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2012年10月27日 (土)

JA2012国際航空宇宙展に於ける各メーカー表明事項-後半-国内メーカー動向編

1.はじめに

 前回の記事ではJA2012国際航空宇宙展にて判明しましたボーイング社関連の情報を採り上げました。今回はその他の国内メーカー関連の明らかになった各報道に関して執筆したいと思います。

2.三菱重工とLockheed Martin社の提携について

 私が国際宇宙展開催中に明らかとなった情報で最も興味深いと感じましたのは2012年10月13日0:30の日経新聞の報道「米ロッキード、日本で「F35」修理へ 三菱重工のライン活用」です。(同記事PDF版)

 この記事によりますとLockheed Martin社が「在日米軍向けの修理・維持整備に関しても」、「機体を分解しての修理・整備で、三菱重工業の最終組み立てラインを活用する計画。東アジア地域の米軍だけでも250機程度のF35が配備されるとみられ、国内防衛産業への波及効果」があり、「一部部品のライセンス国産が始まれば、日本企業が製造した部品などを供給してもらうことも視野に」あり、「アジア地域に展開する米軍機の修理・維持整備にも日本がかかわることになれば、部品製造や実際の整備作業にかかわる国内の防衛産業の仕事も大きく増える。」としています。Dscf0403(上の写真は筆者がJA2012会場で撮影の日の丸F-35A模型 クリックで写真拡大)

 その一方でこの記事に関しまして不明であったのはLockheed Martin社の従業員が三菱重工の設備を活用してF-35のメンテナンスを行うのか、それとも三菱重工に修理・整備を委託するのかです。この記事ではどちらとも解釈が出来ます。記事前半ではLockheed Martin社が「三菱重工業の最終組み立てラインを活用する計画」との主旨ですが、後半は「日本がかかわることになれば、部品製造や実際の整備作業にかかわる国内の防衛産業の仕事も大きく増える。」と書かれているのです。

 因みに以前の当ブログの記事「Lockheed Martin社長インタビューに思うこと」2011年11月20日 (日)では日経新聞のインタビューで「F35の日本での組み立てが始まれば、米、イタリアに次ぐ3つ目の組み立て拠点となる」、「武器輸出三原則が緩和された場合、日本で組み立てられたF35が他国に納入されることもあり得る」と述べた旨は紹介しました。

 いずれの場合であっても日本の防衛産業にはマージンが入ることとなり、利益面ではメリットがあると私は考えます。

 三菱重工とLockheed Martin社の提携に関しましては2012年10月10日(水)10:38のFlightglobalの記事"Lockheed Martin working with Mitsubishi on F-35 line (「Lockheed Martin がF-35ラインで三菱と提携」)"にも書かれていますので下記に一部抜粋と翻訳を行います。
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Lockheed Martin is working with Mitsubishi Heavy Industries on a local final assembly and checkout line for the F-35.
Lockheed Martin社は三菱重工とF-35の日本国内に於ける最終アセンブリ及び検品ラインで提携をしている。

The first Japanese-produced F-35 is scheduled to roll off Mitsubishi's Nagoya line in 2017, says John Balderson, director of Japan F-35 business development for Lockheed Martin.
日本で製造された最初のF-35は三菱の名古屋ラインから2017年に出荷される予定であるとLockheed Martin社の日本F-35商業開発部長であるJohn Balderson氏は述べる。

Balderson says a team from Lockheed will be assigned to work with Mitsubishi as it develops its F-35 production capabilities. It will comprise engineers specialising in areas such as tooling, quality and production.
三菱がF-35生産能力を発展させる為に、Lockheed社からのチームが三菱との共同作業に任命される予定だとBalderson氏は述べた。それは機器、品質、そして生産等の分野を専門とする複数の技術者で構成されるであろう

Meanwhile, Lockheed is assisting Mitsubishi in the refurbishment of F-2 fighters that were seriously damaged in the Fukushima earthquake and tsunami of 2011. Footage at the time of the disaster showed several F-2s being washed along the apron at Matsushima air base.
その一方でLockheedは2011年の福島地震と津波で大破したF-2の修理で三菱を援助している。災害時の映像記録では複数のF-2が松島基地のエプロンに沿って流された映像が映っていた。Dscf0404(上の写真はJA2012会場のLockheed Martin社ブースに展示されていた筆者が撮影のF-2A模型 何故かエアインテーク下にスナイパーXRポッドが装着されている。また模型の奥のドアに"F-35 Demonstrator"の表示が見える。このことから会場にF-35のシムが持ち込まれていたと推測出来る。 関係者のみに開示か。クリックで写真拡大)

