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2012年5月20日 (日)

フィリピンが日本から巡視船を10隻、先進国から新戦闘機導入検討か

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(上の写真は筆者がある時に某所で撮影の海上保安庁巡視船「しきしま」 クリックで画像拡大)

 フィリピンが日本から巡視船10隻を導入する方針との興味深い報道がありました。 これを報じましたのはINQUIRER.netの2012年05月18日(金)19:36の記事"Philippines to receive 10 new patrol ships from Japan(フィリピンが日本から10隻の新しい警備艇を導入へ)"です 。

 INQUIRER.netとはフィリピンの英字新聞であるThe Philippine Daily Inquirer社のウェプページのことであり、同社の公式ホームページによりますと"With over 2.7 million nationwide readers daily, it enjoys a market share of over 50% and tops the readership surveys. (一日に270万人以上の読者がおり、市場シェアでは50%を超えて、発行部数調査によると最大である)"と主張しています。

 今回のこの報道はフィリピンのVoltaire Gazmin国防相とフィリピン沿岸警備隊Edmund Tan 副提督のコメントがソースです。従いまして信憑性はある程度はあります。 またアメリカ太平洋軍の公式Twitterアカウントで日本時間の2012年05月19日(土)午前08:35:11でつぶやいており、米軍も注目している模様です(下の画像はそのつぶやき クリックで拡大)。Uspacificcommand201205190835 下記にその記事の一部を抜粋し翻訳します。
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The Philippines is acquiring 10 brand new patrol ships from Japan to boost the country’s territorial defense in the West Philippine Sea.
西フィリピン海(南シナ海のフィリピンの公式名称)のフィリピンの領海防衛を増強する為に、フィリピンは10隻の新品の巡視船を日本から導入する。

“Japan is offering assistance [to boost] our maritime capability,” Defense Secretary Voltaire Gazmin told reporters in a phone interview.
「日本は我々の海洋に於ける能力を(強化する為に)援助する提案をしている」とVoltaire Gazmin国防相は電話でのインタビューで記者団に告げた。

Vice Admiral Edmund Tan of the Philippine Coast Guard said the patrol ships will be used by the PCG.
フィリピン沿岸警備隊のEdmund Tan副提督は巡視船がフィリピン沿岸警備隊により運用されることとなると述べた。

Asked when the ships would arrive in the Philippines, Tan said it would depend on the “processing” of the papers.
巡視船がフィリピンにいつ納入されるかとの質問には、Tan副提督は書類の「進捗状況」によると述べた。

The Japanese embassy in the Philippines on Thursday, however,  said Tokyo has “not yet officially decided” if it would provide patrol vessels to Manila.
木曜日にフィリピンの日本大使館は、しかしながら、フィリピン政府に巡視艇を提供するか日本政府は「公式にはまだ決定していない」と述べた。

(引用及び翻訳終了)
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 この話は以前から日本国内や韓国では報じられてはいました。

「政府開発援助:フィリピンに巡視艇供与を検討(第1頁)」(2012年03月22日 21時26分 毎日新聞)
「政府開発援助:フィリピンに巡視艇供与を検討(第2頁)」(2012年03月22日 21時26分 毎日新聞)

「比に巡視艇供与を検討=5月にも調査団-政府」(2012年03月23日(金)16:10 時事通信)

「日本、フィリピンに1000トン級巡視艇供与へ…南中国海領有権紛争に対応」(2012年03月23日09時18分  中央日報)

「戦略的ODA 南沙の海保力支援 比などに船艇、中国牽制」(2012年04月29日08時15分 産経新聞)

これらの報道によりますと

日本政府が5月にフィリピンに調査団を派遣(時事通信産経新聞
この調査団はJICA(毎日新聞産経新聞
供与はODAの一環として行う(毎日新聞時事通信中央日報産経新聞
今回のODAは原則としてフィリピンから日本へ返済が必要な円借款にて行う(毎日新聞中央日報産経新聞
フィリピンは日本に対し、1000トン級巡視艇2隻、180トン級小型巡視艇10隻の支援を要請した(中央日報
2011年12月の武器輸出三原則緩和により、今回の貸与が可能となった(毎日新聞時事通信中央日報産経新聞

