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2011年10月 2日 (日)

防衛省平成24年度予算概算要求が公表される

 防衛省から平成24年度予算の概算要求が9月30日に防衛省公式ホームページに公表されました。総額は4兆6906億円となっています。

我が国の防衛と予算-平成24年度概算要求の概要-(PDF:3.4MB)

1.正面装備の要求
(画像及び表は特に言及が無い限りは我が国の防衛と予算-平成24年度概算要求の概要-(PDF:3.4MB)より)

(1) 航空機関連(下の表はクリックで拡大)24  (F-2空対空戦闘能力の向上及びF-2へのJDAM機能の付加の調達数量については、上段が既就役装備品の改修役務の数量を、下段が能力向上装備品の数量を示す。)

 航空機関連予算での最大の注目点は次期戦闘機(F-X)の予算が盛り込まれたことでしょう。F-Xに関しましては当ブログでも多数記事を執筆しましたので詳細に関しましてはそれらの記事を参照願います。概算要求では4機分で551億円の予算を計上しています。

航空自衛隊次期戦闘機候補3機種(クリックで拡大)PhotoまたF-15JのIRST搭載も今回の概算要求に盛り込まれました。改修内容は下の画像の通りです。

F15j_irst

(2) 艦船関連(下の表はクリックで拡大)及びMD関連24_2 新たに24DDHが1隻要求されています。これはほぼ既定路線であり、恐らく予算も財務省により認められるでしょう(少なくとも産業界はその方向で動いています)。

下は22DDHのイメージ図(平成22年度 防衛省予算(PDF)より クリックで拡大)

22ddh もう一つ気になる点ですが護衛艦関連では「はたかぜ」型護衛艦の艦齢延伸の予算が盛り込まれています。
(下の写真はWikipediaより「はたかぜ」 著作権はPublic Domain クリックで拡大)800pxus_navy_101206n2562w013_the_ja 「はたかぜ」型護衛艦はDDGですが、そうだとしますとイージス艦の追加調達を防衛省は考えていないということになります。「平成23年度以降に係る防衛計画の大綱について」(PDF)の別表の注釈では「弾道ミサイル防衛機能を備えたイージス・システム搭載護衛艦についは、弾道ミサイル防衛関連技術の進展、財政事情等を踏まえ、別途定める場合には、上記の護衛艦隻数の範囲内で、追加的な整備を行い得るものとする」と記述されていましたので、財政面から当面はDDGの更新を断念したのかもしれません。「2015年にポスト・イージス 9000t級DDG」との夢のある噂もあったのですが、それもなくなったということでしょうか。この件に関しましては北大路機関のはるな氏も「防衛省、平成24年度防衛予算概算要求として4兆6906億円を提示」で「2015年には現行イージスシステムの生産が終了、代替艦を要求しなければミサイル護衛艦の後継となるイージス艦の導入は生産終了で不可能となってしまうでしょう。」と懸念を表明しています。
(但し米国ではズムウォルト級ミサイル駆逐艦が3隻で生産終了となり、アーレイ・バーク級フライトⅢの追加建造で対応することを検討しています)

 その一方でMD関連予算で「あたご」級イージス艦2隻分の予算が要求されています(クリックでMD関連予算拡大)。24bmd
(3) 誘導弾関連(下の表はクリックで拡大)24まず88式地対空誘導弾システム(改)の予算が2式で計56億円の予算が要求されています。下はその写真ですが旧型と比較しますとランチャーが垂直発射方式になっていることが分かります。88
(下はWikipediaより旧型のランチャーの写真 著作権はPublic Domain クリックで画像拡大)800pxjgsdf_type88_ssm02旧型と改良型では性能的にはランチャーの下記の通り異なっている模様です。ミサイル本体は射程の延長と推力偏向装置付きブースターが採用されており、またGPSによる誘導方式も追加されているとされています。
地対空誘導弾に関しましては、目を引きましたのは昨年に引き続き陸自向けに11式短距離地対空誘導弾が空自向けに基地防空用地対空誘導弾が要求されていることも分かります(下はその写真)。Photo_3また防衛省の平成23年度5月付けの資料「誘導武器の開発・調達の現状」(PDF)の第15頁目に陸自向け11式短距離地対空誘導弾/空自向け基地防空用地対空誘導弾の違いが非常に分かりやすく図解された資料があります(下がその資料 クリックで拡大)。Sam(4) 火器・車両等(下の表はクリックで拡大)24_2 火器関連で今回最も注目されたのは「多用途ガン」でしょう。我が国の防衛と予算-平成24年度概算要求の概要-(PDF:3.4MB)には下のイメージ図が掲載されています。

