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2012年10月

2012年10月27日 (土)

JA2012国際航空宇宙展に於ける各メーカー表明事項-後半-国内メーカー動向編

1.はじめに

 前回の記事ではJA2012国際航空宇宙展にて判明しましたボーイング社関連の情報を採り上げました。今回はその他の国内メーカー関連の明らかになった各報道に関して執筆したいと思います。

2.三菱重工とLockheed Martin社の提携について

 私が国際宇宙展開催中に明らかとなった情報で最も興味深いと感じましたのは2012年10月13日0:30の日経新聞の報道「米ロッキード、日本で「F35」修理へ 三菱重工のライン活用」です。(同記事PDF版)

 この記事によりますとLockheed Martin社が「在日米軍向けの修理・維持整備に関しても」、「機体を分解しての修理・整備で、三菱重工業の最終組み立てラインを活用する計画。東アジア地域の米軍だけでも250機程度のF35が配備されるとみられ、国内防衛産業への波及効果」があり、「一部部品のライセンス国産が始まれば、日本企業が製造した部品などを供給してもらうことも視野に」あり、「アジア地域に展開する米軍機の修理・維持整備にも日本がかかわることになれば、部品製造や実際の整備作業にかかわる国内の防衛産業の仕事も大きく増える。」としています。Dscf0403(上の写真は筆者がJA2012会場で撮影の日の丸F-35A模型 クリックで写真拡大)

 その一方でこの記事に関しまして不明であったのはLockheed Martin社の従業員が三菱重工の設備を活用してF-35のメンテナンスを行うのか、それとも三菱重工に修理・整備を委託するのかです。この記事ではどちらとも解釈が出来ます。記事前半ではLockheed Martin社が「三菱重工業の最終組み立てラインを活用する計画」との主旨ですが、後半は「日本がかかわることになれば、部品製造や実際の整備作業にかかわる国内の防衛産業の仕事も大きく増える。」と書かれているのです。

 因みに以前の当ブログの記事「Lockheed Martin社長インタビューに思うこと」2011年11月20日 (日)では日経新聞のインタビューで「F35の日本での組み立てが始まれば、米、イタリアに次ぐ3つ目の組み立て拠点となる」、「武器輸出三原則が緩和された場合、日本で組み立てられたF35が他国に納入されることもあり得る」と述べた旨は紹介しました。

 いずれの場合であっても日本の防衛産業にはマージンが入ることとなり、利益面ではメリットがあると私は考えます。

 三菱重工とLockheed Martin社の提携に関しましては2012年10月10日(水)10:38のFlightglobalの記事"Lockheed Martin working with Mitsubishi on F-35 line (「Lockheed Martin がF-35ラインで三菱と提携」)"にも書かれていますので下記に一部抜粋と翻訳を行います。
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Lockheed Martin is working with Mitsubishi Heavy Industries on a local final assembly and checkout line for the F-35.
Lockheed Martin社は三菱重工とF-35の日本国内に於ける最終アセンブリ及び検品ラインで提携をしている。

The first Japanese-produced F-35 is scheduled to roll off Mitsubishi's Nagoya line in 2017, says John Balderson, director of Japan F-35 business development for Lockheed Martin.
日本で製造された最初のF-35は三菱の名古屋ラインから2017年に出荷される予定であるとLockheed Martin社の日本F-35商業開発部長であるJohn Balderson氏は述べる。

Balderson says a team from Lockheed will be assigned to work with Mitsubishi as it develops its F-35 production capabilities. It will comprise engineers specialising in areas such as tooling, quality and production.
三菱がF-35生産能力を発展させる為に、Lockheed社からのチームが三菱との共同作業に任命される予定だとBalderson氏は述べた。それは機器、品質、そして生産等の分野を専門とする複数の技術者で構成されるであろう

Meanwhile, Lockheed is assisting Mitsubishi in the refurbishment of F-2 fighters that were seriously damaged in the Fukushima earthquake and tsunami of 2011. Footage at the time of the disaster showed several F-2s being washed along the apron at Matsushima air base.
その一方でLockheedは2011年の福島地震と津波で大破したF-2の修理で三菱を援助している。災害時の映像記録では複数のF-2が松島基地のエプロンに沿って流された映像が映っていた。Dscf0404(上の写真はJA2012会場のLockheed Martin社ブースに展示されていた筆者が撮影のF-2A模型 何故かエアインテーク下にスナイパーXRポッドが装着されている。また模型の奥のドアに"F-35 Demonstrator"の表示が見える。このことから会場にF-35のシムが持ち込まれていたと推測出来る。 関係者のみに開示か。クリックで写真拡大)

(下の写真はJA2012会場の三菱重工のブースに展示されていた筆者が撮影のF-2A模型 クリックで拡大)Dscf0430
(引用及び翻訳終了)
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 以前の当ブログの記事「Lockheed Martin社が日本側に生産技術全面開示の意向を表明」(2011年11月 5日 (土))ではフィリップ ジョーガリオ副社長が日刊工業新聞とのインタビューで「日本の技術者を当社工場に受け入れて研修をする。一方、日本の工場に技術者を派遣し、設備導入などを支援する。第1期目の4機は当社で組み立てて納める。2期目から日本での最終組み立てに移行したい」と述べたむねを紹介しました。このFlightglobalの記事で触れられているのはフィリップ ジョーガリオ副社長が述べていた「一方、日本の工場に技術者を派遣し、設備導入などを支援する。」の部分であると思われます。いずれにしましても将来的に日本がアジア地域に於けるF-35Aの一大整備拠点となることは間違いがありません。もし韓国がF-35Aを導入した場合は、三菱重工の拠点にて整備・修理されるのかは興味深いところでしょう。

