負傷者に苦しむ中で、中国が武器取引を交渉していた事に彼は激しい怒りを表明した。

Senior rebel officials confirmed the authenticity of the four-page memo
反乱軍高官は4頁のメモが本物であることを確認した

The document reports in detail about a trip by Col. Gadhafi’s security officials from Tripoli to Beijing. They arrived on July 16, and in the following days they met with officials from three state-controlled weapons manufacturers: China North Industries Corp. (Norinco); the China National Precision Machinery Import & Export Corp. (CPMIC); and China XinXing Import & Export Corp.
書類はカダフィ派警備軍のトリポリから北京への出張を詳細に報告している。彼等は7月16日に北京に到着し、次の数日間からは3社の国営武器製造メーカーの担当者と会っている。中国北方工業公司(Norinco);、中国精密機械進出口総公司(CPMIC);、中国新興天津進出口公司である。

Chinese companies also noted that many of the items the Libyan delegation requested were already held in the arsenals of the Algerian military, and could be transported immediately across the border
中国企業はリビア側が要請した項目の殆どはアルジェリア軍の武器庫にあり、国境を越えて直ちに輸送可能であることも述べた。

truck-mounted rocket launchers; fuel-air explosive missiles; and anti-tank missiles, among others. Perhaps most controversially, the Chinese apparently offered Col. Gadhafi’s men the QW-18, a surface-to-air missile small enough for a soldier to carry on his shoulder ? roughly similar to a U.S. Stinger, capable of bringing down some military aircraft.
トラック搭載ロケット;燃料気化爆弾ミサイル;対戦車ミサイルなどである。そしておそらく最も論争を呼びそうであるが、軍用機を撃墜可能な米国製スティンガーに類似した個人携行型のQW-18地対空ミサイルを中国側が明らかにカダフィ大佐側に提案した。

Given the difficulty of punishing UN embargo breaches, it seems likely that the more important consequences for the countries involved-China and Algeria in particular-will be their tarnished reputations in Tripoli.Now that Col. Gadhafi has lost power, the Chinese appear to fear, with some justification, that they could lose their foothold in the Libyan oil fields.
国連禁輸違反を罰する困難さから、関与した国-特に中国とアルジェリアであるが-の因果応報はトリポリでの信用失墜であろう。カダフィ大佐 はもう権力を失い、中国は、当然のことながら、彼等のリビア油田の足掛かりを失うことを恐れている模様である。

(引用終了)
-------------------------------------------------------------------Dnsd0616156(写真はNorinco製 2丁の56式自動歩槍と69式ロケットランチャー 本文とは直接関係ナシWikipediaより 著作権はPublic Domain)
 
 この記事の信憑性ですが、まず暫定評議会側の複数の高官がメモの存在を確認していますので、メモの存在自体は間違いないと思われます。The Globe And Mail紙の飛ばし記事という訳ではなさそうです。そして暫定評議会側はそのメモの書式から旧カダフィ政権の公式書類であることは間違いないとしています(記事本文ではリビア政府の発注権限のある官公庁により用いられている緑の鷲のレターヘッドがあるとしている)。この報道に関して一部に中国を権益から閉め出す為の情報戦ではないかとの分析もTwitterでは見られました。

しかしその後に中国政府は企業がカダフィ政権側と接触していた事実を認めました。

“中国 カダフィ政権と兵器商談”(9月6日 0時17分 NHK)

 そうだとしますと、、実際に武器や弾薬がカダフィ大佐側に引き渡されたかどうかは判りませんが、少なくとも中国側とがカダフィ大佐側が商談をしたこと自体は間違いがないと思われます。明らかに旗色が悪いカダフィ大佐側にこの様なリスクの高い商談を行った真意は判りません。もしカダフィ政権が崩壊した場合は書類の発見や関係者の拘束により、この密約の内容が露呈する可能性が少なからずあったからです。そしてそれは実際に起きました。そうまでにして中国側がカダフィ大佐側を支援した理由は何だったのでしょうか。それは今後明らかとなるのかもしれません。 いずれにしましても中国が内戦終了後のリビアに投資するにあたり、リビア側の中国側に関する心証面で大きなしこりが残ることは間違いありません。

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コメント

石油利権については初心者なので質問内容がやや幼稚かもしれません。

この記事を読む限り、石油利権の収得までに、口利きや足がかりといった政権間のつながりも必要であるように感じました。
反体制派の国民評議会がリビア掌握後は、リビアでの石油利権に、カダフィー側についた中国が絡みにくくなるようにも見えます。