としています。(下はJICA公式ホームページの「円借款の概要」より円借款の流れの図)

Photo 

ODA、円借款にて行いますのは、フィリピンの国力(経済力)の問題によるものです。

名目GDP(USドル)の推移(1980~2012年) - 世界経済のネタ帳

毎日新聞の記事に記載されています2012年3月7日(水)の日本・フィリピン外務・防衛当局間(PM)協議は開催された旨が防衛省の公式発表及び外務省の公式発表に掲載されていますが、内容に関しましては言及がありません。2012年3月23日(金)の日・フィリピン次官級戦略対話に関しましても同様で、開催された事実のみだけが日本国外務省の公式発表で確認できます。内容は掲載されていません。

 まず注目に値する事ですが、INQUIRER.netの報道では"brand new"(新型)となっていますので海上保安庁の中古ではなく、新たに建造するということです。

10隻となっていますが、もし中央日報の報道が正しいとしますと、この10隻とは180トン級のことであり、そうだとしますとびざん型巡視船(目標追尾型遠隔操縦機能付き20mm多銃身機関砲を装備、速力35ノット、航続距離600海里、乗員15名)ではないかと思われます。
(下の写真はWikipediaよりびざん型巡視船のPS08「かりば」 著作権はPublic Domain クリックで拡大)800pxjapan_coast_guard_ps08_kariba

 そしてこれは時事通信社公式アカウントがYouTubeに投稿したびざん型巡視船の紹介動画です。 

 しかしそれを報じているのが中央日報だけであり、ソースが不明であり、そもそも現段階では詳細を詰めている段階(時事通信毎日新聞)であることを考慮しますと、この中央日報の報道の信憑性は低いかもしれません。

 Tan副提督が書類の「進捗状況」により日本からフィリピンへの巡視艇の納入状況が変わるとしていますのは、フィリピン政府内の承認だけではなく、毎日新聞の記事にもあります(1)目的外使用しない(2)供与した巡視艇を第三国に渡さないことを定めた合意文書を作成する方向である為なのかもしれません。

「『防衛装備品等の海外移転に関する基準』についての内閣官房長官談話」平成二十三年十二月二十七日(PDF)にはこうあります。

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「国際平和協力、国際緊急援助、人道支援、国際テロ・海賊問題への対処等を効果的に行うことが各国に求められており、(中略)こうした平和貢献・国際協力への取組に、より積極的・効果的に取り組んでいく必要がある。」

「平和貢献・国際協力に伴う案件については、防衛装備品等の海外への移転を可能とすることとし、その際、相手国政府への防衛装備品等の供与は、我が国政府と相手国政府との間で取り決める枠組みにおいて、我が国政府による事前同意なく、①当該防衛装備品等が当該枠組みで定められた事業の実施以外の目的に使用されること(以下「目的外使用」という。)及び②当該防衛装備品等が第三国に移転されること(以下「第三国移転」という。)がないことが担保されるなど厳格な管理が行われることを前提として行うこととする。

(引用終了)
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 この「目的外使用しない」の「目的」の定義付けも検討が必要となってきます。また教育やメンテナンス等のバックアップ体制も必須となるのは当然でしょう。政治的には中国へのけん制があると思われます。しかし平和目的であるとするならば、純粋に巡視船としての用途、即ち海賊・不審船対処、領海警備での使用に留まります。そもそも20mm機関砲一門の武装で中国海軍に対抗出来るものではありませんので、軍事的には余り重要な意味はありません。しかし、違法操業の中国漁船/それを装った工作船程度であれば十分に対処可能であり、また最も重要な点ですが政治的には意味合いがあると言えるでしょう。また巡視船の建造数が増え、メーカーにはそれは商機であり、日本の海上保安庁にも調達コストの低減に繋がります。

