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2012年10月12日 (金)

米空軍T-38練習機の後継機に国際共同開発構想?

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(上の写真は筆者にてある日に某所で撮影のT-4練習機, クリックで拡大)

 2012年2月29日 (水)に「T-4後継に必要とされる要素とは」との記事を私は当ブログで執筆し、その中で米空軍がT-38の後継を検討しておりイタリアや韓国や米国メーカーが名乗りを上げていること、米空軍が空中給油や5Gを超える空中機動等がF-35やF-22のパイロット教育に必要であると考えていること、米空軍の練習機選定レースは日本がT-4後継を判断する上で参考材料となる可能性があることを執筆しました。

 米空軍のT-38練習機の後継問題に関連して、マングース氏がブログ「東京の郊外より」で2012年10月03日05:00付けで「米国防省が練習機の国際共同開発推進か!? [米空軍]」との興味深い記事を執筆されています。この記事で関係者がT-38後継の国際共同開発を行う可能性を示唆したとマングース氏は述べています。

 このマングース氏のブログ記事のソースはAirforce magazineの2012年9月24日(月)の記事"Perhaps an Opportunity(恐らくは機会である)"に掲載されていますHeidi Grant空軍次官代理の発言です。

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(上の写真は米空軍公式サイトよりHeidi Grant空軍次官代理 米空軍の方針により配布自由) 

下記にその発言の一部抜粋と翻訳を行います。
-------------------------------------------------------------------
Over the past 10 years, 1,500 international students have trained in some version of the T-38?a number that doesn't even include students trained outside the United States, said Grant on Sept. 17 at AFA's Air and Space Conference in National Harbor, Md.
9月17日のメリーランド州ナショナルハーバーでの米空軍協会の航空宇宙会議でGrant氏は過去10年以上に亘り、1500人の海外の学生がT-38で訓練しており、そしてそれは米国外での数を含んでいないと述べた。

But the T-38 will "sooner rather than later" reach the end of its service life, she said. With the Air Force's plans for a T-38 replacement on hold, there may be a chance for the United States and international partners to work together to develop, field, and operate a next-generation trainer, said Grant.
しかしながらT-38は近いうちに寿命の終わりを迎えると彼女は述べた。空軍のT-38後継計画が宙に浮く中で、米国及びパートナー諸国が次世代練習機を開発し、配備し、運用する機会があるかもないとGrant氏は述べた。

She lauded the decades-long relationships developed by nations working together on the F-16 program, and the F-35 has an even more international flavor.
彼女はF-16計画での多国籍での共同作業により培われた数十年に亘る関係を賛美し、F-35はそれすらを上回る国際共同の気配がする。

In time of austere budgets, can the United States and its partners field a program together, more efficiently and more effectively than the United States could alone? "We have proven, over and over, it is possible," said Grant.
厳しい予算の中で、米国のみで行うよりもより効率的にそしてより効果的に、米国とパートナー諸国がプログラムを共同で展開し得る。「幾たびもそれが可能である事を我々は証明した」とGrant氏は述べた。

(引用及び翻訳完了)
------------------------------------------------------------------- 021203o9999g011(上の写真は米空軍公式サイトよりT-38 米空軍の方針により配布自由 クリックで画像拡大)

 まんぐーす氏は日本が武器輸出三原則を緩和したことから、この共同開発に日本が参加を強いられる可能性を指摘しています。しかし私は話はそう単純であるとは考えません。ここで「「防衛装備品等の海外移転に関する基準」についての内閣官房長官談話 平成二十三年十二月二十七日」を再び参考にすることとします。そこには「我が国の安全保障に資する防衛装備品等の国際共同開発・生産に関する案件については、我が国との間で安全保障面での協力関係がありその国との共同開発・生産が我が国の安全保障に資する場合に実施することとし、当該案件への参加国による目的外使用や第三国移転について我が国政府による事前同意を義務付けるなど厳格な管理が行われることを前提として、防衛装備品等の海外への移転を可能とすることとする。」との文言があるのです。

 米空軍の練習機となりますと世界各国に広く輸出される可能性が極めて高いと言えるかもしれません。もしそれが軽攻撃機としての役割を兼ねることが可能な機体であるならば尚更です。そうだとしますと当該案件への参加国による目的外使用や第三国移転について我が国政府による事前同意を義務付ける」との日本政府の方針は制約となる可能性が高いと考えます。

 Heidi Grant空軍次官代理のコメントでF-16とF-35が多国間共同プロジェクトとして言及されています。F-16とF-35はLockheed Martinがプライムコントラクターです。

Lockheed Martin F-16

Lockheed Matin F-35

またLockheed Martinはもう一機種の第五世代戦闘機であるF-22のプライムでもあります。

Lockheed Martin F-22

 以前の記事「T-4後継に必要とされる要素とは」で米空軍が空中給油や5Gを超える空中機動等がF-35やF-22のパイロット教育に必要であると考えていることは既に冒頭で述べました。また韓国が名乗りを上げている事もです。韓国はT-50を米空軍の次期練習機として売り込んでいます。そしてT-50はLockheed Martinも開発に参加しており、Lockheed Martinの公式ホームページに掲載されているのです。

Lockheed Martin T-50

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(上の写真はWikipediaよりT-50の模型 画像のソースは Konflikty.plより クリックで画像拡大)

