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« 日英両政府が武器共同開発の枠組み作りに着手へ | トップページ | 北朝鮮の新型ICBMに関する二つの疑惑 »

2012年4月16日 (月)

小沢氏によるPAC3配備批判は的外れ

上の動画はYouTubeに投稿された北朝鮮のロケット失敗の様子を描いたCG

皆様も既にご存じの通り、北朝鮮が2012年04月13日(金)午前7時39分にロケットを発射しましたが、1分以上飛行した後に何らかの不具合の発生により空中分解し、失敗に終わりました。それは各国の公的機関や政府の発表でも確認が可能であり、それぞれ下記の様に報じています。

NORAD(北アメリカ航空宇宙防衛司令部)の公式発表
North American Aerospace Defense Command and U.S. Northern Command officials acknowledged today that U.S. systems detected and tracked a launch of the North Korean Taepo Dong-2 missile at 6:39 p.m. EDT. The missile was tracked on a southerly launch over the Yellow Sea.

Initial indications are that the first stage of the missile fell into the sea 165 km west of Seoul, South Korea. The remaining stages were assessed to have failed and no debris fell on land. At no time were the missile or the resultant debris a threat.

米国大使館が発表した上記NORAD発表の日本語訳
「北米航空宇宙防衛司令部(NORAD)と米北方軍司令部(USNORTHCOM)は、米国のシステムは米国東部夏時間午後6時39分、北朝鮮によるテポドン2号ミサイルの発射を探知したことを確認した。ミサイルは南の方角の黄海上空に向けた発射後、追尾された。  初期の観測によると、ミサイルの第1段目は韓国・ソウルの西165キロの海上に落下した。2段目以降は失敗したとみられ、破片は陸地に落下しなかった。ミサイルおよびその破片は一切、脅威をもたらさなかった。」

防衛大臣臨時会見 平成24年4月13日(08時24分~08時25分)
田中防衛大臣「防衛省から、発表させていただきます。7時40分頃、北朝鮮から何らかの飛翔体が発射されたとの情報を得ております。飛翔体は1分以上飛行し、洋上に落下した模様であります。我が国の領域への影響は一切ありません。」

平成24年4月13日 内閣官房長官声明
「本日7時40分頃、北朝鮮から何らかの飛翔体が発射された。飛翔体は1分以上飛翔し、洋上に落下した。その後の情報収集の結果、当該飛翔体は北朝鮮が「人工衛星」と称するミサイルであることが確認された。なお、我が国領域内に落下したという情報は一切なく、また、国民への被害も報告されていない。」

やがて朝鮮中央通信ですら同日の正午過ぎに失敗であったことを公式に認めました。これはYouTubeに投稿されたその時の発表です。

 今回の失敗は15日に行われた故 金日成主席の生誕100周年記念にも大きく影を落とすものとなりました。

 そもそも北朝鮮の技術水準を考慮すれば打ち上げ失敗の可能性も少なからずありました。それは彼等が工業国と呼べる水準にないことは明らかであるからです。彼等が国産で国際市場に通用する航空機を開発したことはありません。ごく一部の韓国資本を除いて外資が積極的に投資している訳でもないのです。ローテクの武器を製造している軍需産業を除いて製造業が発達しているとは言えません。そういった国が宇宙に人工衛星を打ち上げるだけの技術力と産業基盤を有しているかは甚だ疑わしいと言えます。更に言えば作業員の質/水準も分かりません。品質管理制度が整っているのか、ルーズな工程となっていないか、そこも私は疑問に感じるのです。もし粗悪な部品を製造していた場合は、そしてそういった部材を製品に使用して制作されたとしますと、製品も当然のことですが不良品となる可能性が非常に高くなります。報道によりますと一部の専門家が今回の打ち上げは失敗に終わることを予見したとのことでした。

「北のミサイル発射失敗、米専門家が直前に予想」(2012年4月13日19時52分 読売新聞)

この専門家とは米専門家ジェームズ・オバーグ(James Oberg)氏であり、NBCテレビのサイトで語ったものであり、失敗に終わると考えた根拠は次の二点です。

政治的なイベントとして日程上のプレッシャーがあった

作業員からの異論や疑問を受け入れる能力が非常に低く、発射を強行する空気

 即ち安全や品質が重視されず、メンツにこだわって納期と打ち上げのみを考慮したことが失敗の原因と言えるでしょう。

 皆様もご存じの通り、日本政府は落下物が万が一あった場合に備え(これはロケットに不具合が発生した/北朝鮮が予想外の行動に出たことが前提となっている)イージス艦とPAC-3を各地に展開しました。

「北朝鮮による「人工衛星」と称するミサイル発射の発表に関する対応」(24.3.30 首相官邸 PDFファイル) (下の画像はそのPDFファイルより。クリックで拡大)

