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2012年4月 7日 (土)

日英両政府が武器共同開発の枠組み作りに着手へ

Officialphotocameron(上の写真はWikipediaよりDavid William Donald Cameron英首相 配布自由 クリックで拡大)

 2012年3月7日 (水)に『「日英武器共同開発」の報道は誤報』との記事を執筆しましたが、その後に産経新聞以外のマスコミからも続報が出ました。

「<武器共同開発>三原則緩和後で初、英国と着手へ」(2012年4月4日(水)02時32分 毎日新聞)

「日英で武器共同開発 10日の首脳会談で合意へ」(2012年4月4日(水) 19:49 日経新聞)

 これらの二つの報道は内容がより具体的になりました。まず協議を開始する舞台と日時ですが「来日するキャメロン英首相との10日の首脳会談」(毎日新聞報道)、「野田佳彦首相が10日にキャメロン英首相と会談し」(日経新聞報道)となっていますので、4月10日(火)の日英首脳会談で共同開発の枠組み作りを開始する旨に合意する方向であることが分かります。

 ただこの二つの報道を読みますと4月10日の日英首脳会議では「正式に協議に入ることを確認する」、(毎日報道)、「枠組みづくりについて合意する。」、「共同開発を厳格に管理する枠組みづくりを急ぐ。英側が目的外使用や第三国移転する場合には日本の事前同意が必要な手続きを盛り込む。」(日経新聞)となっています。即ち、まだ具体的なことは何も決まっておらず、今からルール作りに着手する事を日英首脳が同意するとの事なのです。どういった装備を共同開発するかすらまだ決めていません。そして日経新聞はそのルール作りは「年内合意をめざす。」と報じています。

 英国と装備を共同開発する方式を固めた理由に関しましては、「『昨年末の航空自衛隊の次期主力戦闘機(FX)選定の際、英国が強く推したユーロファイターではなく米国中心に開発しているF35を選定した埋め合わせ(政府筋)』の意味合いもあるという。」(毎日新聞)、「日英はともに米国の同盟国であり、互いの技術力を装備品開発に生かせると判断した。」(日経新聞)となっていました。因みに毎日新聞は「三原則緩和を受け、オーストラリアやフランスなど複数の国が日本との共同開発に関心」を示したと報じていました。オーストラリアが日本との装備品の共同開発に興味を示している旨は以前の当ブログの記事でも触れたことがありました。

「豪首相が日本との安保関係強化を希望」(2011年4月25日 (月))

 また「日英武器共同開発」の報道は誤報の2012年4月 4日 (水) 11時30分のまりゅー氏のコメントで「『F-X選定で英国が強く推したユーロファイターではなくF-35を選定した埋め合わせ』というコメント。既定の路線があったことを匂わせたのかもしれません。」とのご指摘がありました。私はこのコメントを読んだ時に、思い当たることがありました。それは朝雲新聞の2011年05月26日の記事「防衛省 欧州製品の情報取得へ NCS(NATO装備カタログ制度)に加入」との記事です。共同開発とは直接的な関係はないかもしれませんが、NATO加盟国との装備共同開発を行う上では必要な情報と言えるでしょう。800pxtyphoon_5
(上の写真はWikipediaよりRAFのユーロファイター 著作権はPublic Domain クリックで画像拡大)

 共同開発の対象となるのは「小型のものから徐々に進める(外務省幹部)」(毎日新聞)、「戦闘機、火器、銃器は想定しておらず、化学防護服など小型装備品を念頭に置く。将来は艦船のエンジンなどの共同開発が視野にある。」(日経新聞)との方向性の模様です。

 私は2012年3月7日 (水)に『「日英武器共同開発」の報道は誤報』との記事では日英の装備共同開発の件は完全に誤報であると決めつけてしまいました。しかし毎日新聞と日経新聞が続報を報じたことにより、事実である可能性が高まりました。そのことに関しまして深くお詫び申し上げます。

