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今日の時事英語

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2012年3月

2012年3月18日 (日)

日本のF-35導入に関する米国との交渉状況(2012年3月現在)

F35a_with_external_armament_2(上の写真はjsf milより初の武装搭載飛行試験を実施したF-35A クリックで画像拡大 米国政府の方針により配布自由)

2012年3月12日(月)の参院予算委員会で田中防衛相のF-35に関する答弁に対して野党が反発し、審議が中断することがありました。

「田中防衛相の答弁に自民反発、再三中断…参院委」(3月12日(月)11時33分 読売新聞)

それでは日本のF-35A導入の進捗状況はどの様になっているのでしょう。

 以前よりF-35の納入スケジュールや価格に関しまして、日本の防衛省が米国に対して誓約書の提出を求めている旨を当ブログでも執筆したことがありました。

「産経新聞による一連のF-35批判記事を検証する」(2011年12月29日 (木))

 その誓約書が米側により署名された模様です。それは防衛省の公式ホームページで確認することが出来ます。それは「防衛省・自衛隊のここが知りたい!」の「航空自衛隊次期戦闘機(F-X)の整備について」Q5「選定されたF-35Aは開発中とのことですが、提案内容どおり納入されるのですか。」に明記されました。下記がその内容です。
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「今回の選定においては、提案要求書により提案者に提案内容の遵守を求めているだけでなく、米空軍参謀長から航空幕僚長宛の提案内容を遵守する旨の誓約書を受領しています。」「さらに、開発責任者より、米国政府は提案書に記載のとおり機体を納入する旨のレターも受領しています。」

(引用終了)
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 そして日本との合意内容を遵守しようとの米側の姿勢は海外の報道でも読み取ることが出来ます。Flightglobalの2012年03月14日04:25の記事に"Lockheed advances F-35 contract talks with Japan, Israel(Lockheed社が日本とイスラエルとの契約商談を進める)"との記事が掲載されました。この記事には契約の今後の大まかなスケジュールが記載されており、興味深いものです。下記にその記事の内容の一部を抜粋し、翻訳します。
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Earlier this month, company officials visited Japan to discuss the nation's planned F-X purchase of 42 F-35As, following a competitive selection made last December.
昨年12月の競争入札を受けて、42機のF-35Aを導入する日本のF-X計画の打ち合わせをする為に今月上旬にLockheed社の関係者が日本を訪問した。

Tokyo is expected to approve a letter of agreement for the deal in March, with this document likely to be signed in June, says Stephen O'Bryan, Lockheed vice-president F-35 programme integration and business development.
日本政府は3月に取引の同意書を承認する見通しであり、6月にこの書面は署名されるであろうとLockheed社F-35計画統合事業発展副社長Stephen O'Bryan氏は述べた。

Dismissing Japanese media reports raising concerns over a possible increase in the F-35's unit price, linked to a slowdown in the USA's procurement rate for the type, O'Bryan says: "We remain firm on price."
米国でA型の発注のペースを落とすことに関連し、F-35の単価が上昇する虞があるとの懸念を強める日本での報道を否定し、「我々は価格を堅持する」とO'Bryan氏は述べた。

(引用及び翻訳終了)
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また2012年03月08日(木)11:41PM ESTのロイター通信の記事"U.S. delays will raise F-35 fighter price, Japan deal unchanged(米国の遅れはF-35の価格を上昇させるが、日本との取引は変わらない)"との記事を見つけることが出来ます。当ブログの2011年12月 4日 (日)執筆の記事「NHKによる「FX候補のF35 機体に不具合」との奇妙な報道に思うこと」でも発言を紹介させて頂きましたヴェンレット海軍中将が、日本との合意内容に変更はない旨を明言しているのです。
(下の写真は米国海軍公式ホームページよりヴェンレット海軍中将 クリックで画像拡大 米国海軍のサイトポリシーにより配布自由)Vice_admiral_david_j_venlet
下記に日本と価格に関し関連する部分を抜粋し翻訳します。
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Venlet said he had assured Japan, one of the first two foreign countries outside the partnership to buy the jet, that the terms of its agreement in December to buy 42 F-35 fighter jets would not change as a result of the U.S. move.
42機のF-35戦闘機を導入する12月の合意条件が米国の動向により変わることはないと、共同開発国以外でF-35を導入する最初の二カ国のうちの一つである日本側に確約したとヴェンレット海軍中将は述べた。

"Their deal is firm," he told a defense conference hosted by Credit Suisse and defense consultant Jim McAleese.
「彼等の取引は確約である」と彼はクレディ・スイスと防衛コンサルタントにより主催された防衛会議に告げた。

Japanese Defense Minister Naoki Tanaka last week said Japan could cancel orders for F-35 jets if the price rose. Japan is due to pay 9.9 billion yen ($121.62 million) per fighter for an initial four F-35s scheduled for delivery by March 2017.
田中直紀 日本国防衛大臣は先週に価格が上昇した場合に日本がF-35の発注をキャンセルする可能性に言及した。日本は2017年3月までの納入予定である最初の4機のF-35に関し1機につき99億円(1億2162万ドル)を支払うこととなっている。