 そのLockheed MartinのT-50に関するホームページにはこうあります。

-------------------------------------------------------------------
the F-22 Raptor and the F-35 Lightning II – the world’s only 5th Generation Fighters. These modern aircraft require pilot skills that current trainers cannot address. The T-50 delivers a total advanced training system that will bridge the gap between basic flight training and high-performance fighters.
F-22ラプター及びF-35ライトニングIIは世界で唯一の第五世代戦闘機です。これらの新鋭機は現行の練習機では扱えないパイロットの技能を要求します。基礎的な飛行訓練と高性能戦闘機の間にあるギャップを補う総合的な先進訓練システムをT-50は提供します。

(引用及び翻訳終了)
-------------------------------------------------------------------
 
 Heidi Grant空軍次官代理の「次世代練習機」の要求事項は判然としません。しかし新たな機体を多国籍で共同開発するのであれば、それは大きな商機と言えるでしょう。日本もF-35を導入し、Lockheed MartinとF-2を共同開発しました。

Lockheed Martin F-2

 米国がT-38の後継を必要としているのであれば、それは日本としてチャンスを逃すすべはありません。日本は世界が必要とする先進技術を数多く有しているのです。それを有効活用出来なければ、日本の国際競争力は衰退していくでしょう。

「原発めぐり国際受注競争激化 有望市場のトルコ 後手に回る日本」(2012年8月5日07:00 産経新聞)

<ノーベル賞>医学生理学賞に山中伸弥氏 iPS細胞作成(2012年10月8日(月)18時39分配信 毎日新聞)

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コメント

マングース氏は共同開発を強いられた結果
「人も育たず、士気も低下する組織になる」
という否定的な味方をされていますが
F-2パイロットや海自BMD部隊の錬度・士気が低いという情報はありません
また共同開発でさえ隊員士気や人材育成に悪影響を及ぼすならば、完全外国製品のライセンス生産はそれ以上に悪であるはずですが
空自のF-15Jパイロットは世界的にも類を見ない技量と士気を誇っています
仮に日本が開発に参加するLIFT機が米空軍および同盟諸国の訓練機になるなら
その巨大市場をみすみすM346やあまつさえT-50に明け渡してしまうよりは
よほどマシ、とも思えます

 素人目に感じた疑問点を挙げてみます。
・練習機開発の技術的ハードルは低く、新興国でも可能(基礎技術の無い韓国のような国でもない限り)。
・前項により、練習機開発への投資額は新興国でも負担可能な程度。
・米国以外の他国はホークやM-346やT-4など、優秀な機体を独自に持っている(アビオニクスのアップデートで事足りる)。
・多国間開発は船頭多くして(ryの問題を伴う上、前3項と併せてメリットが低い。
・大人の事情として、ノースロップ・グラマンは有人航空機プライムとして先細りだけどこのまま有人機分野を切っていいのか?という疑問。NGは防衛企業として造船分野で最大手である一方、航空機分野ではステルス技術もあり(YF-23,X-47,etc)、UAV分野でも最大手(RQ-4,etc)ですが、有人機ではE-2Dなど既存機の改良くらいです。KC-45もポシャりました。

 結局米軍の練習機調達は機数の関係で総事業費は巨大ですが、開発投資は限定的で技術的ハードルも低く、ローリスクハイリターンな事業と言えます。こんなおいしい案件で、果たして本気で国際共同開発なんてハイリスク・ローリターンなことをするでしょうか?KC-Xのコスい結末を見ても、まず無いでしょう。だとすると今回の国際共同開発のお話は、専ら既存機を選択肢から排除するためのアドバルーンではないかと思えてしまうのです。空軍次官代理っていうのもかなり微妙な役職に思えます。

ほぼ上記の人と同意見で否定的です。

2012年10月13日 (土) 06時38分様
そういった動向があるのであれば、私もチャンスは活かすべきだと思います。

だ様、 2012年10月19日 (金) 06時01分様
>「多国間開発は船頭多くして」
私も全くその通りだと思います。余りにも多国籍になりますと、要求性能が多岐に渡りわたり、開発が混迷する可能性もあります。もし共同開発を行うとしましても二国間であることが最も望ましいと言えるでしょう。そしてそれが相互のドクトリンに合致するかです。
米空軍のT-38後継機の場合は、F-22とF-35のパイロット候補養成も兼ねて下記のスペックが要求される見込みです。
F-22とF-35のレーダーや電子戦システムをシミュレートすることが可能であること
少なくとも20°の迎え角で機動することが可能なこと
空中給油(の訓練)が可能であること
ソース元 http://www.flightglobal.com/news/articles/lockheed-says-t-50-well-suited-for-usafs-next-generation-trainer-needs-377784/?cmpid=SOC%7CFGFG%7Ctwitterfeed%7CFlightglobal
ロッキード社は上記事項はT-50(の改修)で達成が可能と考えている模様です。

で、そのT-50の改修機に対して強みがある提案を出来るかと言うと…

2012年10月30日 (火) 19時07分様
こんばんは。はじめまして。今後とも宜しくお願い申し上げます。
私の説明不足により若干の誤解を招いてしまっているので再度説明をさせて頂けますでしょうか。

私の真意はもし共同開発の打診が米側からあった場合は、積極的に応じるべきであるということです。しかし問題はどの段階なのかです。

すなわちプライムの選定が争われている段階で名乗りを上げるのか、それともプライムが確定している段階でサブコントラクターとして参加するのかが問題なのです。私は後者のケースで米国から正式に打診があれば、積極的に参加するべきではないかと考えています。ただその場合は第三国への移転を厳しく制限する新三原則が問題となるかもしれません。

因みにボーイング社はこの様な機体を提案する模様です。
http://twitpic.com/b5tvne

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