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2012年2月12日 (日)

シリア動乱とイラン攻撃の可能性に思うこと

 以前にも当ブログでシリア情勢に関して執筆したことがあります。

「ロシアとシリアの「同盟」に思うこと」(2011年12月10日(土))

中東情勢が混迷の度合いを深めていますが、それを受けて今回はその続報的記事となります。シリアに対する非難決議が日本時間の2月5日の国連安全保障理事会でロシアと中国の拒否権行使により否決となり、実質的に「虐殺に青信号を与えた(シリア反体制派)」ものとなりました。前の記事でも述べましたロシアとシリアの同盟が有効に機能したと言えるでしょう。反政府側の拠点であるシリア西部の都市ホムスでは政府軍による砲撃が2月3日より行われていますが、非難決議が否決されてから攻撃が激化しているとのことです。

(上の動画は2012年2月11日報道のCNN報道のホムス砲撃の様子)
アサド大統領はカダフィ大佐の最後を見ています。敗北すれば破滅しかありません。そのことからも、反体制派を徹底的に弾圧するしか生き残る術はないとアサド大統領は考えていると思われます。

 一部ではリビアの様に多国籍軍による軍事介入を求める声もありますが、そういった見解に対して米国の保守系シンクタンクであるCSIS(戦略国際問題研究所)は2011年12月13発表のレポート"Instability in Syria-Assessing the Risks of Military Intervention"(シリア動乱-軍事介入のリスク評価)(PDF)で下記の様に述べ冷静な分析を提示しています。
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Syria is not Libya. While the later may be geographically much larger, it is a mostly empty country with a small population and very limited military capacity. In contrast, Syria’s population is more than three times larger than Libya, has almost 30 times the latter’s population density and a much larger and far more capable military overall. All of these factors complicate any calculus on military intervention in Syria, whether in terms of the level of potential military opposition, or with regards to the risk of high civilian casualties.
シリアはリビアと異なる。後者は国土面積が大幅に広いが、少ない人口で限定的な軍事力であり、殆どが空白の国である。それに対しシリアの人口はリビアの3倍以上であり、30倍の人口密度があり、より巨大で全般的に有効な軍事力を有する。軍事抵抗のレベルに於いても、または民間人犠牲者のリスク面でも、これらの全ての要素がシリアでの軍事介入を複雑化させる。

Syria’s military forces have many qualitative limitations, particularly in terms of modern weapons, combat readiness, and recent combat experience. They are, however, very large and months of protests, and concern over a potential Israeli strike on Iran, have made them more alert. They would need to acquire more modern and capable systems, such as major surface-to-air missiles (SAMs) and a new sensor and C4I network to defeat a major US-led air operation, but it would take a far more advanced operation than was the case in Libya, and Syria’s leverage over Hezbollah, and Syrian long range missiles, air and coastal defense systems, and chemical and biological stockpiles present another kind of challenge.
シリア軍は質で限度があり、特に最新鋭兵器、戦闘準備、最近の戦争経験の面である。彼等は、しかしながら、巨大であり、数か月に及ぶ抗議運動とイスラエルによるイラン攻撃の可能性の憂慮から警戒態勢を強めている。米国主導の大規模な軍事作戦を打ち負かす為には、主要地対空誘導弾(SAM)やC4Iネットワークの様なより最新で有効なシステムを彼等は手に入れる必要があるが、しかしリビアのケースよりも遥かに先進的な作戦が必要となり、そしてシリアのヒズボラに対する影響力、シリアの長距離ミサイル、航空沿岸防衛システム、生化学兵器の備蓄はまた別の意味で課題である。
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 リポートはシリアの軍事力は米軍主導の多国籍軍による介入には対抗出来ないと分析していますが、それでもリビアよりは課題が多く、またそれ以外にもイスラエル、イラン等の要素にも言及し、それらが複雑に絡み合い、想定外の事態を引き起こす可能性にも言及しています。