3.川崎重工のYCX(C-2民間向け)計画

 川崎重工のYCX構想に関しまして2012年10月09日(火)03:16のFlightglobalの記事"Kawasaki seriously exploring commercial potential of C-2 airlifter (川崎が真剣にC-2貨物機の商業潜在性を探求する)"にて報じられていますので、これに関しましても下記に記事本文の一部抜粋と翻訳を行います。
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(下の写真はJA2012会場の川崎重工のブースに展示されていた筆者が撮影のXC-2の模型 クリックで拡大)Dscf0368Kawasaki is consulting potential customers to gauge the level of interest in developing a civilian freighter variant of its C-2 military transport aircraft.
C-2軍用輸送機の民間輸送型の開発への興味の度合いを計る為に、川崎は潜在的な顧客にコンサルティングを実施している 。

(下の写真はJA2012会場の川崎重工のブースに展示されていた筆者が撮影のYCXのイメージ クリックで拡大)Dscf0366The twin-engined YCX would have a maximum takeoff weight of 141t, equivalent to the Airbus A400M, and double that of Lockheed's L-100, the commercial variant of the C-130 tactical transport.
二基エンジンのYCXは最大離陸重量が141tとなり、エアバスA400Mと同等でLockheed社製C-130戦術輸送機の民生用であるL-100の二倍である。

Its cargo hold is 4.29m high, considerably larger than that of commercial cargo aircraft such as the Boeing 747-400F, says Kawasaki.
川崎は同機の貨物室は4.29mであり、ボーイング社製747-400F等の民間輸送機より遥かに大きいとしている。

Sales literature distributed at the Japan Aerospace show in Nagoya indicates that the YCX would be capable of transporting two General Electric GE90 turbofans, a single Sikorsky S-60 helicopter, or other bulky cargo.
名古屋での航空宇宙展で配布された販売パンフレットではYCXは二基のGE90ターボファンかSikorsky S-60ヘリコプターまたは不定形貨物の輸送が可能であると書かれている。

(下の写真はJA2012会場の川崎重工のブースに展示されていた筆者が撮影のYC-Xの模型 クリックで拡大)Dscf0364With a maximum payload of 30t, the YCX would be capable of travelling 3,080nm (5,700km).
最大ペイロードである30tでは、YCXは3,080nm (5,700km)の飛行が可能である。

Kawasaki says feedback from customers has praised the choice of General Electric CF6 engines to power the YCX.
川崎によるとYCXの動力としてGeneral Electric社のCF6エンジンを選定したことへの顧客からの反応は上々であった。

Kawasaki sees demand for up to 100 freighters capable of handling awkward cargoes between 2020 and 2030.
川崎は2020年から2030年の間に不定形貨物の輸送が可能な貨物機の重要は100機と見る。

(引用及び翻訳終了)
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 このFlightglobalの記事では触れられていませんが、ボーイング767や747で実績のあるGeneral Electric社のCF6エンジンを搭載したことにより、巡航速度が890km/hと民間の旅客機とほぼ同等であり、それにより民間の旅客機と同じ高度や航路を活用して目的地への迅速な輸送を可能としています。

 現段階では具体的な引き合いの話はなく、マーケティング段階にあると言えるでしょう。YCXとしての実際の機体がなく、大きな実績もまだありませんので、そこは官公庁サイドで実績を作りサポートする必要性があるのかもしれません。

4.新明和工業(株)製US-2

Dscf0422(上の写真はJA2012会場の新明和のブースに展示されていた筆者が撮影のUS-2の模型 クリックで拡大)

次は実績があり、具体的な引き合いもあるトピックです。これに関しましてもFLightglobalに記事が掲載されていました。2012年10月09日(火)10:32の記事"ShinMaywa looks to India for US-2 amphibian sales(新明和がUS-2飛行艇販売でインドに注目)"です。下はその記事の内容一部抜粋と翻訳となります。
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Japanese airframer ShinMaywa is confident Japan will order a sixth US-2 amphibious search and rescue (SAR) aircraft within the next two years, and is optimistic about the type's chances in an Indian navy requirement for nine amphibious aircraft.
日本の機体メーカーである新明和は日本が6機目のUS-2救難(SAR)飛行艇を二年以内に発注する事に自信があり、インド海軍の9機の飛行挺の要求に同機が選定される可能性に楽観的である。

In January 2012, New Delhi issued a request for information for nine amphibious SAR aircraft. India's requirement could eventually be expanded to total 18 aircraft.
2012年1月にインド政府は9機のSAR飛行艇導入の為の情報要請を発令した。インドの必要数はやがて計18機まで増加する可能性がある。

Ishimaru says the US-2 is uniquely suited to flying long-range SAR missions in support of military operations. Powered by four Rolls-Royce AE2100J turboprops - the same powerplant used by the Lockheed Martin C-130J tactical transport already operated by the Indian air force - the Japanese type has a maximum range of 2,540nm (4,700km) and can take off and land in 3m (10ft) swells.
(新明和の航空機部門責任者である)石丸氏によると、US-2は軍事作戦の支援に於いて長距離SAR飛行に特化している比類のなき程に適していると述べる。既にインド空軍により運用されているLockheed Martin社製のC-130J戦術輸送機と同じ動力装置である四基のロールスロイス社製AE2100Jターボプロップエンジンにより駆動されている同機種は、最大で2,540nm (4,700km) の航続距離を有し、3m(10ft)の波で離着陸が可能である。

Dscf0427(上の写真はJA2012会場の新明和のブースで放映されていた筆者が撮影のUS-2の東京からの航続距離の画像 クリックで拡大)

(下の写真はJA2012会場の新明和のブースで展示されていた筆者が撮影のUS-2の特徴やスペックの解説 クリックで拡大)Dscf0420

In addition to its 11-man crew, the US-2 can carry 11 passengers. In pure troop-transport configuration it can carry 30 fully-equipped soldiers.
11人の乗員に加えて、US-2は11人の乗客輸送が可能である。部隊輸送仕様の場合は30人の完全武装の兵士を輸送可能である。

(引用及び翻訳終了)
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 US-2のインドへの輸出に関しましては以前にも当ブログにて記事を執筆したことがありました。

「海自飛行艇を民間転用、インド輸出想定 防衛省承認へ」2011年7月 6日 (水)