政権の交代は避けられなかったととらえるならば、反体制派について、後の石油利権に関わる口利きや足がかりを残すというのは、対費用効果が薄くても間違っていないように見えます。

軍事的介入と石油利権を直接結ぶと、表面上説明しづらい部分があるため、陰謀論に否定的な意見にも一理あるように見えますが、軍事介入している欧米諸国がリビア政権交代後のことをまるで考えていないかと言われれば、私にはむしろそれは無いように思えます。

ちわっす
>中国側がカダフィ大佐側を支援した理由は何だったのでしょうか。それは今後明らかとなるのかもしれません

今後明らかになるも何も、中共のような一党独裁国家にしてみれば、「アラブの春」と呼ばれるエジプトに始まった一連の自由を求める民衆蜂起は、自分の国に飛び火しかねない一大事なのだから、カダフィ政権の崩壊を阻止したかったのは、ごく自然な事と言えますがね。

>中国が内戦終了後のリビアに投資するにあたり、リビア側の中国側に関する心証面で大きなしこりが残ることは間違いありません。

そりゃそうでしょうが、今後のリビアにカダフィのような独裁者や、イスラム原理主義国家が出現し、欧米諸国と距離を置いた場合、中共と接近する場合も考えられますね。
勿論その逆もあり得るでしょうが。

だいたい今回のフランスによる軍事介入を、一つの要因でのみ考えようとするから、おかしくなる。そこにはヨーロッパ諸国とリビアの地理的な要因による安全保障の問題、石油利権の問題、人道上の問題等、様々な要因が絡んでいるのであって、その一つのみを取り上げて話をするのはナンセンスだと思うけどね。


sub.氏
こんにちは。
「陰謀論」とは言っても様々なタイプがあります。一部の陰謀論者は今回の欧米による軍事介入が石油利権を狙ってのものである旨を主張しているものと考えられます。私がこの記事の本文で列挙しましたTwitterでのつぶやきは、その観点の陰謀論を否定する趣旨であると思われるのです。このTwitter上でのつぶやきの論者の主張としましては、そもそも欧米諸国は内戦勃発前よりリビアに「石油利権」を有していたのであり、利権奪取の為に武力介入する必要性はなかったという趣旨です。軍事介入を今回行ったのはあくまでも人道的観点と、リビアが欧州から直ぐ目と鼻の先だったから等の理由であり、内乱がここまで深刻化していなければ介入する理由はなかったとこれらのつぶやきは主張しています。
即ちこれらのつぶやきは軍事介入開始時点での欧米諸国の動機の論争に関するものであって、それ以降に暫定評議会から得られる見返りに関する思惑に関するものではありません。時系列が若干異なります。

ミツバチ氏
こんにちは。以前に某掲示板でも、このブログでの前のリビアに関する記事「リビア動乱でアルカイダがリビアの対空ミサイルを奪取か 反政府運動にも関与の可能性」(2011年3月27日 (日))でもお世話になりましたね。
中国の動機に関しましてはその様な推測も恐らく間違ってはいないだろうと思います。
私が「恐らく間違ってはいないだろうと思います」としているのは、それを断定するソース(そういった動機が記載された外交文書が発見される、旧カダフィ政権ないしは中国政府の関係者がそういった証言をする)等が現段階ではない事です。
ミツバチ氏が挙げた以外にも中国政府が旧カダフィ政権に対して絶対に失いたくない権益を有していた、或いは支援の結果としてカダフィ大佐側勝利の暁には中国側に利権を約束した、上記三点の複合的な要素等の様々な動機が考えられます。しかしこれらはあくまでも推測であり、確定的ではありません。それを裏付ける明白なソースが発見されるまで、私は上記に列挙した要素の正誤の断定は避けたいと思います。

>今後の体制
私も以前の「リビア動乱でアルカイダがリビアの対空ミサイルを奪取か 反政府運動にも関与の可能性」(2011年3月27日 (日))でも書きましたが、一番憂慮をしています。即ち「統治機構のあるべき姿に関し、デモ参加者の間に統一した見解がある訳ではありません」そして「民主主義は貧困への処方箋ではありません。」
しかしエジプトは少なくとも一部で憂慮されました様に急進的な勢力が大きく権力を掌握しつつあるという訳でもありません。
因みにアラブの春「歴史激動の一年」…英戦略研(2011年9月6日20時54分 読売新聞) によりますと英国の国際戦略研究所(IISS)は6日、国際情勢を展望した「戦略概観」を発表し「内部分裂などの理由からイスラム原理主義勢力が当初、予想されたほどは伸長しなかった」、「中東に民主主義が根付くかどうかは今後、治安機関、草の根の民主化勢力、イスラム政党が協力して安定した政権を築けるかどうかにかかっている」とのことです。
http://hiyo.jp/cache/of/2011-09-10-16-44-32/http://newsjam.net/articles/1504471.html