Photo_4 「多用途ガン」に関しましては当ブログの2011年7月 8日 (金)の記事「陸自がM134通称"ミニガン"を評価試験中か」でも掲載したことがあります。Keenedge氏が以前に推測していた通りにやはり「多用途ガン」とはカールグスタフM3だったと考えて良い模様です。従来型のM2が16.1Kgの重量であったのに対し、M3の重量は8.0Kgと大幅に軽量化しています。

 これ以外に私が注目しましたのは「通信機材」で概算要求の概要の第15頁に「新野外通信システムの取得(2式:148億円)」とあることです。「迅速に高速かつ広域にわたる通信ネットワークを構成可能であり、災害対応にも有用」としています。Photo_62. 主な研究開発24_3この中で各方面で特に話題を呼んだのはFH70の後継となる「火力戦闘車」の開発です。詳細はまだ不明ですが今後の動向に期待したいと思います。Photo_7
3.その他
 

 私個人が上記以外で注目したのは下記の通りです。

(1) 固定式警戒管制レーダーの整備(39億円):南西地域の警戒監視の強化のため、沖永良部島の現有レーダーをFPS-7へ換装、

(2) 沿岸監視部隊の配置等(与那国島)(15億円):新編する沿岸監視部隊の配置及び移動警戒隊の展開のために必要な用地の取得などを実施(陸自・空自)

(3) 那覇基地における早期警戒機(E-2C)の整備基盤を整備(空自)(2億円):南西地域において早期警戒機(E-2C)を常続的に運用し得る態勢を確保するため、整備器材等を取得

FPS-7は詳細が分かりませんが、これらは以前より検討されていた南西方面の警戒監視体制の強化の具現化と言えます。

(4) 無人機に関する調査・研究(100万円):高高度滞空型無人機の運用・維持・整備に係る海外調査

これはやはりグローバルホークの導入が念頭にあるものと思われます。グローバルホークに関しましては以前に記事を二回執筆したことがあります。

「米国製無人偵察機、3機導入へ 中国や北朝鮮想定」 (2010年10月09日)

「東日本大震災で米空軍のグローバルホークが偵察活動」(2011年03月20日執筆)

(5)サイバー攻撃等の対処;サイバー防護分析装置の機能強化(2億円)、サイバー攻撃等への対処のための調査研究等(0.2億円)Photo_8当ブログでも何度となくサイバー攻撃問題に関して執筆しましたが、サイバー攻撃が安全保障上の大きな課題となりつつあります。それを受けた予算措置と言えます。

(6) 宇宙・情報通信関連事業:Xバンド衛星通信の整備・運営事業(1,881億円)
これに関しましては防衛省公表の平成23年8月付け「次期Xバンド衛星通信整備事業に関する基本的な考え方」(PDF)に基本的な考え方が掲載されています。
(下は同書類の第5頁より クリックで拡大)

Xband_2
4.個人的所感
全体として見てみますと、南西地域への警戒監視能力の強化、動的防衛力を意識した予算となっていると思います。新防衛大綱及び新中期防衛力整備計画2プラス2、一連のサイバー攻撃問題、東日本大震災の影響を強く受けた予算案と言えるでしょう。これらの要求全てが認められる訳ではありませんが、方向性を分析する上では資料となっていると思います。

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コメント

夜がひんやりとしてきましたね。
壁紙のチョイスがナイスです!
全体的に新造よりも延命措置の要求が多いような気がします。
FXや除染車の要求が盛り込まれる一方、なんとか要求額を減らそうと切実な努力がにじみ出てて…もう少し増税して良いからお金回してあげて…という気分になります。
特に無人機に思い入れがあるわけじゃないんです…ホント。。。
ただ、目に付いたので情報を足しておくと平成21年事後事業評価の19番に滞空型無人機要素技術の研究というのがあります。
国産の研究機とグローバルホークの比較を乗せておりまして、国産機の優位性をといているあたり、国産を目指しているのかなと思ってみたり思わなかったり。
http://www.mod.go.jp/j/approach/hyouka/seisaku/results/21/jigo/sankou/19.pdf
多用途ガンが丁では無く門で数えてある辺り据え置き型って勝手に思ってましたけど、確かに携帯兵器でも門と呼ぶものがありましたねw
それにしても1門1千万とは…
一方、次期FX4機分と、その他2機種(F-2, F-15J)に改修・改良の予算が出てますけど、F-2の生産ラインがこの度閉じて、はてさてF-2とF-15Jってどっちが先に寿命が来るのでしょうね?
F-15の近代改修で機体寿命は伸びるでしょうし、F-2は改修スペースが狭いから大規模改修には不向きと聞いたことがあります。
同じ時期に2機種の寿命が来ると、選定がまた一段と難しくなりそうな気がするのですが…

sub.氏
こんにちは、すっかり涼しくなりましたね。
高高度無人機は米国のグローバルホークよりもスペックが高い機体を実現しようとの極めてハードルの高い機体です。今回の予算案では「海外調査」となっていますから、グローバルホークを念頭において米国への出張費を計上しているのでしょうね。