 田中防衛大臣が2012年3月6日(火)の記者会見産経新聞の2012年3月3日(土)7時55分の報道を「ご指摘のような事実は一切ありません。」と否定しました背景には「155ミリ榴弾(りゅうだん)砲(火砲)の自動装填(そうてん)装置」に関する報道や「英国と武器・装備品の共同開発に踏み切るという方針を固めた」の件であると思われます。まだそういった具体的な段階には達しておらず、4月10日の日英首脳会談ではこれから協議を開始する方針に合意するのみであったからでしょう。また一部の識者や防衛省には産経新聞に対しやや不信感がある模様です。

(下の画像は2012年4月6日(金)13:37の小川和久氏のつぶやきKazuhisa_ogawa_20120406 しかしやはり産経新聞としましてもソースがあり、そのソースをもとに記事を執筆していますので、報じたのが産経新聞だけであるということだけで完全な誤報扱いは避けていきます。前回の記事は誠に申し訳ありませんでした。深くお詫び申し上げます。

 より詳しい事実関係は4月10日(火)の日英首脳会談で判明するでしょう。新たな事実が判明した場合は新記事を執筆するか、この記事を改定したいと思います。

2012年04月11日(水)追記:
平成24年4月10日 日英首脳会談( 首相官邸公式ホームページ 動画ニュース )

日英首脳会談及びワーキングディナー(概要)(平成24年4月10日外務省公式ホームページ)
「安全保障に関しては,外相戦略対話,今後防衛当局間で作成される覚書,情報保護協定の交渉開始及び防衛装備品等の共同開発・生産に向けた取組等を通じた二国間の安全保障・防衛協力の一層の深化への期待を表明した。」

「日英両国首相による共同声明(仮訳)~世界の繁栄と安全保障を先導する戦略的パートナーシップ~」(平成24年4月10日 外務省公式ホームページ)
•地域及び国際環境の評価及び戦略的視点を共有するため,外務大臣による「戦略対話」を開始する。

•政府間の情報保護協定の交渉を開始する。

•両国防衛担当大臣が次の機会に,防衛協力覚書に署名することを支持する。

•新たな協力の分野を特定することにより,防衛協力覚書の署名及び研究協力等の防衛上の関与を基礎に更に発展させる。

•両国の安全保障に資し,産業の機会を提供する,2011年に発出された防衛装備品等の海外移転に関する基準に従って実施され得る共同開発及び共同生産のための適当な防衛装備品等を特定する。

•そのような防衛装備品等に関する少なくとも一つの計画を,可能な限り早期に開始することを追求し,両国の安全保障及び平和的意図に資する将来の主要な計画の実現可能性を探求する。

•防衛装備品に関し,第三国移転及び目的外使用に係る厳格な管理を確保する政府間の適当な取決めを検討する。

•共同演習,訓練及び部隊間交流を含む安全保障及び防衛協力の更なる強化の方途を探求する。

「英首相「日本とヘリ共同開発も」読売単独会見」(2012年4月10日(火)14時25分配信 読売新聞)

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軍事」カテゴリの記事

コメント

 いくらあの田中氏が大臣とは言え防衛大臣が明確に否定したのにこの話がまた出てくるというのは、もしかしたら防衛省と外務省や官邸で温度差があるのかもしれませんね。
 産経や日経が記事を書いてる辺りはいかにも記者クラブへのリークが大元のよう(官邸や外務省がよくやります)ですし、防衛省筋の意向なら東京新聞辺りから漏れるのが通例(?w)です。

