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2012年5月28日 (月)

米国海兵隊のケースレス弾開発に思う課題

Dsc02748(上の写真は筆者の友人であるDagger_zero、天山氏により撮影の陸自のMINIMI 本人の承諾を得て掲載 クリックで画像拡大 薬莢袋が見える ) 

 2012年05月21日(月)08:20:03EDTのMarine CorpsTimesに"Caseless ammo could cut 25lbs. from gear(ケースレス弾が装備の25ポンドの軽減化を可能に)"との興味深い記事が掲載されました。下記にその記事の一部を抜粋し翻訳します。(筆者注:1ポンド=0.45359237Kg, 25ポンド=11.33980925Kg)

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The Marine Corps and Army are developing new caseless and case-telescoped ammunition that, when partnered with a new light machine gun also in development, could significantly cut the burden on troops in combat. And perhaps more significant than that, in the coming years this revolutionary ammo could drive production of the Corps’ next service rifle.
海兵隊と陸軍は新たなケースレス弾とテレスコープ弾を開発しており、同じく開発中の新型軽量機関銃と組み合わせれば、戦闘中の兵士の負担を大幅に軽減できる。そしておそらく更に重要な事であるが、この革新的な弾薬は将来的に海兵隊の次期正式小銃の生産に駆り立てるかもしれない。

Dropping weight
重量軽減
Caseless ammunition, which is free of the heavy brass casings found on traditional cartridges, will allow Marines to carry more rounds or simply shed weight-up to 25 pounds for the typical M249 Squad Automatic Weapon gunner, said George Solhan, the Office of Naval Research’s deputy chief researcher for expeditionary maneuver warfare.Some of the ammo and weapon systems now in development could be ready for action in just a year or two, according to researchers.
ケースレス弾は伝統的な薬莢に見られる真鍮製ケースがなく、海兵隊により多くの弾薬を携帯可能とするか、単純に典型的なM249分隊自動火器射手から25ポンドまでの重量を軽量化 すると海軍研究事務所のGeorge Solhan遠征機動戦研究副主任は述べた。研究者によると現在開発中の幾つかの弾薬や兵器は一年か二年で実用化されるかもしれない。

M249: 51.3 pounds when fully loaded with 1,000 rounds of linked ammo — 17.5 pounds for the weapon, 33.8 pounds for the ammo.
M249: 1000発の弾帯で満載された時は51.3ポンド-本体で17.5ポンド、弾薬で33.8ポンド
( 筆者注:51.3ポンド=23.269288581Kg、17.5ポンド=7.937866475Kg、33.8ポンド=15.331422106Kg )

Marine upgrade: 26.9 pounds — 9.9 pounds for weapon, 17 pounds for ammo.
海兵隊改良:26.9ポンド-本体で9.9ポンド、弾薬で17ポンド
( 筆者注:26.9ポンド=12.201634753Kg、9.9ポンド=4.490564463Kg、17ポンド=7.71107029Kg )

Army upgrade: 30.6 pounds — 9.4 pounds for weapon, 21.2 pounds for ammo.
陸軍改良:30.6ポンド-本体で9.4ポンド、弾薬で21.2ポンド
( 筆者注:30.6ポンド=13.879926522Kg、9.4ポンド=4.263768278000001Kg、21.2ポンド=9.616158244000001Kg)

The associated cost and effort has caused many to give pause. And while Solhan acknowledges that pushback, he dismisses it as shortsighted given the potential payoff for infantrymen.
関連の費用と努力が多くの関係者を躊躇わせた。Solhan遠征機動戦研究副主任はその後退を認知しているが、歩兵にとっての利点を考慮すればそれは短絡的であると退けた。

“For the cost of a couple of current-generation jet fighters,” he said, “you could do that for the entire Army and Marine Corps.”
「二機の現世代戦闘機の価格で、陸軍と海兵隊全体にそうすることが出来る」と彼は述べた。

Here, the Marine Corps and Army are working on separate scales. The Army is further along in developing what are known as case-telescoped 5.56mm rounds, which use a polymer cylinder that entirely encases the bullet and propellant, and pose fewer technical challenges than caseless ammo.
これに関しては、海兵隊と陸軍は異なったスケールで作業している。陸軍は弾丸と推進剤を完全に包み込むポリマー円管を使用し、ケースレス弾よりも技術的課題の少ないテレスコープ式5.56mm弾として知られている物の開発で先行している。

What the Corps wants
海兵隊が望むもの

The Marine Corps’ approach — calling for caseless rather than case telescoped — is more extreme and will take several years to refine, according to Paul Shipley, program manager for Textron Systems’ Lightweight Small Arms Technologies project. A thousand rounds weigh just 17 pounds — half the load of standard 5.56mm rounds used by SAW gunners now.
テキストロンシステム社の軽量小火器技術プロジェクトのPaul Shipleyプログラム部長によると海兵隊のアプローチ-テレスコープ弾よりもケースレスを要求しており-は更に極端で清廉するのに数年間は要するであろう。1000発あ17ポンドの重量であり、現在のSAW射手により使われている標準の5.56mm弾の半分の重量である