Photo
大臣会見概要 平成24年3月30日(08時35分~08時38分)
田中防衛大臣「先程、『弾道ミサイル等に対する破壊措置等の実施に関する自衛隊行動命令』を発令しました。これは、今般の北朝鮮による発射予告を受け、航空総隊司令官を指揮官とするBMD統合任務部隊に、弾道ミサイル等に対する破壊措置を命ずるものでございます。この命令により、イージス艦を日本海及び東シナ海へ、PAC-3部隊を首都圏並びに沖縄本島、宮古島及び石垣島へ展開させ、我が国領域への落下に対する万全の備えをしたいと考えております。」
(下の画像は筆者がある時に某所で撮影したパトリオット クリックで画像拡大)Dscf0070

北ミサイル対処 破壊措置命令を発出 イージス艦3隻が展開(2012年04月05日 朝雲新聞)

 今回の発射は発射してから僅か一分後に分解との結果でしたので、結果論としましては日本に危険が及ぶ事はありませんでした。しかし不具合が沖縄上空で発生していた場合は、日本国土が直接的な危険に晒された可能性があったのです。そういった最悪の事態を想定しての今回の破壊命令でした。その様に考えますと先日の小沢一郎氏の批判が如何に的外れであるかが分かると思います。

小沢氏、PAC3配備を批判「有事は予告なし」(2012年4月12日19時52分 読売新聞)

 小沢氏による今回の発言の全体の流れは分かりませんが、今回は今まで私が述べていた不具合発生の可能性があった為に政府としましては対策を講じたのであって、「本当にそういう(武力攻撃)事態になる時は予告なしにくるわけだから、何日もかけてあちこちに運ぶのは全くナンセンスだ」というのは議論のすり替えにしか思えません。国民の生活が第一とは思えない発言と言って良いでしょう。

2012年04月16日(月)15:15追記
YouTubeに投稿された2012年度北朝鮮軍事パレード

北朝鮮が新型弾道ミサイル公開 軍事パレードで(4月15日(日)17時2分配信 聯合ニュース)で記事となったICBMもこの動画に写っています。

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コメント

民主党お得いの論理のすり替えですね。

どこに落ちてくるかわからないってのが一番問題なのに、問題すらわかっていないようですね。

万一、とんでもない方向に飛んだら小沢さんが責任をとってくれるんでしょうかね。

小沢の無知ぶりが如実に現れていますね。厚顔無恥とは言いますが、厚顔無知でもありますか。被害でたらどう責任をとるんでしょうかね。思ったのが、THAADミサイルも将来的には導入を考えても良いのではないかという事と、パトリオットの後継は、機動性がある程度持たせた、ものじゃいけないなという事ですね。MEADSコケたしどうなるんでしょうね。

みやとん様
こんばんは。飛行するであろう方角は北朝鮮側の事前の発表により分かってはいました。もし成功していたならば、こういったコースを辿っていたことでしょう。
http://www.youtube.com/watch?v=qT-4w03kfks&sns=em
問題は飛行途中に不具合が発生した場合でした。もしそれが沖縄上空であった場合は南西諸島方面に落下物により危険に曝される虞がありましたので、日本政府はこの地域にPAC-3を配備したのです。
もう一つの可能性としましては、北朝鮮が意図的に予想外の行動をし、不測の事態が発生した場合でした。その場合はロケット/ミサイルがどの方面に発射されるかは分かりませんが、最低でも首都圏は防衛する必要性があったので日本海側にイージス艦を、そして首都圏にPAC-3を配備したと考えられます。

キンタ様
もし小沢一郎氏が総理であったら、恐らくは野田政権の対処とほぼ変わらない対応をしていたでしょう。今回の小沢氏の発言は批判の為の批判ではないかと邪推してしまいます。
PAC-2の後継としましては03式の射程延長改良型も噂されていますが、現段階では具体論は出ていません。

アシナガバチさん、みなさんこんにちは^^

配備には依存はないのですが部隊抽出し想定地域へ展開する現状ですと
事実上、想定地域と首都圏以外に備えることができない事に懸念を持ちました

イージス艦8隻体制(稼働6隻中最低でも日本海・太平洋・黄海への展開能力)
最低でも3大都市及び九州への恒常防空体制(可能であれば、沖縄北海道)
が必要なのかなと思います。

>THAAD
前から導入論がありましたが、PAC-3やとF-Xであっぷあっぷの空自が、金と人を食う上にMD専用の代物を現状の予算規模で導入できるかどうかは疑問です
(やっぱりBMD予算を防衛予算と別枠にしてくれないですかねえ・・・導入決定当初はその予定だった筈なんですが・・・)
場合によっては03式の改良型(あるいは後継)にBMD能力を付与してBMD/広域防空部隊としてを陸の高射特科(の一部)と空の高射隊を統合する可能性も考えられるかと
今のところは陸、空共に自前の防空能力を手放したくないとは思いますが・・・

>イージス艦
今年度予算でやっとあたご型のBMD改修が行われるみたいですが、しばらくはDDGそのものの建造が無いようです(A.バーク級フライトⅢ待ちみたいですが)

他所でも話題になっていましたが、自分としては前々から指摘されている輸送能力の低さをいい加減改善する必要があると思います
22DDHでは一応その辺を考慮している様でしたが、やはり専任艦は必要でしょう