 この時はインド輸出の具体的な機数は分かりませんでしたが、今回のこのFlightglobalの記事で9機から18機であることが新たに判明しました。また海外ユーザー納入後のサポート体制に関しまして下の様な掲示に「パケージ型インフラ輸出」との記載がありましたがその具体的な内容は判然としません(左下にバリエーションによる航続距離の違いが明記されていることにも注意 消防飛行艇の場合は燃料タンクを8区画の水タンク(15t)に変換している為、航続距離が2300Kmとなる クリックで写真拡大)Dscf0421(下の表は新明和の公式ホームページよりUS-2とライバル機種との比較

Us2_cl415_and_be200国内需要を含めましても販売機数は二桁程度でしょうか。

5.さいごに

 YCXとUS-2に関しましては海外輸出の大口需要が見込めるという訳ではないかもしれません。それはこれらの機首のニーズが一部の特殊な用途に留まる為であると考えられます。しかし、これらの特殊な用途から少しずつ実績と経験を築いていくことは可能であり、また現実的な選択肢なのかもしれません。

2012年10月20日 (土)

JA2012国際航空宇宙展に於ける各メーカー表明事項-前半-ボーイング社編

 当ブログの読者の方々には名古屋にて2012年10月 9日(火)~14日(日)に開催されましたJA2012国際航空宇宙展に行かれた方も少なくないのではないでしょうか。開催中には名古屋から航空機関連のニュースが多く発信されました。記事を二つに分けてそれらのニュースをご紹介したいと思います。今日の記事はボーイング社関連の情報をお伝えします。

 ボーイングは今後も日本の防衛市場には潜在的需要が見込めると考えている模様です。その旨がFlightglobal Defenceの2012年10月09日11:49付けの記事"Boeing eyes long-term prospects in Japan’s tough defence market(ボーイング社が日本の厳しい防衛市場の中長期的視野を見通す)"にて報じられていますので、下記に一部抜粋と翻訳を行います。

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One potential area is with tankers, says Jim Armington, Boeing Defense, Space & Security vice-president business development Japan. He says Tokyo's four KC-767s are a "critical asset" that is "stretched thin".
潜在的需要分野の一つは空中給油機であるとボーイング防衛・宇宙・安全保障部門副社長日本事業開拓のJim Armington氏は述べた。彼は日本の四機のKC-767は必須の資産であると同時に「手一杯」であると言う。

While Tokyo has issued no formal requirement for additional tankers, Armington says there could be potential to offer the KC-46 that Boeing is developing for the US Air Force. Any requirement could amount to four to eight aircraft, he adds.
日本政府は追加の空中給油機に関する公式要請はしていないが、ボーイング社が米空軍向けに開発中のKC-46を提案可能な潜在需要はあり得るとArmington氏は述べる。Dscf0348(上の写真は筆者がJA2012会場で撮影のボーイングKC-46模型 クリックで写真拡大)

While Japan's force of Boeing F-15s is already undergoing incremental upgrades, there could be scope for substantial additional improvements to the aircraft's sensors, avionics and weapons. One potential upgrade could involve strengthening the fighter's wings, allowing four additional air-to-air missiles to be carried.
日本のF-15勢力は既に段階的な改良を受けているが、機体のセンサー、電子機器、武器に相当な追加の改善を視野に入れることが可能であろう。一つの潜在的な改良は機体の主翼の強化により四発の追加の空対空ミサイルの搭載を可能とすることである。Dscf0353(上の写真は筆者がJA2012会場で撮影のF-15J改良構想模型 クリックで写真拡大)

Armington, a former US Air Force F-15 pilot, says the addition of 50% more missiles would greatly enhance the combat endurance of Japan's aircraft, and be especially useful against potential cruise missile threats. However, he notes that while Boeing has informed the Japanese government of possible upgrade options, it is still only in the "marketing phase".
米空軍の元F-15パイロットであるArmington氏は、ミサイル搭載量の五割の追加は日本の機体の戦闘持続性を大幅に向上させ、潜在的な巡航ミサイルの脅威に対して特に有効であるであろうと述べる。しかしながら、ボーイング社が日本政府に可能な改良オプションを提示したが、まだ「売り込み段階」に過ぎないことを彼は注釈する。F15j(上の写真は筆者がJA2012会場で撮影のF-15J改良構想模型 クリックで写真拡大)

Long-term possibilities also exist for Boeing's 737-based airborne early warning & control (AEW&C) system aircraft, with Armington noting that Tokyo is giving command, control, communications, computers, intelligence, surveillance and reconnaissance needs a high priority. 長期的な需要見込みとしてボーイングの737ベースの早期警戒管制(AEW&C)機もあり、Armington氏によると指揮・統制・通信・コンピューター・情報・監視・偵察の必要性に日本政府は高い優先順位を与えている。E737(上の写真は筆者がJA2012会場で撮影のボーイング737ベースのAEW&C機の模型 クリックで写真拡大)Dscf0352(上の写真は筆者がJA2012会場で撮影のE-767の模型 E-767の能力向上予算が防衛省平成25年度予算概算要求でも計上されている クリックで写真拡大)

There may also be potential to sell Japan UAVs. At the Farnborough air show in July, Boeing unit Insitu announced Tokyo was buying two ScanEagles for land-based maritime missions.Armington says the aircraft will be used for operational evaluations, which could eventually lead to subsequent orders.
 日本にUAVを販売する潜在需要もあるかもしれない。7月のFarnboroughエアショーでボーイング社の一部であるInsitu社は日本政府が二機のScanEaglesを地上発射の海洋偵察用に購入することを発表した。Armington氏は機体が運用評価用に使われ、やがて追加注文に繋がり得ると述べる。Dscf0355(上の写真は筆者がJA2012会場で撮影のScanEagleの模型 クリックで拡大)

(引用及び翻訳終了)
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 初めに言及のあります空中給油機に関してですが、以前に当ブログにてもKC-46A空中給油機を米空軍が選定したことは、空自が空中給油機を追加導入する上で有利となる旨を執筆しました。

「米国KC-X計画ボーイング社選定と日本の空中給油機追加導入の可能性について」(2011年2月27日 (日))