だ様
3/3の産経新聞の報道に「政府は昨年12月、米国が開発を主導したF35ライトニング2の導入を決めた。首相はその頃から共同開発の相手国として英国を本命視するようになったという。」との記述があります。これは毎日新聞の「F35を選定した埋め合わせ(政府筋)」との報道にも合致します。これは官邸主導で決められた話なのかもしれませんね。その一方で「防衛省はすでに担当者を英国に派遣し、具体的な共同開発案件について協議を始めている。」と毎日新聞は報じていますので(いつからの話なのかは分かりませんが)、防衛省が蚊帳の外であったという訳ではなさそうです。だとしますと田中大臣は産経新聞の内容が不正確であったので否定をしたか、それとも大臣だけが蚊帳の外だったかです。

英首相「日本とヘリ共同開発も」読売単独会見
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120409-00001158-yom-int

各社報じてますので、改めてこちらで紹介するほどでも無いのですが

新多用途ヘリコプター(UH-X)の開発企業が川崎重工に決定か
http://paper-wasp.cocolog-nifty.com/blog/2012/03/post-cc96.html

でアシナガバチさんも取り上げておられますように、ややホットな話題ですので動向が気になりますねw
米が自国の技術流出をクリティカルに懸念しなくてもいい範疇だと、ヘリやら潜水艦やら戦車やらが無難ですかね。
記事では、キャメロン英首相への単独インタビューとのことなので、英も日のUH-Xに大変興味を示しているといったところでしょうか。

UH-Xのラインのローコスト化に加えて、輸出によるさらなるローコスト化が進めば、予算内での数の確保が容易になるんでしょうけど…

イギリスとしても、揚陸艦などを予算不足で、早期退役とかさせなければならないという、現実がありますから、少しでも開発費を抑えたいというのもあるでしょうから、自分は、艦艇の共同開発とか良いのではと思います。日本の造船技術は世界TOPレベルですしね。駆逐艦や、掃海艇、揚陸艦などの共同開発などが良いのではと思います。ちょうど、日本はあきづき型の次の護衛艦をどうするかというのもありますし、イギリスも26型フリゲイトを計画しています。ちょうど、いい時期ではあるんですよね。アルビオン級とかベイ級とか艦年齢若いですから、売ってくれないかな~とかって思うときもあります。ある程度の改良、改装は必要でしょうが。あと、ヘリとくれば、BAEですか。良いのではないでしょうか。

皆様
記事を改訂しました。首脳会談の内容ですが、武器共同開発以外にも色々と興味深い議論/意見交換が行われた模様です(サイバー空間、シリア情勢、アフガニスタン)。

sub.氏
こんにちは。潜水艦はどの国でも機密の塊ですので、それを日英両国ともに共同開発をしようとするかは私はやや懐疑的です。UH-Xに関しましては既に国産で決まっており、プライムも川崎に確定していますし、開発スケジュールも「27年度までに試作、29年度まで技術・実用試験を実施、その後、量産」と方針が固まっています。
http://www.asagumo-news.com/news/201204/120405/12040503.html
そこに英が割り込み出来るかは疑問の余地が多いと思います。もし共同開発するとすれば、SHでしょうね。しかし機密度の高い電子機器やデータは共同開発の対象外となるかもしれません。開発するとしますと機体のみになるかもしれません。海自はSH-60のキャビンが狭いことに不満を抱いている模様です。

キンタ氏
日本が汎用DDに何を要求するかです。それが英国の求めるドクトリンと一致するか否かが問題となります。しかし記事にもあります通りに艦船のエンジンなどは有力な候補かもしれません。

>潜水艦
英国海軍はだいぶ前から原潜オンリーですしね

SH-60Kはパワー不足、MCHは信頼性不足(MH-53よりはだいぶマシだそうですが)と聞きます・・・
欧州製の航空機用エンジンはアドーアのトラウマがある筈ですし、共同開発するならフレームや装備品の一部、という所ではないでしょうか

艦船用エンジンの共同開発はいい案だと思います
海自の護衛艦のガスタービンエンジンは殆どロールスロイスかGEですから、国産の比率が高くなるのは良い事かと
ただ、ウェポン・システムを含めた艦全体の共同開発は、ホライゾン計画のように遅延や脱退のリスクがありますから、エンジンや船体のみのほうが良い気がします(英仏伊ですらあれでしたから、日英ではさらにリスクが高いと思います)
あとは両用戦装備でしょうか