>多用途ガン
恐らく弾薬や治具類、その他スペアパーツも含まれての金額だと思います。陸自の対人狙撃銃でも似たような議論がありました。

>F-15
長期運用を目指しており、私の記憶が正しければ日本では2030年代、USAFは2040年代まで運用することも検討していると聞いた事があります。
>F-2
「将来の戦闘機に関する研究開発ビジョン」についてではやはり2030年程度までに後継機の技術開発を終える予定です。
http://www.mod.go.jp/j/press/news/2010/08/25a.html
ひょっとしますとF-15とF-2の後継機を統合する可能性はあります(自衛隊では「支援戦闘機」等の分類を廃し、戦闘機としている)。
また次世代戦闘機は米国との共同開発も可能性の一つです。
http://paper-wasp.cocolog-nifty.com/blog/2011/02/post-559f.html
またこの記事でも書きましたが、i3 Fighterには何故か対艦攻撃能力に関する記述がありません。
http://paper-wasp.cocolog-nifty.com/blog/2010/08/16-766b.html

次期FX

4機で551億円という予算の組み方からF35が濃厚な気配がしますね。

F4→FA18、F15→F35という形で将来日本も空母を!
と、妄想するのは楽しいですが日本のドクトリンには合致しなそう。
冷え込んだ日米関係をEF2000でさらに冷やすのも危なそう。
FA18はほぼ完全に攻撃機なので侵略主義復活と言われそう?

日本は制空能力の高い機体を2機種運用する形を維持したいでしょう。
問題は国内生産できるのか。いつ完成するのか。いろいろありますが、
F15はあと10年以上は運用する予定でしょうし待ってられない状況でしょうか。

kalinin氏
こんばんは。コメント有り難うございます。
>FX調達予算
この金額は特定の機種を念頭においたものではなさそうです。時事通信の2011年10月3日(月)の報道によりますと「FXは機種選定中のため、F2戦闘機の最終取得年度の予算計上額(1機約137億円)を基に「仮置き」した。」とのことです。
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201109/2011093000676&g=soc

候補となっている三機種全て高いマルチロール性を有していますので、F/A-18E/Fを選定したとしましても特にそういった批判はあたらないと私は考えます。

F-Xは4機、F-15の近代改修は2機、それと別枠で自己防衛能力の向上?IRST搭載改修?
F2の空対空戦闘能力の向上12機?F2のJDAM機能付加20機、次期輸送機2機。。。
FX4機って見積もってもF35って買えないじゃん!。

●F15
今更たった2機を改修?IRST搭載?自己防衛能力?=APG-63v1???
アメリカが武器輸出規制緩和を求めているし、
787で培ったノウハウを追加してF15J2?F15JmarkⅡ、F15SEJなんか作ったらどうでしょう?
本体はE/Fベースに入替えて魔改造。素材は787で培ったモノに更新し軽量&強固に。塗装はステルス塗料。IRSTって役に立つのですかね?タイフーンのドイツ以外にも付いているようですが。
レーダーはAPG-63v3以降もしくはAPG-70J。
エンジンもデチューン無しでF110-GE-129cにi-stopやSkyActive技術を追加してTNPに。。。CFTも忘れずに〜
コックピットはF18block2で参考に出されている大画面液晶にヘルメットはHMD化。
そんでもってAMRAAM,AAM4and5も使えるようにし、AGM-84ハープーンやSLAM-ERも使えるようにしたらライダーや司令たちは大喜びでは?技術協力するんだから価格もタイフーン新規購入以下にしたら事務と大蔵も大喜び。
F15の延命も意味ありますね。アメリカにも最新技術のヒィードバックも大ありで双方大儲けでしょ。タイフーンを入れさせたくないならこのくらいはしなきゃ。そうそう、幹部がF18block2とタイフーンに乗ったらしい。
●F2
空対空戦闘能力の向上って???
JDAM機能の付加って???
●C2
次期輸送機C2と表にはあるけどKC130R中古を買うんじゃなかったっけ?
と、言うことでF35は海自用にBを手配しましょう。

浅漬けマニア氏
それだけの機体を作るとなると開発費、単価もそれなりになりますし、兵器としての性能は勿論のこと安全性も試験する必要がありますので(ここまでの改造となると従来のF-15と全く異なったものとなる、あえて言うならばF-15SEが一番近い物になる)、納期も必要となります。また防衛省が今回の選定レースでF-15FXには興味を示していない、またボーイングもF/A-18Eを提案している事から考えて、余りこの提案は現実的ではないかもしれません。

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