橋下徹大阪市長がTPP参加を公約としたことに思うこと
2月12日(日)20時21分配信の読売新聞の報道によりますと、地域政党・大阪維新の会が3月24日に開講する「維新政治塾」に10日の締め切りまでに3326人の応募があったとの事です。反響の大きさが分かる数字と言えるでしょう。非常に興味深いのは「維新の会」がTPPの参加や日米同盟を基軸とした外交などを次期衆院選の公約にしていることです。
今回のこの記事ではTPPの交渉参加の是非に関しては論じません。それは私はこの問題に関しては専門外ですし、この問題には正解がないと考えるからです。様々な勢力から賛否両論が展開されていますが、それはTPPの参加/不参加により利益を受ける勢力と不利益を被る勢力の両方がある為であると私は考えます。しかしそれが政治なのです。TPPにせよ何にせよ政策を決断しますと必ず政策の恩恵がある方々と、不利となってしまう人々が出ます。
私が今回のこの橋下徹大阪市長のこの公約に注目したのは、今後の政界再編の動きに密接に関連する為です。特に石原新党に与える影響が大きいと考えます。石原新党の参加メンバーには国民新党の亀井静香代表が含まれる方向です。
大村知事「早く石原新党を」 亀井氏「わかっている」(2012年1月31日20時43分 朝日新聞)
石原新党構想は橋下徹大阪市長との連携も目指しています。しかし亀井氏がTPP交渉参加に関して反対していることは周知の事実です。
(下の二つの動画は国民新党の公式アカウントがYouTubeに投稿したTPP反対論を展開する亀井静香代表)
2011年11月7日 TPP交渉参加に慎重な対応を求める議員集会(亀井代表挨拶)
2011年11月8日TPP反対集会 両国国技館(国民新党 亀井静香代表挨拶)
これから判断しましても、橋下徹大阪市長と亀井静香国民新党代表の間には国家観に非常に大きな隔たりがある様に見受けられます。橋下徹大阪市長はどちらかと言えば自由主義者であると思われるのに対し、亀井静香代表は保護主義者です。
その一方で橋下徹大阪市長のつぶやきの数々を見ても、保守派であることは間違いがないと思われます。(下の画像は君が代斉唱に関しての2012年02年06月のtweet クリックで画像拡大)
(下の画像は国と地方の役割分担に関しての2012年02月05日のtweet ここからも橋下徹大阪市長が「小さな政府」志向であることが分かる クリックで画像拡大)
また橋下徹大阪市長が日米同盟を基軸としているのも今後は石原新党との政策の違いが表面化する可能性が高いと私は考えます。
「石原新党は“脱原発”と“核保有”狙う?」(2012年02月10日 ZAKZAK)
もし石原新党が核武装を検討しているとしますと、それは日米同盟とは合致しない可能性があるからです。米国は核保有国が増加することは余り歓迎しないと思われます。尤も昔は核武装発言をしていたとの記述も散見されます。
こうして見ますと橋下徹大阪市長の今の政策はむしろ野田政権やみんなの党に近いと見ることが出来るかもしれません。私はTPP参加問題、消費税増税問題を軸に政界再編を行うべきであると考えています。橋下徹大阪市長はその方向性で政界再編が起きる切っ掛けとなるかもしれません。
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コメント
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橋本氏とTPPについて検索していてお邪魔しました。
> 今回のこの記事ではTPPの交渉参加の是非に関しては論じません。それは私はこの問題に関しては専門外ですし、この問題には正解がないと考えるからです。(後略)
大変失礼ですが、単なる思考停止のようにも聞こえます。(記事に書いてないだけで、実際は色々考えてらっしゃるのかも知れませんが…)
専門外なのは国民ほとんどが同じですが、それでも各個人ができる範囲で勉強や情報収集を行い、各主張の是非を吟味して、よりマシだと思う側を選択していくのが民主主義です。
> TPPにせよ何にせよ政策を決断しますと必ず政策の恩恵がある方々と、不利となってしまう人々が出ます。
そう思うのでしたら、もう一歩進んで、TPP参加/不参加で、どちらの方がより恩恵を受ける国民が多いか、あるいは損失が少ないかといったことも、考えてみてはどうでしょう?
「門外漢だから~」「どっちも一理あるから~」「完全な正解は無いから~」などと言って国民の多くがどっち着かずみたいになってしまうと、世の中は確実に悪い方へ向かって行ってしまうでしょうね。
投稿: yoo | 2012年4月16日 (月) 03時03分
yoo様
こんにちは。初めまして。今後とも宜しくお願い申し上げます。
確かに仰せの通りかもしれません。しかし敢えて賛否に言及しなかったのには3点ほど訳があります。
1.この記事の主旨は賛否両論に関するものではなく、維新の会と石原新党や亀井氏とでは国家観ないしは政策に隔たりがあるのではないかということ。案の定、亀井氏は当面の間は孤立を免れないと思われます。
2.TPPそのものは分野が非常に広範囲に亘っており、また論点も多数であるので一つの記事にすること自体が非常に困難であること。関心のある特定の分野に絞って記事を執筆することは将来的に有り得るかもしれません。
3.私の知識/調査/勉強不足。氏は自分の出来る範囲で情報収集をして情報発信/主張展開するべき旨を主張しますが、間違えたことは書くべきではありません。それがデマとして広まってしまっては遅いのです。特に閲覧数が多ければ多いほどです。このブログは一日の閲覧数が概算で800件~1000件あります。2000件~3000件に達することも何度かありました。従いまして私はエビデンス(官公庁の公式発表があるもの、メーカーのプレスリリースで閲覧可能なもの、複数の報道機関により報じられているもの)により立証出来ない事柄に関しましてはなるべく言及しないようにしています。TPPに関して言いますと、経済産業省と農林水産省の間で対立があり、全く逆の見解となっています。野田内閣としましては推進する方針ですので、内閣府がプラスの側面に言及はしています。
投稿: アシナガバチ | 2012年4月16日 (月) 12時47分
アシナガバチ様
私は一介のサラリーマンに過ぎませんが自分なりに国政を考えるあたっていつも興味深く拝見しております。なぜなら貴サイトを特徴づける情報提供のあり方に賛同でき、また信頼できると考えるからです。広範囲にわたる公開情報を収集し分析を経て評価を提供しておられますが、その際には極力政策提言を回避することで読者、つまり我々ユーザーサイドの判断ににバイアスをかけずに公平な議論の場を提供しようとする姿勢を僭越ながら高く評価させていただいております。また未公開の生情報についてあえてコメント欄において「噂を耳にする」などの表現でちらりとご自分の見解を示唆される点において個人的には好奇心をそそられ楽しく思考を進められます。そうしたご努力の大変さは凡人には計り知れませんがこれからも質の高い情報提供を期待しております。
投稿: まりゅー | 2012年4月18日 (水) 08時53分
まりゅー様
お褒め頂きまして誠に有難うございます。まだまだ修行中の身ですが、今後とも宜しくお願い申し上げます。
投稿: アシナガバチ | 2012年4月20日 (金) 12時13分