 新空中給油機のKC-46Aは航空自衛隊のKC-767Jと仕様は殆ど変わらず、同じボーイング767-200をベースとしています(コクピットとエンジン等は異なります)。KC-46を導入しますと調達コストを下げる事が可能かもしれません。また米空軍と共通の装備を有することにより運用上のメリットがあるでしょう。

 順番が前後しますが、記事の後半に言及がありますScanEagleに関しましても当ブログにて詳しく執筆したことがありました。

「防衛省、無人機とロボット購入へ 震災教訓、有事投入も」(2011年9月17日 (土))

この動画は米国Boeing社の子会社であるInsitu.Comが制作したScanEagleの説明動画

 2名で運用が可能で発射がカタパルト式で回収もフックで行うことが可能なScanEagleは非常に柔軟な運用が可能と言えるのではないでしょうか。

 KC-46の次に触れられているF-15の改良計画ですが、ボーイング社のこの改修提案は巡航ミサイル対処が喫緊の課題となりつつあるわが国には最適のソリューションと言えるかもしれません。その一方で主翼を強化することに伴う重量増加はどの程度なのでしょう。AAMを追加するとなると、それに加えて更なる重量加算です。それによる後続距離や機動性への影響は如何なるものでしょう。実証試験も必要です。F-15改修に関しましても当ブログで過去に記事を執筆したことがあります。

「米空軍のF-15改良計画に思うこと」(2011年11月25日 (金))

Dsc0156628129
(上の写真は筆者の友人であるDagger_zero、天山氏により撮影のF-15J 本人の承諾を得て掲載 クリックで写真拡大)

米空軍のF-15C/D戦闘機の寿命を9,000時間から18,000時間に延長し、F-15E戦闘爆撃の8000時間の寿命を32,000時間に延長する為の試験をボーイング社は実施している旨をこの過去記事で紹介しました。Flightglobalの2012年8月17日(金) 08:58付けの記事"USAF plans F-15 modernization, but pilots want better displays(米空軍がF-15近代化を計画するが、パイロットはより良いディスプレーを要望する)"にその続報が書かれていますので下記に記事の一部を抜粋し、翻訳します。

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On the two-seat multirole F-15E Strike Eagle, the air force is planning to add the new Raytheon APG-82(V)1 active electronically-scanned array (AESA) radar, a new advanced display core processor II (ADCP II) mission computer, a new electronic warfare system dubbed the Eagle passive/active warning and survivability system (EPAWSS), a digital video recorder, Mode 5 identification friend or foe (IFF), and a joint helmet mounted cueing system (JHMCS) for the front seat, says a senior air force official at the F-15 system program office (SPO) at Robins AFB, Georgia. The aircraft will also receive a series of software block updates.
複座のマルチロール機F-15Eストライクイーグルでは空軍は新型のレイセオンAPG-82(V)1アクティブ電子走査アレイ(AESA)レーダー、新型ディスプレイコアプロセッサII (ADCP II) ミッションコンピューター、イーグルパッシブ/アクティブ警戒生存システム(EPAWSS)、デジタルビデオレコーダ、モード5敵味方識別装置(IFF)、前席の統合ヘルメット装着式目標指定システム(JHMCS)を空軍は追加する計画であるとジョージア州ロビンズ空軍基地にあるF-15システムプログラム部(SPO)の空軍高官は述べる。同機種は連続的なソフトウェアのブロックの向上も受けるであろう。

The air force plans to furnish the single-seat F-15C air superiority fighter fleet with a similar upgrade. The F-15C is already receiving the Raytheon APG-63(V) 3 AESA, but it will also receive the ADCP II, EPAWSS, Mode 5 IFF, a new flight data recorder, a satellite communications (SATCOM) radio, and a new digital video recorder, the F-15 SPO official says. The F-15 will also receive a series of software block updates.
空軍は単座機のF-15C制空戦闘機の編隊も同様の改良を加える計画である。F-15Cは既にレイセオンAPG-63(V) 3 AESAを装備しつつあるが、しかしF-15CにもADCP II、EPAWSS、モード5 IFF、新型フライトレコーダー、衛星通信(SATCOM)無線機、新型デジタルビデオレコーダーが加えられるであろうとSPO関係者は述べる。F-15Cも複数回に亘るソフトウェアブロックの改良を受ける事となる。

Pilots applaud the improved sensors, but point out that without a major overhaul to the aircraft's displays, they will not be able to take full advantage of those new systems. "Those look like great upgrades. The part I see that is lacking is in the displays," says one highly experienced former F-15 pilot. "You have these phenomenal subsystems, but if you can't provide [sensor data] in a meaningful way to the operator, it doesn't matter."
パイロット達はセンサー類の改良を歓迎するが、機体ディスプレイの大幅な改修を無くしては、彼等はこれらの新たなシステムを十分に有効活用することは出来ないであろう。「これらは素晴らしい改修に思える。不足しているのがディスプレイだと私には思える」と熟練の元F-15パイロットの一人は述べる。「これらの驚異的なサブシステムを有したとしても、センサーデータを操縦士に有効な方法に提供出来なければ、意味がない。」

The radar display on the F-15C is particularly problematic. "The F-15C has a phenomenal radar, but the info is displayed on a tiny four by four [inch] scope," the pilot says. Even the F-15E, which has a much more modern glass cockpit, will not be able to fully utilize the information generated by the new sensors without further modernization.
F-15のレーダーディスプレイは特に問題である。「F-15は素晴らしいレーダーを有するが、情報は4×4(インチ)の小さなディスプレイに表示される。」とパイロットは述べる。より近代的なグラスコクピットを有するF-15Eですら、更なる近代改修を行わない限りは新型センサーで収集した情報を十分に活用し得ないであろう。

