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2012年4月 5日 (木)

米国がアジア・中東でミサイル防衛シールド構築を検討

Aegis_ashore
(上の画像はMissile Defense Agencyの資料(PDF)よりAegis ashoreの概念図 クリックで画像拡大)

 米国が欧州にて推進している欧州ミサイル防衛構想を、北朝鮮とイランを念頭にアジアと中東でも計画していることが判明しました。

米国、アジア・中東でミサイル防衛シールド構築を検討=国防次官補(2012年03月27日 13:37 JST*ロイター)

 この記事によりますと「米国防総省のクリードン国防次官補(グローバル戦略担当)が、同省ミサイル防衛局が共催した会合で語った」、「同次官補によると、米国は米・日・豪および米・日・韓という2つの三国間協議を通じて防衛シールド建設計画を進める方針」とあります。米国防総省の公式ホームページに掲載されています2012年3月27日の記事"Growing Missile Threat Needs Robust Defenses, Official Says(増大しつつあるミサイルの脅威で強化された防衛が必要)"とを読みますと、この「同省ミサイル防衛局が共催した会合」とは10th Annual U.S. Missile Defense Conferenceであることが分かります。その一方でこの国防総省の公式記事の中にはアジアや中東に於けるミサイル防衛シールド構想に直接的に言及した記述はありません。唯一それらしき記述があるのが下記の一文です。

-------------------------------------------------------------------
"She detailed U.S. progress in sustaining a strong homeland defense, strengthening regional missile defense, and fostering increased international cooperation."
彼女(クリードン国防次官補)は強力な本土防衛の維持、地域ミサイル防衛の強化、国際的な協力の推進に関する米国の進展を詳述した。
-------------------------------------------------------------------Hires_081511123414_creedon_madelyn_
(上の写真は国防総省公式サイトよりクリードン国防次官補 米国政府の方針により配布自由)
 

 ロイター通信の報道以外で直接的にアジアや中東に於けるミサイル防衛シールド構想に言及したものは、私が確認した範囲ではほぼなく、2012年04月05日(木)午前00時00分現在で公式資料では確認出来ませんでした。しかし発言者と発言した場所が明記されており、この報道は誤報ではないと考えられます。

 ロイター通信の報道によりますと、「米国は米・日・豪および米・日・韓という2つの三国間協議を通じて防衛シールド建設計画を進める方針」であり、「欧州のミサイル防衛システムが採用する『段階的適応アプローチ』を手本」とする旨をクリードン国防次官補は表明したとのことです。 この欧州のミサイル防衛システムに関しましては前述の国防総省の記事にその概要が記載されていました。下記にその該当部分を抜粋し翻訳します。
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The commitment to missile defense is growing among NATO nations, Creedon said, and the United States deployed the first phase of its European-based system with the guided missile cruiser USS Monterey, carrying SM-3 interceptors, in the Mediterranean Sea.
ミサイル防衛へのコミットメントはNATO諸国の間で増しつつあるとクリードン氏は述べ、地中海にSM-3迎撃ミサイルを装備したミサイル巡洋艦モントレーにより欧州に於ける第一段階を米国は展開した。

In August, Turkish officials announced they would host a forward-based radar system, and it was deployed in December, Creedon said. And the U.S. Air Operations Center’s command and control capabilities at Ramstein Air Base, Germany, now are operational, she said.
8月にトルコ政府は前線レーダーシステムを受け入れる旨を表明し、12月に配置されたとクリードン氏は述べた。そしてドイツのラムシュタイン空軍基地に於ける米国作戦センターの指令・制御能力は現在稼働していると彼女は述べた。

In Phase 2, a land-based SM-3 site will be developed in Romania, with Block II interceptors deployed on land and sea, and is expected to be operational in 2015, Creedon said. Spain has agreed to host four U.S. Aegis destroyers in Rota, with the first two ships scheduled to arrive in 2014, she said.
第二段階では、BlockII仕様が地上と海上に配備され、地上配備型SM-3基地がルーマニアに展開される予定であり、2015年に運用可能となる見込みであるとクリードン氏は述べた。スペインはロタに4隻の米海軍イージス駆逐艦を受け入れることに同意しており、最初の2隻は2014年に到着予定であると彼女は述べた。

In Phase 3, a second land-based SM-3 site will be deployed to Poland, with SM-3 Block IIA interceptors deployed on land and sea, extending coverage to all NATO European countries.
第三段階ではSM-3 BlockIIA迎撃ミサイルが地上と海上に配備され、第二の地上配備型SM-3基地がポーランドに展開し、全てのNATO欧州諸国を防護するまで拡大する。

n Phase 4, the SM-3 IIB will be deployed around 2020, which Creedon called “an important enhancement.”
第四段階ではSM-3 IIBが2020年前後に配備され、「重大な強化」とクリードン氏は主張した。

(引用及び翻訳終了)
-------------------------------------------------------------------800pxuss_monterey_cg61
(上の写真はWikipediaよりミサイル巡洋艦モントレー 著作権はPublic Domain クリックで画像拡大)
SM-3の各仕様は下記リンクに詳細が掲載されています。

SM-3 Weapons School

実際のスペックは機密でありますが、2008年度の人工衛星迎撃ではSM-3 Block1Aが高度130 nautical miles(240Km上空)で撃墜に成功しています(リンク先は当時の米国防総省公式記者会見記録)。またオーストラリア政府の公式資料(PDF)には下記の興味深い記述があります。
-------------------------------------------------------------------
The SM-3 Block 1 missile is being developed to achieve exoatmospheric intercepts of medium to long range ballistic missiles at ranges to 1,200 km and altitudes of 70–500 km.
SM-3 Block 1ミサイルは中距離から長距離弾道ミサイルを1200Kmの射程で70-500Kmの射高で大気圏外迎撃を達成する様に開発されている。
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現在日本が開発中のものはSM-3 BlockIIAです。Block Iは1段ロケットが直径21インチ(53cm)、2段および3段目が直径13.5インチ(34cm)全長約7mであるのに対し、BlockIIAは2段および3段ロケットを1段と同じ直径21インチ(53センチ)に大型化しており、更に射程と射高が大幅に伸びているものと推測されます。

 現段階ではこのアジア版ミサイル防衛シールド構想がどの程度まで具現化しているのかは不明です。日本政府がどの程度までこの構想を知っているのか、政府のどのレベルで検討されているのか、タイムテーブル等詳しいことはまだ何も分かりません。しかし今後は横田基地に移転しました空自航空総隊司令部が中枢を担うこととなるでしょう。

総隊司令部 横田移転を完了 「同盟のシンボル」 日米共催で"同居"祝う (2012年03月29日 朝雲新聞)

 4月中旬の北朝鮮による「人工衛星打ち上げ」は日米の連携、ミサイル防衛の有効性が試されることになる「実戦」です。また場合によっては中国側が挑発してくる/情報収集を行う可能性も考えられ、それに対しては空自のF-15がイージス艦の護衛に当たることが報道されています。またこれはあくまでも私個人の推測ですが、潜水艦も護衛に中っていると考えて良いのではないでしょうか。今回の破壊措置命令による自衛隊の展開は今までになく緊張を伴ったものとなるかもしれません。

この動画は2009年9月16日、米ニューメキシコ州の米軍ホワイトサンズ射場に於ける弾道ミサイルを迎撃する地対空誘導弾パトリオットミサイル(PAC3)の航空自衛隊による発射実験。)

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