2S19氏
こんにちは。返信が遅くなり申し訳ありません。
MCHの信頼性に海自が不満を抱いているとの噂はよく散見されますね。
日英では若干ドクトリンが異なってきますので、所謂「ドンガラ」の開発に止めることにより、リスクを提言出来ると思います。
それ以外では先日の官房長官談話にもありますが、人道目的にも用いられる装備品でしょうね。記事でもありますが化学防護服でしょう。

  武器輸出3原則を緩和する内閣官房長官談話が発表されたのは昨年の12月27日。そろそろ1年になるが、日英共同開発の第一号案件は、いつになったら発表されるのかだろうか。政権が交代したら、白紙になっちゃう?

nni様
 こんにちは。はじめまして。今後とも宜しくお願い申し上げます。
 
 基本的に外交は政権交代により方針が大きく変更する虞はないとお考え下さい。それは相手国との取り決めを反故にしますと混乱が大きく、また国際社会に於ける信頼が大きく失墜するからです。ましてや書面を取り交わした場合は革命でも起きない限りはまずありえません。ごく例外的なケースとしましてソ連崩壊に伴い旧ソ連諸国が条約を引き継がなかった例がありますが、それでもロシアが引き継ぎました。
  
 そして普天間基地移設問題で強行しようとして、一気に失速したのが鳩山由紀夫政権でした。

 英国との共同開発の件は、現在事務レベルで検討が行われている段階ではないかと考えます。


ご丁寧な説明ありがとうございます。

  4月4日の日経新聞には、「両政府は個別案件より先に、共同開発を厳格に管理する枠組みづくりを急ぐ。英側が目的外使用や第三国移転する場合には日本の事前同意が必要な手続きを盛り込む。日本側には共同開発した装備品が、国際紛争の当事国に流出する懸念がある。年内合意をめざす。 」とあります。年内とはクリスマス前のことでしょうから、そろそろ出来上がってきてもいいはず。

  4月10日の日英首相の共同声明では「両国の安全保障に資し,産業の機会を提供する,2011年に発出された防衛装備品等の海外移転に関する基準に従って実施され得る共同開発及び共同生産のための適当な防衛装備品等を特定する。そのような防衛装備品等に関する少なくとも一つの計画を,可能な限り早期に開始することを追求し,両国の安全保障及び平和的意図に資する将来の主要な計画の実現可能性を探求する。 」とあり、枠組み合意と同時に第一号が発表されるのではないかと想像する。

  第一号については、色々な報道で「小型のもの」、「非殺傷性」、「アジア諸国を刺激しない」とヒントが与えられています。将来的には何でもアリの方向なのでしょうが、第一号だけは「平和国家・日本」のイメージを損なわない案件のはず。榴弾砲などは問題外として、名前が出ている「化学防護服」、「地雷探知器」、「ヘルメット」の中から選ぶとすれば、地雷探知機になるのではないか。陸自が開発した「地雷探知機画像型」は、埋設された地雷を可視化できるハイテク装置で、プラスチックや陶器でできた対人地雷も検知できるそうだ。

  大英帝国の旧植民地には、トンでもない数量の対人地雷が埋まっていようから、ニーズもあろう。しかも、我が国の技術供与が平和的意図であることも明確に示すことができる。私が与党の偉い人なら、総選挙の投票日直前に、これを発表してドヤ顔したい。

nni様
大変理論的な分析だと思います。ただ政権交代を見越して、事務方も若干作業が滞っている可能性もありますね。
>「私が与党の偉い人なら、総選挙の投票日直前に、これを発表してドヤ顔したい。」
今更何をしても余り結果は変わらないと思われますので、各勢力は選挙後の政権枠組みを見越した動きを考えている段階ではないかと考えます。

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