The USAF also hopes to add an infrared search and track (IRST) capability to the F-15C, which could significantly boost the air-to-air capability of the venerable air superiority fighter. "The IRST program will restart in fiscal year 2015," the official says. But "the F-15E will not receive the IRST" because it is not primarily tasked with air-to-air missions.
米空軍はF-15Cに赤外線捜索追跡(IRST)能力を付与する計画であり、古き制空戦闘機の空戦能力を著しく向上するであろう。「IRSTプログラムは2015年度予算に再開する」と関係者は述べる。しかし「F-15Eは主任務が空戦ではないので」IRSTを受けない。

"Previous F-15E full scale testing successfully demonstrated 16,000 flight hours of operational usage with no catastrophic failures or evidence of life limiting fatigue issues. The current fleet average is approximately 9,000 hours," the official says. "A contract for additional testing was awarded in [fiscal year 2010] to recertify the F-15E structure for service to 2035 based on current/projected flying hours and usage severity." Testing in the Strike Eagle should be completed by September 2015.
「以前のF-15E実物規模試験では重大不具合や寿命制限老朽化問題なしに作戦使用16,000飛行時間を成功裏に実証した。現行の飛行隊の平均は約9000時間である。」と空軍関係者は述べた。「現行の/予想される飛行時間と使用の過酷さに基づき、2035年まで運用する為のF-15Eの構造を再証明する為に追加試験の契約が(2010年度予算で)認められた。」ストライクイーグルに関する試験は2015年9月に完了見込みである。

F-15C full scale testing has already demonstrated 18,000 flight hours of operational usage "with no catastrophic failures or evidence of life limiting fatigue issues. The current fleet average is approximately 8,600 hours," the F-15 SPO official says. The air force awarded a contract for additional testing on the jet in fiscal year 2009 to recertify the F-15C's structure to push its service life out to 2030. That is "based on current/projected flying hours and usage severity," the official says.Testing on the F-15C should be complete by September 2014.
F-15C実物規模試験では既に「重大不具合や寿命制限老朽化問題なし」に作戦使用18,000飛行時間を実証した。「現行の飛行隊の平均は約8600時間である。」とF-15 SPO関係者は述べる。空軍は運用寿命を2030年まで延長する為のF-15Cの構造を再実証する為のF-15Cの追加試験を2009年度予算で契約した。それは「現行の/予想される飛行時間と使用の過酷さに基づく。」と空軍関係者は述べる。F-15Cの試験は2014年9月には完了見込みである。

(引用及び翻訳終了)
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米空軍でのこれらの改修とそれに対するパイロットの反応は示唆に富むものとなっています。イーグルの長期運用が可能であることが実証されたならば、機動性の高い大型双発制空戦闘機は2030年代まで第一線に留まるべきだと私は考えます。 その一方で如何にセンサーや電子機器を改良したとしましても、それは現代戦に通じるグラスコクピットとしなくては無意味であると米空軍のパイロットは感じている模様です。

(下の画像はボーイング社FA-18E Block II公式日本語版カタログ(PDF)より次世代コクピット クリックで画像拡大)

Large_area_displayしかし米空軍としては現段階ではその予定は無い模様ではあります。無論それは予算的制約から来ているのでしょう。 高まりつつある経空脅威を考えますと、日本の防衛産業市場に於けるボーイング社の商機は十分あると言えるでしょう。Dsc0156028129(上の写真は筆者の友人であるDagger_zero、天山氏により撮影のF-15J 本人の承諾を得て掲載 クリックで写真拡大)

この動画はYouTubeに投稿された「F-15J対アグレッサー所属F-15J 模擬空中戦」

 突発的事態が発生しない限りは次の記事ではその他の出展企業が発信した情報に関しまして執筆したいと考えています。

2012年10月12日 (金)

米空軍T-38練習機の後継機に国際共同開発構想?

Dscf0058

(上の写真は筆者にてある日に某所で撮影のT-4練習機, クリックで拡大)

 2012年2月29日 (水)に「T-4後継に必要とされる要素とは」との記事を私は当ブログで執筆し、その中で米空軍がT-38の後継を検討しておりイタリアや韓国や米国メーカーが名乗りを上げていること、米空軍が空中給油や5Gを超える空中機動等がF-35やF-22のパイロット教育に必要であると考えていること、米空軍の練習機選定レースは日本がT-4後継を判断する上で参考材料となる可能性があることを執筆しました。

 米空軍のT-38練習機の後継問題に関連して、マングース氏がブログ「東京の郊外より」で2012年10月03日05:00付けで「米国防省が練習機の国際共同開発推進か!? [米空軍]」との興味深い記事を執筆されています。この記事で関係者がT-38後継の国際共同開発を行う可能性を示唆したとマングース氏は述べています。

 このマングース氏のブログ記事のソースはAirforce magazineの2012年9月24日(月)の記事"Perhaps an Opportunity(恐らくは機会である)"に掲載されていますHeidi Grant空軍次官代理の発言です。

120306fjj904048bio_2

(上の写真は米空軍公式サイトよりHeidi Grant空軍次官代理 米空軍の方針により配布自由) 

下記にその発言の一部抜粋と翻訳を行います。
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Over the past 10 years, 1,500 international students have trained in some version of the T-38?a number that doesn't even include students trained outside the United States, said Grant on Sept. 17 at AFA's Air and Space Conference in National Harbor, Md.
9月17日のメリーランド州ナショナルハーバーでの米空軍協会の航空宇宙会議でGrant氏は過去10年以上に亘り、1500人の海外の学生がT-38で訓練しており、そしてそれは米国外での数を含んでいないと述べた。

But the T-38 will "sooner rather than later" reach the end of its service life, she said. With the Air Force's plans for a T-38 replacement on hold, there may be a chance for the United States and international partners to work together to develop, field, and operate a next-generation trainer, said Grant.
しかしながらT-38は近いうちに寿命の終わりを迎えると彼女は述べた。空軍のT-38後継計画が宙に浮く中で、米国及びパートナー諸国が次世代練習機を開発し、配備し、運用する機会があるかもないとGrant氏は述べた。

She lauded the decades-long relationships developed by nations working together on the F-16 program, and the F-35 has an even more international flavor.
彼女はF-16計画での多国籍での共同作業により培われた数十年に亘る関係を賛美し、F-35はそれすらを上回る国際共同の気配がする。