(下の写真はJA2012会場の三菱重工のブースに展示されていた筆者が撮影のF-2A模型 クリックで拡大)Dscf0430
(引用及び翻訳終了)
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 以前の当ブログの記事「Lockheed Martin社が日本側に生産技術全面開示の意向を表明」(2011年11月 5日 (土))ではフィリップ ジョーガリオ副社長が日刊工業新聞とのインタビューで「日本の技術者を当社工場に受け入れて研修をする。一方、日本の工場に技術者を派遣し、設備導入などを支援する。第1期目の4機は当社で組み立てて納める。2期目から日本での最終組み立てに移行したい」と述べたむねを紹介しました。このFlightglobalの記事で触れられているのはフィリップ ジョーガリオ副社長が述べていた「一方、日本の工場に技術者を派遣し、設備導入などを支援する。」の部分であると思われます。いずれにしましても将来的に日本がアジア地域に於けるF-35Aの一大整備拠点となることは間違いがありません。もし韓国がF-35Aを導入した場合は、三菱重工の拠点にて整備・修理されるのかは興味深いところでしょう。

3.川崎重工のYCX(C-2民間向け)計画

 川崎重工のYCX構想に関しまして2012年10月09日(火)03:16のFlightglobalの記事"Kawasaki seriously exploring commercial potential of C-2 airlifter (川崎が真剣にC-2貨物機の商業潜在性を探求する)"にて報じられていますので、これに関しましても下記に記事本文の一部抜粋と翻訳を行います。
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(下の写真はJA2012会場の川崎重工のブースに展示されていた筆者が撮影のXC-2の模型 クリックで拡大)Dscf0368Kawasaki is consulting potential customers to gauge the level of interest in developing a civilian freighter variant of its C-2 military transport aircraft.
C-2軍用輸送機の民間輸送型の開発への興味の度合いを計る為に、川崎は潜在的な顧客にコンサルティングを実施している 。

(下の写真はJA2012会場の川崎重工のブースに展示されていた筆者が撮影のYCXのイメージ クリックで拡大)Dscf0366The twin-engined YCX would have a maximum takeoff weight of 141t, equivalent to the Airbus A400M, and double that of Lockheed's L-100, the commercial variant of the C-130 tactical transport.
二基エンジンのYCXは最大離陸重量が141tとなり、エアバスA400Mと同等でLockheed社製C-130戦術輸送機の民生用であるL-100の二倍である。

Its cargo hold is 4.29m high, considerably larger than that of commercial cargo aircraft such as the Boeing 747-400F, says Kawasaki.
川崎は同機の貨物室は4.29mであり、ボーイング社製747-400F等の民間輸送機より遥かに大きいとしている。

Sales literature distributed at the Japan Aerospace show in Nagoya indicates that the YCX would be capable of transporting two General Electric GE90 turbofans, a single Sikorsky S-60 helicopter, or other bulky cargo.
名古屋での航空宇宙展で配布された販売パンフレットではYCXは二基のGE90ターボファンかSikorsky S-60ヘリコプターまたは不定形貨物の輸送が可能であると書かれている。

(下の写真はJA2012会場の川崎重工のブースに展示されていた筆者が撮影のYC-Xの模型 クリックで拡大)Dscf0364With a maximum payload of 30t, the YCX would be capable of travelling 3,080nm (5,700km).
最大ペイロードである30tでは、YCXは3,080nm (5,700km)の飛行が可能である。

Kawasaki says feedback from customers has praised the choice of General Electric CF6 engines to power the YCX.
川崎によるとYCXの動力としてGeneral Electric社のCF6エンジンを選定したことへの顧客からの反応は上々であった。

Kawasaki sees demand for up to 100 freighters capable of handling awkward cargoes between 2020 and 2030.
川崎は2020年から2030年の間に不定形貨物の輸送が可能な貨物機の重要は100機と見る。

(引用及び翻訳終了)
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 このFlightglobalの記事では触れられていませんが、ボーイング767や747で実績のあるGeneral Electric社のCF6エンジンを搭載したことにより、巡航速度が890km/hと民間の旅客機とほぼ同等であり、それにより民間の旅客機と同じ高度や航路を活用して目的地への迅速な輸送を可能としています。