The entire round is fed into the chamber, and upon ignition the primers and propellant case are consumed, leaving nothing to be ejected. The ballistic qualities of the bullet in flight are nearly identical to current cartridges, and the new rounds are in fact safer because they are less likely to explode when exposed to fire, developers say. That, paired with an innovative mechanism known as a “rotating chamber” pioneered by Heckler & Koch in the 1980s, makes for a highly reliable machine gun that should help eliminate failures, according to designers.
弾全体が薬室に供給されて、雷管と推進剤の発火に伴い包は消費されて、何も排莢されない。開発者によると、弾丸の飛行中の弾道の質は現行のカートリッジとほぼ同一であり、火に晒されても暴発の可能性を低くしており、新型弾は事実上より安全である。それに、1980年代にヘッケラー&コッホ社により開発された「回転式薬室」として知られる革新的な構造と組み合わされ、不具合の除去の助けとなる信頼性の高い機関銃となるであろうと開発者はしている。

The rotating chamber moves in line with a feed tray above the barrel. A belt-fed round is rammed in and the chamber swings down, in line with the barrel, before being fired. The chamber then oscillates in front of the belt to accept another round. If a chambered round fails to fire, the following round will simply push it out the front of the chamber, ejecting it. The gun continues to fire without missing a beat, Shipley said.
回転式薬室は銃身の上にあるフィードトレーと一致して作動する。発射前にベルト給弾が装填され薬室がスイングし、銃身と一致する。更なる弾を受け入れる為に薬室はそれからベルトの前に回る。薬室内の弾が発射失敗した場合は、後続の弾が薬室の前に単純に押し出し、排出する。銃はテンポを乱すことなく発射し続けるであろうとShipley氏は述べた。

(引用及び翻訳終了)
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 最後の機構に関する説明が分かり難かったと思われますが、WikipediaのG11の項目に理解を助ける写真と図が掲載されていました。1280pxg11_schnittmodell(上の写真はWikipediaよりG11の断面写真 2009年8月26日にBojoe氏が撮影 銃身の上に弾倉があるのが分かる クリックで写真拡大)

Evers_hk_g11_feed
(上の画像はWikipediaよりG11の装弾機構 2008年3月22日にEvers氏が製図 クリックで画像拡大)

 そして下の画像はDTIC(アメリカ国防技術情報センター)が配布しているケースレス弾に関するPDF資料からケースレス弾の図面です(クリックで画像拡大)。556_mm_caseless_ammunition_concept
そしてこの動画はYouTubeに投稿された新型軽量機関銃の動画です。

 この記事に巻する私の第一印象ですが、確かにこれ程の大幅な軽量化されました場合は兵士の負担の大幅な軽減化となりますが、将来的にこの弾薬が正式小銃にまで普及した場合の自衛隊にどの様な影響を与えるかが気になりました。

 またこの新型弾薬を研究している部門が"expeditionary maneuver warfare"(遠征機動戦)研究部門である件も何故この部門なのかが個人的にはやや気になる部分です(ドクトリンの関係)。

 この記事によりますと「将来的に海兵隊の次期正式小銃の生産に駆り立てるかもしれない」との事ですから、そうしますと同じ米軍で陸軍はテレスコープ弾で海兵隊がケースレス弾の二方式が併存するのは望ましいことではなく、やがて一つに収斂していく可能性も高いと思われます。

 もしそれが正式小銃まで普及しなくとも新型軽量機関銃の弾薬となった場合も若干の影響があるかもしれません。

 まず自衛隊としましては最大の同盟国の弾薬がそうなりました場合は、自衛隊としましてもそれに対応する必要にも迫られるでしょう。そうしますと新たな小銃の開発も必要となります。それは技術力、納期(開発期間と普及の両方の意味合いで)、財政的負担(米国とは製造基盤も生産ロットも異なり、戦闘機二機分とはいかないかもしれません)、弾薬の備蓄、新方式移行に伴う教育体制など課題はかなり多いと考えられるのです。尤もこれは米国の同盟国全てに言えるでしょう。

 しかしケースレス弾となった場合は薬莢袋も薬莢拾いも不要となりますので、軽量化と合わせて考えますと隊員の負担の大幅な軽減となります。Dsc02836(上の写真は筆者の友人であるDagger_zero、天山氏により撮影のMINIMIや89式小銃を構えている陸自隊員 本人の承諾を得て掲載 クリックで画像拡大 薬莢袋が見える ) 

 その一方で、ケースレス弾開発自体に課題がない訳ではなく、通常なら薬莢と共に排出される発射熱が薬室内に蓄積されて暴発を引き起こすコックオフ現象など諸課題もあり、また元記事では従来型と弾道が変わらないとしていますが、その信頼性を如何に獲得していくのかとの根本的な課題があります。従来型の薬莢は発射の圧を前方に向くように薬莢自体がシールしており、テレスコープ弾も外装筒が同じ役割を果たします。しかしケースレス弾は薬莢がないので、圧を前方に向けるシールをする事が出来ません。その課題も技術者は解決しなくてはならない旨が元記事には記載がありました。