In time of austere budgets, can the United States and its partners field a program together, more efficiently and more effectively than the United States could alone? "We have proven, over and over, it is possible," said Grant.
厳しい予算の中で、米国のみで行うよりもより効率的にそしてより効果的に、米国とパートナー諸国がプログラムを共同で展開し得る。「幾たびもそれが可能である事を我々は証明した」とGrant氏は述べた。

(引用及び翻訳完了)
------------------------------------------------------------------- 021203o9999g011(上の写真は米空軍公式サイトよりT-38 米空軍の方針により配布自由 クリックで画像拡大)

 まんぐーす氏は日本が武器輸出三原則を緩和したことから、この共同開発に日本が参加を強いられる可能性を指摘しています。しかし私は話はそう単純であるとは考えません。ここで「「防衛装備品等の海外移転に関する基準」についての内閣官房長官談話 平成二十三年十二月二十七日」を再び参考にすることとします。そこには「我が国の安全保障に資する防衛装備品等の国際共同開発・生産に関する案件については、我が国との間で安全保障面での協力関係がありその国との共同開発・生産が我が国の安全保障に資する場合に実施することとし、当該案件への参加国による目的外使用や第三国移転について我が国政府による事前同意を義務付けるなど厳格な管理が行われることを前提として、防衛装備品等の海外への移転を可能とすることとする。」との文言があるのです。

 米空軍の練習機となりますと世界各国に広く輸出される可能性が極めて高いと言えるかもしれません。もしそれが軽攻撃機としての役割を兼ねることが可能な機体であるならば尚更です。そうだとしますと当該案件への参加国による目的外使用や第三国移転について我が国政府による事前同意を義務付ける」との日本政府の方針は制約となる可能性が高いと考えます。

 Heidi Grant空軍次官代理のコメントでF-16とF-35が多国間共同プロジェクトとして言及されています。F-16とF-35はLockheed Martinがプライムコントラクターです。

Lockheed Martin F-16

Lockheed Matin F-35

またLockheed Martinはもう一機種の第五世代戦闘機であるF-22のプライムでもあります。

Lockheed Martin F-22

 以前の記事「T-4後継に必要とされる要素とは」で米空軍が空中給油や5Gを超える空中機動等がF-35やF-22のパイロット教育に必要であると考えていることは既に冒頭で述べました。また韓国が名乗りを上げている事もです。韓国はT-50を米空軍の次期練習機として売り込んでいます。そしてT-50はLockheed Martinも開発に参加しており、Lockheed Martinの公式ホームページに掲載されているのです。

Lockheed Martin T-50

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(上の写真はWikipediaよりT-50の模型 画像のソースは Konflikty.plより クリックで画像拡大)

 そのLockheed MartinのT-50に関するホームページにはこうあります。

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the F-22 Raptor and the F-35 Lightning II – the world’s only 5th Generation Fighters. These modern aircraft require pilot skills that current trainers cannot address. The T-50 delivers a total advanced training system that will bridge the gap between basic flight training and high-performance fighters.
F-22ラプター及びF-35ライトニングIIは世界で唯一の第五世代戦闘機です。これらの新鋭機は現行の練習機では扱えないパイロットの技能を要求します。基礎的な飛行訓練と高性能戦闘機の間にあるギャップを補う総合的な先進訓練システムをT-50は提供します。

(引用及び翻訳終了)
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 Heidi Grant空軍次官代理の「次世代練習機」の要求事項は判然としません。しかし新たな機体を多国籍で共同開発するのであれば、それは大きな商機と言えるでしょう。日本もF-35を導入し、Lockheed MartinとF-2を共同開発しました。

Lockheed Martin F-2

 米国がT-38の後継を必要としているのであれば、それは日本としてチャンスを逃すすべはありません。日本は世界が必要とする先進技術を数多く有しているのです。それを有効活用出来なければ、日本の国際競争力は衰退していくでしょう。

「原発めぐり国際受注競争激化 有望市場のトルコ 後手に回る日本」(2012年8月5日07:00 産経新聞)

<ノーベル賞>医学生理学賞に山中伸弥氏 iPS細胞作成(2012年10月8日(月)18時39分配信 毎日新聞)

2012年10月 7日 (日)

中国の空母と謎の新型ステルス機に関する各専門家の分析

1.はじめに

 9月は中国に於きまして初の空母の就役と謎の新型ステルス機のネット掲載という二つの大きな動きがありました。テレビやネット等に掲載された画像と動画から多数の専門家がこれらに関する分析を試みています。今回の記事ではそれらの分析の紹介です。

2.中国初の空母「遼寧」に関して

 遼寧(リャオニン)とは中国の省の一つの名前で、位置は下の地図の通りです(地図はWikipediaより, 著作権はPublic Domain, クリックで地図拡大)。

705pxchina_liaoning_2

 中国初の空母「遼寧」は9/25(火)以降の人民日報各報道によりますと、25日午前に中国船舶重工集団公司・大連造船廠にて海軍に正式に引き渡されたとしています。

Varyag_during_refitting(上の写真は中国版Wikipediaより改修中のワリヤーグ 写真撮影者はYhz1221氏 クリックで画像拡大)

この動画はYouTubeに投稿されたCCTVの空母「遼寧」に関する報道 特徴がよく分かり、本物かモックアップかは分かりませんがJ-15の尾翼も映っています(動画の2分06秒~2分08秒)。

以前より当ブログでも中国の空母に関して数回記事を執筆しました。

「中国が空母5隻建造へ 初の空母は2015年に行動」と中国網がAFP報道を引用し報じる 2010年11月28日 (日)

中国空母ワリヤーグが海上公試運転か 2011年02月02日(水)

2011年度「日米安全保障協議委員会」(2プラス2)と中国空母ワリヤーグ最新動向 2011年6月25日 (土)

中国空母ワリヤーグが海上公試運転 2011年08月12日(金)