 現段階では具体的な引き合いの話はなく、マーケティング段階にあると言えるでしょう。YCXとしての実際の機体がなく、大きな実績もまだありませんので、そこは官公庁サイドで実績を作りサポートする必要性があるのかもしれません。

4.新明和工業(株)製US-2

Dscf0422(上の写真はJA2012会場の新明和のブースに展示されていた筆者が撮影のUS-2の模型 クリックで拡大)

次は実績があり、具体的な引き合いもあるトピックです。これに関しましてもFLightglobalに記事が掲載されていました。2012年10月09日(火)10:32の記事"ShinMaywa looks to India for US-2 amphibian sales(新明和がUS-2飛行艇販売でインドに注目)"です。下はその記事の内容一部抜粋と翻訳となります。
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Japanese airframer ShinMaywa is confident Japan will order a sixth US-2 amphibious search and rescue (SAR) aircraft within the next two years, and is optimistic about the type's chances in an Indian navy requirement for nine amphibious aircraft.
日本の機体メーカーである新明和は日本が6機目のUS-2救難(SAR)飛行艇を二年以内に発注する事に自信があり、インド海軍の9機の飛行挺の要求に同機が選定される可能性に楽観的である。

In January 2012, New Delhi issued a request for information for nine amphibious SAR aircraft. India's requirement could eventually be expanded to total 18 aircraft.
2012年1月にインド政府は9機のSAR飛行艇導入の為の情報要請を発令した。インドの必要数はやがて計18機まで増加する可能性がある。

Ishimaru says the US-2 is uniquely suited to flying long-range SAR missions in support of military operations. Powered by four Rolls-Royce AE2100J turboprops - the same powerplant used by the Lockheed Martin C-130J tactical transport already operated by the Indian air force - the Japanese type has a maximum range of 2,540nm (4,700km) and can take off and land in 3m (10ft) swells.
(新明和の航空機部門責任者である)石丸氏によると、US-2は軍事作戦の支援に於いて長距離SAR飛行に特化している比類のなき程に適していると述べる。既にインド空軍により運用されているLockheed Martin社製のC-130J戦術輸送機と同じ動力装置である四基のロールスロイス社製AE2100Jターボプロップエンジンにより駆動されている同機種は、最大で2,540nm (4,700km) の航続距離を有し、3m(10ft)の波で離着陸が可能である。

Dscf0427(上の写真はJA2012会場の新明和のブースで放映されていた筆者が撮影のUS-2の東京からの航続距離の画像 クリックで拡大)

(下の写真はJA2012会場の新明和のブースで展示されていた筆者が撮影のUS-2の特徴やスペックの解説 クリックで拡大)Dscf0420

In addition to its 11-man crew, the US-2 can carry 11 passengers. In pure troop-transport configuration it can carry 30 fully-equipped soldiers.
11人の乗員に加えて、US-2は11人の乗客輸送が可能である。部隊輸送仕様の場合は30人の完全武装の兵士を輸送可能である。

(引用及び翻訳終了)
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 US-2のインドへの輸出に関しましては以前にも当ブログにて記事を執筆したことがありました。

「海自飛行艇を民間転用、インド輸出想定 防衛省承認へ」2011年7月 6日 (水)

 この時はインド輸出の具体的な機数は分かりませんでしたが、今回のこのFlightglobalの記事で9機から18機であることが新たに判明しました。また海外ユーザー納入後のサポート体制に関しまして下の様な掲示に「パケージ型インフラ輸出」との記載がありましたがその具体的な内容は判然としません(左下にバリエーションによる航続距離の違いが明記されていることにも注意 消防飛行艇の場合は燃料タンクを8区画の水タンク(15t)に変換している為、航続距離が2300Kmとなる クリックで写真拡大)Dscf0421(下の表は新明和の公式ホームページよりUS-2とライバル機種との比較

Us2_cl415_and_be200国内需要を含めましても販売機数は二桁程度でしょうか。

5.さいごに

 YCXとUS-2に関しましては海外輸出の大口需要が見込めるという訳ではないかもしれません。それはこれらの機首のニーズが一部の特殊な用途に留まる為であると考えられます。しかし、これらの特殊な用途から少しずつ実績と経験を築いていくことは可能であり、また現実的な選択肢なのかもしれません。

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