"We can look national leadership in the eye and say, 'Your deal is good, with the (terms) that you were offered,'" Venlet told reporters after his speech at the conference, referring to his conversations with Japanese leaders.
「我々は国家指導者の目を直視して『貴方方に提案された条件で貴方方の取引は有効である。』と言うことが出来る」とヴェンレット氏は会議での彼のスピーチの後に日本政府高官との彼の対話に関して記者団に告げた。

He said Washington was in talks with Singapore, South Korea and other countries about additional foreign military sales of the F-35, which would help offset delays in orders from the United States and its international partners.
米国と共同開発国からの注文の遅れを相殺する助力となるであろうF-35の追加FMSに関し、米国政府がシンガポール、韓国、及びその他の国々と交渉中であると述べた。

Venlet said the Pentagon was in talks with Lockheed about a contract for a fifth batch of 30 planes, but gave no details.
ヴェンレット氏は国防総省がLockheed社と30機となる第5ロットの契約に関して交渉中であると述べたが詳細には言及しなかった。

He said Washington expected the price of those planes to be lower than in the last contract signed with Lockheed, despite the current plateau in annual production levels.
現行の横ばいの年間生産レベルにも関わらず、Lockheed社と署名した以前の契約より機体価格が下がると米国政府は予測したと彼は述べた。

"Both parties know that there's an expected benefit year by year, even though you're flat, and I'm confident that we'll come to a fair and reasonable deal," he said.
「例え横ばいであっても年ごとに予測された恩恵があることを両当事者は承知しており、私は公平で相応な取引となるであろうことを確信している」と彼は述べた。

(引用及び翻訳終了)
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こうしてみますと米国は日本との合意内容を順守する努力はしている模様です。しかしそれは海外からの追加発注や、米国政府とLockheed社との交渉の行方次第とも言えるのかもしれません。特に韓国、シンガポール、イスラエルの動向が大きな鍵となるでしょう。場合によっては日本もRF-4EやF-15J Pre-MSIPの後継として追加発注を検討するべきかもしれません。

この動画はLockheed社がYoutube上で公開したF-35Bの武装搭載飛行試験の様子 センターパイロンに25mm機関砲ポッドを搭載している)

2012年3月14日 (水)

新多用途ヘリコプター(UH-X)の開発企業が川崎重工に決定か

 陸上自衛隊の次期多用途ヘリコプター(UHX)の開発企業を防衛省が川崎重工業と決めた旨が東京新聞により報じられました。

「多用途ヘリ 川重に決定 防衛省」(2012年3月7日 東京新聞 朝刊)

2012年03月13日(火)現在では防衛省より公式なアナウンスはありません。その一方で以前より同様の報道はありました。2010年08月20日14:16:12に航空新聞社WINGがTwitterにて「防衛省はこのほど陸上自衛隊の次期多用途ヘリコプターについて、国内開発する方針を固めた。2011年度の概算要求に盛り込むと見られる」と報じています。実際に「我が国の防衛と予算 平成23年度予算の概要」(PDF)の第10頁、第28頁にUH-1Jの後継と後継となる新多用途ヘリコプターの開発に着手する旨に言及がありました。この東京新聞の記事は「近く契約することが分かった」としていますので、事実であればやがて公式発表があるものと思われます。また日経新聞や日刊工業新聞にもやがて記事が掲載されるでしょう。

 「新多用途ヘリコプター」に関しましては防衛省の「平成22年度 事前の事業評価 評価書一覧)」に「新多用途ヘリコプター」に関する項目があり、その中の本文(PDF)に詳細が記述されています。要点は下記の4点です。

1.現有装備のUH-1Jは、エンジンが単発であるなど、超低空域・洋上での安全性が不十分であり、かつ、島嶼間を往復するための航続距離も不足している。

2.UH-60はUH-1Jの取得経費の実績と比較すると高価であることから、UH-60を必要な数量取得することは不適当

3.現有機と同等以下の価格で、現有機より高性能(現有機以上の搭載能力を確保した上で、高温・高標高領域での超低空飛行及び長距離洋上飛行での安全性、速度性能、航続性能等の大幅な向上)な装備を取得する

4.所要経費は約46億円(平成23年度概算要求額。後年度負担額を含む。総経費約284億円)で平成23年度から平成27年度にかけて試作を実施し、平成24年度から平成29年度にかけて試験を実施する予定

(下の画像は「新多用途ヘリコプター(参考-PDF)」より クリックで拡大)Photo
具体像はこれだけでは分かりません。しかしながらこれらの資料からはUH-1Jのスペックを凌駕する仕様を目指す(現有機以上の搭載能力を確保した上で、高温・高標高領域での超低空飛行及び長距離洋上飛行での安全性、速度性能、航続性能等の大幅な向上)としていますので、陸上自衛隊の公式ホームページに掲載されていますUH-1Jの性能の一部を下記に抜粋します。