 2012年09月29日(土)01:52PMのDefense Newsの記事"Images Provide Clues to China’s Naval Might(映像が中国の海軍力の手掛かりを与える)"に幾つかの有識者の分析が掲載されていますので下記にそれらの一部を抜粋し翻訳します。

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Western analysts began dissecting photos and videos posted by the country’s state-controlled media. Some believe the images raise the possibility that Liaoning might be closer to fielding a carrier-based fighter jet capability than previously thought, while others are unconvinced.
西側の分析官は中国国営メディアにより投稿された写真や動画を解析し始めた。「遼寧」が以前に考えられていたよりも艦上戦闘機を展開することに近づいていると何人かは信じるが、その一方で疑問視する声もある。

In the past, photos of what appeared to be the Shenyang J-15 Sea Shark fighter, a variant of the Russian Sukhoi Su-33, on the deck of the carrier were dismissed by analysts as mock-ups. No photos or videos have been seen of a fighter landing on or taking off from the carrier, but images and video from the induction ceremony show skid marks on the flight deck. A video also shows what appear to be the tail wings of two J-15s in the hangar deck.
ロシア戦闘機Su-33の系列である瀋陽J-15海鮫戦闘機が甲板上にあると見られる写真はモックアップであろうと分析家により過去に否定されている。戦闘機が空母に発着艦している写真や動画は見られたことがないが、就役式の画像と動画では甲板上にブレーキ痕が見られる。動画ではハンガーデッキに二機のJ-15の尾翼に見えるものが映っている。

Chinese media have consistently reported that the new carrier would be used primarily as a training platform and “to practice how to integrate with a combined task force,” said Gary Li, an analyst at U.K.-based Exclusive Analysis. Whether real aircraft or mock-ups, the presence of the planes on the ship indicates the Chinese are likely already — at the very minimum — practicing plane-handling techniques on the first-of-its-kind carrier.
「中国のメディアは新型空母は訓練用の基盤として合同任務部隊をどの様に統合運用するか演習する為に使われると常に報道してきた」と英国のExclusive Analysis社の分析官であるGary Li氏は述べた。機体が本物であろうがモックアップであろうが、艦上の機体の存在は中国が既に、最低でも、機体で演習し、最初の空母で技術を学んでいることを意味する。

According to Chinese state-controlled media, Liaoning is outfitted with state-of-the-art weapons, including a 150-kilometer-range active phased array radar capable of tracking 200 air targets; a 250-kilometer-range Sea Eagle surface-search radar; a 10-kilometer-range Red Flag 10 (FL-3000N) anti-missile system; and a two-kilometer-range 30mm 1030 automatic cannon for anti-ship missiles.
中国国営メディアによると、「遼寧」は200の航空目標が追跡可能で150Kmの探知距離であるアクティブフェーズドアレイレーダー、250Kmの探知距離であるシーイーグル海上捜索レーダー、10km射程距離のレッドフラッグ(FL-3000N)対ミサイルシステム、対艦ミサイル対処用の2km射程距離の30mm1030機関砲を含む最新鋭兵器を備えている。

Besides the J-15, other aircraft could include the Zhi-8 transport helicopter and Kamov Ka-28 anti-submarine warfare (ASW) helicopter.
J-15以外にもその他の航空機としてZhi-8輸送ヘリ、カモフKa-28対潜ヘリも含むかもしれない。

“It is clear from certain pictures taken by the Chinese press in and around the carrier during the induction ceremony that there has been testing of the J-15 on the Liaoning,” Li said. “Tire marks on the runway suggest taking off and landing during sea trials, and one cameraman even managed to capture a J-15 test plane in the below deck hangar.”
就役式で空母の内部と周辺で中国の報道陣が撮影したある写真から「遼寧」でJ-15の試験が実施されたのは明らかだ」とLi氏は述べた。「滑走路上のタイヤ痕は海上公試中の離着陸を仄めかすものであり、一人のカメラマンはデッキハンガー下のJ-15試験機を撮影することに成功した。

But not everyone is convinced.
しかし全員が納得しているわけではない。

“I’m having trouble believing they’ve actually landed J-15s on this thing,” said Roger Cliff, a China military specialist at the Project 2049 Institute. Skid marks on the deck could be “touch-and-go” landings.
「彼らが実際にJ-15をこれに着陸させたとは私は信じがたい」とプロジェクト2049研究所の中国軍事専門家であるRoger Cliff氏は述べた。甲板上のブレーキ痕は「タッチアンドゴー」着陸かもしれない。

Touchandgo_landing

(上の図はWikipediaよりタッチアンドゴーの解説図, 著作権はPublic Domain, クリックで図解拡大)

“The skid marks are well forward of where the arresting gear is,” he said. There is the possibility that they are also practicing takeoffs at sea.
「ブレーキ痕がアレスティングギアの遥か前にある」と彼は述べた。海上での離陸を練習している可能性がある。

800pxfa18_trap
(上の写真はWikipediaよりアレスティング・ワイヤーを利用して空母に着艦中のF/A-18戦闘機, 著作権はPublic Domain, クリックで画像拡大)

“They could put J-15 prototypes, or even J-11s [Su-27], on the ship with a crane, take the ship out to sea, and practice taking off, landing back on dry land,” he said.
「彼等はJ-15のプロトタイプまたはJ-11(Su-27)すらをクレーンで艦上に載せ、出航し、離陸の演習をし、地上に着陸することが出来るのではないか」と彼は述べた。

Li said the J-15 is just one piece of the puzzle China needs to figure out. “The lack of an early warning aircraft like the E-2 Hawkeye, even though a prototype has been spotted recently, and not enough dedicated ASW assets to go around in the form of Ka-28s [ASW helicopters], will mean that the Liaoning is not going to be conducting carrier operations in the true sense of the word for some time,” Li said.
J-15は中国が解決すべき課題の一片に過ぎないとLi氏は述べた。 「最近プロトタイプが目撃されてはいるが、E-2ホークアイの様な早期警戒機の不足やKa-28(ASWヘリコプター)の形態でのASW特化装備の不十分さは、「遼寧」が純粋な意味での空母として暫くは稼働しないことを意味する。」とLi氏は述べた。

