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2013年7月

2013年7月16日 (火)

次期防衛大綱の三つの衝撃的検討課題

1.はじめに

 次期防衛大綱に関し様々な報道がありますが、今までとは明らかに性質がやや異なる動向が三件ほど報じられていますので、今回はそれらに関し執筆することとしました。

2.短距離弾道ミサイル(射程500km級)

 まずはじめは防衛省が短距離弾道ミサイルの開発の検討に入ったとのニュースです。

「陸自に短距離弾道弾 沖縄配備で尖閣防衛 防衛大綱盛り込みへ」(2013年6月26日 07:01 産経新聞)

 運用としては沖縄本島から運用し、尖閣諸島に着上陸を目指す中国海軍の航行を妨げるとの趣旨の模様です。日本版対艦弾道ミサイルと言えるでしょう。クラス的にはロシアの9K720「イスカンデル」ミサイルに近いかもしれません。

(下の画像はWikipediaよりイスカンデルM、クリックで画像拡大、CEPは5m~7mと驚異的な命中精度を誇る、重量3800kg, 全長7.3m, 直径0.92m, 移動式で飛行最終段階には回避行動を行い、ミサイル防衛システムをかいくぐるため囮を放出する。日本の最先端技術を応用すればこういった精度の高い弾道弾を開発することも可能でしょう)

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3.イージス艦2隻を追加導入の検討

「防衛省が弾道ミサイルを迎撃できるイージス艦2隻を新たに導入し、8隻態勢に増強する方向で検討している」旨を共同通信が報じました。

「防衛省、イージス艦8隻態勢に 2隻増、ミサイル防衛を強化」(2013/07/07 02:00 【共同通信】リンク先はWebCiteによる魚拓)

 イージス艦の追加導入は民主党政権時代の防衛大綱でも情勢により検討するとされていましたので、全くの想定外という訳ではありません。

「平成23年度以降に係る防衛計画の大綱について」(平成22年12月17日 安全保障会議決定 閣議決定 PDF)

「弾道ミサイル防衛機能を備えたイージス・システム搭載護衛艦については、弾道ミサイル防衛関連技術の進展、財政事情等を踏まえ、別途定める場合には、上記の護衛艦隻数の範囲内で、追加的な整備を行い得るものとする。」(同PDF19枚目 注2)

 まだ報じたのが共同通信のみに止まっていますのでこの報道が事実かどうかは判りませんが、しかしそうだとしますと気になるのが、平成24年度と平成25年度予算に盛り込まれました「はたかぜ」型DDG二隻の延命措置です。

過去関連記事

「防衛省平成24年度予算概算要求が公表される」(2011年10月 2日 (日))

「防衛省平成25年度予算概算要求が公表される」 (2012年09月16日(日))

(下の表は「我が国の防衛と予算-平成25年度概算要求の概要-」(PDF:2.9MB)より艦船関連の項目、 クリックで表を拡大、 赤線と赤丸は筆者によるもの)

Photo_2

 米国に於けるアーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦の開発・調達スケジュールの影響を受けているとも考えることも出来ます。即ち新型イージス艦の開発・実戦配備を日本側が待っている可能性があると私は考えるのです。

 2013年7月1日に議会に提出されました報告書(PDF注意)"Navy DDG-51 and DDG-1000 Destroyer Programs: Background and Issues for Congress"(「海軍DDG-51及びDDG-1000駆逐艦プログラム: 議会の為の背景と問題点」の2枚目には判り易く記述されていますので、下記に抜粋し翻訳します。
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The Navy’s FY2014 budget submission calls for procuring nine Arleigh Burke (DDG-51) class destroyers in FY2014-FY2018, in annual quantities of 1-2-2-2-2. The three DDG-51s scheduled for procurement in FY2014-FY2015, and the first of the two scheduled for procurement in FY2016, are to be of the current Flight IIA design. The Navy wants to begin procuring a new version of the DDG-51 design, called the Flight III design, starting with the second of the two ships scheduled for procurement in FY2016. The four DDG-51s scheduled for procurement in FY2017-FY2018 are also to be of the Flight III design. The Flight III design is to feature a new and more capable radar called the Air and Missile Defense Radar (AMDR).
海軍の2014年度提出予算は9隻のアーレイ・バーク(DDG-51)級駆逐艦を2014年から2018年の会計年度で各年に1隻、2隻、2隻、2隻、2隻の量で購入することを要求する。2014年から2015年の会計年度で発注する予定の3隻のDDG-51と、2016年度の会計年度で発注が計画されている2隻のうちの最初の1隻は現行のフライトIIAの設計である。海軍はフライトIIIと呼ばれるDDG-51設計の新型版の発注を望んでおり、2016年会計年度発注で予定されている2隻のうちの2隻目で開始となる。2017年から2018年の発注で予定されている4隻のDDG-51もフライトIII設計となる。フライトIII設計はAir and Missile Defense Radar(AMDR)と呼ばれる新型でより能力の高いレーダーを装備する。

(引用及び翻訳終了)
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 AMDRに関しては当ブログでも以前に執筆したことがありました。

「Lockheed Martin社がAir and Missile Defense Radarの動画を公開」(2012年2月22日 (水))

この動画Lockheed Martin社の公式アカウントがYouTubeに投稿したAir and Missile Defense Raderの性能に関する動画

 弾道ミサイル防衛と艦隊防空と個艦防衛を電子妨害下で同時に対処が可能な、クラッター処理能力に優れた、低空を飛行する低視認性目標も補足する新型レーダーと言えるでしょう。日本側はこのフライトIIIの開発終了と実戦配備を待っている可能性があるのです。予算が「1隻当たり2千億円近くになる」と共同通信は報じており、予算のねん出も課題となるでしょう。

4.艦載機としてF-35B導入を検討へ

 もう一つの大きな動きは日本がF-35Aに加えて、F-35Bの導入も検討しているとの情報です。これを報じたのはフジニュースでした。

「日本政府、艦載機として新たに「F-35B」導入を検討」(2013年07月14日 01:24 リンク先はWebCiteによる魚拓)

この報道は「日米防衛当局への取材」をソースとしており、また「海上自衛隊のヘリコプター搭載型護衛艦に艦載機として配備し、運用する」としています。これも現段階ではFNNが報じているのみであり、真偽のほどは明らかではありませんが、やがて公式ソースや海外からも情報が出てくる可能性があり、動向に注目したいと思います。「日本政府は、2020年代半ば以降の導入を目指し、検討している。」とのことです。

この動画はLockheed Martin社の公式アカウントがYouTubeに投稿したF-35BがLHD-1ワスプ強襲揚陸艦に発着艦する様子の動画)

しかし実際に導入するとなりますと、運用するのは海自となるのか空自となるのか、名古屋で生産しMHIが生産する部材が海外にも輸出されるのか、様々な疑問が浮かんできます。

5.さいごに 

 これらの課題はいずれも一部のマスコミが報じた「検討課題」ですので、具体化する前に立ち消えとなる可能性もあり、また仮に具体化した場合でも限られた予算の中でどう実現するのか興味が尽きないところです。今後の展開に注目していきたいところです。

 久しぶりの更新となりましたが、カウンターを見ますと総閲覧件数が100万件を突破しました。皆様のご閲覧を感謝をこめて御礼申し上げます。今後とも宜しくお願い申し上げます。

 

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