(下の各図は同レポートよりシリアの軍事力)
図1 2010年度 シリア軍地上配備型防空システム(クリックで拡大)Syrian_land_based_air_defense_syste図2 2010年度 シリア軍中距離・長距離SAMの戦闘序列(クリックで拡大)Syrian_medium_to_long_range_sam_ord図3 シリアのSA-5射程距離(クリックで拡大)Syrian_sa5_ranges図4 2011年度 高性能のアラブ-イスラエルの投入可能な戦闘機(クリックで拡大)

Highquality_operational_arabisraeli図5 2011年度 シリア空軍戦闘序列(クリックで拡大)Syrian_airforce_order_of_battle_i_2図6 2011年度 シリア地対地誘導弾(クリックで拡大)Syrian_surface_to_surface_missiles_図7 現行のシリアのミサイル射程距離(クリックで拡大)Projected_ranges_of_current_syrain_ しかしその一方で私は以前より一連の中東での反政府運動や多国籍軍による軍事介入の是非に関しましてはコメントが難しいと述べてきました。一連の非人道的で残虐な弾圧行為は当然許されませんが、体制打倒後の方向性が見えないからです。もし多国籍軍が軍事介入を行った場合は、アサド体制は崩壊するであろうと私も考えます。しかし追い詰められた場合に、アサド大統領がどの様な行動に出るかが分かりません。イスラエルを攻撃することも考えられます。体制崩壊後の行方も全く見えません。因みにゴラン高原には現在も自衛隊が派遣されています

 イラン情勢も先行きが見えなくなりつつあります。一連のイラン情勢を受けてホルムズ海峡で不測の事態が発生した場合に日本も護衛艦や掃海艇の派遣する案を検討している旨が報じられました。

ホルムズ海峡 タンカーに護衛艦、掃海艇も派遣 自衛隊対処案 (2月11日(土)7時55分配信 産経新聞)

 そして新たな情報が今日になり報じられました。イランのアフマディネジャド大統領が数日以内に核開発に関する新たな発表を行うと発表したとの事です。

"Ahmadinejad promotes Iran’s nuke achievements"( アフマディネジャドがイラン核開発達成を促進する) 2012年2月11日 (土) 8:27:13 EST Army Times

イスラエルによるイラン攻撃の可能性に米国防長官が言及したと報道がありました。

米国防長官、イスラエルがイラン攻撃する可能性高まる=報道 (2012年02月03日 12:28 JST ロイター通信)

日本も中東情勢とは無関係ではいられません。しかしシリアの内乱とイランの核開発問題が同時に深刻化する可能性もあります。自衛隊がこういった地域に派遣された場合の身の安全の確保も必須となってくるでしょう。また、ソマリアの海賊対処だけではなく、ホルムズ海峡にも護衛艦を派遣を検討するというのであれば、そしてそれがイージス艦であるとのいうのが事実であれば、北朝鮮問題や中国に対する警戒体制を如何に維持するのかも課題となります。全体的に定数が削減され続けている現在の防衛大綱で対応が可能なのか、見直す必要もあるのではないでしょうか。

平成24年2月10日 統合幕僚監部発表「中国海軍艦艇の動向について」(PDF)
「2月10日(金)午後5時頃、海上自衛隊第1護衛隊「ひゅうが」(横須賀)が、宮古島の北東約110kmの海域を太平洋から東シナ海に向けて北西進する中国海軍ジャンカイⅡ級フリゲート1隻、ジャンウェイⅠ級フリゲート1隻及びジャンウェイⅡ級フリゲート2隻を確認した。」「なお、これら4隻の艦艇は2月3日(金)に、宮古島の北東約110kmの海域を 通過して東シナ海から太平洋に進出したものである。」
(下の写真は同発表より クリックで拡大)H24210jsopress

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先日の記事「シリア情勢混沌化で高まるイスラエルによるイラン攻撃」で、イスラエルは [続きを読む]

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