>こんにちは。以前に某掲示板でも、このブログでの前のリビアに関する記事「リビア動乱でアルカイダがリビアの対空ミサイルを奪取か 反政府運動にも関与の可能性」(2011年3月27日 (日))でもお世話になりましたね。<
おー、アシちゃん久しぶり~。
iminで声掛けるけど、なかなか現れないから、心配してたよ。
らむぜさんも、あなたの返事を鶴のように首を長くして待ってるよ。
一刻も早く返事を返してね^^
>中国政府が旧カダフィ政権に対して絶対に失いたくない権益を有していた、或いは支援の結果としてカダフィ大佐側勝利の暁には中国側に利権を約束した、上記三点の複合的な要素等の様々な動機が考えられます。<
しかし、何だな。権益とはおそらく石油資源を指しているのだろうが、石油利権に関してはヨーロッパは関心がないと推測しながら、中国はそれを狙っていると考えるのは、随分恣意的だよね(笑
あなたが言うように断定するソースが無い以上、中国の動機に関してはいろいろな推察が出来る。カダフィ政権の崩壊が地域社会の安定を乱し、無辜の市民の殺害を憂慮した中国の「人道的」な判断、あるいは、私が先に挙げた中国自身の安全保障上の判断等、何とでも言える。
つまり、あなたの考えでは中国の介入は利権狙いで、フランスのそれは人道上と自国の安全保障上の見地と言う訳だ。
随分フランスを買い被りますね。(笑
まぁ、中国はほんとかどうかは知らないがチベットで大虐殺を行った非道な国で、フランスは人権国家と言いたいのかな?
しかし同じ頃、長年インドシナの民衆を搾取して、その旨みを忘れられず、ベトナムに介入し続けたのもフランスなんだよな(笑
石油利権に関しては、これがために欧米が内戦を引き起こしたと言うつもりは無いが、カダフィに見切りを付けた時点で、前政権との提携関係は反故となる可能性は十分ある。とすれば反体制派の国民評議会を支援した国が、後の石油利権に関わる機会が多くなることは自明な事ではないか。
よくフランスは石油に頼る必要は少ないから利権を狙う必要は無かったといわれるが、リビアの豊富な石油資源の権益を確保することが、今後の国際的なエネルギー戦略にとって有利になるかまるで分かっていない。
>エジプトは少なくとも一部で憂慮されました様に急進的な勢力が大きく権力を掌握しつつあるという訳でもありません。<
昨日だったか、民衆がイスラエル大使館に乱入した事件があったよな。
市民社会が定着し自国の憲法を有しているエジプトにしてこれだ。
甘く考えん方が良いよ。


ミツバチ氏
>imin
申し訳ありません。今は行っていません。今のメインはこのブログとTwitterです。

>利権
Sub.氏への2011年9月11日 (日) 12時04分の私のレスと同じ内容となります。時系列が異なります。介入の動機とその後の見返りの期待が異なります。放置しても或いはカダフィ側に味方をしても良かったのです。それが庇いきれなくなったというのが始まりだと思います。
>「あなたの考えでは中国の介入は利権狙いで、フランスのそれは人道上と自国の安全保障上の見地と言う訳だ」
私はその様な事は一切言っていません。だから中国側の意図は判りませんとこの記事の本文には書いてあります。そしてだからこそSub.氏の返信にもそれ以降の見返りに関しては判りませんと書きました。また2011年9月11日 (日) 12時04分の氏への私の返信でも「あくまでも推測であり、確定的ではありません」と述べました(推測が可能ではあるが、現段階では実際のところは分からないという意味)。

>フランスに対する私の認識
残念ながら浄化装置が余り期待通りの性能は発揮していませんが、福島県の原発事故ではお世話になっています。
しかし欧州の対中武器輸出解禁問題では日本と立場は異なりそうですね。
との考えです。それ以外にもそれ以上の考えもありません。

>中東諸国の今後の動向
そうであるからこそ、気を払って行かなくてはなりません。

リビア評議会 過激思想排除へ(9月14日 7時46分 NHK報道)
http://www.webcitation.org/61g7IafBM

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