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2012年8月

2012年8月17日 (金)

2012年8月の一連の竹島・尖閣諸島問題に思うこと

 この数日間で竹島と尖閣に関する日本と近隣諸国の問題が深刻化しました。 まず8月10日に韓国の李明博大統領が竹島に上陸したことから日韓関係が急速に悪化したものです。Dokdo_photo (上の写真はWikipediaより竹島 クリックで画像拡大 撮影者はRachouette, teacher in Seoul, SOUTH KOREA

「疑いなく韓国領土」竹島上陸の李大統領(2012年8月11日00時45分 読売新聞)

 李明博大統領が竹島上陸を強行してから、ロンドンオリンピックでは銅メダルを巡り日韓サッカー戦が行われましたが、試合終了後にも韓国側の不適切な行動が日本側の感情を逆撫でしました。韓国の朴鍾佑(パク・チョンウ)選手が、竹島(韓国名・独島)に関し、ハングルで「独島はわれわれの領土」と書かれたメッセージボードを掲げた問題です。

(これがYouTubeに投稿されたその問題の行動)

 竹島上陸を強行した理由に関しまして、李明博大統領は8月13日の大統領府での姜昌煕(カンチャンヒ)国会議長らとの昼食会で、いわゆる従軍慰安婦問題で進展が見られないことがあったと説明したと一部マスコミが報じました。

竹島上陸、背景に慰安婦問題…韓国大統領が説明(2012年8月14日01時05分 読売新聞)

今回の李明博大統領の竹島上陸の背景に関しまして、2012年08月13日 (月)のNHKの時論公論「竹島上陸 どうなる日韓関係」がより詳しく解説しています。 このNHKの報道には竹島訪問強行の要因として下記二点を列挙しました。

1.去年8月の従軍慰安婦への賠償を求めている人達が韓国政府を相手取って起こしていた裁判で、韓国の憲法裁判所が「韓国政府は解決のための努力をしていない」、「やるべきことをやっていない政府は憲法違反だという決定を下した。この判決をきっかけに韓国政府の対日政策は大きく方向転換した。

2.政権最後の年になって、大統領の兄を始め政権を支えてきた有力者が次々と逮捕されたり、引退に追い込まれた。

 更に状況を悪化させましたのが李大統領が天皇陛下の訪韓の条件としまして「心から謝罪」を要求したことです。

李大統領、天皇陛下の訪韓「心から謝罪」が条件(2012年8月15日00時25分 読売新聞)

読売新聞によりますとこの発言は「李大統領の発言は14日、忠清北道の大学で行われた教員らとの会合の席上であった」としており、公式ソースでは確認出来ませんが、その他の一部報道によりますとその際の表現が極めて不穏当であったとされています。これに対して日本側は強く反発しました。

首脳相互訪問中止も…韓国大統領発言で対抗措置(2012年8月15日21時39分 読売新聞)
野田首相は15日、首相官邸で記者団に対し、大統領の発言を「理解に苦しむ発言で遺憾だ」と批判した。

天皇謝罪要求、安倍元首相「常軌を逸している」(2012年8月14日23時48分 読売新聞) 「常軌を逸している。そもそも天皇陛下が訪韓される環境がない中にあって、大統領の発言はあまりにも礼を失している」と批判した。

政府、韓国政府に対し公式反論の方針確認(2012年8月15日13時09分 読売新聞)
松原国家公安委員長は15日午前、都内の靖国神社で記者団に「礼を失した発言だ。(大統領の)竹島の訪問も含め、一国の最高指導者として適切な行動ではない」公明党の山口代表も、都内で記者団に「李大統領は日本にも理解のある大統領だと思われてきた。どうしてああいう発言をするのか、非常に驚いている」

内閣官房長官記者会見 平成24年8月15日(水)午後 韓国側の天皇陛下等に係る発言について
「我が国政府から韓国政府に対して、天皇陛下の韓国ご訪問について取り上げたことはありません。そのような中、昨14日、李明博韓国大統領が天皇陛下について昨日のような発言をしたことは、先ほど野田総理も申し上げたかと存じますが、理解に苦しむところであり、極めて遺憾であります。」

外務大臣会見記録(平成24年8月15日(水曜日)13時58分~ 於:大臣接見室前)
「我が国政府からは,韓国政府に対して,天皇陛下の韓国ご訪問について取り上げたことはございません。そのような中で,李明博大統領が昨日のような発言をしたということは理解に苦しみますし,極めて遺憾だということであります。以上です。」

 竹島問題が深刻化する一方で、同時進行的に香港の抗議船が中国の領有権を主張する為に尖閣へ出航しました。

香港の抗議船、尖閣へ出航…中国の領有権主張(2012年8月12日22時48分 読売新聞)

8月12日の香港の民間反日団体「保釣行動委員会」によるこの抗議船出港は中国政府がほぼ容認したのではないかとの分析もあります。

香港の尖閣抗議船、中国政府が航海容認?(2012年8月13日19時38分 読売新聞)

 この香港の抗議船は8月15日午後3時51分、日本の領海内に侵入しました。 この香港の民間団体のメンバーのうち7人が尖閣諸島の魚釣島に8月15日17:30頃に上陸しましたが、島に残った5人は沖縄県警により逮捕されたとNHKが報じています。さらに海上保安本部は、魚釣島から離れようとした船を午後6時40分すぎに巡視船2隻で挟み込んで停船させ、船にいた男9人を不法入国の疑いで逮捕しました。