 更に米国の厳しい財政事情を考えましても、この計画は先送りされる可能性もあります。そうしますとまだ当面は先の話かもしれませんが、こういった動向がある事を踏まえて今後の方向性を考える必要もあるのかもしれません。Dsc027051 (上の写真は筆者の友人であるDagger_zero、天山氏により撮影の89式小銃を装備の陸自隊員 本人の承諾を得て掲載 89式は現在改良型が開発中 クリックで画像拡大 )

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コメント

先日の記事の件拝見させて頂きました、対処に困るお方だったようで本当にお疲れ様でした。

今回の記事の件ですが、もしかして防衛省内で既にこうした弾薬の差分化について察知している部分があったのではという気がします。
例えば技本で研究されていたテレスコープ弾もそうで、現行のNATO規格以外の弾薬の発生の可能性を考慮した上での研究であったのかなぁとか気になります。
しかし小銃用のケースレス弾やテレスコープ弾が新たに研究されているとは初耳でしたね、G11以降もうこれは廃案になるのかと思いきや…w

ところで写真提供の件ですが私なんかの写真を使用して頂き本当にありがとうございます!
これからも必要な写真が御座いましたら撮影している対象であれば出来うる限り協力していく方針ですのでこれからもどうぞ宜しくお願い致します。

今回はかなり興味深い記事でした。
米軍がケースレス弾を研究していてそれをSAWに使わせるとの事ですが、私は冷却の心配をします。真鍮の薬莢は燃焼時の熱を貰い外に出す事で冷却の役割もしていると聞きます。大量の弾を出す事が目的のSAWでは機関部などか大量の熱量を受けるなどして変型の危険性がてで来るのではないでしょうか?ケースレス弾の開発は出来そうですが銃器の開発は難航しそうに思えます。

天山様
近接戦闘車で採用予定の模様ですね。
http://www.mod.go.jp/j/approach/hyouka/seisaku/results/17/jizen/honbun/04.pdf
http://www.mod.go.jp/j/approach/hyouka/seisaku/results/22/jigo/honbun/22jigo-10-2kinnsetusenntousya.pdf
米国での開発の先行きは分かりませんが、注目していきたいですね。
>「私なんかの写真を使用して頂き本当にありがとうございます!」
とんでもございません。とても迫力のある写真のご提供有難うございます。今後とも宜しくお願いします。また飲みにでもいきましょう。

フラケ様
弾薬もそうなのですが、銃本体の開発もポイントになる旨は仰せの通りだと考えます。耐熱性に優れた素材を使用するとしましても、価格面の問題もあると思います。

熱の問題は寒冷地(冬季のロシア、北ヨーロッパ諸国、北朝鮮等)でより重要になるのではないでしょうか。

ケースレス弾と銃器の熱膨張率の違いによりシール効果が減少したり、機関部に故障が起きやすくなったりするのではないでしょうか。
また、朝鮮戦争の時のように厳冬期に弾薬の異常爆発が起きたりする可能性も考えられます。
自衛隊で採用が可能だとしても、本州ならともかく北ではどうなのでしょうね。

また値段にしても、かなり高価にならざるを得ないのではないでしょうか。
ですから海兵隊だけならともかく、それ以外(同盟国含む)での採用は難しいのではないでしょうか。

国防予算の大幅削減のおり、海兵隊への減勢圧力はもしかしたら陸軍へのそれよりも強いものがあるかもしれません。

強襲的な上陸作戦があまり見込めなくなってきた(最後はソマリアでしたか?)現在、陸軍との差別化はわかりやすい形で示されることが求められていると思います。

弾薬も含めて装備の軽量化は、相対的に携行数を増大させるとすれば展開初期の継戦能力の強化にもつながるでしょうから、即応部隊としての海兵隊の存在価値をより高めるのではないでしょうか。

かなり大袈裟で穿った見方になりますが、この開発計画はみなさんがご指摘のように技術上の困難さや不透明性を内包しているのでしょうけれども、海兵隊そのものの生き残りをかけるものであるように思います。

6.8×43mmSPC弾も宙ぶらりんの中で、果たして上手くいくかは疑問ですね。先送りでその内消滅しかねませんね。G11は先走りし過ぎましたが、ケースレス弾の欠点も炙り出してくれた訳で。

読者の皆様、コメント返信が遅くなり誠に申し訳ありませんでした。

みやとん様
冬季は勿論のこと、夏季、砂漠、高温多湿地域、塩害、様々な環境に対応出来る弾薬/銃本体の開発が要求されると思われます。また日本の場合は正式小銃は国産ですから、その技術の構築は困難を極めると思われます。

まりゅー様
エア・シーバトルが今後の米軍の柱となる中で、今後の海兵隊の役割は増すと考えられます。携行弾薬数を増やす事も出来ますし、又は軽量化により個々人の負担を軽減する、いずれにしましても機動性と言いますか、継続性の向上に繋がりますね。

キンタ様
新型弾薬は新型の小銃の開発も必須になりますので、なかなか思い切ることは難しいでしょうね。

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