(引用及び翻訳終了)
-------------------------------------------------------------------Shenyang__j15_flying_shark(上の写真は中国版WikipediaよりJ-15, 写真撮影者はNachomdqcor氏, クリックで画像拡大)

 2012年09月28日(金)10:18の読売新聞の報道「中国、南シナ海に空母戦闘群・・・7~8年後めど」によりますと軍関係筋の話としまして「遼寧号はまず、北海艦隊の司令部がある山東省青島の海軍基地を拠点に本格的な試験航行と訓練、整備に入り、将来的には南海艦隊(司令部・広東省湛江)に組み入れる予定」とのことです。この情報が正しいとしますと、当初は東シナ海で方面で、そこからから南シナ海方面に配備されることがわかります。これは周辺諸国にとって心理的には脅威です。

下はGoogle Mapより山東省青島

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下の地図はGoogle mapより広東省湛江

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内容的には当ブログの前述の過去記事で論じてきたこととほぼ同じ内容となっています。即ち中国の空母は実戦に投入可能な段階にはなっていませんし、また引用記事後半にもありますが日米両国には到底太刀打ちが出来ないものです。

 その一方で引用記事の後半にもありますが、フィリピンやベトナムなどにとっては大きな脅威となり得るとも考えられます。また軍事的な意味よりも政治的な意味合い、即ち中国海軍が今後はブルーウォーターネイビーとなることがより大きな意味合いなのです。中国は空母を保有する目的を明確化することにより、不要な中国脅威論を鎮静化させることが出来るでしょう。

3.謎の新型ステルス機

 このステルス機に関しましては深いベールに包まれており、名称すらも分かりません。J-20に次ぐ新たな第二のステルス戦闘機です。J-20に関しましては当ブログにて以前にも記事を執筆しました。

中国第五世代戦闘機と思われる機体の画像がネットに掲載 2010年12月31日 (金)

中国ステルス戦闘機J-20プロトタイプが初飛行 2011年1月12日 (水)

 第二の謎のステルス機(と思われるもの)は当初はYouTube等に投稿されました。今回の機体と同一機種であるかは分かりません。
 Defense Newsの2012年09月19日(水)の記事"China Unveils Another Stealth Fighter During Panetta Trip(パネッタ長官訪中時に中国が新たなステルス機を公開)"は下記の通り報じています。

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It is unclear if the appearance of the photos was timed with Panetta’s trip, but the first photos of the Chengdu-built J-20 Black Eagle appeared the same week as former Defense Secretary Robert Gates’ visit to China in January 2011.
パネッタ長官訪中に合わせて写真が公開されたかは分からないが、2011年1月のRobert Gates前長官の訪中時と同じ週に成都市のJ-20 Black Eagleの最初の写真が現れた

The new photographs show a twin-engine stealthy fighter with the number 31001 painted on its nose.
新たな写真には機首に31001の番号が塗装された双発のステルス戦闘機が映っている。

The number suggests it is the J-31 Falcon, said Richard Fisher, an Asia military affairs analyst at the Washington-based International Assessment and Strategy Center, but various Chinese-language blogs are debating the designation; with some suggesting it is the J-21 Snowy Owl built by Shenyang Aircraft Corp. (SAC).
番号からJ-31 Falconではないかとワシントンにある国際評価戦略センターのアジア軍事分析官のRichard Fisher氏は述べるが、様々な中国語のブログが名称を議論しており、幾つかは瀋陽飛機工業集団(SAC)製J-21 Smowy Owlではないかとしている。

Photos of the new stealth fighter indicate it is smaller than the J-20 and lacks the forward canards, said Roger Cliff, a China air force analyst at the Project 2049 Institute.
新たなステルス機の写真からJ-20より小さく前部のカナードがないことが分かるとプロジェクト2049研究所の中国空軍分析者のRoger Cliff氏は述べた。

Cliff suspects the J-31 might actually be the J-21.
Cliff氏はJ-31とは実際にはJ-21ではないかと推測する。

“The J-20 and J-21 could represent a high-low mix like the U.S. F-22 and F-35, the twist being that people have noted that the relatively large J-20 might be better for performing strike missions, like a modern version of the F-111, while the smaller-but-still-twin-engined J-21 might be better for air-to-air combat,” he said.
「J-20とJ-21は米国のF-22とF-35の様にハイローミックスを表すのかもしれず、混乱するのは比較的大型のJ-20は現在のF-111の様な攻撃作戦を実施するのに適しており、より小型ではあるが双発のJ-21は空戦に適していると人々は考えている点である。」と彼は述べた。

An alternative possibility, Cliff said, is that the new fighter is intended for purely export, “which would explain why they have been at such apparent pains recently to make sure that people know about it.”
その他の可能性として、新たな戦闘機は輸出専用を意図しており、「人々が周知するように明らかに彼等が努力していたことの説明がつく」とCliff氏は述べた。

(引用及び翻訳終了)
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 この機体に関してはJ-20もそうですが、あまり詳しいことは分かりません。J-20はRobert Gates国防長官訪中時(当時)に初飛行が実施されており、今回のJ-21ないしはJ-31のインターネット上での画像流出もLeon Panetta国防長官の訪中時に発生していることから、何らかの意図は感じられます。

 具体的な画像と爆装を搭載した迫力のあるCGがロシアのニュースサイトRussia Todayの2012年9月18日(火)14:05分の記事に掲載されていました。必見の価値があります。

 ステルス戦闘機開発に関しましては日本は中国に一歩も二歩も先を越されていると言えるでしょう。ただJ-20や今回の機体がAESAレーダーを搭載しているか、sensor fusion、Network-Centric Warfareなど第五世代戦闘機のその他の特徴を有しているか否かはまた別の問題と言えるでしょう。

 尖閣諸島を巡る対処などを含め、中国の一連の対応に米国は抑止力を強化する構えを見せています。今後も緊張が続くかもしれません。

「F35、嘉手納配備を示唆=米国防副長官」2012年10月4日(木)6時47分配信 時事通信

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