尖閣 領海侵犯で残る9人も逮捕(8月15日 21時25分 NHK)

 尖閣と竹島では全く異なる要因があります。それは日本側が実効支配しているか否かです。現実問題として、根本的に実効支配している国が圧倒的に優位となります。実効支配をしているのであれば、物理的な力で相手国の不法侵入を阻止し、または万が一侵入された場合におきましても、身柄を拘束する事が出来ます。

 逆に我が国が実効支配をしていなければ、たとえ相手国の首脳がその地域を訪問せんとしても、物理的にそれを阻止する事は不可能です。そして奪還するとすれば、軍事力を行使しなくてはならなくなってしまいます。しかし日韓の場合はそれは困難と言えるでしょう。日本は日米安保条約を、韓国は米韓相互防衛条約をそれぞれ米国と締結しており、日韓両国は米国の同盟国であるからです。これが相互に政治的にも軍事的にも抑止力として機能します。また日韓が衝突しますとロシア、中国、北朝鮮がどう動くかも分かりません。

 逆に言えば尖閣と沖ノ鳥はその意味で実効支配を死守しなくてはなりません。その一方で北方領土と竹島に関しても主張は継続すべきと個人的には考えます。そうすれば日本は諦めないとの印象を国際社会に与えられるからと個人的に考えるからです。

 その一方で中国の軍事的脅威は更に高まりつつあります。最近は中国海軍が一部艦艇に巡航ミサイルを搭載し始めている旨が海外の一部メディアにより報じられています。Diplomat誌2012年08月13日記事China’s Growing Long-Range Strike Capability( 中国の長距離攻撃能力の増強)はその一つです。下記にその記事の一部内容の抜粋と翻訳を行います。
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the People’s Liberation Army Navy (PLAN) may be testing a navalized version of the 4,000km-range Dong Hai-10 (DH-10) land-attack cruise missile (LACM), which relies integrated inertial navigation, GPS guidance, terrain contour mapping, and scene-matching terminal-homing to reach its target.
人民解放軍海軍(PLAN)は4000Km射程の東海-10(DH-10)対地攻撃巡航ミサイルの海洋版を試験しており、そしてそれは統合慣性航法装置、GPS誘導、地形差高線地図作成、映像判別最終誘導を目標到達に使用する。

In addition to their long range, accuracy (the DH-10 has a 10m circular error probable), and the difficulty of tracking them, LACMs give a belligerent the ability to launch multidirectional attacks to penetrate enemy air defense networks at a low altitude.
長距離、精密 (DH-10は10Mの平均誤差半径を有する)、そして追跡の困難さに加え、LACMは交戦国に低高度で敵国の防空システムに侵入する為に多方向からの攻撃を発射する能力を付与する。

Andersen Air Force Base on Guam, a key base for U.S. operations in the Asia Pacific, as well as Okinawa, would be appealing targets for a multi-directional LACM offensive, especially as both are said to be severely lacking in air defense and hardening, leaving aircraft and critical infrastructure exposed to a devastating surprise attack.
沖縄と同様にアジア太平洋地域に於ける米国の作戦の主要基地であるグアムのアンダーセン空軍基地は特に両基地とも防空と耐久性に著しく欠けるとされており、多方向からのLACM攻撃の絶好の攻撃目標となりやすく、航空機と重要な設備を壊滅的な奇襲に脆弱性を残す。

“No one, including the U.S., has ringed their countries with enough SAM [surface-to-air] batteries to defend against all the azimuths that a low-flying cruise missile might approach from,” Rear Admiral (Ret) Michael McDevitt, now a senior fellow at the Center for Naval Analyses, told The Diplomat.
「低空を飛行する巡航ミサイルが接近するかもしれない全ての方位に対して、米国を含めてどの国も十分なSAM (地対空)誘導弾部隊を国土に配備していない」と現在では海軍分析センターで上級研究員を務めるMichael McDevitt少将(退役)はDiplomat誌に述べた。

(引用及び翻訳終了)
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 この記事ではDH-10の射程が4000Kmとなっていますが、別の資料では射程を1500Km~2000Kmとしています。

日本周辺国の軍事兵器 livedoorwiki DH-10

また2008年度に米国防総省が発表した資料では2000Km以上との分析です。

ANNUAL REPORT TO CONGRESS Military Power of the People’s Republic of China 2008 (PDF ファイル第56頁)

英語版Wikipediaでは4000Kmとなっています。

 何れにしましても巡航ミサイルを軍艦に搭載することにより、陸上配備型より運用に柔軟性が増し、また更に攻撃可能となる範囲が増すことは間違いがりません。日本は巡航ミサイル対策を更に増強する必要があるかもしれません。

 中期防衛力整備計画(平成23年度~平成27年度)の第4頁には「南西地域において早期警戒機(E-2C)の整備基盤を整備し、常時継続的に運用し得る態勢を確保する」との記述が見受けられます。南西地域のこういった防空体制の強化は喫緊の課題と言えます。

(この動画はNorthrop Grummanの公式アカウントがYouTubeに投稿したE2Dの簡単な説明動画。E2Dは巡航ミサイル対処も重視している。)

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