乗員 2人+11人
エンジン出力 1,134SHP(連続)×1
最大全備重量 4,763kg
巡航速度 216km/h
航続距離 約480km
実用上昇限度 5,334m(最大全備重量時)

これらの数値を凌駕する上で最も重要となるのはエンジンです。新多用途ヘリコプターをOH-1ベースとするのであれば、OH-1のエンジンであるTS1の改良拡大型であるXTS2エンジンを搭載することになるでしょう。XTS2は研究開発が平成18年度よりTRDIにて行われています。

「ヘリコプター用エンジン(TS1出力増大型)(XTS2)の研究概要」(PDF)

(下の画像二件は同資料より クリックで画像拡大)Xts2_4

Xts2_6

 この資料からTS1の共通部品とスケールアップ部品で85%を占めることが分かります。また940KWでありますから約1300shp弱と換算が可能です。これは前述のUH-1Jの1,134SHPを上回っています。またUH-1JとAH-1SはT53-K-703エンジンです。即ちこのことはエンジン面ではAH-1Sレベルと同等以上の対戦車ヘリコプター/戦闘ヘリコプターを日本が開発可能であることを物語っています。AH-64DJPの調達が実質的に破たんした現状では、厳しい財政事情も踏まえた上で、新たな戦闘ヘリ(AH-X)の調達も考える必要があり、今回の決定はその良い機会となるでしょう。

2012年04月11日(水)追記
新多用途ヘリコプター(UH-X)を受注(2012年03月28日 川崎重工プレスリリース)

「陸自の新多用途ヘリ 川崎重工業が受注 OH―1を母機に開発」(2012年04月05日 朝雲新聞)
「UHXは防衛省が総経費279億円を投入して27年度までに試作、29年度まで技術・実用試験を実施、その後、量産」
「技本によるとUHXは重量約5トンで、最高速度140ノット(約260キロ)以上、行動半径230キロ以上」

2012年3月 7日 (水)

「日英武器共同開発」の報道は誤報

Photo

(上の画像は「平成23年度ライフサイクルコスト管理年次報告書」(PDF)より火力戦闘車 クリックで画像拡大)
 

 2012年3月3日(土)7時55分に産経新聞が「日英で武器共同開発 榴弾砲装填など 来月合意目指す」と報じました。

 この記事の主旨は下記の三点です。

1.155ミリ榴弾(りゅうだん)砲(火砲)の「自動装填(そうてん)装置」など4案件の共同開発を英側が日本に打診している。

2.キャメロン英首相が4月に訪日した際の首脳会談で正式合意することを野田総理が希望している。

3.英側は艦艇のエンジンなど3案件での共同開発も打診している

 しかし私はこの報道に関しましては非常に懐疑的でした。何故ならば産経新聞以外でこの報道を報じている新聞がなかったからです。そして些細な点かもしれませんが、英国のAS-90はautomated loading system=自動装填装置を有しています

800pxas90_selfpropelled_artillery
(上の写真は英語版WikipediaよりAS-90 著作権はPublic Domain クリックで画像拡大)
それでも興味深い内容であった為に内閣官房長官記者会見日本国外務省日本国防衛省英国首相公式ホームページ英国外務省駐日英国大使館のサイトを閲覧しましたが、何れも日英武器共同開発に言及するものはありませんでしたし、四月に英国首相が訪日することも確認出来ませんでした。

 海外でこの件に関して報じているマスメディアがないかも調べました。それに関しましては多数の海外サイトで報じられている事が直ちに検索サイトで分かります。その中の一つにDefense Newsによる2012年03月03日の記事"Japan, U.K. Eye Joint Arms Development(「日本と英国が武器共同開発を視野に」)"との記事がありました。しかしこのDefense Newsの記事もソースが前述の産経新聞の記事となっています。

a newspaper reported March 3.
新聞が3月3日に報じたところによると

Sankei Shimbun said.
産経新聞は述べた

 その他の海外の報道も産経新聞を引用・翻訳するのみで、独自のソースで検証したメディアはありませんでした。

そして昨日6日の防衛大臣の公式記者会見により今回のこの報道が誤報であったことが確定となりました。

防衛大臣記者会見 平成24年3月6日(09時48分~09時55分)

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Q:英国と武器・装備品の共同開発に踏み切るという方針を固めたという報道がありますが、これについて事実確認をお願いします。

A:ご指摘のような事実は一切ありません。具体的にどのような防衛装備品等の国際共同開発あるいは生産を行うかについては、ご存知のとおり昨年末に官房長官談話として述べられておるところでございます。まず大前提といたしまして、平和国家としての基本理念を堅持しつつ、個別に要請があれば判断していくということで、今、防衛省は考えておるところでございます。
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 産経新聞を批判することは簡単でしょう。しかし今回の報道の背景を考えると興味深いかもしれません。何故ならば産経新聞としましては何かしらソースがあったので報じたと考えられるからです。武器輸出三原則が緩和された以上は、今後も様々な動向が出てくると思います。今後も具体的な動向があった場合は記事を執筆していきます。

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