2S19さん

予算も制約がありますから実際、PAC-3や03式の改良型でMDを兼ねるのが現実的でしょうね
本土はある程度広域移動が容易ですので、沖縄離島防衛に特化した部隊を新設するのも一つの選択肢に思います(予算が問題ですけどね)

イージス艦については、3/4稼働の原則で日本海1、黄海1、太平洋2配備がぎりぎりできる数ですから早期に整備して欲しいですね

輸送能力不足も深刻ですよね
経済政策をかねて

輸送艦(専用)
輸送機

を整備するチャンスだと思います。

今更ながら気がついたのですが・・・
南側に撃ったのは将来的に軍事衛星を撃つつもりだったんでしょうね(^^;

我ながらあまりのニブサに恥ずかしい(^^;

Roko氏
こんばんは。私も同じ懸念を抱きましたが、財政的な理由と人員の都合から難しいと思います。
SM-3とPAC-3は既に日本がイージス艦やパトリオットを保有していましたので、最低限の予算で整備する事が可能でした。ここにTHAADを導入しますと、ハードのみの導入に留まらず、新たに部隊を新設しなくてはなりません。
>沖縄防衛特化
今後はその方向です。
>衛星
北朝鮮に衛星を製造するだけの技術力があるかは甚だ疑問です。
2S19氏
統合運用は検討中ですが、陸自は自前の野戦防空を捨てることはしないでしょうね。
輸送に関しましては「おおすみ」型や民間輸送船への搭載が行われていましたね。予算不足の昨今に於きましては、民間輸送船のチャーターも積極的に検討するべきかもしれません。

アシナガバチさん、こんにちは

>MD及びTHAAD

2S19さんへのコメントにも書きましたがTHAADを導入までは想定していません
むろん、予算と人員の都合がつけば欲しいところではありますが、それにより03式などの配備が遅れるならば本末転倒ですしね。

現実的には既存の防空と併用できる
PAC-3や03式の改良型でMDを兼ねる路線で一つずつ整備していくしかないように思います。
集中展開をおこなえば、MDだけではなく防空の穴も発生するわけでですしね

その上で部隊の展開を考えると、

(MDを含む)広域防空展開:陸上自衛隊
(MDを含む)重要拠点防衛:航空自衛隊

といった棲み分けができるのが良いように思います。

もっとも、03式の配備もあまり進んでいませんし道のりは長いと思いますが・・・

>衛星

現状、北朝鮮の水準を見ていますと

1.衛星を打ち上げる技術水準
2.衛星を軌道にのせる技術水準
3.衛星を運用する技術水準
4.軍事衛星を製造する技術水準

どれも不足しているように思います。
その上で、打ち上げ方向から将来的に

「軍事衛星」

を視野に入れているのかなと考えました。
かの国が何を見据えているのかを考えることは無駄じゃないですから

「できない」

と断定するより

「できるかもしれない」

として対処するのがちょうど良いようにおもいます

みなさんおはようございます。
ターミナルフェーズ用の迎撃ミサイルですが、PAC-3だけでなくSM-6も既に低率量産が始まっております。またはたかぜ型代替艦の建造も既に予算上の検討が行われております。

将来的に海自はSM-2に代わってこれをDDGに搭載するものと思われます。その場合、Roko氏の構想に加え、8隻のSM-6搭載艦をターミナルフェーズ防衛へと組み込むことが可能となります。

(MDを含む)広域防空展開:陸上自衛隊
(MDを含む)重要拠点防衛:航空自衛隊
(MDを含む)海上機動展開:海上自衛隊(ミッドフェーズ兼任)

SM-6取得の利点は以下の2点です。

1.離島などへの展開にあたって輸送艦・輸送機の支援を必要としない
2.既にイージス艦を保有しているので最低限の投資で戦力化が可能
3.射程が長い(~200km)

特に2は、Roko氏のご指摘のとおり輸送能力の不足すること甚だしい自衛隊にとって、大きなメリットとなります。ターミナルフェーズ強化のためには、こちらの取得を優先するべきではないかと。

RoKo氏
こんばんは。
>(MDを含む)広域防空展開:陸上自衛隊、(MDを含む)重要拠点防衛:航空自衛隊
昔は空自の装備は長距離のナイキで、中・短距離を陸自のホークが担当していましたので、その構想ですと役割がいつの間にか逆転ですね。尤もその住み分けは最早当てはまらないと思いますが。
その一方で空自のPAC-2後継の動向は目が離せませんね。

>衛星
まず彼等の今回の発射の目的自体が衛星打ち上げではなかったと思われます。日本を飛び越えるコースを選択した場合は、特に米国に対する刺激が強すぎる為に、そこを考慮した可能性があります。

>名無し様
こんばんは。北朝鮮が挑発を続ける場合は、日本側でも一連の挑発行為に対して備える必要性が高まるでしょうね。ただ「はたかぜ型代替艦の建造も既に予算上の検討」の件は既に延命予算が計上されていますので、その関係を考慮する必要があると思います。
SM-6取得はMDに止まらず、巡航ミサイル対策も兼ねて導入すべきであると私も考えます。

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