 因みに中央日報の記事には、フィリピンはF-16戦闘機の導入を検討しているとありました。しかしそれは中古です。そして最新の情報によりますと中古のF-16戦闘機の導入を見送る可能性が出て来ました。現地のマニラブリテン紙の2012年05月16日(水)の記事"President Mulls Buying New Jets(大統領は新型戦闘機の導入明言せず)"にその旨が報じられていますので下記に引用と翻訳を行います。
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Aquino said that his government had asked to buy secondhand F-16s from the United States, but their maintenance costs could end up being too high because of their age.
政府は米国から中古のF-16の導入を求めたが、老朽化の為にメンテナンスコストが高騰する結果に終わる可能性があるとアキノ大統領は述べた。

"We might end up spending $400 million or $800 million per squadron, and we were thinking of getting two squadrons," he said in an interview with Manila's Bombo Radio.
「1飛行隊につき4億ドルか8億ドルを費やす結果となるかもしれず、我々は2飛行隊の導入を考えていた」と彼はマニラのBomboラジオでのインタビューで述べた。

"We do have an alternative, and — this is a surprise — it seems we have the capacity to buy brand-new, but not from America," Aquino said, without mentioning the aircraft model.
「我々には代替があり、そして-番狂わせだが-我々は新品の導入をする能力があるようであり、しかし米国製ではない」と機体を明言せずにアキノ大統領は述べた。

"These are manufactured by another progressive country that I won't name at this point."
「現段階では言えないが、これらは他の先進国で製造されている。」

(引用及び翻訳終了)
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 中古のF-16を導入しない場合は、米国以外の先進国とありますから恐らく欧州製か韓国製で、そしてフィリピンの経済力も勘案しますと比較的安価な機体になると考えています(あくまで個人的な予想です)。そうだとしますと価格面でユーロファイターやRafaleは難しいと思われます。

 その一方で米国製ではない場合は、有事の際に米軍からパーツの供給を受けられない可能性もあります。こちらも非常に興味深い動向と言えるでしょう。
(下の写真はWikipediaよりSaab JAS 39 Gripen グリペンの単価は6000万ドル程度 チェコ、ハンガリー、南ア、タイも導入している 2007年8月25日, 17:00:35にSorruno氏が写真をFlickrに掲載 クリックで拡大)800pxjas_gripen_a_cropped

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コメント

海保の巡視船って軍用船舶とちがってダメコンがない民間船舶と同じような構造なので政治的なハードルが少ないんでしょうね。しかし、フィリピン沿岸警備隊は詳しくは知りませんが沿岸警備隊は普通、準軍事組織なのですから軍の規格と違う船舶を運用はやりにくそうに思います。フィリピン向けにマイナーチェンジするのでしょうか?

そういえば、US-2の売込みが本格化しそうですね。インドでしたっけ?中国包囲網ではインドは重要ですよね。また、日米豪の演習がありますよね。それも中国牽制の一環でしょうね。フリピンは確か、米沿岸警備隊のカッターをフリゲイトとして中古で導入していましたね。日本の巡視船の導入も技量や、技術力、経済力からすれば妥当な線かなと思います。F-16C/Dの中古がなければ、グリペンも妥当かなと。おそらく、タイ辺りでのサポート体制になるのかなと。

フラケ様
こんにちは。インドネシアに提供しました巡視船は特注仕様である模様です。メーカーは隅田川造船(株)様です。
http://www.sumidagawa.co.jp/newpagessy.htm
2007年10月15日
~インドネシア向け巡視艇完成~
「インドネシア共和国、国家警察本部向けに建造していた27メートル型巡視艇3隻が完成しました。「KP.HAYABUSA」「KP.ANIS MADU」「KP.TAKA」と命名された3隻は11月にインドネシアへ引渡され、マラッカ海峡の海賊対策などに活躍します。」

段取りや詳しい仕様を今は詰めている段階だと思われます。

キンタ様
それ以外としましてはイタリアのM-346や韓国のT-50が有力候補となるかもしれません。フィリピンであれば練習機も含めてパイロットの教育体制が整っていないと思われます。その意味でも攻撃機としても使用可能な練習機は有力な候補となりえます。こういったパイロット育成体制の整備もフィリピンの課題となるでしょう。

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